今週の日本株:日経-3.9%の急反落週、海運・エネルギーへ資金逃避もグロース250は逆行高(2026年8月17日〜21日)
② プロシップ +22.06%
③ 弁護士ドットコム +19.33%
② アルバック -18.95%
③ リガクHD -18.50%
- 週の流れ:月曜に日経6万9,220円と7万円接近も、中東緊迫と日米金利上昇で火〜水に約3,900円の急落。木曜は金利低下で890円高と反発し、金曜は小幅安ながらTOPIXは逆行高という、めまぐるしい1週間
- 勝ち組セクター:海運業/鉱業/電気・ガス業。中東緊迫による運賃上昇思惑で大手海運株は最高値圏へ。半導体・電子部品を抱える電気機器は最弱で、グロース250だけが週間プラスの逆行高
- 来週の焦点:8/26(水)エヌビディア決算と8/27-29ジャクソンホール会議、8/28(金)東京都区部CPI。金利と中東・原油の落ち着きどころを探る週になりそうです
今週の日本株:週間マーケットサマリー
| 指標 | 前週末(8/14) | 今週末(8/21) | 週間変化 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 68,713.80 | 66,016.36 | -3.93% | 火〜水の2日で約3,900円安、木曜に反発 |
| TOPIX | 4,197.20 | 4,067.29 | -3.10% | 水曜-3.09%が週間最大の下げ |
| グロース250 | 758.00 | 768.47 | +1.38% | 木曜+4.67%の急伸で週間プラスの逆行高 |
| ドル円 | 159.16円 | 158.69円 | 小幅円高 | 158円台前半〜159円台のレンジ |
| 米10年金利 | 4.661% | 4.688% | 上昇 | 米30年は一時2007年以来の水準。週内で乱高下 |
| 日本10年金利 | 2.875% | 2.886% | 上昇 | 火曜に2.954%まで急上昇後、低下 |
| VIX | 14.63 | 15.83 | +8.2% | 上昇も15ポイント台にとどまる |
| WTI原油 | 81ドル台 | 86.21ドル | 続伸 | 中東緊迫で週を通じて上昇、インフレ再燃警戒 |
| 日経VI | 30.96 | 28.38 | 低下 | 急落週にもかかわらず低下し30割れ |
| 騰落レシオ25日 | 121.77 | 116.81 | 低下 | 120の閾値を金曜に割り込む |
| 空売り比率 | 40.9% | 42.7% | 上昇 | 金曜に急上昇、ショートの積み上がり |
今週の日本株:業種別の資金フロー総括
今週の業種別資金フローは、指数の急落とは対照的に「買われた業種がはっきりしている」週でした。勝ち組の筆頭は海運業(+14.12pt)で、中東情勢の緊迫による運賃上昇の思惑から大手3社が買われ続け、商船三井や川崎汽船は週間で12%超の上昇です。続く鉱業(+7.62pt)、電気・ガス業(+7.40pt)、石油・石炭製品(+6.69pt)もWTI原油の続伸が追い風で、資源・エネルギー・公益といった「金利と半導体の混乱から距離のある場所」へ資金が逃げ込んだ形が見て取れます。輸送用機器(+5.55pt)は木曜に円高でも自動車が買われるという、前週までとは逆の反応を見せたのが印象的でした。
一方の負け組は電気機器(-4.24pt)が最弱で、火曜の電子部品総崩れと水曜の半導体急落が直撃。ガラス・土石製品(-3.24pt)、機械(-3.09pt)と、ハイテク・設備投資系がそろって売られています。銀行業(-1.34pt)は金利上昇局面にもかかわらず水曜に-4.64%と換金売りの対象になった点が、今週の下げの質を物語っているように見えます。
今週の日本株:業種別の週間累積ランキング
勝ち組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積 | 週間騰落率 | 25日累積 | 勢い | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 海運業 | +14.12pt | +11.45% | +25.34pt (1位) | ↗加速 | 中東緊迫の運賃上昇思惑、大手3社は最高値圏 |
| 2 | 鉱業 | +7.62pt | +4.56% | +14.63pt (2位) | ↗加速 | WTI86ドル台への続伸が追い風 |
| 3 | 電気・ガス業 | +7.40pt | +4.34% | +5.51pt (12位) | ↗加速 | 関西電力+8%など、ディフェンシブ買いの受け皿に |
| 4 | 石油・石炭製品 | +6.69pt | +3.57% | +5.89pt (10位) | ↗加速 | 原油高の直接的な恩恵 |
| 5 | 輸送用機器 | +5.55pt | +2.37% | +8.95pt (5位) | ↗加速 | 木曜に円高でも自動車主力が大幅高 |
負け組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積 | 週間騰落率 | 25日累積 | 勢い | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 電気機器 | -4.24pt | -7.20% | -4.18pt (27位) | ↘失速 | 火曜の電子部品総崩れと水曜の半導体急落が直撃 |
| 2 | ガラス・土石製品 | -3.24pt | -6.30% | -11.86pt (33位) | ↘失速 | 25日累積は33業種最下位、弱さが常態化 |
| 3 | 機械 | -3.09pt | -6.13% | -4.84pt (28位) | ↘失速 | 工作機械・重工系に利確と換金売り |
| 4 | 金属製品 | -1.67pt | -4.73% | -11.82pt (32位) | ↘失速 | 25日累積ワースト2位、出遅れ感の強い場所 |
| 5 | 精密機器 | -1.58pt | -4.61% | +4.60pt (15位) | ↘失速 | 計測・分析機器の決算失望売りが重石 |
継続性の観点で見ると、今週の主役である海運業は25日累積でも+25.34ptと33業種トップで、8月に入ってからの資金流入がまだ加速している状態です。これは1週間の瞬発力ではなく、約1ヶ月続くトレンドの真ん中にいるということなんですよね。鉱業も25日累積2位と同じ構図です。一方で電気・ガス業(25日累積12位)と石油・石炭製品(同10位)は、今週になって順位を切り上げてきた「急落週で浮上した避難先」という位置づけに見えます。
負け組側では、ガラス・土石製品と金属製品が25日累積でワースト1・2位と弱さが常態化しているのに対し、電気機器の25日累積は-4.18ptとまだ浅く、今週の急落で一気に順位を落とした形です。エヌビディア決算の結果次第で、この業種だけは景色が変わる可能性を残していると言えそうです。
今週の日本株:個別銘柄 週間ハイライト
週間 値上がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | 過熱スコア | 値動き | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 8237 | 松屋 | +23.99% | +3(やや強) | 水木に連日急伸 | 小売業 | 百貨店株への物色。単一の新規材料は確認できず |
| 2 | 3763 | プロシップ | +22.06% | +6(過熱) | 月曜+23.79%急騰 | 情報・通信業 | 4-6月期経常58%増益、新リース会計基準の対応需要 |
| 3 | 6027 | 弁護士ドットコム | +19.33% | +7(強過熱) | 月-10%→火水急伸の乱高下 | サービス業 | クラウドサイン牽引の4-6月営業37%増益、AI関連物色 |
| 4 | 590A | ギフティグループ | +17.26% | +6(過熱) | 月曜+15.82%、週後半も堅調 | 情報・通信業 | 上期14%増益と自社株買いを好感 |
| 5 | 2170 | リンクアンドモチベーション | +15.98% | +3(やや強) | 水曜+10.27% | サービス業 | 急落相場に逆行した中小型物色。単一材料は確認できず |
| 6 | 4180 | Appier Group | +15.28% | +7(強過熱) | 月曜+15.02% | 情報・通信業 | AI関連の中小型に材料株物色が集中した流れ |
| 7 | 9722 | 藤田観光 | +13.63% | +4(過熱) | 水〜金に3連騰 | サービス業 | アパグループによる株式取得を巡る思惑 |
| 8 | 6071 | IBJ | +13.56% | +5(過熱) | 月曜+11.77% | サービス業 | 中小型材料株の物色。単一材料は確認できず |
| 9 | 9104 | 商船三井 | +12.47% | +6(過熱) | 週を通じて堅調 | 海運業 | 中東緊迫による運賃上昇思惑、最高値圏へ |
| 10 | 9107 | 川崎汽船 | +12.38% | +5(過熱) | 金曜+7.28%と加速 | 海運業 | 同じく運賃上昇思惑。海運大手そろって高値圏 |
週間 値下がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | 過熱スコア | 値動き | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6376 | 日機装 | -21.32% | +1(中立) | 月曜-15.17% | 精密機器 | 決算・材料の出尽くしとみられる急落 |
| 2 | 6728 | アルバック | -18.95% | 0(中立) | 月曜-16.01% | 電気機器 | 同じく決算出尽くし売り、その後も戻れず |
| 3 | 268A | リガクHD | -18.50% | -1(中立) | 火・金に値下がり上位 | 精密機器 | 計測・分析機器への売りが週を通じて継続 |
| 4 | 6951 | 日本電子 | -17.71% | 0(中立) | 月曜-16.07% | 電気機器 | 決算出尽くしとみられる急落 |
| 5 | 6235 | オプトラン | -16.70% | -3(やや弱) | 火・金に値下がり上位 | 機械 | 半導体・光学装置系の売りに連動 |
| 6 | 6361 | 荏原製作所 | -16.02% | -2(やや弱) | 月曜から軟調継続 | 機械 | 機械セクター売りの中心。水曜は業種ごと-5.10% |
| 7 | 6976 | 太陽誘電 | -15.57% | 0(中立) | 火曜-11.54% | 電気機器 | 電子部品総崩れの火曜が直撃 |
| 8 | 7609 | ダイトロン | -14.88% | +1(中立) | 週を通じて軟調 | 卸売業 | 半導体関連商社として装置株売りに連動 |
| 9 | 6981 | 村田製作所 | -13.89% | -1(中立) | 火曜-9.58% | 電気機器 | 電子部品主力の総崩れ、売買代金上位に連日登場 |
| 10 | 3105 | 日清紡HD | -13.88% | -1(中立) | 週前半に大きく下落 | 電気機器 | 電子部品・マイコン系売りに連動 |
値上がり側と値下がり側で、顔ぶれの性格がきれいに分かれた週でした。値上がりTOP10は、好決算の中小型(プロシップ・弁護士ドットコム・ギフティ)と思惑系(藤田観光)、そして海運大手という構成で、指数急落の週に買われたのは「半導体と金利から遠い場所」だったことが分かります。ただ、過熱スコアを見るとTOP10のうち7銘柄が+4以上の過熱圏で、弁護士ドットコムとAppierは+7の強過熱。買われた側の短期的な過熱感はかなり強いんですよね。
一方の値下がりTOP10は精密・電気機器・機械の計測装置・電子部品系がほぼ独占し、月曜の決算出尽くし急落組がそのまま週間ワーストに残りました。こちらは過熱スコアがすべて中立〜やや弱の水準まで下がっており、売られすぎシグナル(-4以下)にはまだ届いていない、という位置です。
今週の日本株で主役となった銘柄
🟢 主力値上がり組(時価総額1兆円以上の週間値上がりTOP5)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 時価総額 | 週間騰落率 | 今週の動き |
|---|---|---|---|---|---|
| 9104 | 商船三井 | 海運業 | 約2.6兆円 | +12.47% | 運賃上昇思惑で週を通じて堅調、最高値圏へ |
| 9107 | 川崎汽船 | 海運業 | 約2.2兆円 | +12.38% | 金曜+7.28%と週末に加速 |
| 5713 | 住友金属鉱山 | 非鉄金属 | 約3.1兆円 | +12.26% | 木曜+10.76%。金・銅高の資源物色 |
| 9101 | 日本郵船 | 海運業 | 約2.9兆円 | +10.95% | 海運大手3社そろい踏み。値上がりランクにも2日登場 |
| 9503 | 関西電力 | 電気・ガス業 | 約2.9兆円 | +8.70% | 木曜+8.37%。急落週のディフェンシブ買いの象徴 |
主力の勝ち組は海運3社+資源+電力という、今週の業種ランキングをそのまま体現する顔ぶれです。半導体と金利の混乱から距離のある大型株に、週を通じて資金が向かい続けました。
⚪ 資金集中組(12銘柄)— 値動きランク外でも売買代金上位に居続けた主力
| コード | 銘柄名 | 代金TOP20登場 | 週間騰落率 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 6146 | ディスコ | 5日 | -6.28% | 半導体主力。売られても代金は途切れず |
| 6857 | アドバンテスト | 5日 | -2.63% | 日経寄与度の主役。下げは相対的に浅い |
| 6920 | レーザーテック | 5日 | -9.53% | 装置株売りの直撃側 |
| 8035 | 東京エレクトロン | 5日 | -8.19% | 火曜だけで日経を大きく押し下げ |
| 7974 | 任天堂 | 5日 | -3.38% | 高値圏でもみ合い |
| 8306 | 三菱UFJ | 5日 | -4.83% | 金利上昇でも水曜に換金売り |
| 8411 | みずほFG | 5日 | -5.92% | 同上。メガバンク総じて軟調 |
| 5016 | JX金属 | 4日 | -5.13% | 非鉄の乱高下に連動 |
| 7011 | 三菱重工 | 4日 | -7.57% | 防衛・重工も利確売りの対象に |
| 8316 | 三井住友FG | 4日 | -5.21% | メガバンク3社そろって資金集中組 |
| 6501 | 日立製作所 | 3日 | -9.90% | 大型グロースの代表格として売り継続 |
| 7203 | トヨタ自動車 | 3日 | +3.71% | 木曜+4.25%。円高でも買われた今週の異色株 |
急落週でも半導体主力とメガバンクへの売買代金は途切れておらず、資金は市場から逃げたのではなく、この中で激しく回転していたことが分かります。12銘柄中で週間プラスはトヨタ自動車だけ、という点も今週らしさですね。
🔴 主力値下がり組(時価総額1兆円以上の週間値下がりTOP5)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 時価総額 | 週間騰落率 | 今週の動き |
|---|---|---|---|---|---|
| 6361 | 荏原製作所 | 機械 | 約2.3兆円 | -16.02% | 月曜の出尽くし売りから戻れず、週間ワースト10入り |
| 6976 | 太陽誘電 | 電気機器 | 約1.3兆円 | -15.57% | 火曜-11.54%。電子部品総崩れの中心 |
| 6981 | 村田製作所 | 電気機器 | 約13.9兆円 | -13.89% | 火曜-9.58%。時価総額最大級の下げとして指数の重石に |
| 6841 | 横河電機 | 電気機器 | 約1.3兆円 | -12.11% | 計測・制御系にも売りが波及 |
| 7013 | IHI | 機械 | 約2.9兆円 | -11.72% | 水曜-7.18%。防衛・重工の利益確定売り |
主力の負け組は電子部品と機械・重工に集中しました。なお日経への寄与度で見た下げの主役は別で、水曜はソフトバンクグループ(9984)の-10.34%が単独で485円分、金曜はファーストリテイリング(9983)の-3.63%が中心でした(週間ではそれぞれ-8.43%・-4.68%)。
⚡ 乱高下組(2銘柄)— 値上がりと値下がりの両ランキングに登場
| コード | 銘柄名 | 月曜 | 水曜 | 週間騰落率 | 今週の動き |
|---|---|---|---|---|---|
| 285A | キオクシアHD | +15.07% | -12.60% | +1.08% | 連日プライム売買代金の24〜32%を占めた今週の震源。往復の末ほぼ行って来い |
| 5803 | フジクラ | +7.29% | -9.73% | -6.80% | AI電線の代表格。月曜高値から週後半は戻り切れず |
📈 値上がり常連(モメンタム中小型・8銘柄)
| コード | 銘柄名 | 値上がりTOP20登場 | 週間騰落率 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 590A | ギフティグループ | 月・木 | +17.26% | 上期増益+自社株買い。週間TOP10入り |
| 8237 | 松屋 | 水・木 | +23.99% | 週間値上がり率1位。急落相場のさなかに連日急伸 |
| 9722 | 藤田観光 | 水・金 | +13.63% | アパグループの株式取得を巡る思惑で3連騰 |
| 6036 | KeePer技研 | 月・水 | +11.05% | 指数と無関係に動く中小型の代表格 |
| 9101 | 日本郵船 | 火・金 | +10.95% | 海運大手で唯一、値上がりランクにも登場 |
| 3993 | PKSHA Technology | 水・木 | +4.26% | 金利低下局面のAI・SaaS物色 |
| 4784 | GMOインターネット | 火・金 | — | 週前半の急落から切り返した材料株 |
| 4813 | ACCESS | 火・水 | — | 中小型材料株物色の一角 |
急落の水曜でさえ値上がり率上位は中小型の材料株で埋まっており、指数と切り離された小型グロース物色は週を通じて途切れませんでした。木曜のグロース250+4.67%の急伸はこの流れの延長線上です。一方でFIG(4392)は月〜水に値上がり上位、木金は値下がり上位という極端な往復で、モメンタム物色の裏の怖さも見えた週でした。
まとめ:今週の物色の中心は「キオクシアを震源とする半導体の乱高下」「海運・資源への逃避」「指数と切り離された中小型グロース」の3層構造でした。売買代金の集中度が高いまま急落と反発を繰り返す、値動きの荒い1週間だったように思います。
今週のテーマ別資金フローと3対立軸
強かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | エネルギー | +7.17pt | 鉱業・石油・石炭製品 | WTI86ドル台への続伸、中東緊迫 |
| 2 | 輸送・物流 | +5.84pt | 海運業など | 運賃上昇思惑で海運大手が最高値圏 |
| 3 | 生活防衛 | +4.68pt | 医薬品・電気・ガス業など | 急落局面のディフェンシブ買い |
弱かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | テクノロジー | -2.92pt | 電気機器・情報・通信業 | 半導体・電子部品の急落。10テーマで唯一のマイナス |
| 2 | 素材 | +0.31pt | 非鉄金属・化学など | 月曜の非鉄急騰を水曜の急落が帳消しに |
| 3 | 金融 | +0.87pt | 銀行・証券・保険 | 金利上昇でも水曜に換金売りの対象へ |
3対立軸の週間推移
| 軸名 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週間累積 | 解釈 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 金利軸 | -0.70 | +0.90 | -1.71 | -1.89 | +1.42 | -1.98pt | 金利上昇週なのに金融が劣後 |
| 資源軸 | +0.61 | +0.94 | -2.51 | +0.13 | +0.60 | -0.23pt | エネルギー高と輸送物流高が相殺しほぼ中立 |
| リスク軸 | +1.20 | -1.48 | -3.54 | -0.46 | -0.86 | -5.14pt | 火曜以降4日連続マイナスのリスクオフ |
今週の主導権は明確にリスク軸(-5.14pt)にありました。火曜から金曜まで4日連続でマイナス、つまり製造業サイクル・テクノロジー・素材が生活防衛に負け続けた週で、テーマ別フローでテクノロジーが唯一のマイナス、生活防衛が3位に入った事実と同じ現象を別の解像度で捉えた形です。
注目したいのは資源軸がほぼ中立(-0.23pt)だったことです。エネルギーが最強テーマだったにもかかわらず軸として動いていないのは、対抗側の輸送・物流(海運)も同じくらい強かったためで、「資源vs内需」の対立ではなく「金利・半導体からの避難」という一方通行の資金移動だったことを示唆しているように見えます。金利軸のマイナス(-1.98pt)も同じ文脈で、長期金利が上昇した週に金融が買われないという、教科書と逆の反応でした。木曜の反発でもリスク軸がマイナスのままだった点は、反発の中身がまだ守りに寄っていることの表れと言えそうです。なお除外9業種では、その他製品が任天堂の高値もみ合いを映して方向感なく、繊維・パルプ紙などは目立った動きがありませんでした。
年初来高値・安値更新 週間集計
| 区分 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 年初来高値更新 | 103 | 102 | 34 | 58 | 81 | 378銘柄 |
| 年初来安値更新 | 3 | 5 | 15 | 0 | 1 | 24銘柄 |
日経平均が週間-3.93%と大きく下げた週にもかかわらず、高値更新は378銘柄と安値更新24銘柄を圧倒しました。急落した水曜でさえ高値更新34に対し安値更新は15止まりで、木曜は安値更新ゼロ、金曜も1銘柄だけです。高値更新の中身は海運・エネルギー・電力といった今週の勝ち組に加えて、防衛・資源系の中堅が目立ちました。指数の急落は半導体・値がさ株の集中売りによるもので、個別銘柄レベルの需給はほとんど壊れていない、というのが今週の重要な事実だと思います。
今週の日本株:週間スコア推移(11因子モデル)
結果、週合計は-3ptです。内訳を見ると、C群(勢い)は+5と週を通じてプラスを保った一方、D群(過熱調整)が-11と圧倒的な重石で、売買代金の集中と高値圏の過熱シグナルが5日間ずっと点き続けていました。急落の週でありながら「勢いは残っている、ただし過熱の調整がまだ終わっていない」という綱引きの構図が、数字にそのまま出ているんですよね。
| 日付 | 総合スコア | A:トレンド | B:幅・需給 | C:勢い | D:過熱調整 | E:マクロ | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/17(月) | +2 | +2 | 0 | +2 | -3 | +1 | やや強気 |
| 8/18(火) | -3 | -2 | +1 | +1 | -3 | 0 | やや弱気 |
| 8/19(水) | -5 | 0 | -2 | -1 | -1 | -1 | 弱気 |
| 8/20(木) | +4 | +2 | +3 | +2 | -3 | 0 | 強気 |
| 8/21(金) | -1 | -1 | +1 | +1 | -1 | -1 | 中立・様子見 |
| 週合計 | -3pt | +1 | +3 | +5 | -11 | -1 | 中立〜やや警戒 |
週合計-3ptは4月以降の週次では珍しい弱さですが、内訳はA〜C群の合計が+9と底堅く、D群(過熱調整)の-11がほぼすべてを打ち消した形です。下げの性質が「トレンド崩壊」ではなく「過熱の巻き戻し」であることを、スコアの構造がそのまま語っている週でした。
市場体温計
三層スコアの週間推移
| 項目 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 週間の読み |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Layer 1 合計(-5〜+5) | 0 常温 | -1 涼温 | -4 低温 | +4 温感回復 | +2 微熱 | 週央に冷え込み、木曜から回復 |
| Layer 2 高温シグナル点灯 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 過熱の極端値は週間ゼロ |
| Layer 3 低温シグナル点灯 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 0/4 | 底値の極端値も週間ゼロ |
| 相場の質 | 中立 | 中立 | 極寒 | 中立 | 中立 | 水曜のみ全面安の質に悪化 |
今週の体温は「常温→涼温→低温→温感回復→微熱」と、指数の値動きどおりに上下しました。水曜はLayer 1が-4まで冷え込み、相場の質も「極寒」判定と、値上がり銘柄比率24%の全面安がそのまま数字に出ています。
ただ、これだけの急落週にもかかわらずLayer 2/3の極端値シグナルは1つも点灯しませんでした。騰落レシオ25日は116.81まで低下したものの底値圏の70にはほど遠く、逆に言えば「売られすぎのサインもまだ出ていない」中間地帯です。補助指標では売買代金のTOP3集中度が32〜39%と高止まりし、キオクシア1銘柄への偏りが週を通じて続きました。木曜金曜と体温はプラス圏に戻っており、過熱でも底値でもない、方向はイベント待ちという温度感でしょうか。
今週の需給データ(信用残・海外投資家・裁定残)
信用残と評価損益率(8/14申込時点)
| 項目 | 前回(8/7時点) | 今回(8/14時点) | 変化 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 信用買い残 | 6兆2,681億円 | 6兆2,007億円 | -1.08% | 高水準ながら小幅減、上昇局面での利益確定 |
| 信用売り残 | 7,784億円 | 8,931億円 | +14.73% | 売り建てが急増、逆張りショートの積み上がり |
| 信用倍率 | 8.05倍 | 6.94倍 | 低下 | 売り残急増で買い長がやや軽くなる |
| 信用評価損益率 | -6.19% | -3.29% | 改善 | 前週の上昇で個人の含み損が縮小 |
信用売り残の+14.73%という急増が目を引きます。前週(8/10-14)は日経が+4.74%と上昇した週なので、高値圏とみた逆張りの売り建てが積み上がった構図です。今週の急落でこの売り方には利益が乗ったはずですが、金曜の空売り比率が42.7%へ急上昇していることも合わせると、戻り局面ではショートカバーが上昇を増幅する下地になっているとも読めます。
投資主体別売買動向(8/10-14週・現物)
| 主体 | 今回公表週(8/10-14) | 前週(8/3-7) | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 海外投資家 | +2,135億円 買い越し | -3,828億円 売り越し | 3週ぶりに買い越しへ転換 |
| 個人(現金) | -6,123億円 売り越し | -3,360億円 売り越し | 上昇局面の逆張り売りが加速 |
| 個人(信用) | -435億円 売り越し | +1,793億円 買い越し | 小幅に売り越しへ |
| 投資信託 | +256億円 買い越し | -781億円 売り越し | 小幅買い越し |
| 信託銀行 | -824億円 売り越し | +1,697億円 買い越し | 年金系は高値で利益確定か |
海外投資家が3週ぶりに買い越しへ転じたのが最大のポイントです。7月末から2週で約8,700億円売り越していた海外勢が、日経+4.74%と上昇した8/14週に買い直しに入りました。個人は現金ベースで-6,123億円と大きく売り越しており、「上がったら売る個人、買い上がる海外勢」といういつもの対照的な構図です。今週(8/17-21)の急落で海外勢がどう動いたかは来週公表分で確認したいところです。
裁定取引残高(8/14時点)
| 項目 | 今回(8/14時点) | 前週比 |
|---|---|---|
| 裁定買い残 | 2兆4,359億円 | 増加 |
| 裁定売り残 | 2,092億円 | 増加 |
| 差引(ネット買い残) | 2兆2,267億円 | +1,826億円 |
裁定買い残は2週ぶりに増加し、ネットで2兆2,000億円台へ積み上がりました。先物主導で上げた前週の名残で、水準としてはやや高めです。裁定買い残は相場が崩れる局面で解消売り(現物売り)に変わるため、今週の急落の下押しを増幅した可能性がある点は頭に入れておきたいところです。
需給の週間総括:海外勢の買い越し転換と個人の含み損改善という追い風がある一方、裁定買い残の積み上がりと信用売り残の急増が、急落と急反発の両方向に振れ幅を大きくする構図でした。需給面は「追い風と振れやすさが同居」という評価が妥当なところだと思います。
今週の日本株:週間マクロ環境の変化
来週の日本株で注目したいイベント
主要イベント・経済指標
| 日付 | イベント | 地域 | 重要度 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 8/24(月) | 米国によるイラン制裁の詳細公表 | 米国 | ★★★ | 中東リスクと原油の方向を左右。海運・エネルギー株の続伸可否にも直結 |
| 8/26(水) | エヌビディア決算(米・引け後) | 米国 | ★★★ | AI・半導体相場の最大の試金石。東京の電気機器・半導体主力の戻りを左右 |
| 8/26(水) | 米7月PCEデフレーター・個人所得 | 米国 | ★★★ | FRBが重視するインフレ指標。金利の方向に直結 |
| 8/27-29(木-土) | ジャクソンホール会議 | 米国 | ★★★ | FRB議長講演のトーン次第で金利・ドル円が大きく動く可能性 |
| 8/28(金) | 8月東京都区部CPI | 日本 | ★★ | 日銀の追加利上げ観測と長期金利の材料 |
| 8/28(金) | 米8月ミシガン大消費者態度指数(確報) | 米国 | ★★ | ウォルマート決算で点いた米消費減速懸念の確認材料 |
来週の日本株で注目したいシナリオ
前提として、金曜の米国市場はダウ+0.98%(53,277.01)、S&P500+0.43%、ナスダック総合+0.43%と反発して引けました。ただしSOX指数だけは-0.51%と小幅に続落しており、半導体の戻りはエヌビディア決算待ちという状態です。この前提で3つのシナリオを考えます。
- 条件:エヌビディア好決算 / ジャクソンホールがハト派 / 中東の緊張緩和
- 展開:半導体の買い戻しを軸に67,000〜68,000円台を回復
- 注目:電気機器の売られた主力、グロース250の続伸、海運の高値追い
- 条件:週前半は材料難の様子見 / 金利・原油が高止まり
- 展開:65,000〜67,000円のもみ合い、週後半のイベントで方向決定
- 注目:海運・エネルギー・ディフェンシブへの資金退避が継続
- 条件:エヌビディア決算失望 / 金利再上昇 / イラン制裁で原油急騰
- 展開:水曜安値65,133円を割り込み63,000〜64,000円台を試す
- 注目:裁定解消売りの増幅、半導体主力の二番底
来週の注目セクター
| 判定 | セクター | 週間累積 | シナリオ別見通し |
|---|---|---|---|
| 継続注目 | 海運業 | +14.12pt | 25日累積も1位で加速中。ただし過熱スコアは高く、イラン制裁の内容次第で振れやすい |
| 継続注目 | 鉱業・石油・石炭製品 | +7.62pt / +6.69pt | 原油86ドル台が続く限り追い風。制裁公表が分水嶺 |
| 反転試金石 | 電気機器 | -4.24pt | エヌビディア決算が全て。好決算なら売られた分の戻りが最も大きい場所 |
| 警戒継続 | 銀行業 | -1.34pt | 金利上昇でも買われなかった点に注意。換金売りの対象になりやすい |
🏆 今週の総合判定:中立〜やや警戒(週合計:-3pt)
週次スコア推移:月+2 → 火-3 → 水-5(最低) → 木+4 → 金-1
A〜E群 週次合計:
- A トレンド:+1(月木の上昇と火金の下落がほぼ相殺)
- B 幅・需給:+3(高値更新378vs安値24、個別需給は健全を維持)
- C 勢い:+5(急落週でも勢いの因子はプラスを維持)
- D 過熱調整:-11(売買代金集中と過熱シグナルが5日間重石)
- E マクロ:-1(金利上昇・原油高と日経VI低下が綱引き)
今週の総括:7万円目前からの2日で約3,900円安、そして890円高の反発という、値幅の荒さが際立つ1週間でした。ただ中身を見ると、下げの主役は半導体・値がさ株への集中売りで、高値更新378銘柄・海運の最高値圏・グロース250の逆行高と、健全な場所は最後まで健全でした。週合計-3ptの「中立〜やや警戒」は、トレンドの崩壊ではなくD群(過熱調整)の重さによるものです。過熱の巻き戻しがどこで一巡するか、来週のイベント3連発が答え合わせになりそうです。
来週の焦点:エヌビディア決算(8/26) / ジャクソンホール会議(8/27-29) / イラン制裁詳細と原油 / 66,000円台の攻防と半導体の戻り
📊 スラッグ:japan-stock-weekly-20260821
今週の個別日レポート: 8/17(月) / 8/18(火) / 8/19(水) / 8/20(木) / 8/21(金)








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