28日に3月期決算企業の中間配当の権利付き最終売買日を控え、権利取りの買いが幅広い銘柄に入りました。日米の長期金利が高い水準にあるなかで利ざや改善への期待から銀行株が買われ、東京エレクトロン・アドバンテスト・イビデンなど半導体の主力も上げて、日経平均は+1.30%の6万6,364円と5日続伸、TOPIXも+1.31%の4,129ptと3営業日ぶりに反発しました。一方、米オラクルのAIデータセンターを巡る報道を受けてソフトバンクグループは-3.18%と下げ、東証グロース250指数も-0.95%と続落しています。この記事では、指数の裏で125のサブ業種がどう並んだかだけを見ていきます。
東証プライムの7割の銘柄が上げた日ですが、TOPIXに勝ったのは125群のうち16群でした。TOPIXは時価総額の大きい銘柄の比重が大きく、今日は三菱UFJフィナンシャル・グループ+3.95%・みずほフィナンシャルグループ+4.18%などの大手銀行と、東京エレクトロン+4.82%などの半導体大型株が指数を押し上げました。群は構成銘柄を等しい重さで数えるので、上げた銘柄が多くても上げ幅が指数に届かなかった群が大半でした。
この記事の物差しは3つです。「1年の地力」は、その群が過去1年(直近1か月を除く)にTOPIXをどれだけ上回ったかの順位で、月1回だけ更新します。「下げに弱さ」は、直近120営業日のうちTOPIXが下げた日だけを取り出して、その群がどれだけ大きく落ちたかを測った数字です(125群の中央値は0.63。1を超えるとTOPIXより大きく落ちる群)。「◎☆○◇」は、地力上位20%で走り出した群を◎、地力上位20%が当日の値上がり上位5群に入った群を☆、地力上位20%で25日累積が0を上抜けた群を○、地力下位40%なのに直近1か月だけ強い群を◇として、毎日付け直しています。買いの引き金ではなく「銘柄を探す場所」の印です。
① 地銀が59銘柄すべて高、TOPIXに勝ったのは銀行など16群だけ
先頭の地銀+3.97pt・その他銀行+2.30ptの2群だけが大きく抜け、3番目からは+0.8pt以下。地力上位25群の当日平均は-0.31pt、残り100群は-0.82ptでした。
125群を当日の対TOPIXの大きい順に並べ、オレンジは1年で強かった25群です。
今日の話に出てくる10群を、当日の対TOPIXの大きい順に並べたのが下の表です。表のサブ業種名を押すと、その群の中で値動きが大きかった5銘柄と前日比が開きます。
| 地力 順位 | サブ業種 | 当日 対TOPIX | 25日 累積 | 5日前比 | 上げた銘柄 の割合 | 下げに 弱さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | 地銀 ▾値動きの大きい順に5 / 59銘柄・前日比 三十三FG +8.80%筑波銀行 +8.54%東邦銀行 +8.51%あいちFG +8.45%山形銀行 +8.40% | +4.0pt | +7.2pt | -4.7pt | 100% | 0.97 |
| 38 | その他銀行(信託・ネット・新形態) ▾値動きの大きい順に5 / 8銘柄・前日比 りそなHLDG +5.00%楽天銀行 +4.85%ゆうちょ銀行 +4.66%日本郵政 +3.78%あおぞら銀行 +3.61% | +2.3pt | +2.5pt | -5.2pt | 100% | 0.72 |
| 93 | 日用品・トイレタリー ▾値動きの大きい順に5 / 11銘柄・前日比 小林製薬 +16.99%オカモト +2.24%花王 +0.80%ライオン +0.73%レック +0.72% | +0.8pt | +2.1pt | +2.2pt | 73% | 0.20 |
| 20 | エレクトロニクス商社 ▾値動きの大きい順に5 / 22銘柄・前日比 トーメンデバイス +9.39%加賀電子 +5.86%サンワテクノス +2.98%立花エレテック +2.80%RYODEN +2.70% | +0.7pt | +7.3pt | +4.5pt | 95% | 1.21 |
| 23 | 生保 ▾構成5銘柄・前日比 かんぽ生命保険 +2.55%T&D HLDG +2.38%ソニーフィナンシャルグループ +2.14%第一ライフグループ +1.95%ライフネット生命保険 +0.35% | +0.6pt | +2.6pt | +0.7pt | 100% | 0.78 |
| 1 | FPD・プリント基板 ▾値動きの大きい順に5 / 9銘柄・前日比 イビデン +4.20%ジャパンディスプレイ +4.08%RS Technologies +2.17%ブイ・テクノロジー +1.84%山一電機 +1.18% | +0.2pt | +5.9pt | +6.6pt | 78% | 2.66 |
| 16 | 総合商社 ▾値動きの大きい順に5 / 8銘柄・前日比 住友商事 +1.67%豊田通商 +1.20%三菱商事 +1.00%兼松 +0.93%丸紅 +0.78% | -0.5pt | +3.9pt | -0.1pt | 88% | 0.87 |
| 6 | 半導体 ▾値動きの大きい順に5 / 11銘柄・前日比 エンプラス -2.94%メガチップス +2.58%ソシオネクスト -2.43%三井ハイテック -2.22%キオクシアHLDG +2.20% | -1.4pt | -3.0pt | +2.0pt | 45% | 2.22 |
| 109 | HR・教育 ▾値動きの大きい順に5 / 7銘柄・前日比 インソース -7.02%学研HLDG +1.30%学究社 +1.08%ステップ +0.31%早稲田アカデミー +0.24% | -1.9pt | +0.2pt | -3.4pt | 57% | 0.15 |
| 104 | 通信キャリア ▾値動きの大きい順に5 / 7銘柄・前日比 光通信 -2.46%楽天グループ -1.68%日本通信 -1.67%NTT +0.69%インターネットイニシアティブ +0.64% | -1.9pt | +1.8pt | -4.3pt | 43% | 0.32 |
棒の形は、左端の2本だけが高く突き出し、3本目からは0の近くまで一気に下がって、そこから右へゆるやかに沈んでいく形です。0より上にいるのは16群で、残り109群はTOPIXを下回りました。地力で5段に分けると、上位20%が-0.31pt、上から2番目-0.60pt、まん中-0.55pt、下から2番目-0.89pt、下位20%が-1.24ptで、どの段もTOPIXを下回りましたが、1年で強かった段ほど差が小さい並びです。ただし地力上位25群のうち18群はマイナスで、0の上にいたのは地銀・生保・FPD・プリント基板など7群です。
地銀(地銀株)は59銘柄すべてが上げ、三十三フィナンシャルグループ+8.80%・筑波銀行+8.54%・東邦銀行+8.51%・あいちフィナンシャルグループ+8.45%・山形銀行+8.40%と8%台の上げが並びました。業績予想を上方修正した阿波銀行も+7.92%です。りそなホールディングス+5.00%・楽天銀行+4.85%・ゆうちょ銀行+4.66%のその他銀行も8銘柄すべて、生保も5銘柄すべてが上げており、前営業日(24日)に売られた金融の群が、そろって買い戻された形です。「59銘柄すべてが上げたなら、今から乗っても遅いのではないか」という見方が出てきます。地銀の25日累積は+7.2ptですが、5日前比はまだ-4.7ptで、今日の上げを入れても5日前の水準には届いていません。10年の検証では、◎の群は次の20営業日で対TOPIX+0.84ptと、群として持ったときの差は大きくありません。当日の全面高は、群の中から25日線の近くにいる銘柄を探す材料として使うのが、この物差しの使い方です。
表の中で、日用品・トイレタリー+0.77ptは小林製薬+16.99%の1銘柄が引っ張った結果です。下げた側の通信キャリア(通信株)-1.94ptは、7銘柄のうち光通信-2.46%・楽天グループ-1.68%・日本通信-1.67%など4銘柄が下げ、NTT+0.69%・KDDI+0.26%も指数の上げには届きませんでした。HR・教育-1.91ptはインソース-7.02%の1銘柄の下げが大きく効いています。
② 判定の入れ替わり:◎は地銀とFPD・プリント基板の2群、◇は9群から1群へ
☆に生保。◎は総合商社と石油・資源が外れてFPD・プリント基板が入り、地銀(2日目)と2群。○に総合電機が新規、◇は9群から1群に減りました。
| サブ業種 | 地力 順位 | 前日 | 今日 | 何が変わったか |
|---|---|---|---|---|
地銀 ▾値動きの大きい順に5 / 59銘柄・前日比 三十三FG +8.80%筑波銀行 +8.54%東邦銀行 +8.51%あいちFG +8.45%山形銀行 +8.40% | 4 | ◎本命 | ◎本命(2日目) | 25日累積は+5.4→+7.2pt、勢い(15日変化)は+0.6→+4.3ptへ増えた。59銘柄すべてが上げ、三十三フィナンシャルグループ+8.80%・筑波銀行+8.54%・東邦銀行+8.51%が先頭 |
FPD・プリント基板 ▾値動きの大きい順に5 / 9銘柄・前日比 イビデン +4.20%ジャパンディスプレイ +4.08%RS Technologies +2.17%ブイ・テクノロジー +1.84%山一電機 +1.18% | 1 | ☆先行 | ◎本命(1日目) | 25日累積が+3.8→+5.9ptと+5ptを超え、勢いも+9.7ptでプラス。当日は+0.18ptで9銘柄のうち7銘柄が上げ、イビデン+4.20%・ジャパンディスプレイ+4.08% |
生保 ▾構成5銘柄・前日比 かんぽ生命保険 +2.55%T&D HLDG +2.38%ソニーフィナンシャルグループ +2.14%第一ライフグループ +1.95%ライフネット生命保険 +0.35% | 23 | ― | ☆先行 | 当日+0.56ptで125群の5番目。5銘柄すべてが上げ、かんぽ生命保険+2.55%・T&Dホールディングス+2.38%。25日累積は+3.3→+2.6pt |
総合電機 ▾値動きの大きい順に5 / 9銘柄・前日比 明電舎 +3.62%富士電機 +1.83%パナソニック HLDG +1.77%シャープ +0.90%富士通 +0.88% | 17 | ― | ○走り出し | 25日累積が-1.5→+0.2ptと0を上抜けた。9銘柄のうち8銘柄が上げ、明電舎+3.62%が先頭 |
総合商社 ▾値動きの大きい順に5 / 8銘柄・前日比 住友商事 +1.67%豊田通商 +1.20%三菱商事 +1.00%兼松 +0.93%丸紅 +0.78% | 16 | ◎本命 | ― | 4日目までで外れた。25日累積は+6.1→+3.9ptと+5ptを割り、勢いも+5.0→-0.3ptとマイナスへ。当日は8銘柄のうち7銘柄が上げたが-0.48pt |
石油・資源 ▾値動きの大きい順に5 / 10銘柄・前日比 ニチレキグループ +1.03%日本コークス工業 -1.01%ENEOS HLDG +0.98%日鉄鉱業 -0.92%三井松島HLDG +0.88% | 25 | ◎本命 | ― | 2日目までで外れた。25日累積は+6.9→+3.1ptと+5ptを割り、勢いも+1.7→-4.6ptとマイナスへ。当日は-1.09pt |
| ☆から外れた4群(半導体製造装置・半導体・半導体材料・電子材料・計測・分析機器) | 2・6・8・13 | ☆先行 | ― | 当日は-0.06・-1.35・-0.73・+0.10ptで上位5群から外れた。25日累積は-4.8・-3.0・-2.0・-2.0ptと4群ともまだ0の下 |
| ○から外れた3群(OA・精密・カメラ・ベアリング・部品・総合化学) | 24・22・19 | ○走り出し | ― | OA・精密・カメラは25日累積+1.3→+2.7ptと0の上で伸びた(○は上抜けた日だけの印)。ベアリング・部品+0.1→-0.7pt、総合化学+0.3→-0.8ptは0の下へ戻った |
サイバーセキュリティ ▾値動きの大きい順に5 / 7銘柄・前日比 GMOグローバルサイン・HLD +2.80%ソリトンシステムズ +1.84%デジタルアーツ -1.11%セグエグループ -0.90%トレンドマイクロ -0.71% | 124 | ◇戻り | ◇戻り | 25日累積は+10.4→+9.0ptで+5ptの上に残った。地力は124位 |
| ◇から外れた8群(医薬品卸・オフィス家具・文具・化粧品・ITコンサル・M&A仲介・エンタメ・IP・ヘルスケアIT・AI活用ソフト) | 83〜122 | ◇戻り | ― | 25日累積が+2.7〜+4.6ptへ下がり、+5ptを割った。今日は8群とも-0.7〜-1.8pt |
◎の2群の候補銘柄(25日線の近くにいて売買代金の大きい順・カッコ内は25日線との差)は、地銀が千葉銀行+2.2%・横浜フィナンシャルグループ+1.4%・ふくおかフィナンシャルグループ+3.3%・しずおかフィナンシャルグループ+2.1%・めぶきフィナンシャルグループ+3.1%・いよぎんホールディングス+0.9%、FPD・プリント基板(プリント基板株)が図研+3.9%です。FPD・プリント基板で候補の条件(25日線との差が-12〜+5%)に入ったのは、図研の1銘柄だけでした。外れた総合商社は+5ptまで1.1pt、勢いも-0.3ptで、戻るには両方をそろえ直す必要があります。
☆先行は、地力上位の群がその日の値上がり上位5群に出たという印で、今日上がったから明日買うという意味ではありません。生保の25日累積は+2.6ptで、◎の条件(+5pt)までは2.4ptあります。○走り出しは25日累積が0を上抜けただけの印で、◎より効きが小さい区分です。総合電機は+0.2ptと0のすぐ上にいます。◇戻りは地力の下位40%なのに直近1か月だけ強い群を数えたもので、買う場所として選びません。今日は8群が+5ptを割って外れ、残ったのはサイバーセキュリティだけです。
明日、群で見るところ
地銀が◎3日目に残る条件は、25日累積が+5pt以上で勢いがプラスのままであることで、今日は+7.2pt・+4.3ptと+5ptまで2.2ptの距離があります。FPD・プリント基板は+5.9pt・+9.7ptで、+5ptまでの距離は0.9ptと2群のうち薄いほうです。地力上位で◎に近いのは、25日累積が+5ptを超えているのに勢いがマイナスのエレクトロニクス商社(+7.4pt・勢い-1.8pt)と金価格・貴金属(+5.8pt・-23.6pt)、勢いは強いが水準の足りない生保(+2.6pt・+9.4pt)です。
地力上位20%(25群)で25日累積がまだマイナスの群は14群あり、非鉄・製錬-7.9pt・工作機械-5.1pt・半導体製造装置-4.8ptなど電機・機械に集中しています。材料は28日の中間配当の権利付き最終売買日と、翌29日の権利落ちです。権利落ちで配当分の値下がりが出やすいのは配当利回りの高い地銀・生保・総合商社で、10月2日の米9月雇用統計で金利が動けば、いちばん振れやすいのも地銀と生保です。
▼検証条件
対象は東証プライムの構成銘柄をサブ業種に振り分けた142群のうち、構成銘柄が5以上の125群(等ウェイト)。「当日 対TOPIX」は群の平均騰落率からTOPIX騰落率を引いたpt。「25日累積」は対TOPIXの25営業日の累積pt、「勢い(15日変化)」はその15営業日前との差。「1年の地力」は過去250営業日の対TOPIX累積から直近25営業日分を除いたものの順位で、基準日は2026年9月4日(月1回更新)。「下げに弱さ」は直近120営業日のうちTOPIXが下げた日だけで測った感応度。◎=地力上位20%×25日累積+5pt以上×15日変化プラス、☆=地力上位20%×当日の対TOPIXが上位5群×15日変化プラス、○=地力上位20%×25日累積が0を上抜け、◇=地力下位40%×25日累積+5pt以上。10年(2016〜2026年)の検証では、◎の群は次の20営業日で対TOPIX+0.84pt、構成銘柄が20営業日以内に+8%へ届く確率は18.6%(全銘柄9.3%)、☆のうち◎でないものは20営業日で+1.07pt、◇は10営業日で-0.23pt。10年は上昇相場が長かったため、下落相場での成績は確認できていません。












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