今週の日本株:TOPIXは7日続伸・グロース250が+7.1%と急伸、半導体は日替わりの乱高下(2026年8月24日〜28日)
② 東洋エンジ +19.47%
③ インフォマート +17.27%
② キオクシア -11.34%
③ イワキポンプ -8.95%
- 週の流れ:サムスン電子急落の波及で軟調に始まった週。日経平均は+0.59%の小幅高どまりでしたが、TOPIXは7日続伸、グロース250は+7.12%と約3カ月ぶり高値まで買われ、半導体が日替わりで乱高下する裏で銀行・サービスに静かに資金が積み上がった1週間
- 勝ち組セクター:サービス業/証券・商品先物業/銀行業の内需・金融3強。リクルートHDが週間+11%と牽引し、地銀には週間2桁高が続出
- 来週の焦点:金曜夜のFRB議長講演を受けて米9月利上げ観測が急上昇。SOX-3.47%・ドル円160円台を月曜にどう消化するか、そして9/4(金)の米雇用統計
今週の日本株:週間マーケットサマリー
| 指標 | 前週末(8/21) | 週末(8/28) | 週間変化 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 66,016.36 | 66,405.56 | +0.59% | 火曜に一時64,609円まで下げたあと切り返し |
| TOPIX | 4,067.29 | 4,146.71 | +1.95% | 7日続伸で週を締める |
| グロース250 | 768.47 | 823.16 | +7.12% | 5日続伸、約3カ月ぶり高値 |
| ドル円 | 158.69円 | 159.55円 | 円安 | 金曜夜のNYでは約1カ月ぶりの160円台に |
| 米10年金利 | 4.688% | 4.679% | ほぼ横ばい | 金曜夜の講演後は4.724%へ上昇 |
| VIX | 15.83 | 14.54 | -8.1% | 低位で一段と低下 |
| 日経VI | 28.38 | 23.25 | -18.1% | イベント通過で警戒感が急低下 |
| WTI原油 | 86.21ドル | 82.95ドル | -3.8% | 80ドル台前半へ続落、資源系の重石に |
| 騰落レシオ25日 | 116.81 | 125.31 | +8.5pt | 125超えで過熱ゾーン入り |
今週の日本株:業種別の資金フロー総括
今週の業種別資金フローは、勝ち組の顔ぶれが先週から一変しました。首位はサービス業(+4.92pt)で、リクルートホールディングスが週間+11.13%と力強く牽引しています。そして2位に証券・商品先物業(+4.13pt)、3位に銀行業(+2.47pt)、4位に保険業(+1.39pt)と、金融系が上位を固めました。米金利の上昇観測に加えて、阿波銀行+13.33%・岩手銀行+10.54%など地銀の週間2桁高が相次いだのが印象的でしたね。
一方の負け組は水産・農林業(-3.61pt)を最下位に、ガラス・土石製品(-3.37pt)、鉱業(-3.17pt)、精密機器(-2.83pt)、海運業(-2.82pt)が並びます。WTI原油が80ドル台前半へ続落したことで、先週まで資金の逃げ場になっていた海運・エネルギー系がそろって利益確定に押された形です。資金が資源系から金融・内需サービスへ移り始めているように見えます。
今週の日本株:業種別の週間累積ランキング
勝ち組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積相対騰落 | 週間騰落率 | 25日累積 | 勢い(5日前比) | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | サービス業 | +4.92pt | +7.01% | +18.38pt | ↗加速 | リクルートHD週間+11%が牽引 |
| 2 | 証券・商品先物業 | +4.13pt | +6.20% | +2.71pt | ↗加速 | SBI・野村など、最高値圏の商い期待 |
| 3 | 銀行業 | +2.47pt | +4.47% | -2.58pt | ↗加速 | 地銀に週間2桁高が続出 |
| 4 | 保険業 | +1.39pt | +3.35% | -3.81pt | ↘失速 | 東京海上の実質増配修正が号砲に |
| 5 | 非鉄金属 | +0.76pt | +2.65% | +5.51pt | ↗加速 | 電線は乱高下、住友鉱山など地金側が支え |
負け組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積相対騰落 | 週間騰落率 | 25日累積 | 勢い(5日前比) | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 水産・農林業 | -3.61pt | -1.67% | -1.08pt | ↘失速 | ディフェンシブ系がそろって見送られる |
| 2 | ガラス・土石製品 | -3.37pt | -1.43% | -11.64pt | ↗加速 | 日本特殊陶業-6.10%が重石、25日累積は最下位圏 |
| 3 | 鉱業 | -3.17pt | -1.23% | +4.08pt | ↘失速 | WTI80ドル台前半への続落が直撃 |
| 4 | 精密機器 | -2.83pt | -0.89% | +3.25pt | ↘失速 | HOYA・朝日インテックなど主力に売り |
| 5 | 海運業 | -2.82pt | -0.95% | +18.24pt | ↘失速 | 先週首位からの利益確定、25日累積はなお2位 |
セクター総括です。まず目を引くのは、サービス業が週間+4.92ptで首位に立ち、25日累積でも+18.38ptと33業種トップに躍り出たことです(勢い↗加速)。約1カ月にわたる資金流入が今週さらに加速した形で、単発の物色ではないところがあります。
一方、先週まで3週間近く相場を引っ張った海運業は週間-2.82ptと負け組に転落しました。ただし25日累積は+18.24ptとなお2位で、トレンドが壊れたというより高値圏の一服という見え方です。また銀行業は25日累積-2.58ptとまだ水面下ながら勢いは↗加速で、今週初めて浮上してきた「新顔」と言えそうです。逆にガラス・土石製品は25日累積-11.64ptと売られ続きの最下位圏が続いており、こちらは弱さの継続性がはっきりしています。
今週の日本株:個別銘柄 週間ハイライト
週間値上がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | 過熱スコア | 値動き | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4082 | 第一稀元素化学工業 | +45.36% | +5(やや過熱) | 水+23.9%→木+15.8%→金反落 | 化学 | 水木と2日連続で値上がり率首位。短期資金の集中による急騰で、金曜は-5.67%と反落 |
| 2 | 6330 | 東洋エンジニアリング | +19.47% | +5(やや過熱) | 週4日値上がり上位 | 建設業 | 値上がり率TOP20に4日登場、モメンタム資金の回転が継続 |
| 3 | 2492 | インフォマート | +17.27% | +3(中立〜やや高) | 金曜+13.22%で年初来高値 | サービス業 | 金曜のSaaS一斉高で値上がり率首位に |
| 4 | 6440 | JUKI | +14.93% | +2(中立) | 火水に連騰 | 機械 | 水曜に値上がり率上位、低位株の循環物色 |
| 5 | 6027 | 弁護士ドットコム | +13.97% | +5(やや過熱) | 火-8.2%→水+16.0% | サービス業 | 週内で急落と急騰を往復する荒い値動き |
| 6 | 2737 | トーメンデバイス | +13.39% | +3(中立〜やや高) | 月火水と3連騰 | 卸売業 | サムスン系半導体商社。メモリー価格上昇の思惑 |
| 7 | 8388 | 阿波銀行 | +13.33% | +4(中立〜やや高) | 火曜から4連騰 | 銀行業 | 金利上昇観測を背景にした地銀高の象徴 |
| 8 | 9722 | 藤田観光 | +13.27% | +4(中立〜やや高) | 5日続伸 | サービス業 | インバウンド関連。RSIは92と高水準に |
| 9 | 6376 | 日機装 | +11.47% | +2(中立) | 水木に急伸 | 精密機器 | 先週の週間値下がり率1位(-21.32%)からの自律反発 |
| 10 | 8237 | 松屋 | +11.23% | +4(中立〜やや高) | 月+10.3%→金-9.0% | 小売業 | 週前半に急騰、金曜は反動安と往って来い気味 |
週間値下がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | 過熱スコア | 値動き | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 8132 | シナネンHD | -11.79% | -1(中立) | 5日続落 | 卸売業 | エネルギー商社。原油続落と重なり売りが継続 |
| 2 | 285A | キオクシアHD | -11.34% | 0(中立) | 月-6.2%→木+5.0%→金-8.8% | 電気機器 | サムスン急落の波及で始まり、週末も急落。連日売買代金首位の乱高下 |
| 3 | 6237 | イワキポンプ | -8.95% | -6(やや過冷) | じり安5日 | 機械 | RSI19まで低下、売られすぎ圏に |
| 4 | 3763 | プロシップ | -8.16% | +4(中立〜やや高) | じり安 | 情報・通信業 | 先週の週間値上がり2位(+22%)からの反動 |
| 5 | 6533 | Orchestra HD | -6.98% | -1(中立) | 水曜以降軟調 | サービス業 | グロース系ソフトウェアの売りに巻き込まれる |
| 6 | 5726 | 大阪チタニウム | -6.78% | -1(中立) | 火水に急落 | 非鉄金属 | 新株発行と売出しによる短期的な需給悪化を警戒 |
| 7 | 2108 | 日本甜菜製糖 | -6.40% | +3(中立〜やや高) | じり安 | 食料品 | ディフェンシブ系の手仕舞い売り |
| 8 | 7513 | コジマ | -6.37% | -2(中立) | 金曜-5.1% | 小売業 | 金曜に下げが加速、小売の中で弱さが目立つ |
| 9 | 5334 | 日本特殊陶業 | -6.10% | -4(中立〜やや低) | 5日続落 | ガラス・土石製品 | 時価総額1.6兆円の主力もRSI7.5と売られすぎ圏 |
| 10 | 7725 | インターアクション | -5.72% | 0(中立) | 水曜以降軟調 | 精密機器 | 半導体検査関連の手仕舞い |
銘柄の傾向を整理すると、値上がり側はサービス業3銘柄(インフォマート・弁護士ドットコム・藤田観光)と銀行(阿波銀行)が入り、業種ランキングの構図がそのまま個別にも現れました。もっとも、TOP10のうち4銘柄が過熱スコア+5の「やや過熱」圏に達しており、来週も同じ勢いが続くかは分からないところです。値下がり側はキオクシアHDと日本特殊陶業という時価総額1兆円超の主力2銘柄が入ったのが特徴で、さらに先週の急騰銘柄(プロシップ)と急落銘柄(日機装)が今週はそっくり入れ替わるなど、短期資金の回転の速さが目立つ週でした。
今週の日本株で主役となった銘柄
🟢 主力値上がり組(時価総額1兆円以上・週間騰落率TOP5)
| コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | 業種 | 時価総額 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 6098 | リクルートHD | +11.13% | サービス業 | 約26.2兆円 | 金曜+4.89%で今週のサービス業高の主役 |
| 6532 | ベイカレント | +9.22% | サービス業 | 約1.2兆円 | コンサル大手、じり高で続伸 |
| 2413 | エムスリー | +8.94% | サービス業 | 約1.3兆円 | グロース系大型の代表格が復調 |
| 3563 | FOOD & LIFE | +7.87% | 小売業 | 約1.4兆円 | スシロー。インバウンド・内需消費の買い |
| 8136 | サンリオ | +7.73% | 卸売業 | 約1.6兆円 | キャラクターIP関連が堅調 |
主力の値上がり上位はサービス業3社を筆頭に内需・サービス系が独占しました。6位にも日立製作所+7.46%が続いており、ハイテク一辺倒ではない大型株の買われ方が今週の特徴です。
⚪ 資金集中組(売買代金TOP20に3日以上登場)
| コード | 銘柄名 | 登場日数 | 週間騰落率 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 285A | キオクシアHD | 5日 | -11.34% | 連日売買代金首位、金曜も市場全体の約2割を占有 |
| 6857 | アドバンテスト | 5日 | -1.71% | 日経を1銘柄で上下に振り回した週 |
| 8035 | 東京エレクトロン | 5日 | +3.38% | 半導体の中では底堅い動き |
| 9984 | ソフトバンクグループ | 5日 | -1.31% | 月曜-5.33%のあと持ち直すも週間では小幅安 |
| 5803 | フジクラ | 5日 | +0.97% | AI電線、急落と急騰を往復 |
| 5801 | 古河電気工業 | 5日 | +1.58% | 火曜+10.34%など振れ幅最大級 |
| 4062 | イビデン | 5日 | +4.71% | AI基板、押し目買いが厚い |
| 6976 | 太陽誘電 | 5日 | -0.43% | 電子部品の主力として売買が交錯 |
| 6981 | 村田製作所 | 5日 | +3.99% | 電子部品では買いが優勢 |
| 6098 | リクルートHD | 5日 | +11.13% | 値上がり組と両属の真の主役 |
| 7203 | トヨタ自動車 | 5日 | -0.51% | 自動車は方向感なく、資金だけ集まる |
| 7974 | 任天堂 | 5日 | +4.39% | 内需・IP系の代表として堅調 |
| 8306 | 三菱UFJ FG | 5日 | +4.05% | 金融買いの中核、時価総額最大級で+4% |
5日連続で売買代金TOP20に居続けたのは上の13銘柄でした。ほかにディスコ・レーザーテック・みずほFG・三井住友FGが4日、JX金属・KOKUSAI ELECTRIC・三菱重工業が3日登場しています。顔ぶれを見ると、AI・半導体の常連に加えてメガバンク3行がそろって登場したのが今週らしいところです。
⚡ 乱高下組(値上がり・値下がり両ランキングに登場した主力)
| コード | 銘柄名 | 急騰日の動き | 急落日の動き | 週間騰落率 | 今週の動き |
|---|---|---|---|---|---|
| 285A | キオクシアHD | 木 +5.00% | 月 -6.24% / 金 -8.76% | -11.34% | サムスン急落波及→エヌビディア決算で反発→週末に再急落 |
| 5801 | 古河電気工業 | 火 +10.34% / 木 +4.71% | 月 -5.06% / 金 -4.55% | +1.58% | 1日おきに買いと売りが入れ替わるジグザグ |
| 5803 | フジクラ | 火 +5.50% | 月 -5.00% | +0.97% | 月曜急落を火曜の押し目買いで即回復 |
中小型でも第一稀元素化学工業・松屋・弁護士ドットコム・マネーフォワード・東洋エンジニアリング・トーメンデバイスなどが両ランキングに登場しており、急騰銘柄ほど反動も大きい週でした。テーブルの主力3銘柄はいずれもAI・半導体系で、同じテーマの中で買われる銘柄と売られる銘柄が日替わりで入れ替わる、回転の速い資金の動きが見て取れます。
📈 値上がり常連(値上がり率TOP20に2日以上登場した中小型)
| コード | 銘柄名 | 登場日数 | 週間騰落率 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 6330 | 東洋エンジニアリング | 4日 | +19.47% | 今週最多登場。モメンタム資金の中心 |
| 2737 | トーメンデバイス | 3日 | +13.39% | メモリー関連の思惑で月〜水3連騰 |
| 8237 | 松屋 | 3日 | +11.23% | 週前半の急騰と金曜の反動安 |
| 4082 | 第一稀元素化学工業 | 2日 | +45.36% | 水木と値上がり率首位の連続 |
| 6440 | JUKI | 2日 | +14.93% | 低位株循環の代表格 |
| 6027 | 弁護士ドットコム | 2日 | +13.97% | 急落を挟みながらの荒い上げ |
| 6376 | 日機装 | 2日 | +11.47% | 先週の急落からの自律反発 |
| 3994 | マネーフォワード | 2日 | +9.11% | 金曜のSaaS高の流れに乗る |
まとめです。今週の物色の構図は、「AI・半導体の主力に資金は集まり続けるが方向は日替わり、勝ちが積み上がったのは金融・サービスと中小型グロース」という二層構造でした。売買代金の上位は相変わらず半導体が占めるのに、週間騰落率で勝ったのはリクルートHDやメガバンク、そしてSaaS系だったというねじれが、この週の資金フローを一番よく表しているという気がします。
今週のテーマ別資金フローと3対立軸
強かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 金融 | +2.66pt | 銀行・保険・証券 | 米利上げ観測・地銀高・東京海上の増配修正 |
| 2 | 内需消費 | +1.29pt | 小売業・サービス業 | リクルートHD・インバウンド関連 |
| 3 | 不動産・建設 | -0.22pt | 不動産業・建設業 | 3位ながら小幅マイナス。東洋エンジなど個別高どまり |
弱かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | エネルギー | -2.87pt | 鉱業・石油・石炭製品 | WTI原油86→83ドルの続落が直撃 |
| 2 | 生活防衛 | -1.81pt | 食料品・医薬品・電気ガス・陸運 | リスク選好の週にディフェンシブは見送り |
| 3 | 製造業サイクル | -1.54pt | 機械・輸送用機器 | 自動車が軟調、輸出系に資金向かわず |
3対立軸の週間推移
| 軸名 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週間累積 | 解釈 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 金利軸 | -1.43 | +1.58 | +1.19 | +0.35 | +1.20 | +2.89pt | 火曜から4日連続プラスの金融優位 |
| 資源軸 | -0.47 | +0.16 | -0.61 | +0.85 | -1.03 | -1.10pt | 原油続落で資源系の資金流入が一服 |
| リスク軸 | +0.33 | -0.07 | -0.11 | +0.50 | +0.19 | +0.84pt | 小幅ながらリスクオン寄り |
ローテーション総括です。今週は金融テーマ(+2.66pt)の独走で、実は2位の内需消費以外はテーマ側もほぼマイナスという、かなり偏った週でした。この金融の強さがそのまま金利軸+2.89pt(火曜から4日連続プラス)に現れており、テーマと軸は同じ現象を別の解像度で捉えています。一方、先週まで相場を支えた資源軸は-1.10ptに転落し、エネルギー・商社系から金融・内需への資金シフトがデータの上でもはっきりしました。
リスク軸は+0.84ptと小幅プラスで、リスクオンというより「生活防衛だけが置いていかれた」形です。なお除外9業種では、情報・通信業が指数こそ+1.13%と上昇したもののTOPIX比では-0.80ptと平均負け、ガラス・土石製品(-3.37pt)や繊維製品(-1.72pt)など中間材系の弱さが目立ちました。
年初来高値・安値更新 週間集計
| 項目 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 年初来高値 更新数 | 90 | 70 | 72 | 69 | 98 | 399 |
| 年初来安値 更新数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
今週は高値更新399銘柄に対して安値更新はわずか2銘柄で、日経平均が小動きだった割に個別の需給は極めて健全でした。月曜の下げた日ですら高値更新90・安値ゼロという中身で、指数と個別の乖離が続いています。高値更新の中身は情報・通信業(56)・サービス業(48)・卸売業(42)・証券・商品先物業(40)に集中しており、ここでも内需と金融への資金流入が確認できます。
今週の日本株:週間スコア推移(11因子モデル)
週合計は-2ptで着地しました。内訳を見ると、B群(幅・需給)が+7、A群(トレンド)が+4と相場の土台はしっかりプラスだった一方、D群(過熱調整)が-13と5日間ずっと重石になっています。つまり「トレンドと需給は健全、ただし売買代金の集中と過熱シグナルが警告を出し続けた」という構図で、指数の小動きの裏で採点が割れた週でした。
| 日付 | 総合スコア | A トレンド | B 幅・需給 | C 勢い | D 過熱調整 | E マクロ | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/24(月) | -3 | -1 | +1 | 0 | -3 | 0 | やや弱気 |
| 8/25(火) | -1 | +2 | +2 | -1 | -3 | -1 | 中立・様子見 |
| 8/26(水) | 0 | 0 | +2 | 0 | -2 | 0 | 中立・様子見 |
| 8/27(木) | -1 | +1 | +1 | -1 | -3 | +1 | 中立・様子見 |
| 8/28(金) | +3 | +2 | +1 | 0 | -2 | +2 | やや強気 |
| 週合計 | -2 | +4 | +7 | -2 | -13 | +2 | 中立 |
市場体温計
三層スコアの週間推移
| 項目 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週間の読み |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Layer 1 合計 | +1 ☀微熱 | +4 ☀☀熱気 | +3 ☀☀熱気 | +2 ☀微熱 | +3 ☀☀熱気 | 5日とも体温プラスの温かい週 |
| Layer 2 点灯数 | 0/4 | 2/4 | 1/4 | 1/4 | 1/4 | 火曜以降、毎日どこかが点灯 |
| Layer 3 点灯数 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 底値シグナルは皆無 |
| 相場の質 | 中立 | 中立 | 中立 | 中立 | 中立 | 集中型にも全面型にも振れず |
今週の体温は5日間すべてプラス圏(+1〜+4)で、下げた月曜ですら微熱を保つ温かい週でした。気になるのは高温シグナルの中身です。火曜にRSI70超銘柄比率32.5%と騰落レシオ25日127.46の2つが同時点灯し、その後も水曜(RSI70超36.1%)・木曜(同27.3%)・金曜(騰落レシオ25日125.31)と、毎日どこかしらが点灯し続けました。買われすぎ銘柄が市場の3割前後を占める状態が常態化しつつある、ということなんですよね。
一方で低温シグナルはゼロ、相場の質も5日連続「中立」でした。まとめると「体温は高めだが熱狂ではない、ただし過熱の芽は毎日顔を出している」という週で、Layer 2が2点以上点灯する日が増えてくるようなら、一段の警戒が必要になりそうです。
今週の需給データ(信用残・海外投資家・裁定残)
信用残と評価損益率(対象週:〜8/21週)
| 項目 | 前回(〜8/14週) | 今回(〜8/21週) | 変化 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 信用買い残 | 6兆2,007億円 | 6兆4,825億円 | +4.55% | 急落週に押し目の信用買いが積み上がる |
| 信用売り残 | 8,931億円 | 8,962億円 | +0.35% | 売り方はほぼ横ばい |
| 信用倍率 | 6.94倍 | 7.23倍 | 上昇 | 買い長がやや進む |
| 信用評価損益率 | -3.29% | -5.27% | -1.98pt悪化 | 急落の直撃。追証圏の目安-10%までは距離 |
対象週(8/17-21)は日経が週間-3.93%と急落した週です。その中で買い残が+4.55%増えて評価損益率が-5.27%へ悪化したということは、個人の買い方が下げの中でポジションを増やしながら含み損を抱えた形です。今週(8/24-28)の反発でいくらか改善しているとみられますが、買い残6.5兆円規模の高水準が続いている点は覚えておきたいところです。
投資主体別売買動向(対象週:〜8/21週)
| 主体 | 今回(〜8/21週) | 前週(〜8/14週) | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 海外投資家 | -4,378億円 売り越し | +2,135億円 買い越し | 急落週に売り越しへ転換 |
| 個人(現金) | +2,092億円 買い越し | -6,123億円 売り越し | 下げたところで逆張りの買い |
| 個人(信用) | +4,886億円 買い越し | -435億円 売り越し | 信用残の増加と整合的 |
| 信託銀行 | -5,083億円 売り越し | -824億円 売り越し | 年金系とみられる売りが継続・拡大 |
急落週の構図は「海外勢と信託銀行が売り、個人が現金・信用の両輪で7,000億円近く買い向かう」というものでした。海外勢の売り越しは2週ぶりで、8月に入って買いと売りを週替わりで繰り返しており、方向感はまだ定まっていないように見えます。
裁定取引残高(対象週:〜8/21週)
| 項目 | 前回(〜8/14週) | 今回(〜8/21週) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 裁定買い残 | 2兆4,359億円 | 2兆2,080億円 | 減少 |
| 裁定売り残 | 2,092億円 | 2,225億円 | 小幅増加 |
| 差引(買い−売り) | 2兆2,267億円 | 1兆9,855億円 | -2,412億円 |
裁定買い残は前週比-2,412億円と減少し、差引で2兆円を割り込みました。急落週に先物経由の買いポジションが整理された形で、需給の上ではしこりが一つ軽くなったと言えそうです。
需給の週間総括です。最新公表分(〜8/21週)が映すのは急落週の姿ですが、「海外勢・年金系の売りを個人の逆張りが受け止め、裁定買い残も整理された」という組み合わせは、今週(8/24-28)の反発の下地になったように見えます。一方で信用買い残6.5兆円と評価損益率-5.27%の組み合わせは、下げが再開した場合に投げ売りの燃料にもなり得るもので、需給は追い風と火種が同居している状態と読んでいます。
今週の日本株:週間マクロ環境の変化
東京市場の引け後、ウォーシュFRB議長がジャクソンホール会議で「米国のインフレは高すぎるままだ」「基調的なインフレが2%へ戻らなければ、やるべき仕事がある」と述べ、利上げに含みを持たせました。これを受けて9月FOMCでの0.25%利上げ確率は前日の35%前後から57.5%へ急上昇(CME FedWatch)。米10年金利は4.724%へ上昇し、ドル円は約1カ月ぶりの160円台に乗せています。
金曜の米国市場はダウ-0.02%・S&P500-0.30%・ナスダック-0.51%と小幅安にとどまったものの、SOX指数は-3.47%と大きく崩れました。シカゴの日経平均先物は大阪の終値比670円安の水準で戻ってきており、週明けの東京市場は半導体中心に売り先行で始まる公算が大きい状況です。
日経VIは週初の28.38から週末23.25へ大きく低下し、VIXも14.54と低位です。エヌビディア決算という不確実性を一つ消化した安心感が数字に出ていますが、金曜夜の米金利上昇でこの落ち着きが週明けも続くかは見どころです。
| 指標 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週間変化 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均(前日比) | -0.74% | +0.50% | +0.62% | -0.20% | +0.41% | +0.59% |
| TOPIX(前日比) | +0.15% | +0.50% | +0.42% | +0.15% | +0.72% | +1.95% |
| グロース250(前日比) | +0.38% | +1.29% | -0.02% | +2.15% | +3.16% | +7.12% |
| ドル円 | 159.19 | 159.38 | 159.01 | 159.32 | 159.55 | 約0.9円の円安 |
| 米10年金利 | 4.709% | 4.693% | 4.647% | 4.652% | 4.679% | 夜間に4.724%へ |
| VIX | 15.93 | 15.80 | 15.67 | 14.95 | 14.54 | -8.1% |
| 日経VI | 28.13 | 30.41 | 30.41 | 28.03 | 23.25 | -18.1% |
| WTI原油 | 85.64 | 83.63 | 80.17 | 81.35 | 82.95 | -3.8% |
| 騰落レシオ25日 | 121.90 | 127.46 | 124.28 | 122.80 | 125.31 | 週間+8.5pt |
来週の日本株で注目したいイベント
国内主要決算スケジュール
来週も国内の決算発表は閑散期が続きます。9月第1週は1月期・4月期決算企業の中間・第1四半期発表が中心で、主なところでは積水ハウス(1928・時価総額約2.2兆円・★★★)の中間決算や伊藤園(2593・約3,500億円・★★)の第1四半期決算が例年この週に発表されます。ただし正確な発表日は各社の開示ベースでご確認ください。指数を動かすような大型決算はなく、来週の主戦場はもっぱら米国の経済指標になりそうです。
主要経済指標・金融政策
| 日付 | 時刻(日本) | イベント | 地域 | 影響度 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 9/1(火) | 朝 | 4-6月期 法人企業統計 | 日本 | ★★ | GDP改定値の基礎データ。設備投資の強さ |
| 9/1(火) | 23:00 | 8月ISM製造業景況指数 | 米国 | ★★★ | 利上げ観測が強まる中、景況感の温度を確認 |
| 9/1(火) | 23:00 | 7月JOLTS求人件数 | 米国 | ★★ | 雇用統計の前哨戦 |
| 9/2(水) | 21:15 | 8月ADP雇用統計 | 米国 | ★★ | 民間版雇用統計。金曜への地ならし |
| 9/3(木) | 23:00 | 8月ISM非製造業景況指数 | 米国 | ★★ | 米経済の主役サービス業の景況感 |
| 9/4(金) | 21:30 | 8月米雇用統計 | 米国 | ★★★ | 7月は非農業部門-2.3万人・失業率4.1%。利上げ観測の行方を決める最重要指標 |
来週の日本株で注目したいシナリオ
前提を整理します。金曜夜の米国市場はダウ-0.02%・S&P500-0.30%・ナスダック-0.51%と小幅安でしたが、SOX指数が-3.47%と大きく崩れ、ウォーシュ議長のタカ派講演で9月利上げ確率が57.5%へ急上昇、米10年金利4.724%・ドル円160円台という組み合わせで帰ってきました。シカゴの日経平均先物は大阪終値比670円安です。月曜は半導体中心に売り先行がほぼ確実な情勢で、この前提で3つのシナリオを考えます。
- 条件:半導体安を月曜で消化 / 金融・内需への資金シフト継続 / 米指標が過熱でも失速でもない着地
- 展開:TOPIX優位のまま66,500〜67,500円へ上値追い再開
- 注目:銀行・サービスの続伸、グロース250の腰の強さ
- 条件:利上げ観測5〜6割で膠着 / ドル円159〜161円 / 雇用統計待ち
- 展開:65,000〜66,500円のレンジ。半導体は重く、金融・内需が下支え
- 注目:金利軸プラスの継続、日経とTOPIXの強弱差の拡大
- 条件:米金利が一段と上昇 / 円安加速で日銀の利上げ観測も再燃 / 雇用統計が強すぎる
- 展開:火曜の安値64,609円を試し、25日線(6万5,600円近辺)割れなら64,000円台前半へ
- 注目:信用買い残6.5兆円の投げ、グロース250の逆回転
来週の注目セクター
| 判定 | セクター | 週間累積相対騰落 | シナリオ別見通し |
|---|---|---|---|
| 継続注目 | サービス業 | +4.92pt | 25日累積+18.4ptで33業種首位。リクルートHD・SaaS勢の勢いは本物に見えるものの、個別には過熱スコア高めの銘柄も多く、押し目を待ちたい場所 |
| 継続注目 | 銀行業 | +2.47pt | 金利軸+2.89ptの主役。米利上げ観測と日銀観測の両方が追い風になり得る一方、相場全体の調整には巻き込まれやすい |
| 反転試金石 | 電気機器 | +0.53pt | SOX-3.47%を月曜にどう消化するか。アドバンテスト・キオクシアの下値の固さが相場全体の試金石に |
| 警戒継続 | 鉱業・石油・石炭製品 | -3.17pt / -2.55pt | WTI80ドル台前半と資源軸-1.10ptで資金流出が継続。原油が反発しない限り戻りは鈍そう |
シナリオ検証:先週の予想 vs 今週の実績
先週の記事では「A:反発継続(30%)/B:イベント待ちのレンジ(45%)/C:二段安(25%)」の3つを想定していました。結果は本命のシナリオBがほぼそのまま的中です。想定レンジ65,000〜67,000円に対して実際の値動きは64,609〜66,955円とわずかに下振れしたものの、「指数は動かず、セクター選別だけが進む」という読みどおり、日経は週間+0.59%の小動きの裏で海運・エネルギーから金融・サービスへの資金シフトが進みました。一方でシナリオAの条件だった「エヌビディア好決算」は実現したのに、株価の反応が「材料出尽くし」となった点は私の想定外で、好決算=半導体の買い戻しという単純な連想がもう効きにくくなっていることは、来週を考える上でも覚えておきたい教訓です。
🏆 今週の総合判定:中立(週合計:-2pt)
週次スコア推移:月-3 → 火-1 → 水0 → 木-1 → 金+3(最高)
A〜E群 週次合計:
- A トレンド:+4(TOPIX7日続伸が支え、日経の小動きを補う)
- B 幅・需給:+7(高値更新399vs安値2、個別需給は今週も健全)
- C 勢い:-2(半導体の乱高下で勢いの因子はやや不安定)
- D 過熱調整:-13(売買代金の集中と過熱シグナルが5日間ずっと重石)
- E マクロ:+2(日経VI急低下とVIX低位が追い風)
今週の総括:サムスン急落で始まり、エヌビディア決算を「材料出尽くし」で消化し、TOPIX7日続伸とグロース250の3カ月ぶり高値で終えた1週間でした。日経平均の+0.59%だけを見ると動きのない週に見えますが、中身は海運・資源から金融・サービスへの主役交代が進んだローテーションの週です。週合計-2ptの「中立」は、健全な需給(B群+7)と過熱の警告(D群-13)が綱引きした結果で、方向を決めるのは来週の米金利ということになりそうです。
来週の焦点:SOX-3.47%と先物670円安の消化(月曜) / 米雇用統計(9/4金)と9月利上げ観測の行方 / ドル円160円台と日銀観測 / 銀行・サービスへの資金回転が続くか
今週の個別日レポート: 8/24(月) / 8/25(火) / 8/26(水) / 8/27(木) / 8/28(金)









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