日経100日線割れ|次の関門は63,300円・大トレンドはまだ無事

2026年9月2日、日経平均は1,889.70円安の6万4,325.64円(-2.85%)と大幅に3日続落しました。8月20日から9月1日まで9営業日続いたもみ合いを下に抜け、100日移動平均線の6万4,906円も終値で割り込んでいます

ただ、同じ日のTOPIXは-2.40%の4,081.60で、こちらは100日線を3.20%上回ったままで、25日線もわずか0.03%下回っただけ(ほぼ線の真上)です。下げ幅そのものは日経とほとんど変わらないのに、チャートの痛み方だけがはっきり違います。

そこでこの記事では、日経平均のチャートを3つの関門に分けて整理します。今日抜けたのはどこまでで、どこからがまだ無事なのか。そのうえで、値段の面(PER)から見た位置と、日経とTOPIXでなぜ傷み方が違うのかを順に見ていきます。

この記事の要点(先に4つ)
① 今日抜けたのは、もみ合いの下限6万5,528円と100日線6万4,906円の2つでした。ただし100日線を下回った幅は0.89%にとどまり、100日線そのものは5営業日前より632円高い水準にあって、まだ上を向いています

② 次の関門は25週線(週足の終値25本ぶんの平均。日足でいえば約半年の平均線)の6万3,360円と、3月末と7月末の安値を結んだ上昇支持線の6万3,334円です。ほぼ同じ場所に重なっていて、今日の終値からあと1.5%下にあります。いっぽう同じ日のTOPIXは100日線を3.20%上回ったままで、チャートはまだ崩れていません

③ いっぽうで、2025年4月と2026年3月の安値を結んだ大きめのトレンドラインは9月2日時点で5万9,058円で、ここまではまだ8.2%の余裕があります。PER(株価が1株利益の何倍かを示す値段の物差し)は、これまで保たれていた23〜26.5倍の帯を価格に直した下限より4,842円安く、値段だけを見れば軽くなってきました

④ 日経と一緒に動きやすい「日経型」のサブ業種は、この日TOPIXより平均1.38pt弱く、TOPIXと一緒に動きやすい「TOPIX型」は平均1.07pt強く動きました。同じ全面安でも、持っている銘柄で結果はかなり違いました

何が起きたか|9営業日のもみ合いを、下に抜けました

今日の日経平均は、寄り付きがそのまま高値で、終値もほぼ安値でした。戻りらしい戻りが一度もなかった1日です。

始値6万5,195.43円がそのまま高値で、安値6万4,215.47円、終値6万4,325.64円。値幅979.96円に対し、終値は日中の値幅の下から11.2%の位置(安値を0%、高値を100%とした目盛りで)です。上ヒゲはなく、下ヒゲも110円しかありません。

抜けてきたのは、8月20日から9月1日までのもみ合いです。この9営業日の終値は6万5,528.09円(8/24)から6万6,405.56円(8/28)に収まっていて、今日はその下限を1,202円下回りました。

ザラ場の安値も、もみ合い中でいちばん低かった8月25日の6万4,609.47円を下回り、2,134円安となった8月19日の安値6万5,133.98円も割り込みました

高値のほうも8月14日のザラ場高値6万9,608.24円から、8月27日が6万6,954.69円、9月1日が6万6,525.70円と切り下がっています。ですので今日の下抜けは、その流れの延長として素直に読めます。

数値で見るインパクト|チャートの関門を3つに分けてみます

「崩れた」と「まだ崩れていない」を分けるには、支えになりそうな水準を距離の順に並べるのが早いです。

日経平均の日足と3つの関門 2026年1月5日から9月2日までの日経平均の日足に、100日移動平均線・25週移動平均線・2本の上昇支持線を重ね、9月2日の終値6万4,325円から見た関門の位置を示した図 図1 日経平均の日足と、3つの関門 2026年1月5日〜9月2日の日足。移動平均線と支持線は私が算出 50,000 54,000 58,000 62,000 66,000 70,000 74,000 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 65,528 64,906 64,326 63,360 59,058 もみ合いの下限 65,528 第1関門|100日線 64,906 第2関門|25週線 63,360      支持線C 63,334 第3関門|大トレンドA 59,058 8/14 高値69,608 支持線Cは2026/3/31と7/29の安値、大トレンドAは2025/4/7と2026/3/30の安値を結んだ線(Aの起点は終値)。9/2時点の水準を右に示しています。

図1:2026年1月5日から9月2日までの日経平均の日足。移動平均線は私が日足終値から算出、支持線は安値どうしを直線で結んだものです。右端の数字は9月2日時点の水準です。

関門水準中身9/2終値との関係
6万5,528円8/20〜9/1のもみ合いの下限(終値)1.83%下抜け済み
第1関門6万4,906円100日移動平均線0.89%下抜け済み
第2関門6万3,360円
6万3,334円
25週移動平均線
上昇支持線C(3/31安値と7/29安値)
あと1.50%下
あと1.54%下
第3関門5万9,058円大トレンドA(2025/4/7と2026/3/30の安値)あと8.19%下

移動平均線・支持線とも私が日足から算出した値です。支持線Aの起点となる2025年4月7日は、手元のデータに終値(3万1,136.58円)しかないため終値を使っています。ザラ場の安値を使うと、支持線の位置はもう少し下になります。

こうして並べると、抜けたのはいちばん手前の2つだけだと分かります。100日線を下回った幅は0.89%で、「かろうじて下に出た」くらいの位置です。しかも6万4,906円という水準は5営業日前より632円高く、線そのものはまだ上を向いています。下がってきた線に追いつかれたのではなく、上がっている線を下から抜けたという形ですね。

ちなみに2026年に100日線を終値で割り込んだのは3月23日・3月30日・4月2日・7月29日の4回で、すべて1〜2営業日で線の上に戻っています(個別株で100日線がどう効くかは、7月30日のトヨタが100日線を上抜けた日で扱っています)。

いっぽう第2関門は近いです。25週線6万3,360円と上昇支持線Cの6万3,334円が26円差で重なっていて、今日の終値からあと1.5%しか下にありません。今日の下げ幅(2.85%)の半分ほどでも届く位置です。とはいえ支えが2本重なる場所でもありますので、ここは素直に見ておきたいところです。

そして第3関門まではまだ距離があります。2025年4月7日と2026年3月30日の安値を結んだ線は9月2日時点で5万9,058円で、今日の終値から8.19%も下です。大きな上昇トレンドという意味では、まだ何も壊れていません

3月末から7月末の安値を結んだ急な支持線(1日あたり+114円)は、すでに7月28日に割れています。角度のきつい支えから順に外れているだけで、今日の100日線割れはその2つ目にあたる、という読み方もできそうです。

値段の面|PERの帯から、下に外れました

チャートの位置とは別に、値段そのものが軽くなってきたかどうかも見ておきます。

日経平均とPER23〜26.5倍の帯 日経平均の終値に、指数ベースPER23倍と26.5倍を価格に換算した帯を重ねた図。2026年9月2日の終値6万4,325円は帯の下限6万9,167円を4,842円下回っている 図2 日経平均は、PER23〜26.5倍の帯から下に外れています 終値と、指数ベースPER23倍・26.5倍を価格に直した帯。2026年5月18日〜9月2日 60,000 64,000 68,000 72,000 76,000 80,000 5月 6月 7月 8月 9月 PER26.5倍 79,693 PER23倍 69,167 9/2終値 64,326 4,842円下 帯の23〜26.5倍は2026年6月23日の記事で確認した水準です。帯はEPSが動くと上下します。9/2のEPSは3,007.28円。

図2:日経平均の終値に、指数ベースPER23倍と26.5倍を価格へ換算した帯を重ねたもの。帯はEPSが動くと上下します。2026年5月18日〜9月2日。

6月23日の記事で、日経平均のPERがおおむね23〜26.5倍のレンジで動いていることを確認しました。8月14日の記事では、そのレンジを価格に直した帯を作っています。

※PERは株価を1株あたりの利益(EPS)で割った値です。数字が小さいほど、同じ利益に対して払っている値段が安いことになります。ここで使っているのは「指数ベース」と呼ばれる計算方法のもので、時価総額で重みづけした「加重平均」の値より5ポイントほど高く出ます(指数ベースで21倍のとき、加重平均では16倍前後)。ニュースで見かける数字と違う場合は、この計算方法の違いです。

その帯を今日のEPS3,007.28円で計算すると、6万9,167円から7万9,693円になります。今日の終値6万4,325.64円は帯の下限を4,842円(-7.0%)下回りました。8月14日の時点では帯の下限をわずかに割ったところ(PER22.85倍)でしたので、3週間で差が広がっています。

なお、この間に帯そのものはほとんど動いていません。EPSは8月26日が3,006.45円、9月2日が3,007.28円です。つまり帯が下がったのではなく、株価だけが下に離れていったという形になります。23倍を下回るのは8月18日から12営業日連続です。

ですので「これまで保たれていた帯の下にいる=割安とも読める」という見方ができます。ただ、これは23〜26.5倍という帯がこれからも適正だという前提の上での話です。8月14日の記事でも、26.5倍を天井として固定するのは危ないと書きました。長期金利が3%台に乗った局面では、下限の23倍そのものが切り下がってもおかしくありません。

国内市場の反応|33業種すべて下落、それでも下げ幅は5pt開きました

全面安の日でしたが、業種ごとの下げ方はかなり違いました。

順位業種騰落率対TOPIX相対騰落
1水産・農林業-0.05%+2.35pt
2海運業-0.30%+2.10pt
3銀行業-0.66%+1.74pt
4医薬品-0.70%+1.70pt
5保険業-0.80%+1.60pt
30電気機器-3.59%-1.19pt
31ガラス・土石製品-4.00%-1.60pt
32サービス業-4.15%-1.75pt
33非鉄金属-5.04%-2.64pt

東証33業種の騰落率は東証公表値。対TOPIX相対騰落は、各業種の騰落率からTOPIXの騰落率(-2.40%)を引いた値で、私の集計です。pt(ポイント)は%どうしの差を表す単位として使っています。

33業種すべてが下落し、上昇した業種は0でした。前日は26業種が上昇していましたので、1日で入れ替わったことになります。ただ、いちばん下げなかった水産・農林業の-0.05%と、いちばん下げた非鉄金属の-5.04%では、5.0pt(=5.0%ぶん)の差がついています。

下げが目立ったのは、8月に大きく買われていた資源系です。東京金先物が-2.96%と急落し、非鉄金属が33業種で最も弱くなりました。日鉄鉱業-15.47%、住友金属鉱山-11.55%、三菱マテリアル-9.80%と、8月の上昇幅が大きかった銘柄ほど下げ幅も大きい並びです。上位に並んだ内需・金融も全業種が下落していますので、「上がった」のではなく「下げ幅が小さかった」だけという点は分けて見ておきたいところですね。

いっぽうで指数を押し下げたのは値がさ株です。ソフトバンクグループ-6.42%が約272円ぶん、アドバンテスト-2.52%が約203円ぶん、東京エレクトロン-3.40%が約188円ぶんと、3銘柄だけで約662円ぶん。今日の下げ幅1,889円の3分の1強にあたります。

独自分析|金利はほとんど動かず、TOPIXは崩れていません

今日の報道では「原油高・金利高を嫌気」と説明されていました。ただ、当日の金利の動き幅そのものは、ごくわずかでした。

日本の10年国債利回りは前日の3.005%から3.017%へ、動いた幅は1.2bp(0.012%)です。米10年債利回りも4.789%から4.803%で1.4bpでした。どちらも、株価が2.85%下げる日の変化としては小さいと言えます。

ですので今日効いていたのは、金利が動いた幅ではなく、前日に30年ぶりの3%台へ乗せたという水準のほうだと思います。実際に大きく動いたのは金と非鉄で、そこが8月にいちばん買われていた場所だった、という並びのほうが素直につながりそうです。

とはいえ、3%という水準そのものを軽く見ることはできません。安全に3%が取れる選択肢が横にあると、ここから新しく株を買う手は止まりやすくなります。売りが増えなくても、買いが入らなければ上値は重くなります。

実際、今日の東証プライムの売買代金は8兆344億円と前日から5,328億円増えました。いっぽうで値上がり業種は0、私が使っているスクリーナーで上昇した銘柄の比率も6.1%です。売りが出て、受け止める買いが薄かった日の形に見えます。

金利と日経平均の関係を、数字で見ておくと

5月19日から9月2日までの75営業日で、日本10年債利回りの前日差と各指数の騰落率がどのくらい連動するかを測ると(-1に近いほど逆向きに動き、0なら関係なし)、日経平均は-0.246、TOPIXは-0.140でした。どちらも強い関係ではありませんが、日経のほうがTOPIXより金利に敏感だと読めます。

しかも効き方は対称ではありません。金利が3bp以上下がった日(15回)の日経平均は平均+1.55%・勝率80%、3bp以上上がった日(18回)は平均-0.20%・勝率61%です。つまり「金利上昇が毎日じわじわ押し下げている」というより、「金利が下がったときに日経が大きく戻る」構図に近そうです。買い控えが上値の蓋になっているとすれば、その蓋が外れる形とも読めます。

次に、同じ日のTOPIXのチャートを、図1と同じ期間・同じ形で並べてみます。

TOPIXの日足と移動平均線 2026年1月5日から9月2日までのTOPIXの日足。9月2日の終値4,081.60は25日移動平均線4,082.7とほぼ同じ水準で、100日移動平均線3,954.9を3.20%上回っている 図3 同じ日のTOPIXは、まだ崩れていません 2026年1月5日〜9月2日の日足。図1の日経平均と同じ期間・同じ物差しで並べています 3,400 3,600 3,800 4,000 4,200 4,400 4,600 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 25日線 4,082.7(終値との差 -0.03%) 100日線 3,954.9(終値との差 +3.20%) 4,082.7 9/2 4,081.60 3,954.9 8/20〜9/1 9日続伸 移動平均線は私が日足終値から算出。TOPIXは9月2日に-2.40%と下げましたが、25日線からの差は-0.03%にとどまっています。

図3:2026年1月5日から9月2日までのTOPIXの日足。移動平均線は私が日足終値から算出しました。図1の日経平均と並べて見てください。

TOPIXも今日は-2.40%と下げました。それでも25日線を下回った幅は0.03%(4,082.7に対して4,081.60)で、ほぼ線の真上に立ったままです。100日線は3,954.9で、そこから3.20%も上にあります。日経が100日線を0.89%割り込んだのとは、立っている場所がまるで違います。

しかも8月20日から9月1日にかけては9日続伸していて、今日はその連続記録が途切れた日でもあります。高値の切り下がりも、もみ合いの下抜けも、TOPIXのチャートには出ていません。同じ日に同じくらい下げても、チャートの傷み方はまるで違います

ですので「日経が崩れた」という話は、持っている銘柄がどちら寄りかで意味が変わってきますね。ちなみに日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は6月22日の18.02から今日の15.76へ-12.5%で、この差が開き始めたのは今日ではなく6月末です。

参考|サブ業種を「日経型」と「TOPIX型」に分けています

同じ日本株でも、日経が動く日に一緒に動きやすい銘柄と、TOPIXが動く日に一緒に動きやすい銘柄があります。私はサブ業種ごとに直近60営業日の値動きからどちら寄りかを見て、日経型TOPIX型に分けて持っています。

今日はその差がそのまま出ました。日経型のサブ業種はTOPIXより平均1.38pt弱く、TOPIX型は平均1.07pt強く動いています(対TOPIX相対騰落の平均)。日経だけが崩れる日は、こういう形になります。

タイプサブ業種代金上位の銘柄(当日の騰落率)
日経型半導体製造装置アドバンテスト-2.52%/東京エレクトロン-3.40%/ディスコ-2.51%
FA・ロボット・制御キーエンス-5.18%/ファナック-4.41%/安川電機-4.79%
総合電機日立製作所-3.72%/三菱電機-4.44%/パナソニックHD-3.66%
TOPIX型食品スーパーライフコーポレーション+2.20%/サンエー-0.59%/イズミ-0.38%
ビール・飲料アサヒグループHD-1.95%/キリンHD-2.83%/伊藤園+8.70%
JR・大手私鉄東海旅客鉄道-1.52%/東日本旅客鉄道-1.72%/西日本旅客鉄道-1.24%

銘柄は各サブ業種のうち当日の売買代金が大きかった上位3つで、値動きの良し悪しで選んだものではありません。1銘柄が複数のサブ業種に入ることがあります。伊藤園の+8.70%は個別材料によるもので、業種の傾向とは別です。

大きめの銘柄で言うと、日経型はキオクシアHD、アドバンテスト、フジクラ、太陽誘電、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン。TOPIX型はトヨタ自動車、任天堂、NTT、東京海上HD、三井物産、日本郵船といったところです。

並べてみると、値がさかどうかではなく、半導体に近いかどうかで分かれているのが分かります。キーエンスは株価の高い銘柄ですが、日経型のなかでは日経への反応が弱いほうです。

ですので今日のような日は、同じ「日本株を持っている」でも手元の結果はかなり違ったはずです。自分の持ち株がどちら寄りかを頭に置いておくと、指数のニュースをそのまま自分の話にしなくて済みます。今後の参考にどうぞ。

翌日以降のシナリオ|まず見るのは3つです

今日の足の形と、これまでの記録から、明日以降に確かめたい点を3つに絞ります。

まず、今日のような「ほぼ安値引けの急落日」のその後を数えました。2025年7月以降で、2%以上下げて、なおかつ終値が日中値幅の安値寄り4分の1に入った日(今日は下から11.2%)は16回あります。

その後翌日3営業日後5営業日後10営業日後
平均騰落率-0.59%+0.50%+1.22%+1.65%
上昇した割合50%62%69%38%

対象は2025年7月8日から2026年9月2日までの日経平均の日足(私の集計、該当16回)。サンプル数が少ないため、あくまで傾向の目安です。

翌日は五分五分、3〜5営業日では戻りやすい、ところが10営業日後には上昇した割合が38%まで落ちます。平均がプラスなのは大きく戻った数回に引っ張られているためで、回数で見ると下がった日のほうが多い、という状態です。一度は戻るけれども、その戻りが続かない場合が混じっている形ですね。通説検証で扱った「急落の翌日は反発する」は本当かの「戻るのは本当、ただし窓は3営業日しかない」という結果とも重なります。

明日以降に確かめたい3つ
  • ① 100日線6万4,906円を終値で回復できるか。2026年の4回はすべて1〜2営業日で戻していますので、ここで3営業日以上ぶら下がるようだと、これまでとは違う形になります
  • ② 6万3,300円台を守れるか。25週線と上昇支持線が26円差で重なっている場所です。ここを終値で明確に下回ると、次の支えは6万円近辺まで一気に離れます
  • ③ 新高値と新安値の差がマイナスに転じるか。今日は年初来高値更新33銘柄・安値更新11銘柄で差は+22でした。前日の+120から急に縮みましたが、まだプラス圏です

いっぽう、売られすぎを測る指標はまだどれも点灯していません。騰落レシオ25日(値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数の25日合計。70%を割ると売られすぎの目安)は116.63、6日は94.37。日経平均は25日線を2.29%下回っただけで、信用評価損益率(信用買いをしている人の平均の含み損益。-15%前後まで悪化すると底の目安)も-4.68%と、過去に底を打った局面の水準には遠いところです。ですので「売られすぎだから拾う」という段階ではない、というのが数字の側の答えになります。相場の過熱と冷え込みの測り方は騰落レシオ25日と天底スコア/市場体温計で詳しく紹介しています。

まとめ

9月2日の日経平均・3行まとめ

  • もみ合いの下限6万5,528円と100日線6万4,906円を、終値で両方とも下抜けました。寄り付きが高値でほぼ安値引けという、戻りのない1日でした
  • ただ100日線を下回った幅は0.89%で、線自体はまだ上向きです。次の関門である25週線と上昇支持線は6万3,300円台(あと1.5%下)、大きめのトレンドラインは5万9,058円で、まだ8.2%の余裕があります
  • PERは21.39倍で、23〜26.5倍の帯を価格に直した下限6万9,167円を4,842円下回りました。帯は動いていないので、下に離れたのは株価のほうです。いっぽうTOPIXは100日線を3.20%上回ったまま(25日線ともほぼ同じ水準)で、崩れているのは日経だけです
  • 日経と一緒に動きやすい「日経型」のサブ業種はTOPIXより平均1.38pt弱く、「TOPIX型」は平均1.07pt強く動きました。指数の下げ幅だけでは、手元の結果は決まりません

今日の下げ幅1,889円のうち約662円は、ソフトバンクグループ・アドバンテスト・東京エレクトロンの3銘柄によるものでした。指数の見た目ほど、全体が一様に売られたわけではありません。

📝 個人的な見解
1つ目の関門は抜けましたが、大きなトレンドはまだ無事です。PER23〜26.5倍の帯からは下に出た一方で、3%の金利が上値の蓋になりそうだと見ています

私は100日線を、個別株でもかなり気にしています。ですので今日の足は、あまり良い形には見えませんでした。線に触れて跳ね返したのではなく、寄り付きから一度も戻さずに下を抜けて、下ヒゲも110円しかありません。

とはいえ、線を離して並べると印象は少し変わりました。25週線と上昇支持線はまだ1.5%下、大きめのトレンドラインは8.2%も下に離れています。急な支持線はすでに7月28日に割れていますので、角度のきつい線から順に外れているだけ、という見方もできそうです。

値段のほうは、これまで保たれていたPER23〜26.5倍の帯の下に出ました。素直に読めば割安ですが、その帯が適正だと言えるならば、という条件つきです。金利は、動いた幅が小さくても3%という水準は無視できないと思っています。ここから新しく買おうという気持ちにはなりにくく、その買い控えが上値の重さとして出てくるのかなと見ています。

もうひとつ引っかかっているのは、TOPIXがまだ100日線のはるか上、25日線のほぼ真上にいることです。NT倍率は6月末から12.5%下がっていて、今日始まった話ではありません。「日経が崩れた」と一言でまとめると、何を持っているかで意味がかなり変わってしまう気がします。

明日いちばん先に見るのは、100日線6万4,906円を終値で回復できるかどうかです。2026年は4回とも1〜2営業日で戻していますので、そこから外れるかどうかが、私の中では最初の分かれ目になります。

※本記事は、公表情報および私が独自に集計した市場データをもとにした情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。移動平均線・支持線・NT倍率・対TOPIX相対騰落は私の集計値です。支持線Aの起点である2025年4月7日は終値を使用しており、ザラ場安値を使った場合とは水準が異なります。急落後の騰落率は該当16回という少ないサンプルに基づく参考情報であり、将来の成果を保証しません。予想PERは指数ベースの値で、加重平均ベースの値とは水準が異なります。PER23〜26.5倍の帯は私が過去記事で確認した水準で、公式に定められたものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記載の数値は作成時点のものであり、正確性を保証するものではありません。

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