今週の日本株|2026年8月31日〜9月4日の市場資金フロー|水曜の全面安で25日線割れ、電力・銀行が退避先に

今週の日本株:長期金利3%台と貴金属急落で水曜に-2.85%の全面安、電力・銀行へ資金退避(2026年8月31日〜9月4日)

今週(8/31-9/4)の日本株は、月曜こそ寄り付き直後に1,500円超安まで売られながら大引けにかけて切り返す粘り腰を見せたものの、火曜には国内10年債利回りが3%台に乗せ、値がさグロースから電力・資源・銀行へ資金が逃げる展開が続きました。そして水曜、東京金先物-2.96%をきっかけに貴金属・非鉄が総崩れとなり、日経平均は-2.85%の全面安で25日線を割り込みます。木曜は商社・電力が買われてTOPIXは反発したのに日経は4日続落、金曜は米利上げ観測の後退を受けてソフトバンクグループ+11.78%が1銘柄で474円分を押し上げる反発で締めました。結果、日経平均は週間-2.09%、TOPIXは-1.05%、グロース250は-3.20%と2週ぶりの反落で、業種では電気・ガス業と銀行業が退避先として買われ、非鉄金属とサービス業が売られた1週間でしたね。金曜夜の米8月雇用統計は予想を大きく上回る強さで、来週は9/11(金)のメジャーSQと米CPI、そして155円台まで進んだ円高の行方が焦点になりそうです。
日経平均 週間
-2.09%
TOPIX 週間
-1.05%
グロース250 週間
-3.20%
勝ち組セクター首位
電気・ガス業
負け組セクター首位
非鉄金属
週間値上がり銘柄TOP3
エア・ウォーター +20.16%
フルヤ金属 +16.28%
壱番屋 +16.05%
週間値下がり銘柄TOP3
松屋 -19.88%
日本MDM -17.22%
日鉄鉱業 -15.68%
📌 今週3行まとめ
  • 週の流れ:月火は指数が小動きの裏で値がさグロースから電力・資源・銀行へ資金が移り、水曜に貴金属急落と金利上昇が重なって-2.85%の全面安。木曜まで日経4日続落のあと、金曜はソフトバンクグループ主導で反発したものの、TOPIXはほぼ横ばいと戻りの裾野は狭いまま
  • 勝ち組セクター:電気・ガス業/石油・石炭製品/銀行業の高配当・金融3強。関西電力・九州電力が週間2桁高、メガバンク3行は5日連続で売買代金上位に。一方で先週首位のサービス業と、8月の主役だった非鉄金属が最下位圏へ
  • 来週の焦点:予想を大きく上回った米雇用統計で9月利上げ確率は約6割へ。9/11(金)のメジャーSQと米CPIが同日に重なり、円高が155円台まで進む中で25日線(66,000円台)を回復できるかどうか

今週の日本株:週間マーケットサマリー

指標前週末(8/28)週末(9/4)週間変化コメント
日経平均66,405.5665,020.94-2.09%木曜に一時63,772円まで下落、4日続落後に反発
TOPIX4,146.714,103.23-1.05%火曜まで9日続伸のあと水曜に-2.40%で途切れる
グロース250823.16796.82-3.20%先週+7.1%の反動。金曜+2.67%で800円に接近
ドル円159.55円156.38円3.2円の円高木曜に1日で2.75円の急速な円高。金曜NYは155円台前半
国内10年債利回り2.920%2.916%ほぼ横ばい火水に3.0%台へ乗せ、木曜に3%割れへ戻る
米10年金利4.679%4.753%+0.07pt水曜4.803%まで上昇。金曜夜は雇用統計で再上昇
VIX14.5414.32-1.5%水曜16.47まで上昇したあと低下
日経VI23.2527.19+16.9%木曜28.32まで上昇。国内の警戒感は解けず
WTI原油82.95ドル90.74ドル+9.4%米イラン情勢の再燃で90ドル台へ急伸
騰落レシオ25日125.31117.30-8.0pt月曜128.68の過熱圏から中立圏へ

今週の日本株:業種別の資金フロー総括

週間累積対TOPIX相対騰落とは
今週5日間の各業種の相対騰落(pt)を合計したものが「週間累積相対騰落」です。プラスの値が大きいほど「今週は市場平均より強く買われた」、マイナスの値が大きいほど「今週は売られた」ことを示します。+5pt以上=圧倒的勝ち組、+2〜5pt=強い、-2〜-5pt=弱い、-5pt以下=圧倒的負け組と判定しています。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む
業種別 週間累積相対騰落 TOP5 / WORST5 | 8/31 – 9/4週8/31週の業種別週間累積相対騰落。電気・ガス業・石油・石炭製品・銀行業など高配当・金融が上位、非鉄金属・サービス業・機械が下位に沈んだ。 業種別 週間累積相対騰落 TOP5 / WORST5 | 8/31 – 9/4週 対TOPIX相対の週間累積(pt)。週間騰落率などの詳細は下の表で 電気・ガス業 +6.11pt 石油・石炭製品 +3.91pt 銀行業 +3.45pt 情報・通信業 +3.40pt 保険業 +3.33pt 非鉄金属 -4.74pt サービス業 -3.45pt 機械 -2.41pt ゴム製品 -2.40pt 精密機器 -2.25pt
週間累積相対騰落の俯瞰。数値の詳細は下の表で

勝ち組セクター TOP5

順位業種週間累積相対騰落週間騰落率25日累積勢い(5日前比)一言コメント
1電気・ガス業+6.11pt+5.01%+5.57pt↗加速関西電力+12.8%・九州電力+9.7%。金利上昇局面で高配当・規制産業に資金回帰
2石油・石炭製品+3.91pt+2.78%+2.01pt↗加速WTI90ドル台への急伸で出光興産+6.6%。金曜は反落
3銀行業+3.45pt+2.44%+5.47pt↗加速国内10年債3%台乗せで水木に買い。25日累積は今週プラス圏へ浮上
4情報・通信業+3.40pt+2.30%+3.71pt↗加速ソフトバンクグループ金曜+11.8%が業種を一段押し上げ
5保険業+3.33pt+2.31%-5.18pt↘失速下げ相場で「下げ幅が小さい」守りの買い。25日累積はまだ水面下

負け組セクター TOP5

順位業種週間累積相対騰落週間騰落率25日累積勢い(5日前比)一言コメント
1非鉄金属-4.74pt-5.76%+15.76pt↗加速水曜の貴金属崩落で住友金属鉱山-12.6%・三井金属-11.6%。25日累積はなお首位
2サービス業-3.45pt-4.49%+7.52pt↘失速リクルートHD-8.8%で先週首位から最下位圏へ急転
3機械-2.41pt-3.42%-3.63pt↗加速ディスコ-8.2%・三菱重工-6.7%と輸出・AI設備系に売り
4ゴム製品-2.40pt-3.43%-7.54pt↘失速円高転換で輸出系ディフェンシブも敬遠
5精密機器-2.25pt-3.27%-0.94pt↘失速値がさ・輸出系がそろって軟調

今週の業種別資金フローは、「下げ相場の退避先」がはっきり出た週でした。首位は電気・ガス業(+6.11pt)で、関西電力が週間+12.80%、九州電力が+9.68%と、電力の主力がそろって2桁近い上昇です。国内10年債が3%台に乗せる金利上昇局面で、原油高がコストになるはずの電力が買われたのは、高配当・規制産業への資金回帰という色合いが強いと私は見ています。2位の石油・石炭製品(+3.91pt)はWTI原油が90ドル台へ急伸した直接の受益で、3位の銀行業(+3.45pt)は水木に金利上昇を手掛かりに買われ、メガバンク3行が5日連続で売買代金上位に顔を出しました。

一方の負け組は、非鉄金属(-4.74pt)が最下位です。水曜に東京金先物が-2.96%と急落したのをきっかけに、住友金属鉱山-12.58%・三井金属-11.60%・三菱マテリアル-13.65%と8月に大きく買われた銘柄ほど下げ幅が大きく、持ち高整理の色が濃い週になりました。2番手は先週首位だったサービス業(-3.45pt)で、リクルートホールディングスが週間-8.79%と、たった1週間で主役が最下位圏へ転じています。続く機械(-2.41pt)・ゴム製品(-2.40pt)・精密機器(-2.25pt)は、木曜に1日で2.75円進んだ円高が輸出系の重石になった形です。

継続性の面では、銀行業の25日累積が先週の-2.58ptから+5.47ptへプラス圏に浮上したのが今週の変化点で、2週連続の勝ち組入りです。電気・ガス業も25日累積+5.57pt・勢い↗加速と先週の負け組(-2.13pt)から一気に切り替わりました。逆に非鉄金属は25日累積+15.76ptとなお33業種首位ですから、今週の急落は上昇分の一部を吐き出したにすぎず、「トレンドが壊れたか、高値圏の一服か」の判定は来週に持ち越しです。

→ 業種の週間累積ランキング全33業種は、記事末尾の「データ資料編」にまとめています

今週の日本株で主役となった銘柄

銘柄の傾向を整理すると、値上がり側は関西電力・九州電力の電力2銘柄がTOP10に入り(12位にも北海道瓦斯)、業種ランキングの構図がそのまま個別にも現れました。ただし関西電力は過熱スコア+6の「やや過熱」圏で、電力の勢いが来週も続くかは分からないところです。もう一つの特徴はキオクシアホールディングスが時価総額29.9兆円の主力でありながら週間+13.70%と値上がり率6位に入ったことで、前週末の-8.76%からの全戻しでした。値下がり側はTOP10のうち5銘柄が非鉄金属で、水曜の貴金属崩落がどこに集中したかを物語っています。

🟢 主力値上がり組(時価総額1兆円以上・週間騰落率TOP5)

コード銘柄名週間騰落率業種時価総額ひとこと
285AキオクシアHD+13.70%電気機器約29.9兆円5日連続で売買代金首位。金曜+5.4%で上場来高値圏
9503関西電力+12.80%電気・ガス業約3.3兆円電気・ガス業首位の主役。金利上昇局面の高配当買い
9508九州電力+9.68%電気・ガス業約1.0兆円火曜+8.2%。関電と並ぶ電力高の2枚看板
9984ソフトバンクグループ+8.31%情報・通信業約31.9兆円水曜-6.4%を金曜+11.8%で取り返す。アーム高・オープンAI新モデル報道
5019出光興産+6.56%石油・石炭製品約1.8兆円WTI90ドル台乗せの受益。石油・石炭製品の中核

主力の値上がり上位はキオクシアとソフトバンクグループというAI関連の2大主役に、電力2社と石油が並ぶ顔ぶれでした。6位にはクボタ+6.35%が続いており、値がさAI株と高配当バリューが同じ表に同居する、今週のねじれをそのまま映した並びになっています。

まとめです。今週の物色の構図は、「金利上昇と円高で値がさグロースから電力・銀行・商社へ退避し、水曜の貴金属崩落で8月の主役だった非鉄金属が最も深く沈んだ」というものでした。ただし売買代金の上位はキオクシアを筆頭に半導体・AI関連が占め続けており、金曜にはソフトバンクグループ1銘柄で日経を474円押し上げています。資金が広がったのではなく、日替わりで行き先を変えただけ、というのが正直な印象です。

→ 値上がり・値下がりTOP10の全リストと、資金集中組・乱高下組・値上がり常連の詳細テーブルは「データ資料編」へ

今週の答え合わせ:週間スコア推移と先週シナリオの検証

週間スコア推移(11因子モデル)| 2026/08/31 – 09/048/31週の総合スコア推移。月火-1、水曜-5の弱気、木曜0、金曜+4の強気へ。週合計-3。 週間スコア推移(11因子モデル)| 2026/08/31 – 09/04 総合スコア(-11〜+11)。プラスは強気材料、マイナスは弱気材料の優勢を示します +4 +2 -2 -4 0 -1 8/31(月) 中立・様子見 -1 9/1(火) 中立・様子見 -5 9/2(水) 弱気 0 9/3(木) 中立・様子見 +4 9/4(金) 強気
11因子モデル 総合スコアの週間推移。日別の詳しいストーリーは「データ資料編」へ

週合計は-3ptで着地しました。内訳を見ると、B群(幅・需給)が+3と個別の需給はまだ崩れていない一方、D群(過熱調整)が-4、A群(トレンド)が-2と、週前半の過熱と週後半の日経・TOPIXのねじれが足を引っ張っています。水曜の-5は値上がり業種ゼロという文字どおりの全面安でしたが、金曜の+4は日経とTOPIXの差と米国環境で作られた点数で、国内の幅の指標はむしろ悪化していました。「体温は戻ったが裾野は狭い」という週の締めくくりです。

先週の記事では「A:早期切り返し(25%)/B:半導体調整と二極化(45%)/C:金利ショック調整(30%)」の3つを想定していました。結果は本命のシナリオBが外れ、3割で見ていたシナリオCの値幅がほぼそのまま実現です。「25日線割れなら64,000円台前半へ」と書いた水準に対し、実際は木曜に63,772円まで下げていますから、下振れの幅は想定以上でした。ただ、引き金は私が想定した米金利の一段高というより、国内10年債の3%乗せと水曜の貴金属崩落の組み合わせで、日本発の材料で崩れた点は読み違えです。一方、Bで想定した「半導体は重く、金融が下支え」という業種の構図と、Cで挙げた「グロース250の逆回転」(-3.20%)は当たっており、方向は合っていたが規模を小さく見積もった週というのが率直な答え合わせになります。

🏆 今週の総合判定:やや弱気(週合計:-3pt)

A〜E群 週次合計:

  • A トレンド:-2(日経とTOPIXが4日間逆を向き、金曜だけ値がさ主導で+2)
  • B 幅・需給:+3(月火の裾野拡大が水曜に消えたが、高値更新347vs安値29で需給は健在)
  • C 勢い:-1(水曜にシクリカル−ディフェンシブ差がマイナスへ)
  • D 過熱調整:-4(月火は騰落レシオ25日120超で減点、水曜以降は過熱解消でゼロ)
  • E マクロ:+1(水曜の米株安で-1、金曜のVIX15割れと米株高で+2)

今週の総括:長期金利の3%乗せと原油90ドル台で始まり、水曜の貴金属崩落で25日線を割り、金曜にソフトバンクグループ主導で戻すという、下げ方も戻り方も偏った1週間でした。週合計-3ptの「やや弱気」は、需給の健全さ(B群+3)を過熱の後始末(D群-4)とトレンドのねじれ(A群-2)が上回った結果で、金曜の反発をTOPIXが追いかけていない点が来週への持ち越し課題だと思っています。

来週の日本株で注目したいイベント

重要度の凡例
来週の決算は、時価総額1,000億円以下の小型銘柄を除外し、以下の基準で重要度を判定しています。★★★(最注目)= 時価総額1兆円超、または日経225採用+セクター代表銘柄。★★(注目)= 時価総額3,000億〜1兆円の中堅上位銘柄。※時価総額はスクリーナー実測値に基づき、大まかな桁感で示しています。

国内主要決算スケジュール

日付コード企業名時価総額重要度注目ポイント
9/9(水)6966三井ハイテック約1,900億円モーターコア・リードフレーム。EV減速の影響を確認
9/9(水)5032ANYCOLOR約1,800億円VTuber。グロース系の反応を見る材料
9/10(木)1928積水ハウス約2.2兆円★★★住宅最大手の中間決算。金利上昇下での国内受注と米国住宅事業の採算
9/10(木)4194ビジョナル約3,700億円★★ビズリーチ。サービス業が売られた翌週の人材系グロースの試金石
9/11(金)3038神戸物産約8,300億円★★業務スーパー。円高転換が輸入食材のコストにどう効くか
9/11(金)2695くら寿司約1,400億円外食・インバウンド関連

来週も国内決算は閑散期で、指数を動かす規模の発表は積水ハウスくらいです。主戦場はもっぱら海外の物価指標と国内の需給イベントになりそうです。

主要経済指標・金融政策

日付時刻(日本)イベント地域影響度注目ポイント
9/7(月)14:007月景気動向指数日本国内景気の方向感
9/8(火)8:504-6月期GDP改定値・7月経常収支・毎月勤労統計日本★★日銀9月会合前の最後の主要指標群。賃金の伸びが利上げ観測を左右
9/9(水)10:308月中国CPI・PPI中国★★資源・商社の需要面の材料
9/10(木)21:15ECB理事会・ラガルド総裁会見欧州★★0.25%利上げが織り込み済み。年内2回目の示唆があるか
9/10(木)21:308月米PPI米国★★翌日CPIの前哨戦
9/10(木)日中日銀・増田審議委員 講演・会見日本★★9/17-18会合の利上げ幅(0.25%か0.50%か)へのヒント
9/11(金)寄り付きメジャーSQ算出日本★★★裁定買い残2.3兆円の処理が寄り付きに集中。値幅が出やすい日
9/11(金)21:308月米CPI米国★★★9/16のFOMCで利上げするかを決める最重要指標。雇用統計後の利上げ確率は約59%
⚠ 9/11(金)はメジャーSQと米CPIが同日に重なる:朝にSQで裁定ポジションの処理が集中し、夜には9月FOMC(9/15-16)の判断材料になる米CPIが出ます。翌週には日銀会合(9/17-18)も控えており、金曜の引けから週末にかけてのポジションは、金利と為替の両方に振られる前提で考えておきたいところです。

来週の日本株で注目したいシナリオ

前提を整理します。金曜夜の米8月雇用統計は非農業部門雇用者数+16.2万人と予想(+5.6万人前後)を大きく上回り、失業率4.1%、7月分も+2.1万人へ上方修正されました。これを受けて9月利上げ確率は約52%から59%へ上昇し、ダウ-0.51%・S&P500-0.38%・ナスダック-0.29%と主要指数は小幅安です。

ただし半導体株指数SOXは+3.38%と大きく反発し、金曜の東京の値がさ・半導体高を裏付ける形になりました。ドル円は155.34円まで円高が進み、日銀9月利上げ観測(0.25%は織り込み済み)が円を押し上げています。金は反落、WTIは90ドル台で高止まりです。「米金利上・円高・半導体高」という材料が交錯する週明けを前提に、3つのシナリオを考えます。

🟢 シナリオA:半導体主導の25日線回復(30%)
  • 条件:SOX+3.38%を引き継ぎキオクシア・アドバンテストが続伸 / 米CPIが落ち着き / 円高が155円で止まる
  • 展開:値がさ主導で25日線(66,000円台前半)を回復し、SQ通過後に66,500円前後へ
  • 注目:TOPIXが日経についてくるか(値上がり業種20以上が目安)
戻りの裾野が広がるなら押し目買いが効く局面
🟡 シナリオB:SQと物価指標待ちの往来(45%)
  • 条件:利上げ観測6割前後で膠着 / ドル円154〜157円 / CPI前に持ち高を動かしにくい
  • 展開:64,000〜66,000円のレンジ。日経は値がさ次第で上下、TOPIXは金融・電力が支える
  • 注目:銀行・電力への資金回帰が続くか、非鉄の下げ止まり
今週後半の「日経とTOPIXのねじれ」がもう1週続くとみる本命
🔴 シナリオC:円高加速と二段安(25%)
  • 条件:米CPIが強く米金利再上昇 / 日銀0.50%利上げ観測でドル円153円台 / 貴金属・非鉄の続落
  • 展開:木曜安値63,772円を割り込み、8/3安値62,703円が次の目安
  • 注目:信用買い残6.5兆円の投げ、海外勢の3週連続売り越し
輸出・値がさを避けキャッシュ比率を上げる局面

来週の注目セクター

判定セクター週間累積相対騰落シナリオ別見通し
継続注目銀行業+3.45pt25日累積が+5.47ptとプラス圏に浮上し勢い↗加速。日銀利上げ観測と金利軸+3.14ptの追い風が続く一方、相場全体の調整には巻き込まれやすい
過熱注意電気・ガス業+6.11pt週間首位だが金曜は-2.38ptと反落し、関西電力は過熱スコア+6。金利が3%を割った木曜以降は買われた理由が薄れており、追いかけるより押し目待ち
反転試金石電気機器-2.24ptSOX+3.38%を月曜にどう消化するか。キオクシア・アドバンテスト・イビデンが2日目も買われるなら日経の25日線回復の主役に
要観察非鉄金属-4.74pt週間最下位でも25日累積は+15.76ptで首位。8月の上昇分の一部を吐き出しただけで、ここが続落するなら資源テーマ全体の崩れとして扱う
初動監視証券・商品先物業+1.46pt金曜に★点灯・25日累積+7.73pt。売買代金8兆円台と株高の両方を受ける業態だが、上げ切った位置での点灯なので翌日利確型

来週の焦点:SOX+3.38%と円高155円台の綱引き(月曜) / 9/11(金)のメジャーSQと米CPI / 日銀9月会合の利上げ幅を巡る観測と国内10年債3%の攻防 / 銀行・電力への退避が続くか、非鉄が下げ止まるか

📂 今週のデータ資料編

ここから下は、本編の裏付けになる週間データ集です。気になる項目だけクリックして開いてください。

業種別の週間累積ランキング(全33業種)
週間累積対TOPIX相対騰落とは
今週5日間の各業種の相対騰落(pt)を合計したものが「週間累積相対騰落」です。プラスの値が大きいほど「今週は市場平均より強く買われた」、マイナスの値が大きいほど「今週は売られた」ことを示します。+5pt以上=圧倒的勝ち組、+2〜5pt=強い、-2〜-5pt=弱い、-5pt以下=圧倒的負け組と判定しています。あわせて「25日累積」でトレンドの持続、「勢い(5日前比)」で加速・失速を確認します。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む
順位業種週間累積相対騰落週間騰落率25日累積勢い(5日前比)
1電気・ガス業+6.11pt+5.01%+5.57pt↗加速
2石油・石炭製品+3.91pt+2.78%+2.01pt↗加速
3銀行業+3.45pt+2.44%+5.47pt↗加速
4情報・通信業+3.40pt+2.30%+3.71pt↗加速
5保険業+3.33pt+2.31%-5.18pt↘失速
6卸売業+3.04pt+1.94%+1.32pt↗加速
7鉄鋼+1.95pt+0.81%-1.84pt↘失速
8証券・商品先物業+1.46pt+0.36%+7.73pt↗加速
9建設業+0.85pt-0.21%-5.35pt↗加速
10その他金融業+0.41pt-0.63%-4.36pt↗加速
11海運業+0.31pt-0.77%+12.63pt↘失速
12倉庫・運輸関連業+0.30pt-0.73%-7.56pt↘失速
13小売業-0.06pt-1.09%-8.83pt↘失速
14陸運業-0.14pt-1.18%-8.92pt↘失速
15輸送用機器-0.32pt-1.41%-5.84pt↘失速
16金属製品-0.75pt-1.80%-1.54pt↗加速
17医薬品-0.86pt-1.90%-3.49pt↘失速
18パルプ・紙-0.87pt-1.90%-5.88pt↘失速
19食料品-1.01pt-2.03%-4.01pt↘失速
20水産・農林業-1.03pt-2.06%-7.03pt↘失速
21空運業-1.03pt-2.09%-6.16pt↘失速
22化学-1.15pt-2.19%-2.82pt↗加速
23その他製品-1.16pt-2.19%+1.68pt↘失速
24ガラス・土石製品-1.28pt-2.37%-6.10pt↗加速
25不動産業-1.64pt-2.66%-10.48pt↘失速
26鉱業-1.75pt-2.93%+1.62pt↘失速
27繊維製品-2.09pt-3.12%+0.67pt↘失速
28電気機器-2.24pt-3.27%+1.88pt↗加速
29精密機器-2.25pt-3.27%-0.94pt↘失速
30ゴム製品-2.40pt-3.43%-7.54pt↘失速
31機械-2.41pt-3.42%-3.63pt↗加速
32サービス業-3.45pt-4.49%+7.52pt↘失速
33非鉄金属-4.74pt-5.76%+15.76pt↗加速

セクター総括です。まず目を引くのは、電気・ガス業が週間+6.11ptで首位、25日累積も+5.57ptと先週の負け組から一気にプラス圏へ切り替わったことです(勢い↗加速)。銀行業も25日累積が-2.58ptから+5.47ptへ浮上し、2週連続の勝ち組入りで「新顔」から「継続組」に変わりました。

一方、非鉄金属は週間-4.74ptと最下位でも25日累積は+15.76ptで33業種首位海運業も週間+0.31ptと横ばいながら25日累積+12.63ptで2位を保っており、8月の主役2業種はトレンドが壊れたというより高値圏の一服という見え方です。逆にサービス業は25日累積が+18.38ptから+7.52ptへ急減(勢い↘失速)で、先週まで1カ月続いた資金流入が今週で明確に途切れました。不動産業(-10.48pt)・小売業(-8.83pt)・陸運業(-8.92pt)は25日累積の最下位圏が続き、内需の弱さの継続性がはっきりしています。

個別銘柄 週間ハイライト(値上がり・値下がりTOP10)
週間騰落率とは
週間騰落率は「前週末終値」から「今週末終値」までの変動率です。東証プライム全銘柄の日次データベースからランキングを算出しています。TOP10には中小型株も含まれますが、記事では主要材料が判明している銘柄を中心に紹介しています。
過熱スコアとは
過熱スコアは本ブログ独自の5指標(RSI・サイコロジカルライン・25日乖離率・出来高倍率・信用倍率)を-2〜+2点で採点し、合計-10〜+10点で個別銘柄の買われすぎ/売られすぎを機械的に判定する手法です。+5以上で過熱(買われすぎ)、-5以下で過冷(売られすぎ)と判定。週次では金曜終値時点のスコアを基準値として記載します。

週間値上がり率 TOP10

順位コード銘柄名週間騰落率過熱スコア値動きセクター主な材料
14088エア・ウォーター+20.16%+4(中立〜やや高)木+5.6%→金+6.0%と連騰化学木金と連日で値上がり率上位。RSI82・25日乖離+16.8%と短期は伸び切った位置
27826フルヤ金属+16.28%+6(やや過熱)火+7.7%・木+7.1%その他製品貴金属関連ながら水曜の急落を-1.4%で耐え、週内2日値上がり上位。信用倍率50倍超
37630壱番屋+16.05%+1(中立)月+15.9%で一気に小売業月曜に値上がり率首位。その後は高値圏で保ち合い
42531宝HD+15.84%+2(中立)木+4.6%→金+8.5%食料品週後半に急伸、金曜は値上がり率上位
54180Appier Group+14.46%+4(中立〜やや高)月+8.8%・木+6.7%・金+6.6%情報・通信業値上がり率TOP20に3日登場した今週の常連。25日乖離+26%
6285AキオクシアHD+13.70%—(データなし)月+4.4%→金+5.4%で上場来高値圏電気機器連日売買代金首位で市場の2割を占有。前週末-8.8%からの全戻し
76310井関農機+13.32%+3(中立〜やや高)じり高機械農機。週を通じて買いが続き、RSI77
89503関西電力+12.80%+6(やや過熱)月+7.6%・火+5.1%・木+4.2%電気・ガス業電気・ガス業首位の主役。値上がり率TOP20に3日登場、過熱スコア+6
94506住友ファーマ+11.31%+5(やや過熱)月〜木4日続伸、水曜の全面安でも+2.7%医薬品医薬品の中で買われ続け、25日乖離+17%
109508九州電力+9.68%+4(中立〜やや高)火+8.2%・木+4.1%電気・ガス業電力の2番手。九州電力も過熱圏に入りつつある

※キオクシアHDは金曜のスクリーナーデータに含まれなかったため過熱スコアを算出していません。

週間値下がり率 TOP10

順位コード銘柄名週間騰落率過熱スコア値動きセクター主な材料
18237松屋-19.88%0(中立)月-18.1%・水-9.6%小売業前週末-9.0%に続く急落。先週の週間値上がり10位(+11.2%)からの往って来い
27600日本MDM-17.22%-3(中立〜やや低)月-9.7%・水-8.1%精密機器整形外科インプラント。5日中4日下落、RSI21の売られすぎ圏
31515日鉄鉱業-15.68%+1(中立)水-15.5%・金-5.1%鉱業貴金属関連の崩落の中心。値下がり率TOP20に3日登場
48011三陽商会-15.34%-7(過冷)5日続落繊維製品RSI28・25日乖離-15%と過冷。アパレル系の手仕舞い
55707東邦亜鉛-14.30%0(中立)月-7.2%・水-7.7%・金-4.3%非鉄金属亜鉛。非鉄金属の中小型で下落日数が最多
65711三菱マテリアル-13.65%+1(中立)月-6.6%・水-9.8%非鉄金属8月に買われた貴金属・非鉄の持ち高整理
75713住友金属鉱山-12.58%0(中立)水-11.6%非鉄金属時価総額2.9兆円の主力。東京金先物-2.96%の日に急落
83465ケイアイスター不動産-12.20%-3(中立〜やや低)じり安不動産業不動産。RSI18まで低下、25日乖離-10.6%
91899福田組-11.63%0(中立)週間-11.6%建設業建設。時価総額800億円台の中小型
105706三井金属-11.60%-3(中立〜やや低)水-8.6%・木-3.2%非鉄金属25日乖離-12.7%。非鉄の中で戻りが最も鈍い

値上がり側は電力3社・医薬・食品と金利上昇局面のディフェンシブ寄りの顔ぶれで、過熱スコアは+4〜+6の銘柄が半数と、来週も同じ勢いを期待しにくい水準に達しています。値下がり側は非鉄金属5銘柄に加え、松屋が先週の週間値上がり10位からそのまま値下がり1位へ往復するなど、短期資金の回転の速さが目立ちました。

主役銘柄の詳細データ(資金集中組・乱高下組・値上がり常連)
主役銘柄の抽出ロジック
今週の「主役銘柄」は4つの切り口で機械的に抽出しています。①主力値上がり組・主力値下がり組は時価総額1兆円以上の主力株を週間騰落率で並べた上位・下位5銘柄(主力の週間の勝ち負けそのもの)、②資金集中組は売買代金TOP20に3日以上登場した銘柄(値動きに関係なく資金が集まり続けた場所)、③乱高下組は値上がり率と値下がり率の両方の日次ランキングに登場した銘柄、④値上がり常連は値上がり率TOP20に2日以上登場した中小型です。単純な週間騰落率ランキングでは見えない物色の中心を立体的に把握できます。

🔴 主力値下がり組(時価総額1兆円以上・週間騰落率ワースト5)

コード銘柄名週間騰落率業種時価総額ひとこと
5713住友金属鉱山-12.58%非鉄金属約2.9兆円水曜-11.6%。東京金先物急落で貴金属関連の中心が崩れる
5706三井金属-11.60%非鉄金属約1.5兆円25日乖離-12.7%。非鉄の中で戻りが最も鈍い
4151協和キリン-9.76%医薬品約1.3兆円水曜-11.1%の急落。医薬品の中で独歩安
3099三越伊勢丹HD-9.39%小売業約1.2兆円円高転換でインバウンド関連に売り。RSI28
6098リクルートHD-8.79%サービス業約23.9兆円先週+11.1%の主役が一転。水曜-6.5%で週間-8.8%

主力の値下がり上位は非鉄2社と、円高・内需系の3社でした。6位に資生堂-8.52%が続いており、水曜の貴金属崩落と木曜の急速な円高が、それぞれ別の主力株を沈めた形です。

⚪ 資金集中組(売買代金TOP20に3日以上登場)

コード銘柄名登場日数週間騰落率ひとこと
285AキオクシアHD5日+13.70%1兆円超の商いを5日続け、金曜は1兆6,473億円=市場の2割
9984ソフトバンクグループ5日+8.31%金曜+11.8%で日経を1銘柄で474円押し上げ
8306三菱UFJ FG5日+3.47%メガバンク3行が5日連続で登場。金利上昇の受け皿
8316三井住友FG5日+2.62%同上。水木の金融買いの中核
8411みずほFG5日+3.39%同上。3行の中で週間騰落率は2番手
6857アドバンテスト5日-6.18%月曜-4.5%で指数を381円押し下げた張本人
8035東京エレクトロン5日-5.18%火曜-2.6%・水曜-3.4%と続落
6146ディスコ5日-8.24%機械セクター安の中心、週間-8.2%
5803フジクラ5日-5.37%月曜+3.1%のあと火〜木に売られ、金曜+2.1%
5801古河電気工業5日-1.51%乱高下組と両属。金曜+6.4%
4062イビデン5日+1.49%AI基板。木曜-2.4%も金曜+3.8%で週間プラス
6976太陽誘電5日+1.97%金曜+6.4%で週間プラスに浮上
6981村田製作所5日-2.78%金曜+4.2%も週間ではマイナス
6098リクルートHD5日-8.79%値下がり組と両属。売られながら資金は集まり続けた
7203トヨタ自動車5日-1.12%円高転換で水曜-3.4%。方向感なく資金だけ集まる

5日連続で売買代金TOP20に居続けたのは上の15銘柄でした。ほかにファーストリテイリング・三菱重工業・レーザーテックが4日、任天堂・ソニーグループが3日登場しています。今週らしいのはメガバンク3行が5日連続で並んだことで、AI・半導体の常連に金融が割って入りました。

⚡ 乱高下組(値上がり・値下がり両ランキングに登場した主力)

コード銘柄名急騰日の動き急落日の動き週間騰落率今週の動き
5801古河電気工業金 +6.39%火 -4.03% / 木 -3.70%-1.51%火〜木の3日売られて金曜に一気に買い戻し
4005住友化学火 +8.37%金 -5.11%+6.98%AIデータセンター向け次世代技術の発表で急騰、金曜に利益確定
4183三井化学火 +6.08%金 -3.62%+3.66%化学大手が火曜そろって買われ金曜そろって売られる
4188三菱ケミカルグループ火 +5.02%金 -3.55%+4.56%同上。化学は週間ではプラスを残す
1515日鉄鉱業木 +5.36%月 -4.14% / 水 -15.47% / 金 -5.08%-15.68%貴金属崩落の中心。木曜の反発も金曜に打ち消される

中小型でも松屋・メイコー・東洋エンジニアリング・第一稀元素化学工業・インフォマートなどが両ランキングに登場しており、先週の急騰銘柄が今週は急落側に回るケースが目立ちました。化学3社が火曜に同時に買われて金曜に同時に売られた動きは、材料株への資金が日単位で出入りしていることの表れだと思います。

📈 値上がり常連(値上がり率TOP20に2日以上登場した中小型)

コード銘柄名登場日数週間騰落率ひとこと
4180Appier Group3日+14.46%月+8.8%・木+6.7%・金+6.6%と今週最多登場
9503関西電力3日+12.80%電力高の主役。主力値上がり組と両属
4088エア・ウォーター2日+20.16%木金連騰で週間値上がり率1位
7826フルヤ金属2日+16.28%火木に値上がり上位、週間2位
2531宝HD2日+15.84%木金に急伸、週間4位
9508九州電力2日+9.68%火+8.2%・木+4.1%
9507四国電力2日+7.92%火+5.5%・木+4.3%。電力は4社が常連入り
6785鈴木2日+9.46%月+6.9%・金+8.5%
5301東海カーボン2日+8.21%月+7.7%・火+5.3%も水曜-5.0%
6351鶴見製作所2日+5.78%月+6.9%・木+4.4%
7384プロクレアHD2日+3.66%地銀。水木に値上がり上位
2492インフォマート2日+2.19%先週の週間3位から続伸ペースは鈍化
6787メイコー2日-0.48%乱高下組と両属。上下に振れて週間ほぼ変わらず
テーマ別資金フローと3対立軸
テーマ別フローと3対立軸とは
本ブログ独自の10テーマは、東証33業種から24業種を集約したグループ分類です(カバー24業種+除外9業種)。今週5日間の各テーマの平均相対騰落(pt)を合計した「週間累積テーマ別相対騰落」で、業種単独では見えにくい資金の大きな流れを把握します。さらに10テーマから3つの基本対立構造を取り出したのが3対立軸で、金利軸(金融−不動産建設)/資源軸(エネルギー+素材+商社−輸送物流+内需消費)/リスク軸(製造業サイクル+テクノロジー+素材−生活防衛)の週間累積pt値から「今週はどの軸が動いたか」を一段抽象度の高いレンズで読み取ります。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む

強かったテーマ TOP3

順位テーマ週間累積pt主要構成業種牽引役/材料
1商社+3.04pt卸売業木曜にバークシャー・ハザウェイの5大商社株「長期保有・買い増し」報道で5社そろって上昇
2金融+2.75pt銀行・保険・証券国内10年債3%台乗せ。銀行+3.45pt・保険+3.33pt・証券+1.46ptと3業種ともプラス
3エネルギー+1.08pt鉱業・石油・石炭製品WTI90ドル台で石油+3.91pt。鉱業は水木金に売られ-1.75pt

弱かったテーマ TOP3

順位テーマ週間累積pt主要構成業種牽引役/材料
1テクノロジー-2.25pt電気機器・精密機器指数の主役キオクシアが強くても、業種の平均では売られた側
2内需消費-1.76pt小売業・サービス業リクルートHD-8.8%でサービス業が失速
3製造業サイクル-1.36pt機械・輸送用機器ディスコ・三菱重工の下げと、木曜の円高で自動車も軟調

3対立軸の週間推移

軸名週間累積解釈
金利軸+0.20-1.03+1.03+1.66+1.28+3.14pt水曜から3日連続プラスの金融優位
資源軸+0.78+2.88-0.21-0.12-1.44+1.89pt月火の原油高で先行、後半は資源安へ反転
リスク軸-0.51-0.87-1.85-0.56+1.13-2.66pt月〜木4日連続マイナスのリスクオフ、金曜だけ反転

ローテーション総括です。今週は商社(+3.04pt)と金融(+2.75pt)が上位で、これは金利軸+3.14pt(水曜から3日連続プラス)にそのまま現れています。国内10年債の3%乗せという同じ材料が、テーマでは金融の強さ、軸では金利軸のプラスとして別の解像度で見えている形です。一方、リスク軸は-2.66ptと月曜から木曜まで4日連続マイナスで、テクノロジー・製造業サイクル・素材がそろって生活防衛に劣後する、教科書どおりのリスクオフの週でした。金曜だけ+1.13ptと反転していますが、1日で流れが変わったと判断するには早いと思います。

資源軸は+1.89ptと週間ではプラスを残しましたが、月火の原油高で稼いだ分を後半に吐き出す「前半資源高・後半資源安」の往復でした。除外9業種では、情報・通信業が+3.40ptと10テーマ首位の商社を上回る強さでしたが、これは金曜のソフトバンクグループ+11.78%がほぼ全てで、業種の広がりではありません。繊維製品(-2.09pt)・ゴム製品(-2.40pt)など中間材系は今週も弱いままです。

年初来高値・安値更新 週間集計
5日累積の見方
年初来高値・安値の更新銘柄数を月〜金の5日分集計したものです。高値更新が安値更新を大きく上回っている間は、個別株レベルの需給が健全であることを示す先行指標として使っています。
項目週合計
年初来高値 更新数113121335327347
年初来安値 更新数111110629

今週は高値更新347銘柄に対して安値更新29銘柄で、先週の399対2からは明らかに悪化しました。月火は113・121と高値更新が積み上がっていたのに、水曜の全面安で33まで急減し、金曜の反発日ですら27にとどまっています。指数が戻っても高値を取り直す銘柄が増えていない、というのが週末時点の姿です。高値更新の中身は銀行業(49)・卸売業(48)・情報・通信業(36)・サービス業(34)に集中しており、週前半の金融・商社買いがここに残っています。

週間スコアの日別ストーリー(11因子モデル)
11因子モデル
11因子モデルは相場を5つの群(A:トレンド、B:幅・需給、C:勢い、D:過熱調整、E:マクロ)に分類して採点する手法です。各日の総合スコアは -9 〜 +11 の範囲を取り、+7以上で「強気・全面リスクオン」、-7以下で「全面安・警戒」と判定します。週次では5日分を合計して週全体の流れを見ます。
→ もっと詳しく知りたい方は:11因子モデルの詳細解説を読む
🟡 8/31(月) スコア-1 中立・様子見
前週末のSOX-3.47%とFRB議長のタカ派講演を受けて寄り付き直後に1,500円超安まで売られましたが、KOSPIの持ち直しと円安を手掛かりに切り返して高値引けの-0.14%。アドバンテスト-4.48%が1銘柄で381円押し下げた一方、値上がり業種は22/33と裾野は広く、電気・ガス業+2.79%(関西電力+7.58%)と資源・銀行へ資金が移った日でした。売買代金は9.4兆円と8月最大級です。
🟡 9/1(火) スコア-1 中立・様子見
国内10年債が3.007%と3%台に乗せ、値がさグロースから資源・バリューへの資金移動が本格化。日経-0.15%に対してTOPIXは+0.62%で9日続伸、値上がり業種は26/33へさらに広がりました。九州電力+8.16%・東京電力+6.36%の電力、WTI87ドル台の原油高を受けた鉱業・石油が上位で、騰落レシオ25日は125を割って過熱シグナルは消灯です。
🔴 9/2(水) スコア-5 弱気(週間最低)
米国株安・SOX-2.13%に世界的な金利上昇と地政学リスクが重なり、日経-2.85%・TOPIX-2.40%の値上がり業種ゼロの全面安。主役は東京金先物-2.96%をきっかけにした貴金属・非鉄の崩落で、日鉄鉱業-15.47%・住友金属鉱山-11.55%・三菱マテリアル-9.80%と8月に買われた銘柄ほど深く沈みました。両指数が1日で25日線を割り込み、体温計は+3から-4へ急降下しています。
🟡 9/3(木) スコア0 中立・様子見
米長期金利の低下を受けて399円高で始まるも失速し、一時63,772円まで下落して日経は4日続落の-0.17%。一方でTOPIXは+0.50%と反発し、バークシャー・ハザウェイの「5大商社を何十年も保有」報道で三菱商事+4.09%など商社が首位、電力・海運・銀行のバリュー群が広く買われました。ドル円が1日で2.75円の円高となり、ファーストリテイリング-3.41%など値がさが重石に。
🟢 9/4(金) スコア+4 強気(週間最高)
FRBウォラー理事のタカ派後退で米株が大幅高となり、日経は5営業日ぶりに+1.26%の反発。ただしソフトバンクグループ+11.78%とアドバンテスト+2.51%の2銘柄で806円高のうち669円分を占め、TOPIXは+0.03%、値上がり業種は11/33にとどまりました。前日に買われた商社・電力・海運がそっくり反落する「入れ替わり」の日で、キオクシアは+5.40%で上場来高値圏、売買代金は1銘柄で1.6兆円に達しています。
日付総合スコアA トレンドB 幅・需給C 勢いD 過熱調整E マクロ判定
8/31(月)-1-1+20-20中立・様子見
9/1(火)-1-1+20-20中立・様子見
9/2(水)-5-1-2-10-1弱気
9/3(木)0-1+1000中立・様子見
9/4(金)+4+2000+2強気
週合計-3-2+3-1-4+1やや弱気
📊 週次スコア総括:月火の-1が「指数は動かないが中身が入れ替わる」日で、水曜の-5が全面安、金曜の+4が値がさ主導の戻りという、V字だけれど左右で中身の違う推移でした。週合計-3ptの内訳で目を引くのはA群の-2で、月火木の3日間は「TOPIXが上がって日経が下がる」、金曜は逆に「日経が上がってTOPIXが動かない」と、指数同士が4日連続で逆を向いています。相場の重心がどちらにあるのか、モデル自身が決めかねている週でした。
市場体温計(三層スコアの週間推移)
市場体温計とは
本ブログ独自の三層スコアで日本株の相場全体の温度を測る指標です。Layer 1(日々の体温・5項目)は当日データから-5〜+5の温度スコアで日々の相場の暖かさ/寒さを示し、Layer 2(高温シグナル・4項目)は稀な過熱の極端値(騰落レシオ25日 ≥125 など)、Layer 3(低温シグナル・4項目)は稀な底値の極端値(騰落レシオ6日 ≤60 など)を点灯式で捉えます。Layer 1の体温で日々の流れを把握しつつ、Layer 2/3のいずれかが2点以上点灯したら警戒(過熱)または逆張り検討(底値)のサインです。
→ もっと詳しく知りたい方は:市場体温計とは|三層スコアの読み方を読む

三層スコアの週間推移

項目週間の読み
Layer 1 合計+3 ☀☀熱気+3 ☀☀熱気-4 ❄❄低温+2 ☀微熱+1 ☀微熱熱気から1日で低温へ、週末は微熱まで戻す
Layer 2 点灯数1/40/40/40/40/4月曜を最後に過熱シグナルは消灯
Layer 3 点灯数0/40/40/40/40/4全面安でも底値シグナルは未点灯
相場の質中立中立極寒中立中立水曜のみ「極寒(広範な売り)」

今週の体温は月火の+3(熱気)から水曜に-4(低温)へ7ポイント急降下し、木金は+2・+1の微熱まで戻すという振れ幅の大きい週でした。月曜は騰落レシオ25日128.68が2営業日連続で高温シグナルを点灯させていましたが、火曜に121.51と閾値125を割って消灯、水曜の全面安でRSI70超銘柄比率も22.5%から8.1%へ急減し、先週末まで続いていた過熱は1日で完全に解消されました。

注目したいのは、その水曜ですら低温シグナルが0/4のままだった点です。RSI30以下は10.1%(閾値15%)、騰落レシオ6日は94.37(閾値60)、日経25日乖離率は-2.29%(閾値-6%)と、いずれも「売られすぎ」にはまったく届いていません。まとめると「過熱は抜けたが、押し目として拾う根拠もまだ出ていない」中立圏への着地で、来週は体温よりも低温シグナルが点き始めるかどうかを見る週になりそうです。

需給データ(信用残・海外投資家・裁定残)
需給ウィークリーとは
株価は業績や材料だけでなく「誰が買って誰が売っているか」の需給でも動きます。ここでは週次で公表される3つの需給データ――信用残(個人の買い方・売り方の建玉)、投資主体別売買動向(海外投資家・個人などの売買差額)、裁定取引残高(先物と現物の裁定ポジション)――をまとめて確認します。いずれも取引所等の公表が1週間前後遅れるため、掲載しているのは最新公表分(原則として前週分)です。方向感と継続性(何週連続か)を見るのに使います。

信用残と評価損益率(対象週:〜8/28週)

項目前回(〜8/21週)今回(〜8/28週)変化読み方
信用買い残6兆4,825億円6兆5,294億円+0.72%6.5兆円台の高水準で高止まり
信用売り残8,962億円8,250億円-7.94%反発週に売り方が買い戻し
信用倍率7.23倍7.91倍上昇売り残の減少で買い長が一段と進む
信用評価損益率-5.27%-4.68%+0.59pt改善反発で改善。ただし今週の下げで再悪化しているとみられる

対象週(8/24-28)は日経が週間+0.59%と小幅高だった週です。買い残は6兆5,294億円とほぼ横ばいのまま、売り残が-7.94%と減って信用倍率は7.91倍まで上がりました。評価損益率は-4.68%へ改善していますが、今週(8/31-9/4)の日経-2.09%で再び悪化しているはずで、買い残6.5兆円の重さは来週の需給要因として残ります。

投資主体別売買動向(対象週:〜8/28週)

主体今回(〜8/28週)前週(〜8/21週)傾向
海外投資家-1,319億円 売り越し-4,378億円 売り越し2週連続の売り越し。売り幅は縮小
個人(現金)-2,854億円 売り越し+2,092億円 買い越し反発したところで利益確定の売り
個人(信用)+1,698億円 買い越し+4,886億円 買い越し2週連続の買い越し。買い残高止まりと整合
証券自己+3,166億円 買い越し+1,474億円 買い越し2週連続の買い越し。裁定買い残の増加と対応
信託銀行-1,916億円 売り越し-5,083億円 売り越し年金系とみられる売りが継続

反発週の構図は「海外勢・個人現金・信託銀行が売り、証券自己と個人信用が買う」というものでした。海外勢の売り越しは2週連続で、8月後半は現物の実需買いが細っている状態です。買い手が証券自己に偏っているということは先物経由の色が濃く、今週(8/31-9/4)の下げでこの構図がどう変わったかは来週の公表分で確認したいところです。

裁定取引残高(対象週:〜8/28週)

項目前回(〜8/21週)今回(〜8/28週)変化
裁定買い残2兆2,080億円2兆3,212億円増加
裁定売り残2,225億円1,728億円減少
差引(買い−売り)1兆9,855億円2兆1,484億円+1,629億円

裁定買い残は前週比+1,629億円の2兆3,212億円と、先週整理された分が積み戻されました。差引でも2兆1,484億円へ増えており、来週9/11(金)のメジャーSQでこのポジションの処理が寄り付きに集中する点は頭に置いておきたいところです。

需給の週間総括です。最新公表分(〜8/28週)が映すのは「海外勢の売りが2週続く中で、証券自己と個人の信用買いが支えた反発」という姿で、現物の実需買いは薄いまま先物と信用で押し上げた形でした。この土台の上に今週の-2.09%が来ていますから、信用買い残6.5兆円と裁定買い残2.3兆円は、SQ週の下げ局面では投げの燃料になり得る火種として見ています。

週間マクロ環境の変化
⚠ 重要(★★★):米8月雇用統計が予想を大幅に上回り、9月利上げ確率が約6割へ
金曜夜に発表された米8月雇用統計は非農業部門雇用者数+16.2万人(予想+5.6万人前後)、失業率4.1%、平均時給は前年比+3.1%で、7月分も-2.3万人から+2.1万人へ上方修正されました。これを受けて9月FOMC(9/15-16)での0.25%利上げ確率は約52%から59%へ上昇し、米2年債利回りは4.39%へ上昇、ダウは-0.51%、S&P500は-0.38%、ナスダックは-0.29%と主要指数は小幅安です。一方で半導体株指数SOXは+3.38%と大幅高でした。
🚨 警戒:ドル円は週間で3円超の円高、金曜NYでは155円台前半
週初159円台後半だったドル円は、木曜に1日で2.75円の急速な円高となり、金曜のNY市場では一時156.75円まで戻したあと155.34円で引けました。日銀の9月会合(9/17-18)での0.25%利上げは織り込み済みとされ、一部では0.50%の観測も出ています。来週の毎月勤労統計(9/8)と増田審議委員の講演(9/10)が円高をさらに進めるかどうかで、輸出・値がさ株の重石の度合いが決まりそうです。
ℹ 注目(★★):国内10年債は一時3.017%、原油は90ドル台で高止まり
国内10年債利回りは火曜に3.007%、水曜に3.017%と3%台に乗せたあと木曜に2.949%へ低下し、週末は2.916%です。WTI原油は米イラン情勢の再燃で週初の85ドル台から90ドル台へ+9.4%と急伸し、金曜も90.74ドルで高止まりしました。金利と原油の両方が高いまま、貴金属だけが水曜に崩れたのが今週の商品市況の特徴です。
指標週間変化
日経平均(前日比)-0.14%-0.15%-2.85%-0.17%+1.26%-2.09%
TOPIX(前日比)+0.23%+0.62%-2.40%+0.50%+0.03%-1.05%
グロース250(前日比)-1.35%-1.47%-2.83%-0.18%+2.67%-3.20%
ドル円159.48159.96159.71156.96156.38約3.2円の円高
国内10年債利回り2.935%3.007%3.017%2.949%2.916%一時3%台乗せ
米10年金利4.712%4.789%4.803%4.767%4.753%+0.07pt
VIX15.2315.4116.4715.1914.32-1.5%
日経VI27.8325.9825.5528.3227.19+16.9%
WTI原油85.2987.4390.0590.6390.74+9.4%
騰落レシオ25日128.68121.51116.63114.00117.30週間-8.0pt
プライム売買代金9.4兆円7.5兆円8.0兆円7.6兆円8.3兆円月曜9.4兆円が最大

※火曜のWTI原油は日次記事の記載値。米10年金利は東京時間の日報記載値で、金曜夜の雇用統計後はさらに上昇しています。

今週の個別日レポート: 8/31(月) / 9/1(火) / 9/2(水) / 9/3(木) / 9/4(金)

本記事は私が独自に集計・分析した市場データをまとめたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。記載の数値は記事作成時点のもので、その正確性・完全性を保証するものではありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA