2026年9月28日、日経平均は486円58銭安の6万5,877円62銭で6日ぶりに反落しました。TOPIXも0.40%安の4,112.00で、こちらも6日ぶりの反落です。
下げ幅の0.73%だけを見ると、よくある日です。珍しかったのは形のほうで、朝9時24分に6万7,034円と8月中旬以来の6万7,000円台をつけたあと、そこから1,157円下げて、大引けはこの日の安値でした。日経平均もTOPIXも、その日の安値で終わっています。
しかもこの日は、9月末の配当をもらうために買う人が多いはずの権利付き最終日でした。それでも東証プライムでは値下がりが1,039銘柄と、下げた銘柄が7割近くを占めています。
① 日経平均は寄り付きから買われて9時24分に6万7,034円をつけ、そこから下げ続けて安値引け。高値から大引けまで1,157円(1.73%)の下げで、最後の20分だけで290円下げました。
② 権利付き最終日なのに、上がった業種は33業種のうち保険・銀行・電気ガス・サービスの4つだけ。ただ、年初来安値の更新は6銘柄にとどまり、「高いところから下げた日」であって「安値を割った日」ではありません。
③ 日経平均VI(先行きの不安の物差し)は、金曜の20.30から27.51へ。金曜は4月以降でいちばん低い値でしたが、落ち着いていたのは1日だけでした。あすは権利落ち日で、配当の分だけ下がって始まりやすい日です。
何が起きたか|朝は6万7,000円、引けはこの日の安値でした
買い先行で始まり、上値で売られ、引けにかけて崩れました。
前週末の米国株は、イラン交渉の進展が伝わって原油が下がり、NYダウ0.93%高、ナスダック総合0.48%高、半導体のSOX指数1.41%高と上げていました。これを受けて日経平均は141円高の6万6,505円で始まり、そのまま買いが続いて9時24分に高値の6万7,034円74銭をつけます。終値で6万7,000円台にいたのは8月18日が最後なので、約6週間ぶりの水準でした。
図1:9月28日の日経平均を5分ごとに結んだ線です。横線は上から6万7,000円、75日線(過去75営業日の終値の平均)の6万6,636円、前日終値の6万6,364円。
6万7,000円台にいたのは、9時15分から25分ごろまでの10分ほどです。そこから10時前までに6万6,500円台まで下げ、前場のあいだは前日終値の6万6,364円をはさんで上下していました。後場は寄り付きから前日終値の下で始まり、13時25分以降は5分ごとの値で一度も前日終値を上回れず、じりじり下げたあと15時10分すぎに下げ足が速くなります。15時10分の6万6,168円から大引けまでの20分で290円下げ、最後の大引けの板寄せ(引けの注文をまとめて値段を決める仕組み)だけでさらに118円下げて、終値の6万5,877円62銭はこの日の安値でした。
この日の高値6万7,034円は、75日線の6万6,636円を400円ほど上回っていました。75日線を上に抜けたところで売りが出て、押し返された形です。2026年に入ってから、日経平均が「当日の安値で引けた」日は、この日を入れて8回しかありません(この日を除く直近は9月8日)。
売買代金は東証プライムで8兆2,029億円と、前週末の7兆8,009億円から増えました。上がった日ではなく下げた日に代金が増えているので、上値では売りたい人が多かったことになります。
権利付き最終日なのに、上がった業種は4つだけでした
配当取りの買いが入りやすい日でしたが、中身は広く売られた日でした。
9月末の配当をもらうには、この日の大引けまでに買って持っている必要があります。前週末の記事(9月の権利付き最終日は28日|9月末に配当がある株の8割近くが上がりました)では、配当がある会社のほうが上がっていました。その最終日にあたるこの日は、東証プライムの値上がり469銘柄に対して値下がり1,039銘柄。33業種では上がったのが保険業0.95%高、銀行業0.83%高、電気・ガス業0.23%高、サービス業0.03%高の4つだけで、29業種が下げました。
下げが大きかったのは医薬品1.59%安、パルプ・紙1.58%安、鉱業1.07%安、化学1.06%安、電気機器0.96%安、食料品0.93%安です。医薬品と食料品は相場が悪いときに買われやすい業種ですが、この日はそちらも下げていて、どこかへ逃げる動きではなく広く売られた日でした。医薬品は、米メルクと共同開発している肺がん治療薬のFDAへの承認申請を取り下げた第一三共が3.38%安で、業種最大の会社が業種全体を押し下げています。
個別の悪材料も大型株に重なりました。ニデックは社長の解任と、不正会計にともなう1兆円規模の減損計上が報じられてストップ安の17.61%安。売買代金は660億円で、東証プライムの18位に入っています。半導体では、韓国KOSPIが2.70%安と大きく下げた影響もあって、キオクシアホールディングス4.37%安、イビデン4.43%安、レーザーテック2.22%安と下げました。一方で東京エレクトロンは0.35%安、アドバンテストは0.79%安と小幅で、ソフトバンクグループは1.53%高と反発しています。韓国株と日本の半導体株の関係は韓国株につれ安の20分で調べました。
買われたのは金融です。国内の長期金利が3.095%に上がる中で、みずほフィナンシャルグループ2.01%高、三井住友フィナンシャルグループ1.03%高、三菱UFJフィナンシャル・グループ0.19%高と3メガバンクがそろって上げ、地方銀行はあいちフィナンシャルグループ3.63%高、CCIグループ3.50%高、三十三フィナンシャルグループ3.31%高が値上がり率の上位に入りました。保険業は東京海上ホールディングス1.04%高で33業種の首位です。ただ、銀行も保険も9月末に配当がある3月決算の会社が多く、権利取りの買いが上乗せされていた可能性があります。あすの権利落ちのあとも買いが続くかで、配当取りだったのか本物の流れなのかが分かります。地銀株の動きは同じ日の日次レポートで追っています。
年初来高値の更新は90銘柄、安値の更新は6銘柄でした。上げた銘柄は3割しかないのに高値更新が90もあるのは、朝の高い時間に高値をつけた銘柄が多いからです。安値を割る銘柄は増えていないので、この日は「高いところから下げた日」であって、「安値を割った日」ではありません。
「先行きの不安」は、金曜の低さから元に戻りました
下げ幅は小さいのに、不安の物差しは1日でいつもの水準へ戻りました。
日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は、日経平均のオプションの値段から計算する「これから1か月に、日経平均がどのくらい動きそうか」の予想幅です。数字が大きいほど、先行きの値動きへの不安が大きいことになります。この物差しが、前週末の金曜は20.30と、私が記録している4月以降でいちばん低い値でした。それがこの日は27.51まで上がっています。
図2:日経平均VIの4月1日から9月28日までの日々の値です。点線はこの期間の真ん中の値(30.8)。
ただし、27.51は8月後半からこの物差しがいた28〜32あたりに戻っただけで、7月に何度かあった40超えのような「本当に怖い日」の水準ではありません。金曜に5日続伸してこの物差しがいちばん低くなり、月曜に元へ戻った、という読み方が近いと思います。
同じ向きの数字がもうひとつあります。空売り比率(取引所全体の売買代金のうち、空売りが占める割合)は、金曜の40.0%から44.3%に上がりました。この物差しは40%前後が普段の水準で、44%を超えたのは9月11日以来です。上値で売った人の中に、下げを見込んだ空売りが増えていたことになります。
あすは権利落ち|下げ幅は、配当の分を引いてから見ます
配当の分だけ安く始まるのは、相場が崩れたことにはなりません。
29日(火)は権利落ち日です。配当をもらう権利が外れるので、株価はその分だけ下がって始まりやすくなります。去年(2025年)の9月の権利落ち日は、野村證券が日経平均で303円(0.68%)の配当落ちを試算していました。今年の試算は記事を書いた時点で見つけられていないので、去年の0.68%をこの日の終値に当てはめると、私の目安では450円前後です。あすの朝、このくらい下げて始まっても、それは配当の分がはがれただけです。
見るところは、配当の分を差し引いたうえで、この日の安値6万5,877円を割り込むかどうかです。下には5日線の6万5,382円と25日線の6万5,296円が近くに並んでいて、ここで止まるなら、この日の下げは「上値で一度売られた」だけで終わります。上には押し返された75日線の6万6,636円があり、8月からの下げ相場で3本の移動平均線をどう見るかは日経100日線割れ|次の関門は63,300円に書きました。権利落ちで下がった分がその後どのくらいで埋まるかは、「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?で過去のデータから調べています。
次に見るところ|あすの寄り付きと、配当を引いたあとの安値です
権利落ちの朝は、下げ幅そのものより「どこで止まるか」を見ます。
- ① 29日の寄り付きと安値。配当の分(私の目安で450円前後)を引いたうえで、この日の安値6万5,877円と、25日線の6万5,300円前後を割るかどうか。ここで止まれば、上値で売られただけの1日です。
- ② 銀行と保険の買いが続くか。この日に上げた4業種のうち2つは金融でした。権利落ちのあとも上げるなら、配当取りではなく長期金利3%台を見た買いです。
- ③ 半導体の主力が1日で止まるか。キオクシアとイビデンが4%台の下げでしたが、東京エレクトロンとアドバンテストは小幅で、ソフトバンクグループは上げています。韓国株が翌日どう動くかもあわせて見ます。
まとめ
9月28日のマーケット・3行まとめ
日経平均は486円58銭安の6万5,877円62銭で6日ぶりに反落。朝9時24分に8月中旬以来の6万7,000円台をつけたあと1,157円下げ、大引けはこの日の安値でした。TOPIXも0.40%安で安値引けです。
権利付き最終日なのに33業種のうち29業種が下げ、上がったのは保険・銀行・電気ガス・サービスだけ。ニデックのストップ安、第一三共の承認申請取り下げ、韓国株安につれた半導体の下げが重なりました。ただ、年初来安値の更新は6銘柄で、安値を割った日ではありません。
日経平均VIは金曜の20.30(4月以降でいちばん低い値)から27.51へ、空売り比率は40.0%から44.3%へ。あすは権利落ち日で、日経平均は配当の分だけ450円前後安く始まりやすく、その分を引いたうえで安値6万5,877円を割るかを見ます。
下げ幅は0.73%ですが、上値で売られて安値で引けた日です。あすの下げは、配当の分を引いてから判断します。
このところ出来高が少なく、なかなか読みにくい相場だと感じています。上がったと思えばトレンドになることなく下がりだし、物色も続かず、主役が毎日切り替わるような印象です。この日も、朝の6万7,000円台がそのまま流れになることはなく、引けは安値でした。
あすは権利落ちで、そろそろ月替わりでもあります。ここから相場の雰囲気が良くなってほしい、というのが正直なところです。
指数と業種:日経平均・TOPIX・東証グロース市場250指数・33業種の値上がり率・個別銘柄の騰落率・売買代金・年初来高値と安値の更新数は、大引け後に公表された市場データにもとづきます。寄り付き値と高値の時刻は日中の5分足(Yahoo!ファイナンス)と報道によるものです。
図1の5分足:日経平均の5分ごとの値をYahoo!ファイナンスから取得し、各5分間の終値を結んだものです。「最後の20分で290円」は15時10分の値(6万6,168円)から大引けまで、「板寄せで118円」は15時25分の値(6万5,995円)から大引けまでの差です。75日線・25日線・5日線は、それぞれ過去75・25・5営業日の終値の平均を私が計算したもので、報道の数字と一致することを確認しています。「当日の安値で引けた日は2026年に8回」は、2026年1月5日から9月28日までの日足で、終値が当日の安値と同じ日を数えたものです。
図2の日経平均VI:大阪取引所が算出する日経平均ボラティリティー・インデックスの日々の値を、日次レポートの入力時点(大引け後の17時ごろ)で記録したものです。記録は2026年4月1日からで、「4月以降でいちばん低い」はこの範囲の話です。空売り比率は東京証券取引所の公表値です。
権利落ちの数字:去年の配当落ちの試算(日経平均303円・0.68%)は野村證券の解説記事によるものです。「今年は450円前後」は、去年の0.68%を9月28日の終値に当てはめた私の目安で、公表された試算ではありません。
個別の材料:ニデック・第一三共の材料、前週末の米国市場と韓国KOSPIの騰落率、国内の長期金利は、大引け後の報道によるものです。金利・為替・米国株は日次レポートの入力時点の値です。
権利落ちの値下がりがその後埋まるのかは「配当の権利落ちはすぐ埋まる」は本当か?、移動平均線の見方は日経100日線割れ|次の関門は63,300円、韓国株との連動は韓国株につれ安の20分にまとめています。前営業日の相場は9月の権利付き最終日は28日|9月末に配当がある株の8割近くが上がりました、毎日の数字は日次レポートで追っています。














コメントを残す