今週の日本株|2026年6月15日〜19日の市場資金フロー|日経史上初の7万円台

今週の日本株:日経+7.92%で史上初の7万円台、非鉄金属・半導体が牽引した資金集中の1週間(2026年6月15日〜19日)

今週(6/15-19)の日本株は、月曜こそTOPIX+3.03%・日経+4.99%という全面高の力強いスタートを切り、火曜にいったん一服したものの、水曜・木曜と再び上値を伸ばしました。そして木曜には日経平均が終値71,053円をつけ、史上初めて7万円の大台に乗せています。金曜は日経こそ小幅高を維持したものの、TOPIXは-0.57%と反落し、値上がり業種はわずか6/33まで縮小する資金集中相場での着地となりました。結果として日経平均は週間で+7.92%・前週末比+5,230円という歴史的な上昇となった一方、グロース250は-4.06%と逆行安で、資金が大型テーマ株へ一極集中した1週間でしたね。そして来週は主要決算が一巡し、6/23(月)の米PMIと、原油・中東情勢が相場の手掛かりになりそうです。
日経平均 週間
+7.92%
TOPIX 週間
+4.20%
グロース250 週間
-4.06%
勝ち組セクター首位
非鉄金属
負け組セクター首位
海運業
週間値上がり銘柄TOP3
フジクラ +15.7%
古河電工 +15.1%
キオクシア +12.1%
週間値下がり銘柄TOP3
銀行3社 -3〜-4%
SBG 週後半反落
グロース小型 -4.1%
📌 今週3行まとめ
  • 週の流れ:月曜の全面高スタートから木曜に日経平均が終値71,053円で史上初の7万円台に到達。ただ金曜は値上がり業種6/33まで縮小し、指数の最高値とは裏腹に裾野は週末にかけて急速に狭まる資金集中相場でした。
  • 勝ち組セクター:非鉄金属/電気機器/ガラス・土石製品の3強。フジクラ・古河電工の電線御三家と、キオクシア・半導体製造装置に資金が集中しました。
  • 来週の焦点:主要決算は一巡し、6/23(月)の米PMIが週で唯一の★★★級イベント。米イラン協議中止後の原油・中東情勢と、AIデータセンター(電線・半導体)の需給が相場を左右しそうです。

今週の日本株:週間マーケットサマリー

指標週初値(6/12)週末値(6/19)週間変化コメント
日経平均66,019.8271,249.84+7.92%史上初の7万円台乗せ・週間+5,230円の歴史的上昇
TOPIX3,881.964,044.96+4.20%大型バリューより指数寄与の値がさ主導
グロース250724.49695.08-4.06%小型成長は逆行安、資金は大型テーマ株へ
ドル円160.03161.29+1.26円円安進行で輸出株を下支え
米10年金利4.443%4.455%+0.012ptほぼ横ばいで金融には中立
VIX18.6916.86-1.83恐怖指数低下でリスクオン地合い
WTI原油83.8175.82-9.53%原油急落で商社・鉱業に逆風、内需にはプラス

今週の日本株:業種別の資金フロー総括

週間累積対TOPIX相対騰落とは
今週5日間の各業種の相対騰落(pt)を合計したものが「週間累積相対騰落」です。プラスの値が大きいほど「今週は市場平均より強く買われた」、マイナスの値が大きいほど「今週は売られた」ことを示します。+5pt以上=圧倒的勝ち組、+2〜5pt=強い、-2〜-5pt=弱い、-5pt以下=圧倒的負け組と判定しています。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む

今週の業種別資金フローを見ると、勝ち組の中心は非鉄金属(+14.0pt)でした。フジクラ・古河電工・住友電工のいわゆる電線御三家が、AIデータセンター向けの光ファイバー・電線需要を背景に急騰し、週を通じて相場を牽引しています。続く電気機器(+6.5pt)はキオクシアや半導体製造装置に資金が集中し、さらにガラス・土石製品(+4.6pt)や機械(+3.5pt)・金属製品(+3.0pt)へも、半導体材料やFA関連として物色が波及しました。一方で、負け組の筆頭は海運業(-12.2pt)です。運賃の軟調と原油下落が重なって、週を通じて最弱となっています。そして水産・農林業(-5.7pt)・不動産業(-5.6pt)・鉱業(-5.3pt)・陸運業(-5.3pt)といったディフェンシブ・資源・内需バリューも、金利の高止まりと原油安を受けて総じて劣後しました。

業種週間ランキング 2026/6/15-19 業種別5日累計対TOPIX相対騰落の勝ち組TOP5・負け組TOP5横棒グラフ。非鉄金属+14.02pt〜海運業-12.17pt。 業種 週間ランキング(5日累計 対TOPIX相対騰落)|6/15-19 非鉄金属+14.02pt電気機器+6.47ptガラス・土石製品+4.63pt機械+3.51pt金属製品+3.04pt陸運業-5.34pt鉱業-5.35pt不動産業-5.61pt水産・農林業-5.74pt海運業-12.17pt
業種週間ランキング(5日累計・対TOPIX相対騰落)

今週の日本株:業種別の週間累積ランキング

週間累積対TOPIX相対騰落とは
今週5日間の各業種の相対騰落(pt)を合計したものが「週間累積相対騰落」です。プラスの値が大きいほど「今週は市場平均より強く買われた」、マイナスの値が大きいほど「今週は売られた」ことを示します。+5pt以上=圧倒的勝ち組、+2〜5pt=強い、-2〜-5pt=弱い、-5pt以下=圧倒的負け組と判定しています。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む

勝ち組セクター TOP5

順位業種名週間累積相対騰落週間騰落率テーマ一言コメント
1非鉄金属+14.02+18.19%素材フジクラ・古河電工が電線/データセンター需要で急騰
2電気機器+6.47+10.64%テクノロジーキオクシア+半導体製造装置に資金集中
3ガラス・土石製品+4.63+8.80%テーマ外半導体材料関連へ物色波及
4機械+3.51+7.68%製造業サイクルFA・半導体製造装置がしっかり
5金属製品+3.04+7.21%テーマ外半導体材料・SUMCO関連が堅調

負け組セクター TOP5

順位業種名週間累積相対騰落週間騰落率テーマ一言コメント
1海運業-12.17-8.00%輸送・物流運賃軟調と原油下落で週を通じ最弱
2水産・農林業-5.74-1.57%テーマ外ディフェンシブ全般に利益確定売り
3不動産業-5.61-1.44%不動産・建設長期金利の高止まりで戻り鈍い
4鉱業-5.35-1.18%エネルギーWTI原油75ドル台へ下落し資源安
5陸運業-5.34-1.17%生活防衛出遅れ修正進まずディフェンシブ売り

今週は非鉄金属が5日累積+14.02ptと突出しました。フジクラ・古河電工・住友電工の電線御三家がAIデータセンター向けの光ファイバー/電線需要で急騰し、電気機器(+6.47pt)=キオクシア・半導体製造装置と並ぶ「テクノロジー&素材」主導の循環となっています。対照的に、海運業(-12.17pt)・水産農林(-5.74pt)・不動産(-5.61pt)・鉱業(-5.35pt)・陸運(-5.34pt)・卸売(-5.24pt)と、ディフェンシブ/資源/内需バリューが総じて劣後しました。原油下落(WTI-9.5%)が商社・鉱業の重荷となり、金利の高止まりで不動産が伸びず、相場の中心はAI・半導体・電線の成長テーマに一極集中した1週間でしたね。

今週の日本株:個別銘柄 週間ハイライト

週間騰落率の見方
週間騰落率は「前週末終値」から「今週末終値」までの変動率です。みんかぶ/Yahoo!ファイナンスのデータベースから全市場のランキングを算出しています。TOP10には小型株も含まれますが、記事では主要な材料が判明している銘柄を中心に紹介しています。
過熱スコアとは
過熱スコアは本ブログ独自の5指標(RSI・サイコロジカルライン・25日乖離率・出来高倍率・信用倍率)を-2〜+2点で採点し、合計-10〜+10点で個別銘柄の買われすぎ/売られすぎを機械的に判定する手法です。+5以上で過熱(買われすぎ)、-5以下で過冷(売られすぎ)と判定。週次では金曜終値時点のスコアを基準値として記載します。

週間 値上がり率 TOP10

順位コード銘柄名週間騰落率市場主な材料
16327北川精機+70.44%東S6/19上方修正(最高益・増配)。AIデータセンター向けプリント基板プレス装置で新市場開拓
26634JNグループ+59.65%東S低位小型株に短期資金が集中。個別材料は限定的
33441山王+56.18%東Sめっき技術。半導体・電子部品関連の物色波及
46966三井ハイテック+48.51%東P通期上方修正+AI-DC電源向けリードフレーム需要期待で2連S高(主役D)
59237笑美面+46.68%東G介護領域グロース。短期資金流入で急伸
65985サンコール+45.84%東S低PBR自動車部品。見直し買いが優勢
76522アスタリスク+42.11%東GRFID関連グロース。高PERで値動きの荒い銘柄
87084スマイルHD+42.08%東G小型の短期物色。値動き先行で急伸
92437シンワワイズ+41.65%東Sオークション関連の低位材料株
107717ブイテクノロジー+37.75%東PFPD・半導体製造装置。AI-DC関連の装置需要で値がさ人気(主役D)

週間 値下がり率 TOP10

順位コード銘柄名週間騰落率市場主な材料
17412アトム-46.84%東S株主優待ポイント半減(改悪)を嫌気し週初S安、年初来安値を更新
2462Aファンディノ-38.90%東G直近IPOグロース。需給悪化で急落
3186AアストロスケールHD-37.11%東G今期最終赤字拡大見通しを嫌気しS安。宇宙デブリ除去の国策銘柄
42345ホドルワン-37.11%東S低位材料株の急落。値動き主導
53134Hamee-32.59%東SEC・スマホ周辺。業績嫌気の売り
63681ブイキューブ-31.58%東P低位株。希薄化・需給悪化で下落
7190Aコーディア-30.93%東G直近IPO小型株の急落
86731ピクセラ-30.41%東S低位材料株の乱高下
9485APowerX-29.74%東G蓄電池グロース。高PER調整で急落
10442Aクラシコ-29.51%東G直近IPO。初値後の調整売り

値上がり率の上位は、北川精機(プリント基板プレス装置)・三井ハイテック(リードフレーム)・日本ケミコン(コンデンサ)・ブイテクノロジー(製造装置)など、AIデータセンター関連の部材銘柄が目立ちました。ただ、JNグループやアスタリスクのように個別材料の乏しい小型株への短期資金流入も多く、値動き主導の色合いが濃かったように思います。一方の値下がり率上位は、アトム(優待改悪)・アストロスケールHD(赤字拡大)など個別の悪材料を抱えた小型株が中心で、相場全体の地合い悪化というより銘柄固有の調整でした。

今週の日本株で主役となった銘柄

主役銘柄の抽出ロジック
今週の「主役銘柄」は、各営業日の値上がり率TOP20・値下がり率TOP20・売買代金TOP20に2日以上登場した銘柄を、出現パターン別に分類したものです。単純な週間騰落率ランキングでは見えない「売買代金首位に居座った主力株」「連日値動きTOPに名を連ねた銘柄」を可視化することで、今週の物色の中心を立体的に把握できます。

🟢 主力値上がり組(7銘柄)

値上がり率にも顔を出しながら売買代金でも常連だった主力が7社ありました。電気機器ではイビデン(CoWoS基板)・村田製作所(積層セラコン)・キオクシア(AIメモリ需要で火曜+22%)・レーザーテック(EUV検査装置)が中心。非鉄金属では三井金属・JX金属が銅地金高と半導体材料で堅調に推移し、古河電気工業が金曜に光ファイバー/電線需要で+15%超の急騰を見せました。AIデータセンターと半導体という今週のテーマを体現した顔ぶれですね。

⚪ 資金集中組(6銘柄)

値上がりにも値下がりにもランクインしないものの、5日間ずっと売買代金TOP20に居続けた銘柄が6社ありました。東京エレクトロン・アドバンテストは半導体製造装置の中核として代金首位級を維持。三菱UFJ・三井住友FG・みずほFGの銀行3社は木曜まで金利高で買われたものの金曜に-3〜-4%級の利益確定売りとなり、三菱重工業も防衛・原子力で連日資金が集まりました。指数を支える大型株に資金が滞留していたことがうかがえます。

🔴 主力値下がり組(4銘柄)

週後半に利益確定売りが出た主力が4社ありました。太陽誘電(MLCC需要も金曜に利確)・ソフトバンクグループ(値がさ主力が週後半に反落)・ディスコ(半導体ダイサー、木曜に利確)です。そしてフジクラは、金曜こそ+15.69%と急騰したものの木曜には反落しており、週中の振れ幅の大きさが目立ちました。半導体・電線の主役テーマほど、高値圏での値動きが荒くなっていた印象です。

📈 値上がり常連(中小型モメンタム・3銘柄)

中小型で連日のように値動きTOPに名を連ねたモメンタム銘柄が3社ありました。Link-Uグループ(小型グロースで上下動が激しい)・三井ハイテック(半導体リードフレームで連日急騰)・ブイ・テクノロジー(FPD/半導体装置で週後半に急騰)です。なお情報・通信業のフィックスターズは「▼▲・▲▼」と上下動を連発するボラティリティの高い動きで、小型グロースの荒さを象徴していました。

今週の主役を一言でいえば「AIデータセンター × 半導体 × 電線」でした。売買代金ではキオクシア・東エレク・アドバンテスト・村田・イビデン・ディスコの半導体勢が連日上位を占め、金曜にフジクラ・古河電工の電線御三家が急騰して非鉄金属を押し上げています。資金は半導体・電線の成長テーマへ一段と集中した週だったといえそうです。

今週の日本株:テーマ別資金フロー

テーマ別フローとは
本ブログ独自の10テーマは、東証33業種から24業種を集約してまとめたグループ分類です(カバー24業種+除外9業種)。今週5日間の各テーマの平均相対騰落(pt)を合計した「週間累積テーマ別相対騰落」を表示します。プラス側上位は「今週、市場全体より強く資金が入ったテーマ」、マイナス側下位は「資金が抜けたテーマ」を示し、業種単独では見えにくい資金の大きな流れを把握できます。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む

強かったテーマ TOP3

順位テーマ週間累積pt主要構成業種牽引役/材料
1素材+3.70pt非鉄金属・化学・鉄鋼フジクラ・古河電工の電線/非鉄が急騰、銅高も追い風
2テクノロジー+2.57pt電気機器・精密機器キオクシア・半導体製造装置に資金集中
3製造業サイクル+0.28pt機械・輸送用機器FA・半導体製造装置は堅調も自動車が重し

弱かったテーマ TOP3

順位テーマ週間累積pt主要構成業種牽引役/材料
1輸送・物流-5.24pt空運・倉庫・海運海運-12.17が最大の重し、原油下落と運賃軟調
2商社-5.24pt卸売業WTI原油急落で総合商社が全面安
3内需消費-4.63ptサービス・小売資金が大型テーマ株へ流れ内需は出遅れ

今週は素材とテクノロジーが牽引する「リスクオン型」のローテーションが鮮明でした。非鉄金属の急騰を含む素材(+3.70pt)が首位で、電気機器・精密機器のテクノロジー(+2.57pt)が続き、AIデータセンター・半導体・電線という米ハイテク連動の流れがテーマレベルでも顕在化した形です。一方、輸送・物流(-5.24pt)は海運の急落が、商社(-5.24pt)はWTI原油急落が直撃し、内需消費(-4.63pt)・生活防衛(-4.23pt)・エネルギー(-4.17pt)も資金が大型テーマ株へ流れたぶん出遅れました。なお除外9業種では、ガラス・土石製品(+4.63pt)・金属製品(+3.04pt)が半導体材料関連として例外的に強かった一方、情報・通信業(-1.77pt)は弱含むなど、ばらつきの大きい週だったように思います。

年初来高値・安値更新 週間集計

5日累積の見方
各業種の「年初来高値更新数−安値更新数」を5営業日ぶん積み上げたものです。プラスが大きいほど高値更新が優勢でモメンタムが強く、マイナスが大きいほど安値更新が優勢で出遅れていることを示します。市場全体の高値更新数・安値更新数の推移とあわせて見ると、相場の裾野の広がり方が分かります。

市場全体 年初来高値・安値更新の推移

指標月6/15火6/16水6/17木6/18金6/19週合計/金
高値更新数8641568795計365
安値更新数2055252648計174
新高安差分+66-14+31+61+47+47
高安比率81.1%42.7%69.1%77.0%66.4%66.4%

市場全体では、高値更新数が木曜87→金曜95と週末にかけて再加速し、新高安差分は火曜こそ-14と崩れたものの、それ以外の4日はプラスを維持しました。週合計では高値更新が計365・安値更新が計174で、高安比率は66.4%と強気の水準を保っています。指数の最高値更新を支える需給そのものは、週を通じて良好だったといえそうです。

高値更新が多かった業種 TOP5

業種グループ5日累計(高−安)
電気機器シクリカル(景気敏感)+59
機械シクリカル(景気敏感)+58
化学シクリカル(景気敏感)+44
銀行業バリュー(金融)+38
ガラス・土石製品素材・中間材+20

安値更新が多かった業種 TOP5

業種グループ5日累計(高−安)
情報・通信業グロース(IT・ハイテク)-63
サービス業グロース(IT・ハイテク)-20
医薬品ディフェンシブ-9
食料品ディフェンシブ-6
卸売業総合商社(特殊)-5

業種別に見ると、電気機器(+59)・機械(+58)・化学(+44)といったシクリカル(景気敏感)が高値更新を量産してモメンタム最強でした。銀行業(+38)も金利高の局面で高値更新が多かったのが特徴です。反対に情報・通信業(-63)・サービス業(-20)が安値更新優勢で、グロース小型と内需が劣後しました。週間騰落率では非鉄金属が首位でしたが、高値更新の「数」で見ると電気機器・機械・化学のシクリカル勢が裾野の広さで上回っており、物色の重心がどこにあったかが立体的に見えてきます。

今週の3対立軸の動き

3対立軸とは
3対立軸は本ブログ独自の集約フレームで、10テーマ集約からさらに3つの基本対立構造を取り出したものです。金利軸(金融−不動産建設)/資源軸(エネルギー+素材+商社−輸送物流+内需消費)/リスク軸(製造業サイクル+テクノロジー+素材−生活防衛)の3つの差分pt値で、市場の主軸テーマを把握します。週次では各軸の5日累積pt値で「今週はどの軸が動いたか」を読み取り、テーマ別フローよりも一段抽象度の高いレンズで相場全体の構造を捉えます。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む
軸名週間累積解釈
金利軸-1.88+1.72+0.18+1.20-1.80-0.62ptほぼ中立(金融・不動産とも弱含み)
資源軸+0.75-1.38+1.38-3.28+6.62+4.17pt金曜の非鉄急騰で資源側へ振れる
リスク軸+5.82+2.52+1.32-1.39+2.49+10.79pt週を通じてリスクオン主導

今週の3対立軸では、リスク軸(+10.79pt)が圧倒的に大きく動きました。製造業サイクル・テクノロジー・素材の3テーマが生活防衛を大きく上回り、月曜から「リスクオン主導」の週となっています。資源軸(+4.17pt)もプラス圏で、特に金曜は非鉄金属の急騰(エネルギー+素材+商社側)が効いて+6.62まで跳ね上がりました。一方で金利軸(-0.62pt)はほぼ中立で、銀行が木曜まで買われたものの金曜に利確売りで失速し、不動産も金利高止まりで戻りが鈍く、金融側の優位はわずかにとどまっています。本文②のテーマ別フローで素材・テクノロジーが上位だった事実と、このリスク軸+10.79ptは、同じ現象を異なる解像度で捉えたものといえますね。

今週の日本株:週間スコア推移(11因子モデル)

11因子モデル
11因子モデルは相場を5つの群(A:トレンド、B:幅・需給、C:勢い、D:過熱調整、E:マクロ)に分類して採点する手法です。各日の総合スコアは -9 〜 +11 の範囲を取り、+7以上で「強気・全面リスクオン」、-7以下で「全面安・警戒」と判定します。週次では5日分を合計して週全体の流れを見ます。
→ もっと詳しく知りたい方は:11因子モデルの詳細解説を読む

月曜はTOPIX+3.03%・日経+4.99%の全面高で、B群(幅・需給)+3を中心に総合+5の強気スタートとなりました。買い主導率100%・値上がり業種25/33という、文句なしの号砲です。火曜はいったん一服し、非鉄+6.81%が独歩高となる一方で上昇比率28%の選別物色となり、総合は-1へ低下しました。水曜は半導体・機械主導で値上がり業種が22/33へ広がり、C群(勢い)+1で総合+1に持ち直しています。そして木曜、日経平均は終値71,053円で史上初の7万円台に乗せたのですが、TOP3集中42.3%という大型偏重が続き、総合スコアは意外にも±0の中立でした。指数の最高値と相場の体感温度がズレた、今週を象徴する1日でしたね。金曜は値上がり業種わずか6/33の極端な資金集中相場ながら、非鉄+8.67%・半導体主導で指数は底堅く、C群+2・E群+1で総合+2に戻して着地しました。

日付総合スコアA群
トレンド
B群
幅・需給
C群
勢い
D群
過熱
E群
マクロ
判定
06/15(月)+5+1+3+2-10強気
06/16(火)-10-10-1+1中立・様子見
06/17(水)+10+2+1-1-1やや強気
06/18(木)00+1+1-1-1中立・様子見
06/19(金)+200+2-1+1やや強気
週合計/平均+7 / 平均+1.4+1+5+6-50やや強気
📊 週次スコア総括

週合計は+7(平均+1.4)で「やや強気」。月曜の強気スタート(+5)のあと火曜に一服(-1)し、木金は最高値更新の局面でも大型集中が続いて中立寄りでした。群別ではC群(勢い)+6・B群(幅・需給)+5が買いを主導した一方、D群(過熱調整)が連日-1で計-5と、週を通じて過熱が重しになっていたことが分かります。買いは優勢でも、その裾野は週末にかけて急速に縮小した1週間でした。

週間スコア推移 2026/6/15-19 11因子モデル総合スコアの5日推移。月+5→火-1→水+1→木0→金+2、週合計+7。 -9-50+5+11 週間スコア推移(11因子モデル)|6/15-19 週合計 +7 +5-1+1+0+2
週間スコア推移(11因子モデル総合スコアの5日推移)

市場体温計

市場体温計とは
本ブログ独自の三層スコアで日本株の相場全体の温度を測る指標です。Layer 1(日々の体温・5項目)は当日データから-5〜+5の温度スコアで日々の相場の暖かさ/寒さを示し、Layer 2(高温シグナル・4項目)は稀な過熱の極端値(騰落レシオ25日 ≥125 など)、Layer 3(低温シグナル・4項目)は稀な底値の極端値(騰落レシオ6日 ≤60 など)を点灯式で捉えます。Layer 1の体温で日々の流れを把握しつつ、Layer 2/3のいずれかが2点以上点灯したら警戒(過熱)または逆張り検討(底値)のサインです。
→ もっと詳しく知りたい方は:市場体温計とは|三層スコアの読み方を読む

今週の体温(Layer 1)は、月曜+5の灼熱級スタートから金曜-1まで低下しました。火曜にいったん-2まで冷え込んだあと水・木で+4へ回復し、金曜に再び-1へ下がるという、指数の上昇とは裏腹に上下動の大きい体温推移でした。Layer 2(高温シグナル)は日経25日乖離率(+8%超)が連日点灯し、過熱感は週を通じて継続しています。一方Layer 3(底値シグナル)は月曜の1点を除きほぼ消灯で、底値圏の気配はありませんでした。

ℹ️ 今週は各レイヤーを項目別ではなく、層ごとの集約スコア(Layer 1の体温/Layer 2・3の点灯数)と補助指標でまとめています。日々の体温と過熱・底値シグナルの推移を、下の表でまとめてご覧ください。

三層スコア+補助指標の週間推移

日付Layer1
体温(-5〜+5)
Layer2
過熱(/4)
Layer3
底値(/4)
資金集中度買い主導率相場の質
06/15(月)+51/41/444.9%100%中立
06/16(火)-21/40/439.2%55%微熱
06/17(水)+40/40/435.4%70%中立
06/18(木)+41/40/442.3%80%中立
06/19(金)-11/40/442.6%35%中立

今週の総合解釈としては、「指数は最高値でも裾野の広がりを欠く資金集中相場」を体温計も裏付けた1週間でした。Layer 2の過熱シグナル(日経25日乖離率+8%超)が連日点灯し続け、指数の過熱感は週を通じて消えませんでした。資金集中度は35〜45%で推移し、特に金曜は42.6%と極端な集中・買い主導率35%へ低下しています。相場の質は大半が「中立」で、Layer 1の体温が月曜+5から金曜-1まで下がったことからも、買いの勢いそのものは週末にかけて弱まっていたことが読み取れます。Layer 3の底値シグナルが点灯していない以上、これはあくまで「過熱の警戒を続ける」局面であり、押し目買いを急ぐ段階ではない、と私は受け止めています。

今週の日本株:週間マクロ環境の変化

重要変化(★★★):日経平均が週間+7.92%・木曜終値71,053円で史上初の7万円台に到達。一方で週末に米イラン協議が中止され、ホルムズ海峡再開の不透明感が再燃。原油の地政学リスクが最大の波乱要因として残りました。
ℹ️ 注目変化(★★):WTI原油が83.81→75.82ドルへ-9.53%と急落し、資源株の重荷に。VIXは16.86へ低下しリスクオン地合い。6/19(金)は米国市場が休場のため、週明けは6/23の米PMIが最初の手掛かりとなります。
指標前週末(6/12)今週末(6/19)週間変化方向日本株への影響
日経平均66,019.8271,249.84+7.92%史上初の7万円台乗せ・週間+5,230円
TOPIX3,881.964,044.96+4.20%指数寄与の値がさ主導
グロース250724.49695.08-4.06%小型成長は逆行安
ドル円160.03161.29+1.26円円安で輸出株を下支え
米10年金利4.443%4.455%+0.012ptほぼ横ばい、金融に中立
VIX18.6916.86-1.83恐怖指数低下でリスクオン
NYダウ50,85451,570+1.41%米株堅調で外部環境は追い風
ナスダック25,81026,518+2.74%米ハイテク高が日本の半導体株を後押し
WTI原油83.8175.82-9.53%原油急落で商社・鉱業に逆風
金($/oz)4,244.34,183.9-1.42%安全資産需要は後退

来週の日本株で注目したいイベント

重要度の凡例
来週の決算・イベントは、以下の基準で重要度を判定しています。
★★★(最注目)= FOMC・日銀会合・米CPI/PCE・米雇用統計・米PMI等の主要指標、または時価総額1兆円超 or セクター代表の大型決算
★★(注目)= 中規模経済指標、または時価総額3,000億〜1兆円の中堅決算
※時価総額はスクリーナー実測値に基づき、大まかな桁感で示しています。

国内主要決算スケジュール

📌 来週(6/22週)は、当ブログの重要度基準(★★=3,000億円超/★★★=1兆円超 or セクター代表)に該当する主要決算の発表予定はありません。3月決算企業の本決算シーズンは一巡し、個別の決算材料よりマクロ・地政学・テーマ(AI/半導体/電線)主導の相場が続く見通しです。

主要経済指標・金融政策

日付時刻イベント地域重要度注目ポイント
6/23(月)22:45米PMI(製造業・サービス業 速報値)6月★★★米国市況の体温計。週明け最初の主要指標で、米景気の強弱が米金利観測→日本の半導体・輸出株に波及。
来週の要注意日:6/23(月)22:45の米PMIが週で唯一の★★★級指標です。あわせて、米イラン協議中止後のホルムズ海峡情勢(原油)と、AIデータセンター関連(電線・半導体)の需給が相場を左右しそうです。

来週の日本株で注目したいシナリオ

夜間の日経先物は終値71,850円(高値72,210/安値71,630)と、日中終値71,249円より堅調に推移しています。米国休場明けで手掛かりは6/23の米PMI待ち、想定レンジは70,000〜72,500円を前提に、来週を3つのシナリオで整理しました。

🟢 シナリオA:強気継続(40%)
  • 条件:米PMI堅調+電線/半導体テーマ継続。夜間先物71,850を維持し寄り堅調。
  • 展開:7万円台を固め72,000〜72,500を試す。非鉄・半導体主導の循環が続く。
  • 注目:米PMI・SOX・フジクラ/古河の値動き・ドル円161円台
押し目買い優勢が有効な局面
🟡 シナリオB:調整(42%)
  • 条件:日経25日乖離+8.40%の過熱と、値上り業種6/33の極端な狭さが意識される。
  • 展開:利益確定で70,000〜71,000へ反落。指数は底堅くとも個別の優劣が拡大。
  • 注目:25日乖離率・騰落レシオ・資金集中度(40%超)・VIX
押し目待ちスタンスが有効な局面
🔴 シナリオC:弱気転換(18%)
  • 条件:米イラン協議中止後のホルムズ海峡緊迫で原油急騰+リスクオフ。
  • 展開:原油高→資源高/株安。半導体集中相場の反動で70,000割れを試す。
  • 注目:WTI原油・中東報道・ドル円・米10年金利
キャッシュ温存が有効な局面

来週の注目セクター

判定セクター今週累積ptシナリオ別見通し主な関連銘柄
非鉄金属+14.02A:継続物色/B:高値警戒で乱高下5803 フジクラ・5801 古河電工・5802 住友電工
電気機器+6.47A:半導体続伸/B:利確285A キオクシア・8035 東エレク・6857 アドバンテスト
機械+3.51A:製造装置堅調6146 ディスコ・7011 三菱重工・6104 芝浦機械
銀行業金利観測次第金曜急落の反動に注目、金利観測次第で乱高下8306 三菱UFJ・8316 三井住友・8411 みずほ
鉱業-5.35C(原油高)で逆行高の可能性1605 INPEX
海運業-12.17原油・運賃次第、最弱からの自律反発に留意9101 日本郵船・9104 商船三井
不動産業-5.61金利高止まりで戻り鈍い8801 三井不動産・8802 三菱地所

🏆 今週の総合判定:やや強気(週合計:+7pt)

週次スコア推移:月+5 → 火-1 → 水+1 → 木±0 → 金+2

A〜E群 週次合計:

  • A トレンド:+1(日経主導の最高値更新も、TOPIX対比では限定的)
  • B 幅・需給:+5(月曜の全面高と水曜の裾野拡大が寄与)
  • C 勢い:+6(半導体・電線テーマの強い物色が継続)
  • D 過熱調整:-5(連日の資金集中・25日乖離+8.40%の過熱が重し)
  • E マクロ:0(VIX低下・米株高は追い風、円安と原油安は相殺)

今週の総括:月曜の全面高から木曜に史上初の7万円台へと駆け上がった歴史的な1週間でした。ただ、その牽引役は非鉄金属(電線)と半導体に偏り、金曜には値上がり業種が6/33まで縮小する極端な資金集中相場で着地しています。週合計+7ptで「やや強気」を維持しつつも、D群の過熱が連日重しとなっており、指数の最高値ほどには相場の体感温度が上がっていない、複雑な強さの週だったように思います。

来週の焦点:非鉄金属・電気機器(続伸か高値警戒か) / 6/23(月)米PMI / 米イラン協議中止後の原油・中東情勢 / 72,500円トライと70,000円維持の攻防

📊 スラッグ:japan-stock-weekly-20260619

今週の個別日レポート: 6/15(月) / 6/16(火) / 6/17(水) / 6/18(木) / 6/19(金)

本記事は私が独自に集計・分析した市場データをまとめたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。記載の数値は記事作成時点のもので、その正確性・完全性を保証するものではありません。

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