2026年9月25日、日経平均は850円21銭高の6万6,364円20銭で5日続伸しました。TOPIXも1.31%高の4,128.59と、日経平均とほぼ同じだけ上げています。
来週月曜の28日は、9月末の配当をもらうための権利付き最終日です。この日の大引けまでに買って持っていれば、3月決算の会社の中間配当などの権利がつきます。その3営業日前のこの日は、権利取りの買いも支えになったと報じられています。
東証プライムの銘柄を「9月末に配当の権利がある会社」と「ない会社」に分けると、ある会社は916社のうち77.5%が上がり、ない会社は390社のうち60.0%でした。ただ、配当利回りの高い会社ほど上がったわけではありません。
① 日経平均は1.30%高、TOPIXは1.31%高。33業種のうち31業種が上がり、東証プライムの値上がりは1,119銘柄、値下がりは382銘柄でした。昨日(24日)の「日経平均だけが上がる」形から、幅広く買われる形に変わっています。
② 9月末に配当の権利がある会社は、真ん中の値動きが+0.69%、ない会社は+0.27%。配当利回りの高さで4つに分けても、どの帯でも権利がある会社のほうが上がっていました。
③ 9月の権利付き最終日は28日(月)、権利落ち日は29日(火)。29日は配当の分だけ株価が下がって始まりやすく、去年の権利落ち日の日経平均は311円安でした。
何が起きたか|日経平均は5日続伸、33業種のうち31業種が上がりました
半導体と銀行が指数を押し上げ、ほとんどの業種が上がりました。
日経平均は125円高の6万5,639円62銭で始まり、前場の中ごろから半導体株が上げ幅を広げて、高値は6万6,410円27銭まで上げました。東京エレクトロン4.82%高、イビデン4.20%高、アドバンテスト2.84%高と、株価の高い半導体株が日経平均を押し上げています。
TOPIXを押し上げたのは銀行です。銀行業は4.08%高で33業種の首位。日米の長期金利が高い水準にある中で、利ざやが良くなるとの見方から買われ、三菱UFJフィナンシャル・グループ3.95%高、みずほフィナンシャルグループ4.18%高、三井住友フィナンシャルグループ3.59%高と3メガバンクがそろって上げました。地方銀行はさらに大きく、業績予想を上方修正した阿波銀行は7.92%高です。地銀株の動きは同じ日の日次レポートで詳しく追っています。
33業種で下げたのは、情報・通信業0.88%安と建設業0.52%安の2つだけでした。情報・通信業を押し下げたのはソフトバンクグループの3.18%安です。米オラクルがデータセンターの費用を巡って「不可抗力」の通知を出したと報じられ、同社が参加するAIデータセンター計画への懸念から売られました。建設業では、新株予約権付社債(転換すると株数が増える社債)の発行を発表した清水建設が5.98%安です。
東証プライムの値上がりは1,119銘柄、値下がりは382銘柄で、年初来高値の更新は86銘柄でした。一方で東証グロース市場250指数は0.95%安の800.55と続落していて、新興株には買いが広がっていません。売買代金は7兆8,009億円と、前日の9兆2,039億円から減りました。
まず日付の整理|配当をもらうには、28日(月)の大引けまでに買って持っておきます
9月末の権利は、30日ではなく28日の大引けで決まります。
図1:2026年9月の配当の権利の日付です。9月末が基準日の株主優待も同じ日付です。
配当をもらえるのは、9月30日(水)の権利確定日に株主名簿に載っている人です。株は買った日の2営業日後に受け渡しされるので、30日に名簿に載るには28日(月)の大引けまでに買っておく必要があります。これが権利付き最終日です。
翌日の29日(火)は権利落ち日で、この日に売っても配当の権利は残ります。そのぶん株価は、配当の分だけ下がって始まりやすくなります。
数字で見る|9月末に配当がある会社は、8割近くが上がりました
権利取りの買いが入ったのかを、9月末に配当があるかどうかで分けて確かめました。
東証プライムの1,519銘柄を、会社が出している今期の配当予想から「9月末に配当の権利がある916社」と「ない390社」に分けました。3月決算で中間配当を出す会社や、9月決算の会社などが「ある」側、12月決算や2月決算の会社と、3月決算でも期末にだけ配当を出す会社が「ない」側です。図の棒は、各グループの銘柄を値動きの順に並べたときに真ん中にくる銘柄の値動き(真ん中の値動き)です。
図2:9月25日の東証プライムの前日比を、9月末に配当の権利がある会社とない会社に分け、配当利回りの高さ別に並べたものです。配当予想が未定の145社と、予想の開示が見つからなかった68社は入れていません。
全体では、配当がある会社の真ん中の値動きは+0.69%で、77.5%が上がりました。ない会社は+0.27%で、上がったのは60.0%です。配当利回りで2%未満、2〜3%、3〜4%、4%以上の4つに分けても、どの帯でも配当がある会社のほうが上げています。
「配当がある側に、たまたま上がりやすい会社が集まっただけでは?」とも考えられます。そこで、差が出そうな3つの分け方でも確かめました。
- 決算の月をそろえる:3月決算の会社だけで比べても、中間配当がある873社は+0.72%(78.6%が上昇)、期末にだけ配当を出す141社は+0.24%(62.4%)でした。
- 会社の大きさをそろえる:時価総額500億円未満、500億〜2,000億円、2,000億円以上の3つに分けても、どの大きさでも配当がある会社のほうが上げています。この日は新興株が弱かったので、小さい会社が多い側が不利になった、というだけではありません。
- 銀行を除く:この日いちばん上げた銀行は、ほとんどが中間配当のある3月決算です。銀行を外しても、配当がある853社は+0.63%、ない385社は+0.25%でした。
ただし、配当がある会社の中で見ると、利回りが高いほど上がったわけではありません。真ん中の値動きは利回り2%未満が+0.81%、4%以上が+0.54%で、いちばん利回りの高い帯がいちばん小さい上げでした。利回りの高い株を選んで買う、という動きは見えませんでした。
29日の権利落ち|配当の分だけ、株価は下がって見えます
権利落ち日の下げは、どれだけが配当の分かを分けて見ます。
去年(2025年)の9月の権利落ち日は9月29日でした。この日の日経平均は311円安の4万5,043円で、野村證券は配当落ちで日経平均が303円(0.68%)、TOPIXが21.8ポイント(0.69%)下がると試算していました。下げのほとんどは配当の分だったことになります。
今年の試算は、記事を書いた時点では見つけられていません。去年と同じ0.68%を今の日経平均に当てはめると、私の目安では450円前後です。29日にこのくらい下げても、それは配当の分がはがれただけで、相場が崩れたとは言えません。
個別では、ネクソンが9月30日を基準日に1株415円の特別配当を予定しています。この日の終値3,116円の13.3%にあたり、29日はこの分だけ下がって始まるのが自然です。権利落ちの値下がりがその後どうなるかは、「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?で過去のデータから調べています。
次に見るところ|28日の最終日と、29日の下げ幅です
最終日の動きと、権利落ちの下げが配当の分で収まるかを見ます。
- ① 28日(月)の最終日の買い。9月末に配当がある会社が、この日もない会社より上がるかを見ます。
- ② 29日(火)の下げ幅と、その後の戻り。日経平均の配当落ちは、去年と同じ割合なら450円前後です。これより大きく下げたら、配当の分とは別の売りが出ていることになります。落ちた分がすぐ埋まるかは、「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?の結果と照らし合わせて見ます。
- ③ 米国のAI関連と金利。この日はソフトバンクグループがオラクルの報道で3.18%安でした。米10年国債利回りは5.171%と高いままで、半導体と銀行の上げが続くかは米国しだいです。
ちなみに、3月末と9月末の最終5営業日は、1990年以降の平均で見ると下げやすい時期です。期末に買われて上がるという話が当てはまるかは「期末のお化粧買い」は本当か?で調べました。この日はその5営業日の2日目にあたります。
まとめ
9月25日のマーケット・3行まとめ
日経平均は850円21銭高の6万6,364円20銭で5日続伸、TOPIXも1.31%高。33業種のうち31業種が上がり、半導体と銀行が指数を押し上げました。
28日の権利付き最終日を前に、9月末に配当の権利がある会社は77.5%が上がり、ない会社は60.0%。決算の月や会社の大きさをそろえても、配当がある会社のほうが上げています。ただ、利回りの高い会社ほど上がったわけではありません。
29日の権利落ち日は、配当の分だけ株価が下がって始まりやすい日です。日経平均は去年と同じ割合なら450円前後、ネクソンは415円の特別配当で終値の13.3%にあたります。
データの上では、9月末に配当がある株のほうが上がっていました。29日の下げは、配当の分を引いてから判断します。
データの上では、9月末に配当がある銘柄のほうが上がっています。ただ、この日は相場全体が比較的強い日でした。配当がある株に特別な買いが入ったというより、権利付き最終日を前に売られなかったので上がった、という感覚のほうが強いです。
来週の配当落ちのあとは、以前に通説検証で調べた「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?のとおりになるのかを観察したいと思います。
指数と業種:日経平均・TOPIX・東証グロース市場250指数・33業種の値上がり率・個別銘柄の騰落率・売買代金は、大引け後に公表された市場データにもとづきます。寄り付きと高値は日本経済新聞の報道によるものです。
図2の「配当がある会社・ない会社」:東証プライムの1,519銘柄について、大引け後のスクリーニングデータの前日比と、J-Quants(JPX総研)の決算短信サマリーにある配当予想(2026年9月上旬までの開示)を組み合わせて私が集計したものです。9月末で終わる四半期(3月決算なら第2四半期末、9月決算なら期末、12月決算なら第3四半期末)の配当予想が0円より大きい会社を「ある」、0円の会社を「ない」としました。配当予想が未定の145社と、開示が見つからなかった68社は入れていません。配当利回りは今期の年間配当の予想を9月24日の終値で割ったもので、9月上旬より後に配当予想を変えた会社はその変更を反映していません。
権利落ちの数字:2025年9月29日の日経平均の終値と下げ幅は日本経済新聞の報道、配当落ちの試算(日経平均303円・0.68%、TOPIX 21.8ポイント・0.69%)は野村證券の解説記事によるものです。「今年は450円前後」は、去年の0.68%を9月25日の日経平均に当てはめた私の目安で、公表された試算ではありません。ネクソンの特別配当は同社の発表と報道によるものです。
日付:権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日は野村證券の案内によるものです。金利・為替・米国株は日次レポートの入力時点(大引け後の17時ごろ)の値です。
権利落ちの値下がりがその後埋まるのかは「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?、9月末が上がりやすいのかは「期末のお化粧買い」は本当か?、1年の需給の予定は年間需給カレンダーにまとめています。前日の相場は日経平均は495円高、でも大型株30社のうち19社が下げた、毎日の数字は日次レポートで追っています。














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