今日の日本株|2026年6月23日の市場資金フロー|半導体ハイテク総崩れで全面安
- 日経-3.55%(69,788円)・TOPIX-2.56%の全面安。半導体ハイテク主導の急落で、キオクシア-15.10%・古河電工-15.52%が象徴的に下げました。
- 逆行高は水産農林+1.10%・陸運+0.90%・海運+0.84%の内需ディフェンシブのみ。資金は相対的に退避先へ動いています。
- VIX20.33へ急騰・ドル円161.44円へ円高・売買代金13.7兆円。しっかりした売りで、総合判定は全面安・警戒(-7/+11)です。
今日の日本株:業種別の資金フロー分析
まず全体像です。TOPIXが-2.56%まで下げた1日で、絶対騰落率がプラスになったのはわずか5業種でした。資金が業種をまたいで広く動いたというより、半導体・電線・情報通信といったハイテク群から一斉に逃げた、その逃げ先として内需・ディフェンシブが相対的に残った、という構図ですね。
値上がり業種 TOP5
プラス圏に残ったのは、水産農林・陸運・海運・倉庫運輸・小売という内需ディフェンシブの並びでした。いずれも派手な買いというより、全面安の中で売られなかったタイプの強さです。対TOPIX相対で見ると小売まで+2.72ptと、市場平均を3pt前後上回る退避先になっていたりします。
| 業種 | 騰落率 | 相対騰落 | コメント |
|---|---|---|---|
| 水産・農林業 | +1.10% | +3.66pt | 本日の最強。典型的なディフェンシブ退避先 |
| 陸運業 | +0.90% | +3.46pt | 鉄道など内需。値動きの安定感が買われる |
| 海運業 | +0.84% | +3.40pt | 市況株ながら逆行高。輸送・物流テーマの主役 |
| 倉庫・運輸関連業 | +0.48% | +3.04pt | 内需インフラ。地味だが底堅い |
| 小売業 | +0.16% | +2.72pt | 内需消費。ファストリ+0.78%が下支え |
値下がり業種 TOP5
逆に大きく下げたのは、非鉄金属-5.26%・電気機器-4.70%・情報通信-4.28%という、いわば「最近の主役」がそのまま並んだ顔ぶれでした。金属製品-3.97%・機械-3.66%まで含めると、半導体製造装置・電線・電子部品といったハイテク製造業が総崩れだったことが分かります。前日まで非鉄金属が連日二桁の相対プラスで突っ走っていたぶん、反動が出やすい位置ではあったのかなと思います。
| 業種 | 騰落率 | 相対騰落 | コメント |
|---|---|---|---|
| 非鉄金属 | -5.26% | -2.70pt | 古河電工-15.52%・JX金属-11.28%。電線・銅の急落 |
| 電気機器 | -4.70% | -2.14pt | キオクシア-15.10%・村田-10.16%。半導体総崩れ |
| 情報・通信業 | -4.28% | -1.72pt | SBG-10.09%。新安値が突出して多い |
| 金属製品 | -3.97% | -1.41pt | SUMCO-9.26%など半導体周辺 |
| 機械 | -3.66% | -1.10pt | ディスコ-6.34%・ハーモニック-11.60% |
色分けで整理すると、今日は「内需消費+生活防衛+輸送・物流」の退避組と、「テクノロジー+素材(特に電線・半導体)」の売られ組に、きれいに分かれた1日でした。ふだんと違うのは、買われた側も絶対騰落率はほぼ横ばい〜小幅高にとどまっていることで、資金が積極的に入ったというより、売りを避けた先に残っただけという色合いが強いように見えます。
業種フロー詳細と主役交代シグナル
ヒートマップで5日間のpt推移を見る前に、もう一段踏み込んで「明日以降のフローの方向」を5項目シグナル+判定で機械的に整理した一覧を続けて掲載します。短期2日平均と長期5日平均の比較、プラス圏連続、加速度、3日中2日以上+、累積10日の地力という5項目が点灯すれば本日4点以上、前日も4点以上なら🔥本格流入、3点以上が2日連続なら🟢兆し、本日のみ4点以上なら○本日のみ、という3段階で見極めるものです。本日は流入14業種(🔥2/🟢1/○11)vs 流出11業種・中立8業種で、数のうえでは流入が上回りました。ただ繰り返しになりますが、これは対TOPIX相対の方向シグナルなので、全面安の日は「流入=相対的な退避先」と読むのが実態に近いところがあります。
📌 主役交代シグナルのポイント:🔥本格流入に残った非鉄金属・ガラス土石も本日のスコアは5→4へ低下し、絶対株価はむしろ急落しています。一方で機械・精密機器・情報通信・金属製品が❄本格流出に転じ、ハイテク・素材から方向が下向きに変わってきました。逆に流入側の中身は陸運・食料品・電気ガス・空運・銀行など内需ディフェンシブで、明日の物色の起点になり得るかは慎重に見ておきたいところです。
業種別 対TOPIX相対騰落ヒートマップ(直近5営業日)
直近5営業日の流れを並べると、6/22まで非鉄金属が+6〜+9ptで連日トップを走っていたのが、本日6/23で一気にマイナスへ反転したのがよく分かります。きれいに緑が並んでいた素材・テクノロジーの右端が、今日だけ赤に染まりました。逆に海運・陸運・水産農林は直前まで弱かったのが本日だけ濃い緑に転じていて、資金の逃げ場が一晩で入れ替わった様子が見て取れます。
年初来高値・安値更新の業種別分布
需給の地力を映す年初来高値・安値は、本日高値58銘柄に対して安値78銘柄で、差し引き-20と安値優位に転じました。業種別のネット差(高値更新数−安値更新数)で見ると、情報・通信業がネット-36と突出して新安値が多く、サービス業-10・小売業-8と内需グロースにも新安値が目立ちます。一方で電気機器+9・機械+9・銀行業+5は本日急落しながらもネットではプラスを保っていて、ここは年初来の上昇貯金がまだ残っている格好です。全体では需給が一段悪化した、という読み取りになります。
補助的に景気敏感とディフェンシブの差を見ておくと、本日はシクリカルがディフェンシブを3pt超下回り、グロースはバリューをわずかに下回りました。景気敏感株がそろって売られ、相対的に守りの強い業種が残った、という今日の構図をそのまま裏づける数字ですね。スタイルとしてはバリュー優位の判定になっています。
本日の日本株で強かったテーマ:テーマ別資金フロー
テーマランキングの上位は輸送・物流+内需消費+生活防衛+エネルギーと、見事にディフェンシブ寄りで埋まりました。判定上は7テーマが🆙主役化点灯ですが、これは全面安の裏返しで「市場平均より下げなかったテーマがまとめて主役化判定になった」状態なんですよね。一方でテクノロジーが↘継続弱(連続-3日)、素材が🆘脱落と、ここ数日の主役が明確に流出側へ回りました。買われたテーマというより、逃げ込まれたテーマが上に来た1日と整理しておくのが正確だと思います。
まとめると、今日はテクノロジーと素材が明確な流出側、その対極で内需・ディフェンシブ系がまとめて退避先という、はっきりした2極の地合いでした。ただ退避先のテーマも連続日数はまだ+1日と浅く、地力(10日累計)はマイナス圏に沈んだままです。明日以降も内需ディフェンシブの粘りが続くのか、それともハイテクの売り一巡で資金が戻るのかは、まだどちらとも言い切れない、という気がします。戻り売り警戒のほうが先に立ちやすい局面ではありますね。
3対立軸でみるマクロ文脈
・金利軸:金融 − 不動産・建設(+ 金利上昇/− 金利低下)
・資源軸:(エネ+素材+商社)/3 − (輸送物流+内需消費)/2(+ 資源高/− 資源安)
・リスク軸:(製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛(+ リスクオン/− リスクオフ)
3軸の符号と大きさの組み合わせから「リスクオン×金利上昇×資源高」のように、本日の主題が読み取れる仕組みです。
本日の主題を3軸で言い表すと、「リスクオフ × 資源安 × 金利は中立」でした。なかでも効いているのがリスク軸-2.66ptで、製造業サイクル・テクノロジー・素材の景気敏感グループが、生活防衛のディフェンシブに対して大きく負けています。リスクオフがはっきり前に出た1日だったと言えそうです。
| 対立軸 | 計算式 | 本日値 | 3日平均 | 10日累計 | 連続 | 解釈 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 金利軸 | 金融 − 不動産・建設 | +0.21pt | +0.28pt | -0.36pt | +2日 | 中立 |
| 資源軸 | (エネ+素材+商社)/3 − (輸送物流+内需消費)/2 | -1.63pt | +0.52pt | +1.95pt | -1日 | 資源安 |
| リスク軸 | (製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛 | -2.66pt | -0.13pt | +4.23pt | -1日 | リスクオフ |
本文③でテクノロジー↘継続弱・素材🆘脱落と、内需ディフェンシブの🆙主役化が同時に起きた背景には、このリスク軸-2.66ptの急反転があります。リスク軸はつい先日まで10日累計+4.23ptとリスクオンが地力として効いていたのに、本日いっきにマイナスへ振れました。資源軸も-1.63ptと、WTI原油の反落(前日比-2.46%)を受けて資源安に転じています。金利軸だけは+0.21ptの中立圏で、米10年金利が4.485%とほぼ動かなかったことと整合的ですね。つまり金利要因ではなく、リスク回避と資源安が同時に来たのが、今日の景気敏感株総売りの背景なのかなと思います。
本日の日本株:注目銘柄
値上がり率 TOP3
| 順位 | 銘柄 | コード | 業種 | 騰落率 | 相対騰落 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Orchestra HDG | 6533 | サービス業 | +20.97% | +23.53pt |
| 2 | テスホールディングス | 5074 | 建設業 | +14.42% | +16.98pt |
| 3 | エア・ウォーター | 4088 | 化学 | +6.61% | +9.17pt |
全面安の中で二桁高をつけたのは、サービス・建設・化学の中小型でした。Orchestra HDGの+20.97%は個別材料が主体とみられ、地合いとは切り離して見ておくのが無難そうです。
売買代金集中 TOP3
| 銘柄 | 業種 | 騰落率 | 売買代金 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|
| キオクシアHD | 電気機器 | -15.10% | 約4.39兆円 | 本日の売りの中心。AIメモリの利益確定が集中 |
| フジクラ | 非鉄金属 | +5.29% | 約1.04兆円 | 非鉄が総崩れの中で逆行高。電線AI需要の選別 |
| 太陽誘電 | 電気機器 | -3.53% | 約3,897億円 | 電子部品。下げ幅は電機平均より小さめ |
代金上位はキオクシア-15.10%に売買が集中し、これ1銘柄で4兆円超という極端な商いでした。注目はフジクラ+5.29%が同じ非鉄の中で逆行高を保ったことで、同じ電線でも古河電工-15.52%とは明暗が分かれています。AI・データセンター向け電線の中で銘柄選別が進んでいるように見えますね。
最強モメンタム上位
RSI≥60・乖離率≥+5%・相対騰落+1pt以上で抽出した最強モメンタム上位は、本日は内需・ディフェンシブと建設に集中しました。フジクラだけが半導体周辺で唯一残っていますが、乖離率+34.2%・信用倍率20.56倍と過熱の数字も大きく、追いかけにくい位置にあります。
| 銘柄 | コード | 騰落率 | 相対騰落 | 過熱スコア | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| Orchestra HDG | 6533 | +20.97% | +23.53pt | +3 | △ やや強 |
| テスホールディングス | 5074 | +14.42% | +16.98pt | +3 | △ やや強 |
| フジクラ | 5803 | +5.29% | +7.85pt | +3 | △ やや強 |
| ラウンドワン | 4680 | +4.13% | +6.69pt | +4 | ⚠ 過熱 |
| ニチレイ | 2871 | +3.11% | +5.67pt | +3 | △ やや強 |
高値更新×業種強し
本日は全面安だったため、このリストは中身が薄くなりがちです。年初来高値を更新しつつ業種も強い、という両立はガラス土石・電機の一部に限られました。ただTOTO・NGKなど本日は下げている銘柄も混じっており、業種の累積貯金で拾われている面が強いので、過熱スコアも合わせて慎重に見たいところです。
| 銘柄 | コード | 業種 | 騰落率 | 相対騰落 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| TOTO | 5332 | ガラス・土石 | -4.96% | -2.40pt | +4 ⚠ |
| NGK | 5333 | ガラス・土石 | -3.52% | -0.96pt | +5 ⚠ |
| ニチアス | 5393 | ガラス・土石 | +0.40% | +2.96pt | +3 △ |
| ミネベアミツミ | 6479 | 電気機器 | -2.49% | +0.07pt | +2 △ |
| アズビル | 6845 | 電気機器 | +0.59% | +3.15pt | +0 → |
📖 その他のスクリーナー(売られすぎ反転/踏み上げ/勝ち組・負け組セクター中核)
売られすぎ反転候補(RSI≤35・乖離率≤-5%・出来高1.5倍以上)
本日は急落の初日ということもあり、底値圏で出来高急増という反転候補はわずか3銘柄にとどまりました。投げ売り一巡のサインはまだ乏しく、逆張りには早い局面という読み取りになります。
| 銘柄 | コード | RSI | 乖離率 | 出来高倍率 | 騰落率 |
|---|---|---|---|---|---|
| アイ・ケイ・ケイHDG | 2198 | 21.95 | -11.5% | 3.00倍 | +1.95% |
| 日鉄ソリューションズ | 2327 | 27.81 | -5.9% | 1.55倍 | -1.43% |
| エイチ・アイ・エス | 9603 | 32.39 | -6.5% | 1.55倍 | +1.60% |
踏み上げ候補(信用倍率≤1.0・前日比+2%以上)
空売り比率の高い中で逆行高をつけた銘柄です。本日は内需・ディフェンシブ寄りの顔ぶれでした。
| 銘柄 | コード | 信用倍率 | 騰落率 | 相対騰落 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| シナネンHDG | 8132 | 0.14 | +4.50% | +7.06pt | -3 △やや弱 |
| カワチ薬品 | 2664 | 0.48 | +3.43% | +5.99pt | +1 → |
| 参天製薬 | 4536 | 0.94 | +3.01% | +5.57pt | +1 → |
勝ち組セクターの中核株(業種累積≥+2pt・RSI≥50・乖離率≥0・割安)
業種の累積トレンドが強い中での中核株です。本日はガラス土石・電気機器が中心ですが、いずれも本日は下げており、業種の貯金で拾われている点に注意です。
| 銘柄 | コード | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|---|
| ニチアス | 5393 | ガラス・土石 | +0.40% | +3 △ |
| NGK | 5333 | ガラス・土石 | -3.52% | +5 ⚠ |
| ノリタケ | 5331 | ガラス・土石 | -6.17% | +2 △ |
| SCREEN HDG | 7735 | 電気機器 | -5.06% | +5 ⚠ |
| 新電元工業 | 6844 | 電気機器 | -4.66% | +5 ⚠ |
負け組セクターの中核株(業種累積≤-2pt・RSI≤50・乖離率≤0・割高)
下落業種の中核で、継続売り警戒の候補です。本日は情報・通信業に集中しました。RSIがすでに一桁〜20台の銘柄も多く、売られすぎ反転候補と紙一重の位置にあります。
| 銘柄 | コード | 業種 | 騰落率 | 過熱スコア |
|---|---|---|---|---|
| 飯野海運 | 9119 | 海運業 | ±0.00% | -5 ✕売られ |
| アステリア | 3853 | 情報・通信業 | -11.00% | -6 ✕売られ |
| デジタルガレージ | 4819 | 情報・通信業 | -2.36% | -4 ✕売られ |
| ソフトバンクグループ | 9984 | 情報・通信業 | -10.09% | -3 △やや弱 |
| FIG | 4392 | 情報・通信業 | -6.02% | -6 ✕売られ |
市場体温計
本日の体温はLayer 1合計 -4「寒気」で、相場の質は極寒の判定でした。一方で高温・低温シグナルはどちらも0/4で未点灯。つまり「広く売られて寒いが、過熱でも底値でもない」という、行き過ぎのサインがまだ出ていない冷え込み局面です。
Layer 1:日々の体温(合計 -4 / ±5 → ❄寒気)
5項目すべてがマイナス寄りで、ブレッドス・業種の広がり・大型株の方向、いずれも弱い1日でした。新高安差だけが中立圏に踏みとどまっています。
| 項目 | 本日値 | +1の閾値 | -1の閾値 | スコア |
|---|---|---|---|---|
| 上昇銘柄比率 | 23.9% | ≥55% | ≤35% | -1 |
| 値上がり業種数 | 5/33 | ≥20 | ≤11 | -1 |
| 新高値−新安値スプレッド | -20 | ≥+30 | ≤-30 | ±0 |
| 日経・TOPIX方向 | 両方- | 両方+ | 両方- | -1 |
| TOP10売買代金 上昇数 | 1/10 | ≥8社 | ≤3社 | -1 |
| Layer 1 合計 | -4 / ±5 | ❄ 寒気 | ||
Layer 2:高温シグナル(0 / 4 点灯)
過熱を示す高温シグナルは1つも点灯していません。急落でむしろ過熱は解消方向で、③(騰落レシオ25日)は92.52、②(日経225 25日乖離率)も+4.85%まで低下しています。④(信用評価損益率)だけは-3.68%で点灯まで100%の距離にありますが、これは点灯閾値が近いというより週次更新の数字が据え置かれている形です。
| No. | 項目 | 本日値 | 点灯閾値 | 進捗 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | RSI70超 銘柄比率 | 7.4% | ≥25% | 30% | 未達 |
| ② | 日経225 25日乖離率 | +4.85% | ≥+8% | 61% | 未達 |
| ③ | 騰落レシオ25日 | 92.52 | ≥125 | 74% | 未達 |
| ④ | 信用評価損益率 | -3.68% | ≥-3% | 100% | 未達 |
| 合計 | 0/4・過熱なし | ||||
Layer 3:低温シグナル(0 / 4 点灯)
底値を示す低温シグナルもまだ0点灯です。①(RSI30以下銘柄比率)は8.2%で点灯の15%にはまだ距離があり、③(騰落レシオ6日)も82.65と、底値の目安60にはほど遠い水準でした。なお、Layer 3で3つ目に騰落レシオ6日を採用しているのは意図的な非対称設計で、「上昇はじわじわ、下落は急激」という株式相場の特性に合わせています。業界標準の騰落レシオ25日≤70は近年の市場では事実上ほぼ点灯しないため、6日≤60で実用化しているものです。つまり今日の急落はまだ「売られ過ぎ」の領域には入っていない、というのが体温計の見立てになります。
| No. | 項目 | 本日値 | 点灯閾値 | 進捗 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | RSI30以下 銘柄比率 | 8.2% | ≥15% | 55% | 未達 |
| ② | 日経225 25日乖離率 | +4.85% | ≤-6% | 81% | 未達 |
| ③ | 騰落レシオ6日 | 82.65 | ≤60 | 100% | 未達 |
| ④ | 信用評価損益率 | -3.68% | ≤-15% | 25% | 未達 |
| 合計 | 0/4・底値接近せず | ||||
補助指標と相場の質
同じ寒さでも中身を見ると、本日は資金集中度TOP3が50.2%と極端集中、買い主導率は10%で完全な売り主導でした。半導体・電線という一部の主力に売買が偏ったうえで売られた、典型的な「狭い全面安」です。
| 補助指標 | 本日値 | 判定 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 資金集中度(TOP3シェア) | 50.2% | 極端集中 | ≥30%集中/≥40%極端集中 |
| 買い主導率(TOP20内) | 10% | 売り主導 | ≥70%買い主導/≤30%売り主導 |
| TOPIX 25日乖離率 | +1.31% | 中立 | ±5%で中立圏 |
| 日経−TOPIX乖離率差 | +3.54pt | 中立 | ≥+4ptで値がさ偏重 |
| 騰落レシオ6日(参考) | 82.65 | 中立 | ≤60超過冷/≤80過冷 |
総合すると、本日の体温計は「広範な売り・極端な資金集中・売り主導の寒気」を映しつつ、高温・低温シグナルはどちらも未点灯でした。これは過熱の反動が一気に出た冷え込みではあるが、まだ売られ過ぎの底値圏には達していないということです。Layer 3が点灯し始めれば下げ止まりを警戒するタイミングですが、現時点ではそのサインは出ていません。押し目なのか、いったんの天井形成の入り口なのかは、ここから慎重に見極めたいと思います。
本日のマクロ環境
今日の急落は国内のハイテク売りが主役でしたが、マクロ環境もそれを後押しする並びでした。米株は前週末(6/20)にナスダックが下げ、VIXが急騰していて、それぞれが別々のシグナルとして日本株のリスクオフに重なっています。一つずつ見ていきます。
(前日6/20)
明日の日本株で注目したいポイント
3層構造でみる明日のシナリオ
本日の市場を「マクロ → テーマ → 個別業種」の3つの層に分けて、それぞれが何を示しているかを確認してから明日のシナリオを組み立てます。3層が同じ方向を示していれば、それは偶然ではなく構造的な動きとして信頼できる、という考え方です。
- 金利軸 +0.21pt(連続+2日) 中立
- リスク軸 -2.66pt(連続-1日) リスクオフ急反転
- 資源軸 -1.63pt(連続-1日) 資源安(WTI-2.46%)
- 市場体温計:L1 -4「寒気」/ L2 0/4 / L3 0/4
- 最強:輸送・物流+2.70pt(🆙主役化・連続+1日・強流入)※相対退避
- 次点:内需消費+2.60pt・生活防衛+2.19pt(ともに🆙主役化)
- 最弱:テクノロジー-0.80pt(↘継続弱・連続-3日・流出)
- もう1つの敗者:素材-0.56pt(🆘脱落・連続-1日)
- 🔥本格流入に 非鉄金属(5→4)・ガラス土石(5→4) が残るが絶対株価は急落
- A最強モメンタム上位は 水産農林・陸運・建設など内需 に集中
- 情報・通信業はネット-36の新安値優位、G負け組中核に14銘柄
- L3低温シグナルは 0/4で売られ過ぎ未達、反転確証はまだ
明日も売り一巡を確かめにいく展開で、内需・ディフェンシブ優位の地合いが続く公算が高いとみています。
- 期待エリア:水産農林・陸運・海運・小売など内需ディフェンシブ(対TOPIX+3pt超の退避先)
- 継続性試金石:フジクラ+5.29%が古河電工急落と分かれて逆行高を維持できるか(電線の銘柄選別)
- 底打ち待機:半導体(電気機器・精密機器)はVIX低下と米ハイテク反発の確認待ち
- マクロ材料注視:米ナスダックの調整継続/ドル円161円台の円高進行/VIX20超の高止まり
分岐リスクと警戒トリガー
🌧️ 弱気分岐A:ディフェンシブも崩れる全面安継続
内需退避すら続かず、指数主導でもう一段下げる展開です。リスク軸のマイナスが連続2日目に入ると、退避先が逃げ場として機能しなくなります。
⚡ 最弱気分岐B:半導体連れ安の第二波
キオクシア・古河電工の追加下落が指数を一段押し下げる展開です。AIメモリの利益確定がもう一巡すると、代金集中の重さがそのまま指数の重しになります。
📖 もっと詳しく:3層構造の論理プロセスを最初から追う
層1:マクロ層 ─ 金利ではなく「リスク回避と資源安」が同時に来た
本日のマクロ環境で最も大きく動いたのはリスク軸-2.66ptでした。製造業サイクル・テクノロジー・素材という景気敏感グループが、生活防衛のディフェンシブに対して大きく負けた、という意味です。直前までこのリスク軸は10日累計で+4.23ptとリスクオンが地力として効いていたので、本日の急反転は「積み上がっていたリスクオンの巻き戻し」と読むのが自然です。
もう一つ効いたのが資源軸-1.63ptで、WTI原油が前日比-2.46%と反落したことが背景にあります。一方で金利軸は+0.21ptの中立圏。米10年金利が4.485%とほぼ横ばいだったことと整合的で、今日の下げは金利上昇が引き金ではないと言えそうです。市場体温計はLayer 1が-4「寒気」まで冷え込みましたが、高温・低温シグナルはともに0点灯。過熱の極端値も底値の極端値も出ていない、「広く売られて寒いが、行き過ぎてはいない」局面です。
層2:テーマ層 ─ 上位の主役化は「退避先」、本物の交代ではない
テーマランキングは輸送・物流+2.70pt、内需消費+2.60pt、生活防衛+2.19pt、エネルギー+2.17ptと、上位がディフェンシブで埋まりました。判定上は7テーマが🆙主役化点灯ですが、これは全面安の裏返しです。TOPIXが-2.56%下げた中で「下げ幅が小さかったテーマ」がまとめて相対プラスになり、主役化判定が点灯した、という構造になっています。
注意したいのは、上位テーマの連続日数がいずれも+1日と浅く、10日累計(地力)はマイナス圏に沈んだままという点です。つまり地力に裏打ちされた主役交代ではなく、今日たまたま逃げ込まれた退避先という色合いが濃いんですよね。逆にテクノロジーは↘継続弱(連続-3日)、素材は🆘脱落と、ここ数日の主役がはっきり流出側へ回りました。直前まで連日+6〜+9ptで突っ走っていた非鉄金属が一晩でマイナスへ反転したのが、その象徴です。
層3:業種・銘柄層 ─ 買い候補は内需に偏在、ハイテクは確証待ち
資金流入シグナルでは流入14業種・流出11業種と数では流入が上回りましたが、これも対TOPIX相対の方向シグナルなので、実態は「相対的な退避先が14業種」という意味です。🔥本格流入に残った非鉄金属・ガラス土石も本日のスコアは5→4へ低下し、絶対株価はむしろ急落しています。
個別では、A最強モメンタム上位が水産農林・陸運・建設など内需に集中し、買える候補が守りの業種に偏っているのが分かります。一方で情報・通信業は年初来高安のネットで-36と新安値が突出し、G負け組セクター中核には14銘柄が並びました。ただこれらはRSIが一桁〜20台まで下がっている銘柄も多く、売られすぎ反転候補と紙一重の位置です。とはいえLayer 3低温シグナルは0/4で、市場全体としてはまだ「売られ過ぎ」の領域に達していません。反転の確証が出るまでは、ハイテク・素材の新規買いは見送るのが無難という読み取りになります。
3層統合の読み方
マクロ層の「リスクオフ急反転」、テーマ層の「内需ディフェンシブ退避」、業種層の「買い候補は内需に偏在」が、3層すべてでリスク回避という同じ方向を指しました。これは構造的なシグナルで、明日も内需・ディフェンシブ優位の地合いが続く公算が高い、というのがメインシナリオの根拠です。
ただし注意点が2つあります。1つは退避先の地力がまだ浅いこと、もう1つはLayer 3低温シグナルが0/4で、売られ過ぎの底打ちサインがまだ出ていないことです。押し目として買い場になるのか、いったんの天井形成の入り口なのかは、ここからの数日で見極めたいところです。売買代金が13.7兆円と多く、しっかりした売りだったぶん、安易な逆張りには慎重でいたいと考えています。
🏆 本日の総合判定(11因子モデル):全面安・警戒(スコア:-7/11)
スコア内訳:
- A トレンド:-2(TOPIX-2.56%・日経-TOPIX-0.99pt。グロース-TOPIX-0.36ptは±0)
- B 幅・需給:-2(値上がり業種5/33・上昇銘柄比率23.9%。新高安差-20は±0)
- C 内部エネルギー:-1(シクリカル-ディフェンシブ差-3.08%で-1。急増銘柄平均-0.36%・RSI健全度は±0)
- D 過熱調整:⚠-1(資金集中度TOP3 50.2%で-1。過熱度ブレーキは未点灯)
- E マクロ:-1(米国株合算-1.70%で-1。VIX20.33は中立レンジ)
判定根拠:A〜Eの全群がマイナスに沈み、トレンド・幅需給の悪化に、資金集中(D群)と米ハイテク安(E群)が重なった全面安でした。前日+3から-10ptの急反転です。ただD群の集中リスク以外に過熱・底値の極端シグナルは点灯しておらず、これが押し目なのか天井形成の入り口なのかは、慎重に見極めたい局面だと見ています。




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