今年の日経平均は、まさに「節分天井・彼岸底」そのものでした。ところが、この格言を1950年までさかのぼって調べ直すと、本当にその形になった年は3回しかありません。では、なぜこの言葉はいまも語り継がれているのか。長期の値動きを1本のチャートに重ねてみると、天井でも底でもない、別のものが見えてきました。
- 節分の前後5営業日に1〜3月の高値をつけた年は、77年で8回(10.4%)。右肩上がりを考慮した「めやす」(作り方はのちほど説明します)9.5%とほぼ同じで、偶然と区別がつきませんでした。彼岸に安値をつけた年も18.2%(めやす13.1%)です。
- 節分の日、日経平均は1〜3月の値幅のちょうど真ん中(53.9%)にいました。彼岸の日は下から59.6%の位置——底どころか値幅の上半分です。
- ただし節分から彼岸までの32営業日だけ、上がる年の割合が51.9%に落ちます(手前は72.7%、あとは64.9%)。下がるのではなく、勝率が五分になる期間でした。そしてこの「踊り場」があったのは1950〜60年代で、それ以降は消えています。
- 判定:★★☆☆☆(ほぼ気のせい——通説どおりだったのは、昭和までだった)
- 節分=立春の前日、彼岸の中日=春分の日として、年ごとに天文計算で日付を出す(節分は2月2〜4日、春分の日は3月20日か21日に動きます)
- 「天井」「底」を4通りに定義して測り、いずれも右肩上がりを考慮した「めやす」と比べる。さらに節分をはさむ前後の期間と、年代別でも比較する
- 対象は日経平均株価の日次終値・1950〜2026年の77年。おまけとしてS&P500にも同じ計算をかけ、日本の暦の格言が米国株にも出るのかを確かめる。出典=Stooq、集計は私の自作です
そもそも「節分天井・彼岸底」とは
節分の頃(2月上旬)に高値をつけて、彼岸の頃(3月中旬)に安値をつける——証券会社の用語集にも載っている、古くからの相場の言い伝えです。年初から始まる新春相場が節分まで上昇し、そのあと3月決算を控えた調整局面に入って下げていく、という説明がよく添えられます。
実践のかたちに直すと「節分に売って、彼岸に買い戻す」。1〜3月をどう過ごすかの目安として、2月に入ると必ずと言っていいほど話題にのぼります。なお、3月末には配当の権利落ちという別の需給要因も重なりますが、そちらは#07「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?で扱っているので、この記事では節分と彼岸に絞ります。
日付が動く点は、意外と知られていないところがあります。節分は立春の前日なので2月2日の年も4日の年もありますし、彼岸の中日=春分の日も3月20日と21日を行き来します。この記事では毎年2月3日・3月20日で固定せず、年ごとに天文計算した日付を使いました。
もとは、米(こめ)の相場の格言だった
この格言はもともとお米の相場に由来すると言われます。江戸時代の米(こめ)取引で使われていた季節の目安が、のちに株式相場へ持ち込まれた、という説明ですね。生まれた場所が株式市場ですらない、という点は、あとで結論を考えるときに効いてきます。
結論から——平均すると、天井も底もありませんでした
まず、1950年から2026年までの1〜5月を、1本に重ねてみます。各年の大発会を0%として、そこからの値動きを平均したのが図2です。「平均すると、こう動いていた」という1枚ですね。
通説の言う山も谷も、そこにはありませんでした。節分の時点で+2.38%、彼岸の時点で+3.18%。天井のはずの節分は坂の途中にあり、底のはずの彼岸は節分より高いところにあります。上下が入れ替わっている、という言い方もできそうです。
念のため、「たった1日を当てにいく」以外の測り方でも確かめました。1〜3月の値幅を0〜100とすると、節分の日の終値は平均53.9%の位置。ちょうど真ん中です。彼岸の日は59.6%で、下半分にすら入っていません。さらに厳しい見方として「前後1か月のうち最も高い日だったか」を数えると、節分がそれに当たった年は77年で0回でした。
なお図2で5月以降を描いていないのは、そこから先が「セルインメイ」という別の格言の領分になるからです。5月からの季節性は#02「セルインメイ」は本当か?で検証しています。
本題——通説が感じ取っていたのは「踊り場」だった
では、この格言は何を見ていたのでしょうか。図2をもう一度見ると、節分から彼岸までの区間だけ、線が平らになっています。1日あたりの傾きにすると、節分の手前が+0.113%、節分から彼岸が+0.025%、彼岸のあとが+0.086%。全期間の平常ペース(+0.031%)すら下回るのは、この真ん中の区間だけです。
そこで、節分をはさむ3つの期間を同じ長さ(32営業日)に揃えて比べました。「節分の手前」「節分→彼岸」「彼岸のあと」の3本立てです。
数字ははっきり分かれました。節分の手前は4年に3年(72.7%)上がるのに、節分から彼岸は51.9%。ほぼコイン投げです。そして彼岸を過ぎると64.9%に戻ります。平常時の32営業日(59.3%)と比べても、この区間だけが沈んでいます。
面白いのは、値動きの大きさは何も変わっていないことです。日次騰落率の絶対値の平均は、節分→彼岸が0.851%で、全期間の平均0.850%とほぼ同じ。上がった年の平均も+6.50%で、手前の区間(+7.09%)とたいして違いません。下がった年の平均も−5.33%と−5.69%で、ほぼ横並びです。荒れているわけでも、大きく崩れるわけでもありません。
相場が下がるのではないのです。上がる確率だけが、2月から3月にかけてコイン投げの水準まで落ちる。長期のデータを集計して見つかったのは、この「踊り場」ひとつでした。
誤解のないように書き添えておくと、「踊り場」といっても、この期間の相場が凪いで動かなくなるわけではありません。図2の薄い帯が彼岸の時点でおよそ−3%〜+9%まで開いていたとおり、各年はふだんどおり大きく上下しています。上がる年と下がる年がほぼ半々にあるため、77年ぶん平均したときに打ち消し合って、はじめて線が平らになる——図2の平らな区間は、平均の上にだけ現れる踊り場です。
上がる年と下がる年がちょうど半々になる——
年のはじまりで、追い風だけが消える区間だった。
「なんとなく上値が重い」「進まない」という体感が2月から3月にかけて生まれやすいのは、たぶんこれではないでしょうか。日々の値動きは普段どおりなので動いてはいる。でも上がる確率が下がるので、持っていても報われた記憶が残りにくい。それを昔の人が「天井をつけて底を打つ」と表現した、という筋なら腑に落ちます。
その踊り場も、昭和で終わっていました
ただし、ここで話は終わりませんでした。同じ平均チャートを年代別に描き直すと、景色がすっかり変わります。
通説どおりの形をしているのは、1950〜60年代の赤い線だけでした。節分の直後に山をつけ、そこからだらだらと下げ、彼岸のあたりでいちばん低くなって、そこから戻していく。教科書のような節分天井・彼岸底です。節分→彼岸の平均は−1.39%、上がった年は40%しかありません。
残る3本はすべて、この区間で上昇しています。1970〜80年代は+2.99%、1990〜2000年代は+0.73%、2010年代以降は+0.95%。全期間の平均に見えた「踊り場」は、昭和30〜40年代の下げが均されて残った影だったわけです。
もうひとつ、年代の変化を象徴する数字があります。節分の前後5営業日に1〜3月の高値をつけた年は8回あるのですが、その内訳は1952・1953・1955・1964・1976・1977・1979・1982年。1983年から2026年までの44年間、一度もありません。この格言が生まれ、機能していたのは、日本の証券市場がまだ国内の需給だけで動いていた時代だったのだと考えられます。
「昔は効いていたが、いまは消えている」という結末は、このシリーズで何度か出てきました。#11「ヘッジファンドの45日ルール」も、2000〜2010年代にあった影が2020年代に消えています。日付が決まっているアノマリーは、知られるほど先回りされて薄れていく——カレンダー系の通説に共通する宿命なのかもしれません。
では、本当の高値と安値はいつ来ていたのか
先に答えを言ってしまいます。1月1日から3月31日までで日経平均の終値が最も高かった日・低かった日を旬(上旬・中旬・下旬)ごとに数えると、高値がいちばん多いのは3月下旬、安値がいちばん多いのは1月上旬でした。節分でも彼岸でもありません。ただしこの数字、そのまま受け取ってはいけません。半分は「当たり前」が混ざっているからです。
というのも、株価は長い目で見れば右肩上がりだからです。上りのエスカレーターに乗った人を連写すると、いちばん高い位置に写るのは最後の1枚、いちばん低い位置に写るのは最初の1枚と決まっています。それと同じで、右肩上がりの相場を1〜3月だけ切り取れば、季節性など何もなくても、高値は3月末に、安値は1月初めに集まるのです。そこで「右肩上がりというだけで、ふつうはどのくらい偏るのか」を過去77年のデータ全体から測って、図のグレーの棒=「めやす」にしました。色のついた棒が実際の回数で、グレーからはみ出したところだけが、本物の季節性ということになります(めやすの詳しい作り方は、図の下の検証条件と記事末の脚注に置きました)。
まず高値。冒頭で「3月下旬がいちばん多い」と書きましたが、実測36.4%に対してめやすは32.8%。グレーとほとんど重なっていて、右肩上がりの相場なら当たり前に起きる範囲を出ていません。季節性とは呼べない、ということです。節分がある2月上旬にいたっては実測6.5%・めやす6.6%と、ほぼぴったり重なっています。
グレーからはっきりはみ出したのは、9つの旬でただ一か所。安値の1月上旬(実測36.4%・めやす26.3%)です。右肩上がりで説明できる分を差し引いても、なお10.1ポイント多い。こちらは本物の偏りと言ってよさそうです。彼岸のある3月中旬の安値は11.7%(めやす7.7%)でやや多めですが、1月上旬ほどの偏りではありません。
ついでに気づいたことをひとつ。2月下旬に1〜3月の安値をつけた年は、77年で0回です(めやすは6.1%なので、5年ほどあってもおかしくない計算になります)。節分から彼岸へ向かう途中で相場がいちばん深いところに沈む、という展開は、実はかなり珍しいことのようです。
直近5年、そして今年はどうだったか
ここまでは全期間の平均を見てきましたが、直近はどうだったのかもまとめておきます。
| 年 | 節分の終値 | 彼岸の終値 | 節分→彼岸 | 1〜3月の高値 | 1〜3月の安値 | 彼岸のあと32営業日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 27,241 | 27,224 | −0.06% | 1月5日 | 3月9日 | −3.71% |
| 2023 | 27,509 | 27,467 | −0.16% | 3月9日 | 1月4日 | +6.03% |
| 2024 | 36,354 | 40,816 | +12.27% | 3月22日 | 1月4日 | −6.72% |
| 2025 | 38,520 | 37,677 | −2.19% | 1月7日 | 3月31日 | −0.46% |
| 2026 | 54,721 | 51,515 | −5.86% | 2月27日 | 3月31日 | +21.79% |
5年のうち4年は節分→彼岸がマイナスですが、2022年と2023年は−0.1%前後でほぼ横ばい。実質的に下げたと言えるのは2025年と2026年です。逆に2024年は+12.27%と大きく上げていて、この年に通説を信じて売っていたら痛かったところですね。
そして今年です。2026年は節分から彼岸まで−5.86%、彼岸のあと32営業日で+21.79%。これ以上ないくらい通説どおりの形になりました。1〜3月の安値も3月31日と、彼岸のすぐあとです。いま「節分天井・彼岸底」が話題になりやすいのは、この記憶が新しいからなのでしょうね。
ただ、77年の中で通説どおりの形(節分の前後5営業日に高値、かつ彼岸の前後5営業日に安値)になったのは、1955年・1964年・1982年の3回だけです。今年がそこに近い年だったことと、来年もそうなることは、別の話だと考えたほうがよさそうです。
おまけの検証——米国株にも当てはまるのか
最後に、答え合わせをひとつ。節分も彼岸も日本の暦ですから、この格言が本物なら、効くのは日本株だけのはずです。逆に言えば、もし米国株にも同じ形が出るなら、それは日本の暦のせいではないということになります。通説の「理屈」がどこまで本当かを確かめる対照実験として、同じ計算をS&P500にかけてみました。
| 期間(各32営業日) | 日経平均 | S&P500 | ||
|---|---|---|---|---|
| 上がった年の割合 | 平均 | 上がった年の割合 | 平均 | |
| ① 節分の手前 | 72.7% | +3.60% | 65.8% | +2.42% |
| ② 節分→彼岸 | 51.9% | +0.82% | 58.4% | +0.64% |
| ③ 彼岸のあと | 64.9% | +2.86% | 66.2% | +2.13% |
| 平常時 | 59.3% | +1.26% | 63.3% | +1.16% |
まず「天井」と「底」のほうは、米国株でも見当たりませんでした。節分の前後5営業日にS&P500が1〜3月の高値をつけた年は11.7%(めやす9.2%)、彼岸に安値をつけた年は10.4%(めやす12.2%)。彼岸にいたってはめやすを下回っています。値幅の中での位置も、節分が54.8%、彼岸が64.0%と日経平均とほぼ同じ並びでした。通説どおりの形が揃った年は、1966年と2001年の2回だけでした。
ところが「踊り場」のほうは、米国株にもうっすら出ています。節分から彼岸に上がった年の割合は58.4%で、平常時の63.3%を4.9ポイント下回りました。日経平均の落ち込み(51.9%と59.3%で7.4ポイント差)ほどではありませんが、向きは同じです。
これをどう読むか。私は「2月から3月は、日米ともに少しだけ足踏みしやすい時期」であって、節分や彼岸という日本の暦が効いているわけではない、と考えるのが自然だと思います。日本株は米国株と同じ方向に動く場面が多く、その連動性は#01「とりあえずS&P500」は本当か?でも見たとおりです。日本の暦に合わせて日本株だけが崩れる、という話ではなさそうです。
年代別に見ると、S&P500で節分→彼岸に上がった年の割合は1950〜60年代が45%で、そこから65%・60%・65%と推移しています。いちばん弱いのが1950〜60年代という点も、日経平均と同じでした。この格言が生まれた時代は、日米そろって2〜3月が重かったようです。
今回いちばん腑に落ちたのは、1950〜60年代だけが通説どおりの形をしていたことでした。この格言が生まれ、語り継がれはじめた時代には、確かにそういう相場だったようです。問題は、その後に市場のほうが変わってしまったことです。海外投資家の売買比率が上がり、日本株が米国株と同じ方向に動くようになれば、日本の暦で決まる日付に相場が反応する理由は薄れていきます。
もうひとつ正直に書いておくと、今回の検証で見つけた「節分→彼岸は勝率が落ちる」という偏りも、統計的には誤差の範囲を出ていません(全期間の平均+0.82%と平常時+1.26%の差は、偶然のブレと言い切れない代わりに、偶然でないとも言い切れない水準です)。数字が大きく見えるところだけを取り出せば物語は作れてしまうので、そこは差し引いて読んでいただければと思います。
- 〇節分から彼岸までの32営業日は、上がる年の割合が51.9%とコイン投げの水準。手前(72.7%)・あと(64.9%)・平常時(59.3%)のいずれも下回り、「この時期は進まない」という体感には裏付けがある。
- △ただし平均は+0.82%でプラスのまま。値動きの大きさも平常どおりで、「下がる」「荒れる」ではない。平常時との差も統計的には誤差の範囲。
- ×節分の前後5営業日に高値をつけた年は10.4%(めやす9.5%)、彼岸に安値は18.2%(めやす13.1%)。節分の日は1〜3月の値幅のちょうど真ん中(53.9%)にいて、天井とは呼べない。
- ×通説どおりの形になったのは77年で3回(1955・1964・1982年)。節分に高値をつけた年は1983年以降44年間ゼロで、年代別に見ると通説の形をしているのは1950〜60年代だけ。
★2とした理由を書いておきます。「節分が天井、彼岸が底」を文字どおり受け取るなら★1寄りです。実際、通説どおりに節分で売って彼岸で買い戻す運用を1950年から続けた場合、資産は425倍。何もせず持ち続けた場合の613倍に届きません。一方で、節分から彼岸だけ勝率が51.9%に落ちるという偏りは確かにあり、昔の人が何もないところから作った話でもない。日付の主張は外れているが、季節の体感としては一理ある——差し引いて★2としました。
この結果、実践にどう活かす?
私はこの格言を、売買の合図ではなく「期待値を下げておく時期」の目安として使っています。2月から3月は、持ち株が上がらなくてもそういうものだと思って眺める。今回の集計で勝率が五分に落ちると分かったので、その構えはむしろ強まりました。逆に言えば動かす理由がないので、この時期にわざわざ組み替えることはしていません。
まとめ
- 長期の平均で見ると、節分は1〜3月の値幅のちょうど真ん中(53.9%)、彼岸は59.6%の位置。天井でも底でもなく、通説どおりの形になった年は1955・1964・1982年の3回だけでした。
- ただし節分から彼岸までの32営業日は、上がる年の割合が51.9%に落ちます(手前72.7%・あと64.9%・平常時59.3%)。値動きの大きさは変わらないので、「下がる」ではなく「勝率が五分になる」区間でした。
- 年代別に見ると、通説どおりの形をしているのは1950〜60年代(節分→彼岸 −1.39%)だけ。節分に高値をつけた年は1983年以降44年間ゼロです。S&P500でも同じ傾きが出たので、これは日本の暦の効果ではなさそうです。判定は★★☆☆☆としました。
「節分天井・彼岸底」は、天井と底を言い当てた格言ではありませんでした。ただ昭和の相場には、節分から彼岸まで勢いが鈍る「踊り場」が確かにありました。昔の相場師が見ていたのは、その現象だったのでしょう。
よくある質問
- 節分・彼岸の定義:節分=立春(太陽の視黄経が315度になる瞬間を含む日)の前日、彼岸の中日=春分の日(視黄経が0度になる瞬間を含む日)。いずれも日本標準時で年ごとに計算した。1950〜2026年で節分は2月3日が65回・2月4日が10回・2月2日が2回、春分の日は3月21日が50回・3月20日が27回。
- 休場日の扱い:節分・彼岸が休場日にあたる年は、その日以降の最初の営業日の終値で測定した。暦上の日付がずれるわけではなく、測定の都合による。
- 「天井」「底」の4つの定義と結果:①1〜3月の高値・安値の当日が節分・彼岸の前後5営業日以内=節分10.4%(めやす9.5%)/彼岸18.2%(めやす13.1%) ②前後20営業日で最も高い(低い)日=節分0.0%(めやす1.3%)/彼岸3.9%(めやす1.2%) ③前20営業日が上昇して後20営業日が下落する山型(谷型)=節分23.4%(めやす23.8%)/彼岸27.3%(めやす23.9%) ④1〜3月の値幅の中での位置=節分53.9%(めやす50.1%)/彼岸59.6%(めやす59.7%)。いずれの定義でも通説を支持する結果は得られなかった。
- 「めやす」の作り方:右肩上がりの相場では、区間を切って最大値・最小値を探すと、高値は終盤に、安値は序盤に集まりやすい。実際、全期間から切り取った連続60営業日の区間(3営業日おきにn=6,357)で見ると、最大値が区間の末尾10%に来る確率は17.4%、最小値が先頭10%に来る確率は28.7%あり、一様な10%より大きく偏る。この位置分布を各旬が占める区間にあてはめたものを「めやす」とした。旬の境界は隣り合う旬の中点で取り、9つの旬の合計が100%になるようにしてある。
- 統計的な強さについて:節分→彼岸の平均+0.82%と平常時+1.26%の差−0.45ptは、t値で−0.48(p=0.63)。中央値の差−1.13ptについてもMann-Whitney検定でp=0.79。いずれも偶然のブレと区別できる水準ではない。
- 戦略の比較:1950年初から2026年6月5日まで、毎年「節分の翌営業日から彼岸まで現金で待避し、それ以外は保有」した場合の資産倍率は425.2倍。同期間を持ち続けた場合は613.4倍。売買コスト・税金・配当は考慮していない。
- 語源について:この格言はもともと米(こめ)相場に由来するとする解説が複数の証券用語集に見られるが、一次資料までは確認できていない。「〜と言われる」として扱った。
- 米国株との比較について:S&P500はStooqの日次終値(1950年1月3日〜2026年6月9日・19,317営業日)を用い、日経平均とまったく同じ手順で集計した。節分・彼岸は日本の暦の日付をそのまま使い、米国市場の営業日で測定している。
- 出典:Stooq 日経平均株価 日次終値(1949年5月16日〜2026年6月5日・19,131営業日)およびStooq S&P500 日次終値。集計・作図は私が行った。












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