今日の日本株|2026年6月9日の市場資金フロー|半導体・金融主導で急反発
- 前日全面安から急反発。値がさ半導体(太陽誘電+20.03%)と金融が牽引し、電気機器+3.13%・保険業+2.96%が業種上位。
- 値上がり業種は21/33まで回復したものの、売買代金TOP3集中度42.1%・買い主導率85%と資金は値がさ半導体に一極集中。
- 原油-6.16%でエネルギー・素材は流出継続。グロース250-2.27%と中小型は逆行安で、裾野の広がりはまだ限定的。
業種別資金フロー分析
値上がり業種 TOP5
上位は電気機器+3.13%を先頭に、保険業+2.96%・証券・商品先物業+2.42%・その他金融業+2.09%と金融が3業種ランクイン。5位のサービス業+2.04%を加えると、今日の買いは「値がさ半導体+金融+一部内需」に集まったことが見えてきます。前日の全面安で売られた景気敏感・金融が、そろって買い戻された格好ですね。
| 順位 | 業種 | 騰落率 | 相対騰落 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 電気機器 | +3.13% | +1.99pt | 太陽誘電・村田など値がさ半導体が牽引 |
| 2 | 保険業 | +2.96% | +1.82pt | 金融全面高の先導役 |
| 3 | 証券・商品先物業 | +2.42% | +1.28pt | 売買代金増を追い風に買い |
| 4 | その他金融業 | +2.09% | +0.95pt | 金融全般へ資金が回帰 |
| 5 | サービス業 | +2.04% | +0.90pt | 内需消費の中で気を吐く |
値下がり業種 TOP5
逆に弱かったのは石油・石炭製品-1.77%・鉱業-1.29%の資源勢。前夜の原油-6.16%急落がそのまま重しになっています。さらに倉庫・運輸関連業-1.18%・医薬品-1.06%・空運業-0.82%と、ディフェンシブや輸送・物流が下位に並びました。前日に逃避先として買われていた業種が、今日は反動で巻き戻された印象ですね。
| 順位 | 業種 | 騰落率 | 相対騰落 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 石油・石炭製品 | -1.77% | -2.91pt | 原油急落で資源に逆風 |
| 2 | 鉱業 | -1.29% | -2.43pt | 同じく資源安が直撃 |
| 3 | 倉庫・運輸関連業 | -1.18% | -2.32pt | 輸送・物流の中で最弱 |
| 4 | 医薬品 | -1.06% | -2.20pt | ディフェンシブの巻き戻し |
| 5 | 空運業 | -0.82% | -1.96pt | 前日逃避買いの反動 |
整理すると、今日は金融+テクノロジー(値がさ半導体)+内需サービスに資金が集まり、その裏でエネルギー+資源(素材)+ディフェンシブ・輸送物流が売られる構図でした。前日のリスクオフで強かった守りの業種から、景気敏感・金融へ資金が戻ってきた、という気がします。ただ買われた中身が値がさ半導体に偏っているので、広がりというより「主役だけが派手に戻った」1日だったとも言えそうです。
業種フロー詳細と主役交代シグナル
方向の機械判定でみると、本日は流入20業種 vs 流出13業種と、数のうえでは流入側がはっきり優勢でした。中立は0業種で、業種が上下どちらかに振れた点も今日らしい動きですね。流入側には保険・証券・サービス業・小売業など🔥本格流入が10業種並び、ヒートマップ上の「強さ」とは別に「方向(増えているか)」でも金融・内需が支えになっていることが分かります。
📌 主役交代シグナルのポイント:テーマ単位では金融が⤴継続強(連続+4日)、テクノロジーが🆙主役化と、買いの主役がはっきりしています。一方でエネルギー・輸送・物流・生活防衛が🆘脱落、素材が↘継続弱と、資源・ディフェンシブ側は流出が根強い状態です。
業種別対TOPIX相対騰落ヒートマップ(直近5営業日)
直近5営業日の流れを並べると、6/4・6/8の全面安局面で広く赤に沈んだあと、本日6/9で電気機器・保険業・証券が一気に緑へ反転したのが見て取れます。逆にエネルギー(鉱業・石油)は5日を通して赤が続き、資源の弱さが地合いとして居座っているのが分かりますね。
年初来高値・安値更新の業種別分布
本日の新高値は54銘柄、新安値は39銘柄で、高安差は+15とプラス圏に戻りました。業種別では銀行業が高安差+15・小売業が+7と突出し、金融と内需に新高値が偏っています。逆に情報・通信業が-8と安値側で目立ち、グロース250-2.27%の弱さと整合的な分布ですね。
スタイル軸で補足すると、シクリカル-ディフェンシブ差は+0.98%と景気敏感がわずかに市場平均を上回り、リスクオン寄りの地合いを示しています。一方でグロース-バリュー差は-1.04%と、今日はバリュー(金融)が優位な1日でした。値がさ半導体の派手な戻りに目が行きますが、相場の足腰を支えたのはむしろ金融・バリュー側だった、という見方もできそうです。
テーマ別資金フロー分析
業種をまたいで資金の向き先を10テーマに束ねると、本日の主役は金融+1.16pt(連続+4日)とテクノロジー+0.87pt(本日から主役化)でした。この2テーマだけがプラス圏で、3位の不動産・建設-0.14pt以下はすべてマイナス。前日の全面安からの反発とはいえ、買いが入ったテーマは「金融」と「値がさ半導体を抱えるテクノロジー」にかなり絞り込まれていた、という印象です。一方でエネルギー-2.67pt・商社-1.39pt・生活防衛-1.30ptと、資源・ディフェンシブ系は流出が続いています。
① 金融 ⤴継続強
+1.16pt・連続+4日と本日のトップ。保険・証券・銀行がそろって買われ、🔥本格流入が継続。買いが最も根づいているテーマですね。
② テクノロジー 🆙主役化
+0.87ptで本日から主役入り。太陽誘電・村田など値がさ半導体の派手な戻りが押し上げました。
③ 不動産・建設 ◐中立
-0.14pt とほぼ横ばい。一部建設に買いは入りましたが、テーマ全体では方向感の乏しい1日でした。
④ 内需消費 ◐中立
-0.34pt。サービス業は強かった一方、小売・食品はまちまちで、テーマとしては中立どまりです。
⑤ 製造業サイクル 🆘脱落
-0.57ptで本日から下位に陥落。景気敏感の一角ですが、資源安の重しもあり買いが続きませんでした。
⑥ 素材 ↘継続弱
-1.15pt・連続-4日。原油・市況安が直撃する化学・非鉄が重く、流出が根強いテーマです。
⑦ 輸送・物流 🆘脱落
-1.27pt。倉庫・運輸・空運が下位に並び、前日の逃避買いの反動で売られた印象です。
⑧ 生活防衛 🆘脱落
-1.30pt。医薬品などディフェンシブが巻き戻され、リスクオンの裏で売られました。
⑨ 商社 ↘継続弱
-1.39pt。資源安が逆風で、卸売の大手がそろって弱含み。脱落から継続弱への移行となりました。
⑩ エネルギー 🆘脱落
-2.67pt・💧💧強流出と本日の最下位。原油-6.16%の急落をまともに受け、石油・鉱業が総崩れでした。
テーマ全体を俯瞰すると、本日は「金融×テクノロジー」の2強に資金が集中し、その対極で「エネルギー×素材×商社」の資源系が連日売られる、という構図がより鮮明になりました。前日のリスクオフで買われた生活防衛・輸送物流が巻き戻された点も含め、資金は「守り」から「金融・半導体」へ一気に振り戻した1日だったといえそうです。ただ、その振り戻しがテーマ2つに偏っているぶん、明日のCPI次第では逆回転も起きやすい、という気がします。
3対立軸でみるマクロ文脈
テーマの動きを、より大きな「3つの対立軸」に落とし込むと、本日の地合いはリスクオン × 金利上昇 × 資源安という3つの力で説明できます。金融が買われ(金利軸プラス)、景気敏感が守りを上回り(リスク軸プラス)、原油急落で資源が売られた(資源軸マイナス)──テーマ別でみた「金融・半導体への集中」は、この3軸の組み合わせの表れだと整理できます。
| 対立軸 | 本日 | 3日累積 | 10日累積 | 連続 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 金利軸(金融−不動産建設) | +1.31pt | +0.78pt | +9.12pt | 連続+2日 | 金利上昇 |
| 資源軸 | -0.94pt | -1.65pt | -8.02pt | 連続-4日 | 資源安 |
| リスク軸(景気敏感−ディフェンシブ) | +1.02pt | -1.43pt | -0.64pt | 連続+1日 | リスクオン |
注目したいのは、金利軸が10日累積+9.12ptと中期でもはっきり上向きな点です。本日の金融全面高は一過性の反発ではなく、ここ2週間ほど続く「金利上昇=金融買い」の流れの延長線上にある、という見方ができます。一方で資源軸は10日累積-8.02pt・連続-4日と、資源安は腰の据わった下落トレンド。リスク軸は本日こそ+1.02ptとリスクオンに振れましたが、3日累積では-1.43ptとまだマイナス圏で、「リスクオンに転じたばかり」の不安定な状態です。テーマ別でみた金融・テクノロジーへの集中は、この「金利上昇は本物・リスクオンは出来たて」という温度差の上に成り立っている、と整理できそうです。
本日の注目銘柄
個別株では、本日の主役だった値がさ半導体が値上がり率・売買代金の両方で上位を独占しました。値上がり率は太陽誘電+20.03%・ジャパンディスプレイ+14.81%・大真空+11.28%、売買代金はキオクシア・村田製作所・太陽誘電と、いずれも電気機器が並んでいます。資金がいかに半導体に集中したかが、銘柄レベルでもくっきり出ていますね。
値上がり率・売買代金 TOP3
| 区分 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 値上がり率 | 太陽誘電 +20.03% | ジャパンディスプレイ +14.81% | 大真空 +11.28% |
| 売買代金 | キオクシア +6.36% | 村田製作所 +11.26% | 太陽誘電 +20.03% |
A. 最強モメンタム銘柄
本日もっとも勢いがあったのは、やはり値がさ半導体・電子部品。ただし過熱スコアも軒並み高く、短期的にはかなり加熱した状態です。勢いと過熱は表裏一体なので、追いかけるなら反落リスクも併せてみておきたいところですね。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| 太陽誘電(6976) | 電気機器 | +20.03% | +6 ⚠ |
| 日本電波工業(6779) | 電気機器 | +11.03% | +7 ⚠⚠ |
| 大真空(6962) | 電気機器 | +11.28% | +5 ⚠ |
| 村田製作所(6981) | 電気機器 | +11.26% | +6 ⚠ |
| 関東電化工業(4047) | 化学 | +7.30% | +5 ⚠ |
C. 高値更新 × 業種も強い銘柄
勢いだけでなく業種そのものが強い中で高値を更新した銘柄群です。本日は金融全面高を背景に、地銀・保険にこのタイプが集中しました。テーマ(金融⤴継続強)と個別の強さが噛み合っている点で、相対的に安心感のあるグループです。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| 滋賀銀行(8366) | 銀行 | +6.32% | △〜⚠ |
| T&D ホールディングス(8795) | 保険 | +5.98% | △〜⚠ |
| 福井銀行(8362) | 銀行 | +3.99% | +7 ⚠⚠ |
| 池田泉州ホールディングス(8714) | 銀行 | 高値更新 | △ |
| 千葉興業銀行(8337) | 銀行 | 高値更新 | △ |
D. 売られすぎからの反転候補
過熱スコアがマイナス圏(売られすぎ)から本日プラスに切り返した銘柄です。地合い全体が反発したため数は限られますが、出遅れの修正が入りやすいゾーンとして頭の隅に置いておきたいところです。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| タマホーム(1419) | 建設 | +3.61% | -5 ✕(売られすぎ) |
| スミノエ(3501) | 繊維製品 | 反発 | ✕→改善 |
| ネットプロテクションズHD(7383) | その他金融 | 反発 | ✕→改善 |
E. 踏み上げ警戒銘柄
信用の売り方の買い戻し(踏み上げ)が効いて、ファンダ以上に値が伸びやすい銘柄です。勢いは強いものの、需給要因が一巡すると反落も速くなりがちなので、過熱スコアと併せてみておきたいタイプです。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| 石原ケミカル(4462) | 化学 | +7.92% | +4 ⚠ |
| 早稲田アカデミー(4718) | サービス | +5.29% | +4 ⚠ |
F. 勝ち組セクターの中核銘柄
本日強かった金融・サービス・海運など、勝ち組セクターの中心にいる銘柄です。テーマの追い風を最も受けやすいグループで、相場の主役を確認するうえでの目印になります。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| カナモト(9678) | サービス | +3.73% | +6 ⚠ |
| 野村ホールディングス(8604) | 証券 | +2.91% | +5 ⚠ |
| 三井住友フィナンシャルG(8316) | 銀行 | 上昇 | △〜⚠ |
| MS&ADインシュアランス(8725) | 保険 | 上昇 | △〜⚠ |
| 日本郵船(9101) | 海運 | 上昇 | △ |
G. 負け組セクターの中核銘柄
反対に、本日売られた資源・非鉄・卸売(商社)・一部建設の中核銘柄です。資源安・市況安が重しとなり、過熱スコアもマイナス(売られすぎ)に振れているものが目立ちます。
| 銘柄(コード) | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|
| テスホールディングス(5074) | 建設 | -5.73% | -5 ✕ |
| 三井金属鉱業(5706)※ | 非鉄金属 | -4.57% | ✕ |
| 三菱商事(8058)※ | 卸売 | -0.58% | -4 ✕ |
| 三井物産(8031)※ | 卸売 | -0.02% | -5 ✕ |
| JX金属(5016)※ | 非鉄金属 | 下落 | ✕ |
※ 非鉄金属・卸売(商社)は原油・金属市況の影響が大きい業種です。個別の判断にあたっては関連市況(原油・銅・LME等)の動向も併せてご確認ください。
市場体温計
最後に、相場全体の「温度」を3層で確認しておきます。本日のLayer1(基礎体温)は合計+3で「☀☀熱気・強気」。値上がり業種21/33や日経・TOPIX両方プラスが効いて、表面上はしっかり強い状態です。ただし相場の質は「中立(半導体集中型の戻り)」と出ており、強さの中身が値がさ半導体に偏っている点は割り引いてみる必要があります。
Layer 1:基礎体温(合計 +3 ☀☀熱気・強気)
| No. | 項目 | 本日の値 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1 | 上昇銘柄比率 | 54.7% | 0(中立) |
| 2 | 値上がり業種数 | 21 / 33 | +1 |
| 3 | 新高値−新安値 | +15 | 0(中立) |
| 4 | 日経・TOPIX | 両方プラス | +1 |
| 5 | 売買代金TOP10集中 | 10 / 10 | +1 |
Layer 2:高温警戒(1 / 4 点灯)
| No. | 項目 | 本日の値 | 進捗 | 点灯 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RSI70超の銘柄比率 | 6.7% | 27% | 未達 |
| 2 | 日経25日線乖離 | +2.50% | 31% | 未達 |
| 3 | 騰落レシオ25日 | 97.76 | 78% | 未達 |
| 4 | 信用評価損益率 | -0.36% | 12% | ✅点灯 |
Layer 3:低温警戒(0 / 4 点灯)
| No. | 項目 | 本日の値 | 進捗 | 点灯 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RSI30以下の銘柄比率 | 9.4% | 63% | 未達 |
| 2 | 日経25日線乖離 | +2.50% | 42% | 未達 |
| 3 | 騰落レシオ6日 | 92.09 | 100% | 未達 |
| 4 | 信用評価損益率 | -0.36% | 2% | 未達 |
補助指標
| 指標 | 本日の値 | 判定 |
|---|---|---|
| 売買代金TOP3集中度 | 42.1% | 極端集中 |
| 買い主導率 | 85% | 買い主導 |
| TOPIX25日線乖離 | +0.25% | 中立 |
| 日経−TOPIX乖離差 | +1.03pt | 中立 |
| 騰落レシオ6日 | 92.09 | 中立 |
総合すると、本日の体温計は「基礎体温は高め(+3)・過熱は1点灯だけ・低温は0点灯」という、いわば「強いが、まだ加熱しきってはいない」状態でした。RSI70超は6.7%にとどまり、騰落レシオも25日97.76・6日92.09と過熱圏には遠い水準です。一方で気になるのは売買代金TOP3集中度42.1%という極端な集中と買い主導率85%。指標上の余熱はまだあるものの、その熱源が値がさ半導体一極に偏っているため、半導体が息切れすると体温計の見た目以上に地合いが冷える可能性もある、という気がします。
マクロ環境と本日のトピック
相場を取り巻く外部環境を一通り確認しておきます。本日の急反発は国内要因(前日下げの反動+半導体・金融買い)が主導で、外部環境はむしろ原油-6.16%の急落・米株まちまち・VIX低下と、強烈な追い風が吹いたわけではありません。それでも日経が+2.17%戻したのは、前日の下げがそれだけ急だった裏返し、という気がします。
本日のトピック
明日の注目ポイント
ここからは明日以降の見立てを、事実→力学→構造の3層で整理します。最大の注目は、明日(6/10)に米CPI、金曜(6/12)にメジャーSQという2つの重要イベントが控えていること。本日の急反発が「本物の底打ち」なのか「イベント前の一時的な戻り」なのかは、このCPIとSQを通過してみないと判断しづらい、という気がします。イベントが連続する週だけに、ここは慎重に構えておきたいところです。
- 日経+2.17%・TOPIX+1.14%と前日全面安から急反発
- 主役は値がさ半導体+金融に集中(TOP3集中度42.1%)
- グロース250-2.27%と中小型は逆行安、裾野は限定的
- 明日は米CPI──結果次第で金利・為替が大きく振れる可能性
- 金曜はメジャーSQ──週末にかけ先物絡みの需給で値動きが荒くなりやすい
- 本日の戻りは半導体一極集中ゆえ、主役の息切れに弱い構造
- 金利軸は10日累積+9.12ptと中期で金融買いが継続
- 資源軸は10日累積-8.02pt・連続-4日と資源安が居座る
- リスク軸は本日+1.02ptだが3日累積では-1.43ptと転換したて
- 金融・半導体の物色は継続しやすい:金利上昇トレンドと本日の主役交代を踏まえると、金融・テクノロジーへの資金集中は当面続きやすいとみています。
- ただしCPI待ちで上値は重い展開も:明日の米CPIを前に、積極的に上値を追う動きは限られ、半導体主導の戻りも一服しやすい局面です。
- 中小型・グロースは様子見継続:グロース250の逆行安が示すとおり、裾野の広がりが確認できるまでは中小型成長株は様子見が無難という気がします。
- 資源・エネルギーは反発の鈍さに注意:原油急落の影響が続くなら、エネルギー・素材・商社の戻りは鈍く、ここを拾うのは市況の落ち着き待ちが安全です。
⚠ 弱気シナリオ:CPI上振れで金利急騰
明日の米CPIが市場予想を上回ると、米金利の再上昇・ドル高が進み、本日買われた値がさ半導体(金利に弱いグロース性格)が反落するリスクがあります。指数は本日の戻りを一部吐き出す展開も。
⚠⚠ 強い弱気シナリオ:SQ絡みの需給急変
金曜のメジャーSQに向け、先物・オプション絡みの需給で値動きが急変する可能性があります。本日の急反発が薄商いの戻りだった場合、SQ通過で買いが続かず、半導体一極集中ゆえに下げも速くなりかねません。
📖 もっと深く:今日の急反発をどう解釈するか(詳細解説)
「全面安の翌日の急反発」をどう受け止めるか
前日の米雇用統計ショックで日経は-3.85%(前々日)、KOSPIはサーキットブレーカー発動という強烈な下げを経て、本日は+2.17%の急反発となりました。こうした「急落の翌日の急反発」は、相場では珍しくありません。売られすぎた反動で自律的に戻る「テクニカルリバウンド」の側面が強く、それ自体は健全な値動きです。ただ問題は、その反発が「広く戻ったのか」「一部だけ戻ったのか」という中身です。本日のデータをみると、売買代金TOP3集中度42.1%・グロース250-2.27%という数字が示すとおり、戻りはかなり値がさ半導体に偏っていました。これは「相場全体の底打ち」というより「主役だけが派手に戻った」反発と読むのが妥当だと考えています。
なぜ金融がここまで強いのか
本日のもう一つの主役が金融です。保険+2.96%・証券+2.42%・銀行+1.53%とそろって買われ、銀行の年初来高値更新が15銘柄に達しました。背景にあるのは、3対立軸でみた金利軸の中期的な上昇(10日累積+9.12pt)です。金利が上昇局面にあると、銀行は貸出利ざやの改善、保険は運用利回りの改善が期待され、金融セクター全体が買われやすくなります。本日は米10年債利回りこそ小幅低下しましたが、ここ2週間の流れとしては「金利上昇=金融買い」がはっきりと効いており、これは一過性ではなく腰の据わったトレンドだとみています。半導体の派手な戻りに目を奪われがちですが、相場の足腰を支えていたのはむしろこの金融・バリュー側だった、という見方もできます。
明日のCPIと金曜SQ──なぜ慎重にみるのか
明日(6/10)に控える米CPIは、米金融政策の方向性を左右する最重要指標の一つです。本日買われた値がさ半導体は、PER(株価収益率)の高いグロース性格を持つ銘柄が多く、金利上昇に対して株価が下がりやすいという弱点があります。もしCPIが市場予想を上回れば、米金利の再上昇を通じて、本日の主役が真っ先に反落するリスクがあります。さらに金曜(6/12)のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算)に向けては、需給要因で値動きが荒くなりやすく、本日の戻りが薄商いだった場合はSQ通過後に買いが続かない展開も考えられます。「急反発した翌日」という強気になりやすい局面だからこそ、2つのイベントを冷静に通過するまでは、戻りの持続力を慎重にみておきたいというのが正直なところです。
私ならどう動くか
私自身は、こうした「強いが不確実性も高い」局面では、無理にポジションを増やさず、利益確定は早めを意識します。今日のような急反発の翌日は、つい「乗り遅れたくない」という気持ちが先に立ちますが、イベント week では一歩引いて、CPI・SQを通過して地合いが落ち着いてから改めて判断する、というスタンスが性に合っています。買うにしても、本日大きく上げた値がさ半導体を高値で追うのではなく、押し目を待つか、金利上昇の支えがある金融の中で出遅れているものを選ぶ、という気がします。いずれにせよ、ここは「待てる人が有利」な局面だと考えています。
総合判定
最後に、11因子モデルによる本日の総合判定をまとめます。本日のスコアは+2 / ±11で「やや強気」。前日(6/8)の-9から大きく改善し、急反発を素直に反映した形です。ただし内訳をみると、買いの集中(D群)が足を引っ張っており、手放しで強気とは言いにくい中身でもあります。
| 因子群 | スコア | 主な内訳 |
|---|---|---|
| A群(指数・相対) | +1 | TOPIX+1.14%→+1/日経-TOPIX+1.03pt→+1/グロース-TOPIX-3.41pt→-1 |
| B群(裾野・広がり) | 0 | 値上業種21/33→0/新高安+15→0/上昇比率54.7%→0 |
| C群(質・モメンタム) | +1 | シクリカル-ディフェンシブ+0.98%→0/急増TOP30+3.38%→+1/RSI健全度→0 |
| D群(集中・過熱) | -1 | 売買代金TOP3集中度42.1%→-1(極端集中)/過熱→0 |
| E群(外部環境) | +1 | VIX18.09→0/米株合算+1.16%→+1 |
| 合計 | +2 | やや強気 |






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