今日の日本株|2026年6月30日の市場資金フロー|半導体・シクリカル主導の集中相場

今日の日本株|2026年6月30日の市場資金フロー|半導体・シクリカル主導の集中相場、内需は逆行安

目次

今日の日本株|2026年6月30日の市場資金フロー|半導体・シクリカル主導の集中相場、内需は逆行安

今日の日本株は、日経平均が+0.86%(70,062円)TOPIXも+0.32%(3,995pt)と、そろって上昇しました。ただ中身を見ると、上昇銘柄比率は34.0%、値上がり業種は33中12と、裾野はかなり薄め。引っ張ったのは太陽誘電+8.28%・東京エレクトロン+3.28%といった半導体・電気機器と、非鉄金属+2.69%のシクリカル逆行高でした。一方で小売業-1.19%・その他製品-1.29%など内需・中小型は逆に売られ、前日の「内需・ディフェンシブ優位」から、物色の中心が一気にハイテク・シクリカルへ振れ戻った1日です。
📌 今日のポイント(3行まとめ)
  • 日経+0.86%・TOPIX+0.32%と指数は上昇したものの、上昇銘柄比率34.0%・値上がり業種12/33と裾野は薄く、典型的な集中相場でした。
  • 主役は半導体・電気機器と非鉄金属。太陽誘電+8.28%・東京エレクトロン+3.28%が売買代金上位を占め、TOP3集中度は47.5%の極端集中。内需・ディフェンシブは逆行安に回りました。
  • 総合判定は+3/±11「やや強気」。シクリカル逆行高(cd+1.07%)とRSI健全度がC群+2で下支えする一方、TOP3集中でD群は-1と、強さと脆さが同居しています。

6/29 に私が立てたシナリオが、本日どうなったかを最初に振り返っておきます。今日は正直に言って、大きく外しました。当たった点も外した点も隠さず並べますので、私の読み筋がどれだけ使えるのか、ご自身で検証していただければと思います。

本日の自己採点 1 / 5 ①方向 ❌ 0 ②個別 ❌ 0 ③トリガー ⭕ 1 ④信頼度 ❌ 0
  • ❌ 外れメインの大枠「内需・ディフェンシブ優位の継続、資源とハイテクは戻り待ち」は、見事に真逆を行かれました。本日の最強テーマはテクノロジー+0.62pt(🔥流入)で、非鉄金属+2.69%のシクリカルも逆行高。逆に期待エリアに据えた内需消費-0.76pt・生活防衛-0.79pt・不動産建設-0.97pt(最弱)が、そろって最弱グループへ転落しました。「主役」と「戻り待ち」を丸ごと取り違えたのが、本日いちばんの反省点です。
  • ❌ 外れ個別の期待エリア(小売・サービス/食料品・医薬品/不動産・建設)も、ことごとく逆でした。小売業-1.19%・食料品-0.36%・不動産業-0.71%と、買うと見た業種が軒並み相対安。「戻り待ち」としたテクノロジーが即日で主役に復帰し、様子見の判断が機会損失になりました。
  • ➖ 不発弱気分岐A「半導体の戻り売り再燃で上値が重くなる」は不発でした。警戒トリガーに置いた「キオクシア・SBGが寄り付き-3%超」に対し、実際はキオクシア+1.39%・SBG+1.17%とむしろ上昇。半導体の戻り売りは起きず、サブシナリオへの切り替えは不要でした。
  • ➖ 不発最弱気分岐B「米株調整×円高反転のダブルパンチ」も不発。トリガーの「VIX22超 × ドル円160円割れ」に対し、VIXは17.61へ低下・ドル円は162.32円へ円安と真逆で、リスクオフの引き金は引かれませんでした。全面安の誤警報を出さずに済んだ点は、リスク管理として機能しています。
  • ❌ 外れ信頼度を「中〜やや高」に置いていたのも、今日に関しては高すぎました。方向そのものを反転されたわけですから、本来はもっと割り引いて見るべきだった、というのが正直なところです。前日の「内需へのローテーション」を、私が構造的なものと読みすぎたのが根っこにあります。

総括(1/5):今日は方向を丸ごと外した日でした。前日に見えた「資源→内需」のローテーションを構造的だと読みすぎ、わずか1日でハイテク・シクリカルへ揺り戻されたのを捉えきれませんでした。救いは、警戒トリガーが2つとも不発で全面安の誤警報を出さなかったことくらいです。物色の振れがこれだけ速い局面では、片側の方向に信頼度を寄せすぎないこと——その戒めが残った1日でした。

📅 上で答え合わせした前営業日(6/29)の記事はこちら:今日の日本株|2026年6月29日の市場資金フロー(内需・ディフェンシブ主導の全面高)

本日の市場サマリー

まずは本日の主要指標と、市場全体の温度感をひと目で確認できる形でまとめます。指数・為替・金利から、内部相場の強弱、そして今日資金が向かった主役セクターまでを一望できます。

主要指標
日経平均
+0.86%
70,062 円
TOPIX
+0.32%
3,995 pt
グロース250
+0.55%
707 pt
セクター・内部相場
最強業種
非鉄金属
+2.69% / フロー +2.37pt
最弱業種
その他製品
-1.29% / フロー -1.61pt
上昇銘柄比率
34.0%
新高値53 / 新安値12(差+41)
為替・米10年
¥162.32 / 4.37%
ドル円 +0.47円 / 米10年 -0.015pt
📡 今日の主役・主役交代シグナル
テクノロジー+0.62pt / 最強・🔥流入
素材(非鉄)+0.20pt / 非鉄+2.37pt牽引
金融-0.25pt / 中立・銀行保険割れ
🆘 内需消費-0.76pt / 脱落
🆘 生活防衛-0.79pt / 脱落
🆘 不動産・建設-0.97pt / 脱落・最弱
🔥流入:方向シグナルで資金が増えている / 🆘脱落:前日の主役から下位へ転落(本日は内需・ディフェンシブ3テーマが該当)。前日とちょうど主役・脇役が入れ替わりました。

業種別資金フロー分析

値上がり業種 TOP5

値上がり上位は、非鉄金属+2.69%を先頭に、電気機器+1.59%・金属製品+0.82%、そして機械+0.77%・情報・通信業+0.41%と続きました。電線・銅の非鉄、半導体製造装置の電気機器、機械という、「シクリカル+ハイテク製造業」がきれいに上位を占めています。市場平均(TOPIX+0.32%)を1〜2pt超えて買われており、明確に資金を集めた業種でした。前日まで最弱だった非鉄が、一晩で最強へ戻ってきた格好です。

順位業種騰落率相対騰落コメント
1非鉄金属+2.69%+2.37pt電線・銅が独歩高。前日最弱から一転して本日の最強業種
2電気機器+1.59%+1.27pt太陽誘電・東京エレクトロンなど半導体が牽引
3金属製品+0.82%+0.50pt素材・中間材へ資金が波及
4機械+0.77%+0.45ptハーモニック・ローツェなど半導体製造装置が高い
5情報・通信業+0.41%+0.09ptSBG・楽天など個別が支え、辛うじて市場平均超え

値下がり業種 TOP5

一方で売られたのは、その他製品-1.29%・小売業-1.19%・水産・農林業-1.15%という顔ぶれ。ゲーム・玩具のその他製品、内需の小売、そして輸送用機器-1.06%・鉄鋼-1.03%と、内需・ディフェンシブと一部の景気敏感に売りが回りました。前日に主役だった内需・ディフェンシブが、今日は揃って逆行安。値下がり側は「内需・中小型の出遅れ」という性格がはっきり出ています。

順位業種騰落率相対騰落コメント
1その他製品-1.29%-1.61pt任天堂などゲーム・玩具に戻り売り。本日の最弱業種
2小売業-1.19%-1.51ptファストリ-1.86%など内需が逆行安
3水産・農林業-1.15%-1.47ptディフェンシブからの資金流出
4輸送用機器-1.06%-1.38ptトヨタ-1.70%など自動車に売り
5鉄鋼-1.03%-1.35pt非鉄が買われる横で鉄鋼は逆に売られ、素材内でも選別

こうして並べると、上位はシクリカル+ハイテク製造業、下位は内需・ディフェンシブ+一部の景気敏感と、前日とちょうど色が反転しています。前日は「内需・ディフェンシブが主役、資源・ハイテクは戻り待ち」でしたが、本日はその資源(非鉄)とハイテクが真っ先に買われ、物色の主役が一晩で入れ替わったのが今日の骨格なんですよね。これだけ振れが速いと、片側に張り続けるのは難しい局面、という気がします。

対TOPIX相対騰落とは
各業種の騰落率からTOPIX(+0.32%)を引いた値です。プラスなら市場平均より強い(資金が集まっている)、マイナスなら市場平均より弱い(資金が逃げている)ことを表しています。本日のようにTOPIXがプラスの局面でも、相対騰落がプラスの業種は「市場平均を超えて買われた業種」、マイナスの業種は「全体が上がるなかでも出遅れた業種」と読めます。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む

業種フロー詳細と主役交代シグナル

資金流入
9 業種
🔥 本格 5 🟢 兆し 3 ○ 本日 1
中立
9 業種
様子見ゾーン
資金流出
15 業種
❄ 本格 3 🔵 兆し 2 ○ 本日 10

ここが今日の面白いところなんですよね。指数は日経・TOPIXそろって上昇したのに、方向シグナルで見ると流入はわずか9業種、流出が15業種と、むしろ売りの方が広い「流出優勢」でした。前日6/29(流入21・流出7)とはちょうど逆の構図です。指数の数字は強いのに、買われている業種の裾野はむしろ狭まっている——これがまさに集中相場の典型で、半導体・非鉄という一部の主役に資金が寄っている状態だと読めます。本格流入は精密機器・医薬品・サービス業・保険業・倉庫運輸の5業種ですが、これらは騰落率としては逆行安の業種も混じっており、方向と当日の値動きが噛み合っていない点も今日らしい歪みです。

もう一段踏み込んで「明日以降のフローの方向」を5項目シグナル+判定で機械的に整理した一覧を掲載します。短期2日平均と長期5日平均の比較、プラス圏連続、加速度、3日中2日以上+、累積10日地力の5項目が点灯すれば本日4点以上、前日も4点以上なら🔥本格流入、3点以上が2日連続なら🟢兆し、本日のみ4点以上なら○本日のみ、という3段階で買い候補の確度を見極めるものです。ヒートマップが映す「強さのスナップショット」に対して、こちらは「方向(増えているか減っているか)」の軸を映す対の資料になります。

📌 主役交代シグナルのポイント:本日はサービス業・倉庫運輸・医薬品・保険・精密機器が🔥本格流入で方向としては内需・ディフェンシブに地力が残る一方、当日の値動きは半導体・非鉄が独歩高。「方向シグナル(内需に地力)」と「当日の主役(ハイテク・シクリカル)」が食い違う、ねじれた1日でした。

業種別対TOPIX相対騰落ヒートマップ(直近5営業日)

直近5営業日の相対騰落を並べると、本日は非鉄金属・電気機器が緑へ戻ったのが見て取れます。前日まで強かった内需・ディフェンシブ(小売・食料品・サービス)が薄赤へ転じ、代わりに非鉄・電機が上位へ。1日で内需からシクリカル・ハイテクへギアが入れ替わった並びになっていますね。日替わりで色が反転しているのが、ここ数日の物色の落ち着かなさをよく表しています。

年初来高値・安値更新の業種別分布

年初来高値の更新は53銘柄、安値の更新は12銘柄で、新高安差は+41と高値優勢が続いています。ネットの高安差で芯が残っているのは小売業(+9)・銀行業(+9)・電気機器(+5)あたり。ここが今日の面白い点で、小売業は当日の騰落こそ-1.19%と弱かったのに、年初来高値の更新数では+9と内部の物色は続いている——指数の当日値だけでは見えない地力が残っています。逆に安値超過は非鉄金属・輸送用機器の各-1のみと限定的で、需給そのものは健全です。

高安の地肌を見ると、崩れている業種はほとんどなく、市場全体の需給はむしろ良好です。値がさ半導体に資金が集中する一方で、内需・金融の銘柄も静かに年初来高値を更新し続けている——指数の頭の数字(集中相場)の裏で、中身は思ったより傷んでいない、というのが今日の骨格なんですよね。高安比率81.5%という数字も、それを裏づけています。

テーマ別資金フロー

1テクノロジー+0.62pt⤵ +2日
2素材+0.20pt◐ +1日
3金融-0.25pt◐ -1日
4製造業サイクル-0.46pt🔄 -2日
5🆘 輸送・物流-0.65pt🆘 -1日
6商社-0.69pt🔄 -2日
7エネルギー-0.71pt🔄 -2日
8🆘 内需消費-0.76pt🆘 -1日
9🆘 生活防衛-0.79pt🆘 -1日
10🆘 不動産・建設-0.97pt🆘 -1日
テーマ別平均騰落率とは
各テーマに分類した銘柄の騰落率を単純平均したものが「平均騰落率」です(売買代金加重なし)。そこからTOPIX(+0.32%)を引いた値が「相対騰落」で、テーマとして市場平均より強いか弱いかを示します。相対騰落+2pt以上を◎大量流入、+0〜+2ptを○流入、-1pt以下を✕大幅流出と判定しています。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む
ローテーション9カテゴリ判定とは
本日pt・連続日数・短長スプレッド(直近3日平均と長期10日平均の差分)を組み合わせて、各テーマの「動きの局面」を9カテゴリに機械分類しています。🆙主役化/🆕反転兆候/⤴継続強/⤵失速/🆘脱落/🆖弱含み/↘継続弱/🔄底打ち兆候/◐中立の9種類で、流入強度(今この瞬間の強弱)と組み合わせると、明日以降の動きの予兆まで読み取れる設計になっています。

今日のテーマ別は、プラス圏がテクノロジー(+0.62pt)と素材(+0.20pt)の2つだけという、かなり偏った並びになりました。残り8テーマはすべてマイナスで、内需消費-0.76pt・生活防衛-0.79pt・不動産・建設-0.97ptと、内需・ディフェンシブがそろって下位に沈んでいます。前日(6/29)は内需消費が+1.52ptで断トツの最強だったので、わずか1営業日でテーマの強弱が丸ごと裏返ったことになります。物色の主役が半導体・非鉄といったシクリカルへ一気に振れた、というのが今日のテーマ表の骨格なんですよね。

🔥 1位 テクノロジー +0.62pt ⤵ 失速
電気機器+1.27ptが牽引。太陽誘電+8.28%・KOKUSAI+8.80%・村田製作所+6.10%など半導体・電子部品が広く買われました。10テーマで唯一しっかりプラス圏。ただ連続+2日・短長スプレッド-0.25で判定は⤵失速——勢いそのものはピークを過ぎつつある、という機械サインも同時に出ています。
→ 2位 素材 +0.20pt ◐ 中立
非鉄金属+2.37ptが独歩高で、フジクラ+6.00%・古河電工+7.04%など電線・銅関連が急伸。一方で鉄鋼-1.03pt・化学+0.09ptは伸びず、テーマ内は割れています。連続+1日で◐中立。非鉄1業種に支えられた、地力はこれからのプラスです。
→ 3位 金融 -0.25pt ◐ 中立
保険業+0.06pt・銀行業はほぼ横ばい。米金利がやや低下(10年4.367%)した割に大きく崩れず、方向感を欠きました。連続-1日で◐中立。金利軸はプラスでも、テーマとしての金融はまだ動意薄です。
→ 4位 製造業サイクル -0.46pt 🔄 底打ち
機械+0.45ptはプラスも、輸送用機器-1.38ptが重し。半導体製造装置(ディスコ+2.15%・ハーモニック+9.41%)は強い一方、自動車が逆行安で相殺されました。連続-2日ながらスプレッド+0.38で🔄底打ち兆候。中身は半導体装置と自動車で割れています。
💧 5位 輸送・物流 -0.65pt 🆘 脱落
海運業-0.05pt・空運業・倉庫運輸関連がそろって弱含み。前日まで内需色で買われていた物流から資金が抜けました。連続-1日・本日pt-0.65で🆘脱落。内需・ディフェンシブの巻き戻しがそのまま出た格好です。
💧 6位 商社 -0.69pt 🔄 底打ち
卸売業-0.69pt。三井物産-0.35%・三菱商事-1.52%と大手商社がさえません。連続-2日ながらスプレッド+0.78で🔄底打ち兆候の判定。資源高が追い風になりそうな位置ですが、当日の値動きはまだ戻りきっていません。
💧 7位 エネルギー -0.71pt 🔄 底打ち
石油・石炭製品-0.62pt・鉱業も軟調。資源軸はプラス転換しましたが、テーマとしてのエネルギーはまだマイナス圏に残りました。連続-2日・スプレッド+0.52で🔄底打ち兆候。10日累計-3.72ptと出遅れが続いており、戻りの初動を確認する段階です。
💧 8位 内需消費 -0.76pt 🆘 脱落
前日の最強テーマ(+1.52pt)から一転、本日は下位へ転落。小売業-1.19pt・サービス業±0.00ptと、内需の物色がきれいに巻き戻りました。連続-1日・本日pt-0.76で🆘脱落。資金がディフェンシブからシクリカルへ乗り換わった象徴的な動きです。
💧 9位 生活防衛 -0.79pt 🆘 脱落
食料品-0.68pt・医薬品・電気ガス・陸運がそろって弱含み。ディフェンシブ全般から資金が抜けました。連続-1日で🆘脱落。リスクオンの裏返しで、守りのテーマが真っ先に売られた1日でした。
💧💧 10位 不動産・建設 -0.97pt 🆘 脱落
建設業-0.90pt・不動産業ともに最弱。東洋エンジニアリング-6.40%・宮越HD-6.04%と、前日の急騰銘柄が反落しました。連続-1日・本日pt-0.97で本日最弱テーマ。金利軸プラス(金融>不動産)の裏側で、金利上昇を嫌気した売りが出た形です。

まとめると、今日は半導体・非鉄を中心としたシクリカルの独歩高と、内需・ディフェンシブの広範な巻き戻しがはっきり分かれた相場でした。前日まで主役だった内需消費が下位へ落ち、テクノロジーと素材だけがプラス圏に残った——資金がディフェンシブからシクリカルへ一気に乗り換わった動きです。ただ、その主役のテクノロジーが早くも⤵失速判定で、素材も非鉄1業種頼みという点は気になります。主役交代の勢いがどこまで続くかは、半導体の上値追いと非鉄の地力次第、という気がします。

3対立軸でみるマクロ文脈

3対立軸とは
10テーマを意味的に対立する2グループずつぶつけて差分を取った指標です。プラスなら前者が強い、マイナスなら後者が強いことを示し、相場の主題を機械的に浮かび上がらせます。
・金利軸:金融 − 不動産・建設(+ 金利上昇/− 金利低下)
・資源軸:(エネ+素材+商社)/3 − (輸送物流+内需消費)/2(+ 資源高/− 資源安)
・リスク軸:(製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛(+ リスクオン/− リスクオフ)
3軸の符号と大きさの組み合わせから「リスクオン×金利上昇×資源高」のように、本日の主題が読み取れる仕組みです。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む

今日の主題を3軸で言い表すと、「金利上昇 × 資源高 × リスクオン」でした。前日(6/29)は「金利低下×資源安×ディフェンシブ優位」だったので、3軸すべてが同時に符号を反転させたことになります。リスク軸+0.91ptはシクリカル(製サイ・テクノ・素材)が生活防衛に大きく勝ったことを映し、資源軸+0.30ptは非鉄主導で資源側が浮上、金利軸+0.72ptは金融が不動産・建設より強かったことを示しています。指数の上昇の中身が、守りから攻めへ一気に振れた1日だったわけです。

対立軸計算式本日値3日平均10日累計連続日数解釈
金利軸金融 − 不動産・建設+0.72pt-0.39pt-2.16pt+1日金利上昇局面
資源軸(エネ+素材+商社)/3 −
(輸送物流+内需消費)/2
+0.30pt-0.48pt-2.91pt+1日資源高
リスク軸(製サイ+テクノ+素材)/3 −
生活防衛
+0.91pt-0.73pt-2.13pt+1日リスクオン

ただ、ここは冷静に見ておきたいところです。3軸とも連続日数は「+1日」、つまり本日反転したばかりで、3日平均・10日累計はまだ3軸そろってマイナス圏に残っています。流れとしてはまだ「金利低下×資源安×ディフェンシブ優位」が続いてきたところに、本日1日だけ攻め側へ大きく振れた状態なんですよね。本文③で見た「テクノロジーの⤵失速」「主役テーマがわずか2つ」という細さも合わせると、今日の攻め全振りが本物のトレンド転換なのか、それとも1日限りの振れなのかは、明日以降の連続性を確認してから判断したい——というのが3軸からの読み筋です。

本日の注目銘柄

値上がり率 TOP3

順位銘柄名コード業種騰落率相対騰落
1MIRAINIホールディングス546A卸売業+21.72%+21.40pt
2サンケン電気6707電気機器+12.85%+12.53pt
3Link−Uグループ4446情報・通信業+12.57%+12.25pt

急騰トップはMIRAINI HD+21.72%。集中相場で指数の裾野が狭い日でも、個別材料のある中小型は大きく跳ねます。2位サンケン電気・3位Link-Uと、上位は半導体・電子部品まわりと中小型グロースが中心で、本日の物色方向(シクリカル・ハイテク)とおおむね重なる顔ぶれでした。

売買代金集中 TOP3

銘柄名業種騰落率売買代金注目ポイント
キオクシアHLDG電気機器+1.39%約3.29兆円半導体メモリ主力。単独で市場最大、代金が突出
太陽誘電電気機器+8.28%約4,490億円MLCC関連が急騰。電機の中で独歩高
東京エレクトロン電気機器+3.28%約4,018億円半導体製造装置の代表格。指数を押し上げ

売買代金の上位は半導体・電子部品で完全に占められました。とりわけキオクシアは単独で約3.29兆円と突出し、これがTOP3集中度を47.5%(極端集中)まで押し上げています。前日と違うのは、今日は代金上位の半導体がそろって上昇している点で、太陽誘電+8.28%・東京エレクトロン+3.28%と買われました。買い主導率75%と需給は買い優勢ですが、上昇比率は34.0%にとどまり、「一部の値がさ半導体に資金が集中して指数を押し上げた」構図がはっきり出ています。

過熱スコアとは
RSI・サイコロジカルライン・25日移動平均乖離率・出来高倍率・信用倍率の5指標をそれぞれ-2〜+2点で採点し、合計した値です(合計範囲:-10〜+10点)。スコアが高いほど短期的な買われすぎを示します。目安として、+7以上(⚠⚠強過熱)・+4〜+6(⚠過熱)は急騰後の反落リスクに注意が必要です。+2〜+3(△やや強)はトレンド継続の確認をしながらの押し目狙いに適しています。-1〜+1(→中立)は過熱感がなく、追いかけやすい局面といえます。

最強モメンタム上位(RSI≥60 かつ 乖離率≥+5% かつ 相対騰落+1pt以上)

上昇トレンドが強く維持されている銘柄です。今日は半導体・電子部品(太陽誘電・KOKUSAI)と中小型グロース(Link-U・セレス)が中心。過熱スコアは+1〜+6とまちまちで、J.フロント(+6)・セレス(+6)は過熱気味、太陽誘電(+1)・Link-U(+2)はまだ過熱前です。トレンドフォローで乗るなら、過熱スコアの低いものから選ぶのが無難そうですね。

銘柄名コード騰落率相対騰落過熱スコア判定
Link−Uグループ4446+12.57%+12.25pt+2△ やや強
太陽誘電6976+8.28%+7.96pt+1→ 中立
KOKUSAI ELECTRI6525+8.80%+8.48pt+3△ やや強
J.フロント リテイリング3086+4.03%+3.71pt+6⚠ 過熱
セレス3696+1.80%+1.48pt+6⚠ 過熱
滋賀銀行8366+3.70%+3.38pt+3△ やや強
ナガイレーベン7447+6.84%+6.52pt+3△ やや強
リログループ8876+3.31%+2.99pt+4⚠ 過熱

売られすぎ反転候補(RSI≤35 かつ 乖離率≤-5% かつ 出来高倍率≥1.5倍)

売られすぎの状態にありながら、出来高が急増している銘柄です。底値圏で大口の買いが入り始めているサインとして注目します。逆張り・底値拾い向けの参考情報ですが、本日は該当銘柄なしでした。市場全体が買い優勢(買い主導率75%)で、極端に売り込まれて出来高が膨らんだ銘柄が乏しかったことの裏返しです。投げ売りからの反発を狙う局面は、今日は見当たりませんでした。

踏み上げ候補(信用倍率≤1.0 かつ 前日比+2%以上)

空売りが買い残を上回る状態で、株価が上昇している銘柄です。売り方の損切り(ショートカバー)を誘発しやすく、急騰に発展しやすいパターンです。今日は建設・電機・小売・サービス系に候補が点在し、地合いに乗った踏み上げがばらけて出ています。

銘柄名コード信用倍率騰落率相対騰落過熱スコア判定
タマホーム14190.64+4.55%+4.23pt-2△ やや弱
ウシオ電機69250.86+4.47%+4.15pt+1→ 中立
J.フロント リテイリング30860.71+4.03%+3.71pt+6⚠ 過熱
三陽商会80110.93+3.38%+3.06pt+1→ 中立
リログループ88761.12+3.31%+2.99pt+4⚠ 過熱

勝ち組セクターの中核株(業種累積≥+2pt × 規模 × 割安)

トレンドの強い業種の中から、規模が大きく割安な中核銘柄を抽出しています。中長期の順張り戦略の参考情報です。今日はサービス業・電気機器・食料品に候補が集まり、ベクトル・共立メンテナンス・日本電子・フォスター電機などが並びました。電機の中核が顔を出しているのは、本日のテクノロジー優位と整合しています。

銘柄名コード業種騰落率過熱スコア判定
ベクトル6058サービス業+0.11%+6⚠ 過熱
日本電子6951電気機器+1.46%+4⚠ 過熱
フォスター電機6794電気機器+3.69%+2△ やや強
ミツバ7280電気機器+0.17%+3△ やや強
シャープ6753電気機器+2.86%+1→ 中立

負け組セクターの中核株(業種累積≤-2pt × 規模 × 割高)

トレンドの弱い業種の中から、規模が大きく割高な中核銘柄を抽出しています。ポジション縮小や空売り戦略の参考情報です。今日は卸売業(商社)・情報・通信業・輸送用機器に候補が偏っており、本文で弱かった商社・製造業サイクルの構成業種と重なっています。

銘柄名コード業種騰落率過熱スコア判定
三井物産 ※関連市況確認要8031卸売業-0.35%-1→ 中立
三菱商事 ※関連市況確認要8058卸売業-1.52%+0→ 中立
ソフトバンクグループ9984情報・通信業+1.17%+0→ 中立
豊田通商 ※関連市況確認要8015卸売業+0.23%+0→ 中立
日本製鉄5401鉄鋼-1.83%+0→ 中立

市場体温計

市場体温計とは
本ブログ独自の三層スコアで日本株の相場全体の温度を測る指標です。Layer 1(日々の体温・5項目)は当日データから-5〜+5の温度スコアで日々の相場の暖かさ/寒さを示し、Layer 2(高温シグナル・4項目)は稀な過熱の極端値(騰落レシオ25日 ≥125 など)、Layer 3(低温シグナル・4項目)は稀な底値の極端値(騰落レシオ6日 ≤60 など)を点灯式で捉えます。Layer 1の体温で日々の流れを把握しつつ、Layer 2/3のいずれかが2点以上点灯したら警戒(過熱)または逆張り検討(底値)のサインです。
→ もっと詳しく知りたい方は:市場体温計とは|三層スコアの読み方を読む

本日の総合体温はLayer 1合計が+2で「☀ 微熱(やや強気)」。前日の+3からは1段階下がりました。注目したいのは相場の質で、システムの判定は「微熱(市場弱×大型強×集中=天井形成パターン)」。指数は上がっているのに上昇比率は34.0%と薄く、大型・値がさだけが強い——という、過熱の一歩手前で警戒したくなる組み合わせなんですよね。高温シグナルは信用評価損益率の1点のみ、低温シグナルは0点で、極端値そのものはまだ灯っていませんが、「強い指数 × 狭い裾野」の天井形成パターンという但し書きは、正直に受け止めておきたいところです。

Layer 1:日々の体温(合計 +2 / ±5 → ☀ 微熱)

5項目のうちプラスは3つ。新高安スプレッド・日経TOPIX方向・TOP10売買代金上昇数が+1で、大型株はしっかり上昇しました。一方で上昇銘柄比率34.0%は-1、値上がり業種数12/33は閾値ぎりぎりの0点。「大型は強いが裾野は薄い」という今日の集中相場が、そのままスコアの内訳に出ています。

項目本日値+1の閾値-1の閾値スコア
上昇銘柄比率34.0%≥55%≤35%-1
値上がり業種数12/33≥20≤110
新高値−新安値スプレッド+41≥+30≤-30+1
日経・TOPIX方向両方+両方+両方- / 値がさ偏重+1
TOP10売買代金上昇数9/10≥8社≤3社+1
Layer 1 合計+2 / ±5☀ 微熱

Layer 2:高温シグナル(1 / 4 点灯)

点灯は④(信用評価損益率)の1つだけです。+1.47%というプラス水準は需給の良好さを映しています。③(騰落レシオ25日)は100.26で進捗80%とやや高めですが、まだ過熱ライン(125)には届いていません。①②も未達で、数値上の「買われすぎ」はまだ出ていない状況です。

No.項目本日値点灯閾値進捗判定
RSI70超銘柄比率10.7%≥25%43%未達
日経225 25日乖離率+3.06%≥+8%38%未達
騰落レシオ25日100.26≥12580%未達
信用評価損益率+1.47%≥-3%100%✅ 点灯
合計1/4点灯(過熱なし)

Layer 3:低温シグナル(0 / 4 点灯)

低温シグナルは0点で、底値接近のサインは出ていません。3つ目に騰落レシオ6日を採用しているのは意図的な非対称設計で、「上昇はじわじわ、下落は急激」という株式相場の特性に合わせています。今日はRSI30以下が5.0%・騰落レシオ6日103.01と、底値圏からは遠い水準でした。

No.項目本日値点灯閾値進捗判定
RSI30以下銘柄比率5.0%≥15%33%未達
日経225 25日乖離率+3.06%≤-6%0%未達
騰落レシオ6日103.01≤6058%未達
信用評価損益率+1.47%≤-15%0%未達
合計0/4点灯(底値感なし)

補助指標と相場の質

同じ体温でも中身の質を見分ける補助線です。本日は資金集中度47.5%(極端集中)と、値がさ半導体(とりわけキオクシア)への代金集中が際立ちました。買い主導率75%は買い優勢を示しますが、TOPIX25日乖離+0.91%・日経−TOPIX乖離差+2.15ptは中立圏。相場の質は「微熱(市場弱×大型強×集中=天井形成パターン)」と判定されています。

補助指標本日値判定目安
資金集中度(TOP3売買代金シェア)47.5%極端集中≥30%で集中、≥40%で極端集中
買い主導率(TOP20内)75%買い主導≥70%で買い主導/≤30%で売り主導
TOPIX 25日乖離率+0.91%中立±5%で中立圏
日経−TOPIX乖離率差+2.15pt中立≥+4ptで値がさ偏重
騰落レシオ6日(参考値)103.01中立≤60で超過冷/≤80で過冷

総合すると、体温+2の「微熱」ながら、相場の質は「天井形成パターン」という但し書きが付いたのが今日の市場体温計の結論です。指数は強く買い主導率も75%と高い一方、上昇比率34.0%・集中度47.5%と裾野は狭く、値がさ半導体への一極集中で押し上げられた構図——いわゆる「市場弱×大型強×集中」の組み合わせですね。過熱・底値の極端シグナルはまだ灯っていませんが、強い指数の中身が薄いという点は、明日以降に裾野が広がるかどうかで質が変わってきます。この上昇が本物になるには、半導体以外にも買いが広がるかが鍵になりそうです。

本日のマクロ環境

マクロは外部環境が国内のリスクオンを後押しした1日でした。前日(6/29月)の米株はNYダウ・ナスダック・S&P500がそろって上昇し、とくにナスダックは+2.07%と大きく反発。VIXは17台へ一段と低下し、ドル円も162円台へ円安が進みました。半導体・電気機器が買われやすい地合いが整っていたわけです。

📊 マクロ指標スナップショット
国内株式
日経平均
+0.86%
70,062円
TOPIX
+0.32%
3,994pt
グロース250
+0.55%
706pt
海外株式(前日)
NYダウ
+0.59%
52,188
ナスダック
+2.07%
25,820・大幅高
S&P500
+1.18%
7,440・反発
為替・金利
ドル円
162.32
+0.47円・円安進行
米10年金利
4.367%
-0.015pt・小幅低下
VIX恐怖指数
17.61
-0.83・一段と低下
資源・需給
WTI原油
$70.27
+0.26%・小幅高
騰落25日
100.26
中立ゾーン
信用評価損益率
+1.47%
プラス維持
集中相場で上昇:日経+0.86%も上昇比率は34.0%
指数は日経+0.86%・TOPIX+0.32%と上昇しましたが、上昇銘柄比率は34.0%・値上がり業種12/33と裾野は狭め。値がさ半導体に資金が集中して指数を押し上げた集中相場で、市場体温計の相場の質は「天井形成パターン」と判定されています。
半導体・シクリカルが逆行高:非鉄+2.69%・電気機器+1.59%
前日まで弱かった非鉄金属+2.69%・電気機器+1.59%が逆行高。太陽誘電+8.28%・KOKUSAI+8.80%・フジクラ+6.00%が買われ、シクリカル−ディフェンシブは+1.07%とリスクオンに振れました。物色の主役が1日で内需からシクリカル・ハイテクへ入れ替わっています。
テクノロジーが買い主導:先回りアラートで最強シグナル
先回りアラートではテクノロジーが「🔥流入×買い主導」(代金29銘柄58,403億・シェア67.0%・買い主導率72%)と最強。KOKUSAI+8.80%などが急増銘柄の上位に並びました。代金シェア67%は値がさ半導体への一極集中を映しています。
需給は良好:年初来高値53・安値12で新高安差+41
年初来高値53・安値12、新高安差+41と高値優勢が続き、高安比率は81.5%。信用評価損益率+1.47%も維持しています。指数の集中とは裏腹に、市場全体の需給そのものは健全です。
内需・ディフェンシブは逆行安:不動産・建設が売り主導
小売-1.19%・その他製品-1.29%・輸送用機器-1.06%と内需・ディフェンシブが逆行安。先回りアラートでも不動産・建設が「💧売り主導」(代金4銘柄714億・買い主導率25%・-0.97pt)と最弱でした。東洋エンジニアリング-6.40%・宮越HD-6.04%と、前日の急騰銘柄が反落しています。
米マクロ:米株は連騰、VIXは17台へ低下
米株は前日(6/29月)にNYダウ+0.59%・ナスダック+2.07%・S&P500+1.18%とそろって上昇VIXは17.61へ低下しリスク選好が改善しました。WTI原油70.27ドル・ドル円162.32円・米10年金利4.367%という外部環境です。今晩(6/30)の米国市場が連騰を続けるかが、明日の地合いを左右します。

明日の注目ポイント

3層構造でみる明日のシナリオ

本日の市場を「マクロ → テーマ → 個別業種」の3つの層に分けて、それぞれが何を示しているかを確認してから明日のシナリオを組み立てます。3層が同じ方向を示していれば構造的な動きとして信頼でき、逆に層ごとに食い違っていれば「まだ方向が定まっていない」と読む、という考え方です。

🔍 本日の3層スナップショット
層1:マクロ環境・体温
  • 金利軸 +0.72pt(連続+1日) 金利上昇
  • 資源軸 +0.30pt(連続+1日) 資源高
  • リスク軸 +0.91pt(連続+1日) リスクオン
  • 市場体温計:L1 +2「☀微熱」/ L2 1/4 / L3 0/4(相場の質=天井形成パターン)
3軸そろって攻め側へ反転。ただし全軸とも連続+1日(本日反転したばかり)で、3日平均はまだマイナス
層2:テーマ10テーマの動き
  • 最強:テクノロジー+0.62pt(⤵失速・連続+2日・🔥流入)
  • 次点:素材+0.20pt(◐中立・非鉄金属+2.37pt頼み)
  • 最弱:不動産・建設-0.97pt(🆘脱落・連続-1日)
  • そのほかの敗者:生活防衛-0.79pt/内需消費-0.76pt(ともに🆘脱落)
プラスはテクノロジー・素材の2テーマのみ。内需・ディフェンシブはそろって脱落
層3:業種・銘柄33業種シグナル
  • 🔥本格流入5業種に サービス業・倉庫運輸・医薬品・保険・精密機器 が残存(方向は内需・ディフェンシブ)
  • 年初来高安ネット差で 小売業+9・銀行業+9・電気機器+5 が高値超過
  • 当日の主役は 半導体・非鉄が独歩高(テーマ層・3軸とは別方向)
  • A最強モメンタム上位は 過熱スコア+1〜+6 でまちまち、伸び切り前の銘柄も残る
当日の値動きはシクリカル・ハイテク主役だが、資金の増減シグナルは内需・ディフェンシブに地力が残る「ねじれ」
3層は一致せず「ねじれ」:マクロ層(3軸プラス転換=リスクオン)とテーマ層(テクノロジー・素材のみプラス=シクリカル優位)は攻め側を指す一方、業種・個別層の資金増減シグナルは内需・ディフェンシブに地力が残るという逆向きのサインを出しています。当日はシクリカル・ハイテクへ全振りしたが、その攻めは「マクロ3軸が本日反転したばかり」「主役テーマがわずか2つ」「テクノロジーが早くも⤵失速判定」と、足場はまだ細いのが実情です。前日の内需優位から1日で振れた攻めが本物か、それとも集中相場の一時的なゆがみかは、明日の連続性を見て判断する局面だと考えています。
📊 メインシナリオ:半導体・シクリカル優位の継続、内需・ディフェンシブは押し目形成待ち

明日も、内需・ディフェンシブへの本格的な揺り戻しが確認できるまでは、半導体・シクリカル優位の地合いが続く公算がやや高いとみています。

  • 期待エリア:テクノロジー(電気機器・半導体製造装置)/素材(非鉄金属)/製造業サイクル(半導体製造装置の継続物色)
  • 継続性試金石:上昇比率34.0%が55%超へ広がり、値がさ半導体以外へ買いが波及するか(広がれば集中相場→全面高へ格上げ)
  • 底打ち待機:内需・金融(小売・銀行)。本格流入シグナルと年初来高安ネット(小売+9・銀行+9)で地力は残るが、巻き戻しの下げ止まりを確認できるまでは様子見
  • マクロ材料注視:今晩(6/30)の米国市場が連騰を保てるか・VIX17台の維持・ドル円162円台・米10年金利4.36%台の安定

分岐リスクと警戒トリガー

🌧️ 弱気分岐A:半導体集中の剥落で指数が失速する

本日の上昇を支えたのは値がさ半導体への資金集中(テクノロジー代金シェア67%)です。ここが剥落すると、上昇比率34.0%の薄い裾野では指数を支えきれず、集中相場が一気に失速します。「天井形成パターン」の但し書きが現実化するパターンです。

警戒トリガー:キオクシア・SBG・東京エレクトロンが寄り付き-2%超、または日経先物が夜間-1.5%超

⚡ 最弱気分岐B:米株反落×円高反転のダブルパンチ

連騰してきた米株が今晩反落しVIXが再上昇、これに円高反転が重なると、輸出・半導体株が崩れて全面安リスクが高まります。シクリカル一本足の上昇だけに、外部環境が逆風へ転じると下げ足が速くなりやすい局面です。

警戒トリガー:VIX20超への急騰 × ドル円160円割れ、または米10年金利4.5%超への急騰
🎯 シナリオ信頼度:中
3層が攻め(マクロ・テーマ)と守り(個別の資金シグナル)でねじれており、方向が一致しきっていないのが弱みです。加えて、本日の上昇は上昇比率34.0%・集中度47.5%と裾野が狭く、市場体温計の相場の質も「天井形成パターン」。前日のメインシナリオ(内需優位)が1日で裏返ったことも踏まえ、単日の方向を構造と読みすぎないよう信頼度は「中」に置きました。下支えは信用評価損益率+1.47%の維持と、内需・金融に残る本格流入シグナルの地力です。上昇比率が55%超へ広がれば信頼度を引き上げ、半導体が寄り付きから売られればサブシナリオへ切り替える前提で見ています。
📖 もっと詳しく:3層構造の論理プロセスを最初から追う

層1:マクロ層 ─ 3軸そろって攻めへ反転、ただし足場は本日できたばかり

今日のマクロは、3対立軸がそろって攻め側へ符号を反転させた点が最大の特徴です。リスク軸+0.91ptは製造業・テクノロジー・素材という景気敏感グループが生活防衛(ディフェンシブ)に勝ったことを示し、資源軸+0.30ptは非鉄主導で資源側が浮上、金利軸+0.72ptは金融が不動産・建設より強かったことを映します。前日(6/29)は3軸とも逆向き(金利低下・資源安・ディフェンシブ優位)だったので、わずか1日での全軸反転です。

ただ、ここは割り引いて見る必要があります。3軸とも連続日数は+1日、つまり本日反転したばかりで、3日平均・10日累計はまだ3軸そろってマイナス圏に残っています。市場体温計のLayer 1は+2「微熱」まで上がりましたが、相場の質は「微熱(市場弱×大型強×集中=天井形成パターン)」。上昇比率34.0%・集中度47.5%という薄い裾野での上昇で、過熱・底値の稀シグナルはほとんど灯っていないものの、「強い指数の中身が薄い」という警戒色の付いた1日でした。

層2:テーマ層 ─ プラスは2テーマのみ、内需・ディフェンシブが総崩れ

テーマ層では、前日からの明確な主役交代が起きました。プラス圏はテクノロジー+0.62ptと素材+0.20ptの2つだけ。テクノロジーは電気機器+1.27ptが牽引し、太陽誘電・KOKUSAI・村田製作所など半導体・電子部品が広く買われました。ただ連続+2日ながら短長スプレッド-0.25で判定は⤵失速——勢いそのものはピークを過ぎつつある、という機械サインも同時に出ています。素材は非鉄金属+2.37ptの独歩高頼みで、テーマ内は割れています。

対照的に、流出側は内需・ディフェンシブに集中しました。不動産・建設-0.97pt(最弱)・生活防衛-0.79pt・内需消費-0.76ptがそろって🆘脱落。前日に最強だった内需消費(+1.52pt)が下位へ転落し、資金がディフェンシブからシクリカルへ乗り換わった象徴的な動きです。先回りアラートでも不動産・建設は「💧売り主導」(買い主導率25%)で、内需からの資金流出が裏付けられています。

層3:業種・銘柄層 ─ 当日はシクリカル主役、だが資金シグナルは内需に地力

ここに今日の「ねじれ」があります。当日の値動きの主役は半導体・非鉄でしたが、33業種の資金流入シグナル(増減トレンド)を見ると、🔥本格流入5業種にサービス業・倉庫運輸・医薬品・保険・精密機器という内需・ディフェンシブ系が残っています。年初来高安のネット差でも小売業+9・銀行業+9・電気機器+5と、内需・金融に高値超過が集中。小売業は当日-1.19%と弱かったのに、年初来高値の更新数では+9と内部の物色が続いており、指数の当日値だけでは見えない地力が残っています。

個別では、A最強モメンタム上位が太陽誘電(過熱+1)・Link-U(+2)・KOKUSAI(+3)と過熱スコアまちまちで、伸び切り前の銘柄も残る位置。J.フロント(+6)・セレス(+6)は過熱気味です。当日の主役(テーマ層・3軸)と、資金の増減シグナル(業種・個別層)が逆を向いている——この食い違いが解消する方向(攻めが続くか、内需が再浮上するか)が、明日の見どころになります。

3層統合の読み方

マクロ層の「3軸プラス転換=リスクオン」、テーマ層の「テクノロジー・素材のみプラス=シクリカル優位」は攻め側を指す一方、業種・個別層の「資金増減シグナルは内需・ディフェンシブに地力」は守り側を指しています。3層が一致していないため、これは構造的なトレンド転換と断定できる段階ではなく、「集中相場の一時的なゆがみ」か「本物の主役交代の初日」かを見極める局面と読むのが妥当です。

したがって明日のメインシナリオは「半導体・シクリカル優位の継続、内需・ディフェンシブは押し目形成待ち」。本日の物色の主役(シクリカル・ハイテク)が明日も続く公算がやや高いとみる一方、業種・個別層では内需・金融に資金シグナルの地力が残るため、これを底打ち待機の候補に置きます。ただし3層が一致しておらず、前日のメインシナリオが1日で裏返った直後でもあるため、信頼度は中に置いています。上昇比率34.0%が55%超へ広がれば全面高への格上げ、半導体が寄り付きから売られればサブシナリオへ切り替える構えです。

🏆 本日の総合判定(11因子モデル):やや強気(スコア:+3/+11)

スコア内訳:

  • A トレンド:+1(日経-TOPIX+0.54ptで大型主導が+1。TOPIX+0.32%・グロース-TOPIX+0.23ptは±0.5pt圏で各0)
  • B 幅・需給:±0(新高安差+41が+1も、上昇銘柄比率34.0%が-1、値上がり12業種が0で相殺)
  • C 内部エネルギー:+2(シクリカル-ディフェンシブ+1.07%が+1、RSI健全度〔RSI50+=61.0%・RSI70+=10.7%〕が+1)
  • ⚠ D 過熱調整:-1(TOP3売買代金シェア47.5%で資金集中リスクが点灯)
  • E マクロ:+1(米国株合算〔ナスダック+2.07%+S&P500+1.18%=+3.25%〕が+1。VIX17.61は15-25圏で0)

判定根拠:C群の内部エネルギーが+2と牽引し、シクリカル逆行高とRSI健全度が効きました。A群は大型主導で+1。一方でB群は上昇比率34.0%の薄さが新高安差のプラスを打ち消して±0、D群は資金集中47.5%で-1。合計+3で「やや強気」に着地しています。前日の+4「強気」からは1ポイント低下で、指数は上昇しても裾野が薄い集中相場という性格がスコアの内訳にも表れた1日でした。

→ 11因子モデルの仕組みをもっと詳しく知りたい方は:11因子モデルとは ─ 日本株の強弱を客観的な数値で捉える独自スコアリング手法
※本記事は、私が独自に集計・分析した市場データをもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記載の数値は作成時点のものであり、正確性を保証するものではありません。

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