今日の日本株|2026年5月27日の市場資金フロー|ハイテク反落・精密機器が逆行高

今日の日本株|2026年5月27日の市場資金フロー|ハイテク反落・精密機器が逆行高

目次

今日の日本株|2026年5月27日の市場資金フロー|精密機器・内需が逆行高、重量級ハイテク反落

私が今日いちばん気になったのは、日経平均が+0.01%とかろうじてプラスを守った一方で、TOPIX-0.52%・グロース250-1.85%がそろって沈んだ、指数間のちぐはぐさです。ここまで相場を引っ張ってきたソフトバンクグループ-7.26%・キオクシア-3.06%・フジクラ-3.55%といった重量級ハイテクが軒並み反落し、その裏で精密機器+2.93%や化学・小売といった内需・ディフェンシブへ資金が逃げる、二極化の1日になりました。

  • 🟡 指数はちぐはぐ:日経+0.01%・TOPIX-0.52%・グロース250-1.85%。値上がり業種は15/33にとどまりました
  • 🔴 牽引役が反落:非鉄金属-2.69%・情報通信-2.00%・不動産-1.98%が下位。SBG-7.26%/キオクシア-3.06%/フジクラ-3.55%と主力ハイテクが軟調でした
  • 🟢 逃げ場は内需・ディフェンシブ:精密機器+2.93%・化学+1.31%・小売+0.88%。ただし信用評価損益率-1.38%は天井警戒の水準まで戻り、短期は反落も意識したいところです
主要指標
日経平均
+0.01%
64,999 円
TOPIX
-0.52%
3,918 pt
グロース250
-1.85%
826 pt
セクター・内部相場
最強業種
精密機器
+2.93% / フロー +3.45pt
最弱業種
非鉄金属
-2.69% / フロー -2.17pt
上昇銘柄比率
46.1%
新高値86 / 新安値130(差-44)
為替・米10年
¥159.34 / 4.47%
ドル円 +0.12円 / 米10年低下
📡 今日の主役・主役交代シグナル
テクノロジー+1.69pt / ⤴継続強(精密機器主導)
🆙 生活防衛+0.61pt / 主役化点灯
🆕 素材+0.34pt / 反転兆候(化学主導)
不動産・建設-1.36pt / 継続弱・連続-1日
商社-0.36pt / 流出連続-8日
🔻 非鉄金属シグナル3→0へ急落
継続強:直近の連続上昇 / 🆙主役化:本日から主役入り / 🔻:流入シグナルの失速

今日の日本株:業種別の資金フロー分析

値上がり業種 TOP5

本日プラスを確保した業種を見ると、精密機器+2.93%が業種首位に立ち、テルモなどの一角が買い直されました。続く水産・農林業+1.38%、化学+1.31%、その他製品+1.15%、小売業+0.88%は、いずれも内需・ディフェンシブ色の濃い顔ぶれです。

指数を支えてきた値がさハイテクが崩れるなかで、資金がディフェンシブ・内需へ逃げ込んだ構図が、そのまま上位5業種に表れているという感じですね。

業種騰落率相対騰落コメント
精密機器+2.93%+3.45pt業種首位。テルモなど一角が逆行高
水産・農林業+1.38%+1.90pt内需ディフェンシブへの逃避買い
化学+1.31%+1.83pt信越化学+5.47%・積水化成品+9.11%が牽引
その他製品+1.15%+1.67pt任天堂・タカラトミーがしっかり
小売業+0.88%+1.40ptファーストリテイリング+3.06%が下支え

値下がり業種 TOP5

一方で下位は、非鉄金属-2.69%が独歩安となり、フジクラ-3.55%・古河電工-6.70%といった電線・銅関連が重しになりました。その他金融業-2.57%・情報通信-2.00%・不動産業-1.98%・建設業-1.78%と、金融周りと景気敏感セクターがまとめて売られています。

情報通信はソフトバンクグループ-7.26%の比重が大きく、指数を押し下げた主役が下位5業種に集中しているのが見て取れます。

業種騰落率相対騰落コメント
非鉄金属-2.69%-2.17ptフジクラ・古河電工など電線・銅関連が安い
その他金融業-2.57%-2.05ptオリックスが軟調
情報・通信業-2.00%-1.48ptソフトバンクグループ-7.26%が重し
不動産業-1.98%-1.46pt住友不動産・三井不動産が下落
建設業-1.78%-1.26pt内需建設も連れ安

ざっくり色分けすると、買われたのは「精密機器+化学+内需・ディフェンシブ」、売られたのは「非鉄金属など素材+情報通信・金融・不動産」という構図です。これは、前日まで相場を主導してきた値がさハイテク・景気敏感株が利益確定に押され、その資金がディフェンシブへ回った、典型的なローテーションの動きに見えます。

ただ、TOPIX-0.52%・値上がり業種15/33という数字が示すとおり、買われた業種より売られた業種のほうが多いので、地合いそのものが強いわけではありません。

💡 対TOPIX相対騰落って何?(初めての方向け)
各業種の騰落率からTOPIX(-0.52%)を引いた値です。プラスなら市場平均より強い(資金が集まっている)、マイナスなら市場平均より弱い(資金が逃げている)ということです。本日のようにTOPIXが-0.52%の局面では、相対騰落がプラスの業種だけが「本当に買われた業種」といえます。
→ もっと詳しく知りたい方は:対TOPIX相対騰落・累積ptの読み方を読む
業種別騰落率・相対騰落 33業種 2026/05/2733業種の騰落率と対TOPIX相対騰落 業種別 騰落率・対TOPIX相対騰落(33業種)| 2026/05/27 値上がり 値下がり 相対騰落(紫帯) TOPIX=-0.52%(基準線) -2% -1% +1% +2% 精密機器 +2.93% (+3.45pt) 水産・農林業 +1.38% (+1.90pt) 化学 +1.31% (+1.83pt) その他製品 +1.15% (+1.67pt) 小売業 +0.88% (+1.40pt) 石油・石炭製品 +0.86% (+1.38pt) 鉄鋼 +0.84% (+1.36pt) 保険業 +0.82% (+1.34pt) サービス業 +0.57% (+1.09pt) 鉱業 +0.44% (+0.96pt) パルプ・紙 +0.42% (+0.94pt) 医薬品 +0.23% (+0.75pt) 電気・ガス業 +0.23% (+0.75pt) 金属製品 +0.19% (+0.71pt) 食料品 +0.17% (+0.69pt) 空運業 -0.01% (+0.51pt) 輸送用機器 -0.12% (+0.40pt) 陸運業 -0.27% (+0.25pt) 倉庫・運輸関連業 -0.46% (+0.06pt) 証券・商品先物業 -0.48% (+0.04pt) 電気機器 -0.59% (-0.07pt) 繊維製品 -0.66% (-0.14pt) 機械 -0.67% (-0.15pt) ガラス・土石製品 -0.70% (-0.18pt) ゴム製品 -0.80% (-0.28pt) 卸売業 -0.88% (-0.36pt) 海運業 -1.36% (-0.84pt) 銀行業 -1.49% (-0.97pt) 建設業 -1.78% (-1.26pt) 不動産業 -1.98% (-1.46pt) 情報・通信業 -2.00% (-1.48pt) その他金融業 -2.57% (-2.05pt) 非鉄金属 -2.69% (-2.17pt) 📐 紫帯(相対騰落): 各業種の騰落率からTOPIX(-0.52%)を引いた値。右に伸びる=市場平均より強い、左=弱い。 2026/05/27 | 市場資金フローレポート

業種フロー詳細と主役交代シグナル

資金流入
19 業種
🔥 本格 3 🟢 兆し 9 ○ 本日 7
中立
3 業種
様子見ゾーン
資金流出
11 業種
❄ 本格 0 🔵 兆し 8 ○ 本日 3

5項目シグナルで「方向(増えているか減っているか)」を機械判定したのが下の一覧です。本日は流入19業種(🔥本格3/🟢兆し9/○本日7)に対して流出11業種・中立3業種と、数のうえでは流入側が多くなっています。

ただ、流入側でも本格流入は輸送用機器・ゴム製品・建設業の3業種にとどまるので、勢いとしてはまだ強気一辺倒ではない、という気がします。

33業種 資金流入シグナル 2026/05/27 流入19業種 流出11業種 中立3業種33業種の5項目シグナルと判定 💰 33業種 資金流入シグナル | 5項目スコア+判定スナップショット(2026/05/27) テーマ / 業種 短2>長5 +圏 加速 連続 地力 前日 本日 判定 2日連続 素材 鉄鋼 2 5 ○ 本日 化学 3 5 🟢 兆し ○ 3→5 非鉄金属 · · · · · 3 0 テクノロジー 精密機器 · 1 4 ○ 本日 電気機器 · · · · 3 1 金融 保険業 3 5 🟢 兆し ○ 3→5 銀行業 · · 1 3 証券・商品先物業 · · · 0 2 輸送・物流 空運業 · · 5 3 🟢 兆し ○ 5→3 海運業 · · · 2 2 倉庫・運輸関連業 · · · 0 2 製造業サイクル 輸送用機器 5 5 🔥 本格 ○ 5→5 機械 · · · · · 2 0 不動産・建設 建設業 · 4 4 🔥 本格 ○ 4→4 不動産業 · · 4 3 🟢 兆し ○ 4→3 生活防衛 食料品 · 1 4 ○ 本日 電気・ガス業 · 3 4 🟢 兆し ○ 3→4 医薬品 · · · 1 2 陸運業 · · · 1 2 内需消費 サービス業 2 5 ○ 本日 小売業 0 5 ○ 本日 商社 卸売業 · · · 1 2 エネルギー 鉱業 · 1 4 ○ 本日 石油・石炭製品 · · 2 3 テーマ外 ゴム製品 5 5 🔥 本格 ○ 5→5 水産・農林業 · 3 4 🟢 兆し ○ 3→4 パルプ・紙 · 2 4 ○ 本日 情報・通信業 · · 3 3 🟢 兆し ○ 3→3 金属製品 · · 3 3 🟢 兆し ○ 3→3 ガラス・土石製品 · · 4 3 🟢 兆し ○ 4→3 その他製品 · · 2 3 その他金融業 · · · 1 2 繊維製品 · · · · · 3 0 🎯 33業種シグナル分布: 💰 流入計 19業種 (🔥本格 3 / 🟢兆し 9 / ○本日のみ 7) vs ⚠ 流出計 11業種 (❄本格 0 / 🔵兆し 8 / ○本日のみ 3) / 中立 3業種 📐 シグナル:①短期2日平均>長期5日平均/②直近2日が+/③加速(2日>3-4日前)/④直近3日中2日以上+/⑤累積10日>0 📐 判定:🔥スコア4+が2日連続(本格流入)/🟢スコア3+が2日連続(兆し)/○本日のみ4+/−それ以外 2026/05/27 | 市場資金フローレポート

📌 主役交代シグナルのポイント:素材の中では化学がスコア3→5へ加速する一方で、非鉄金属はスコア3→0へ急落しました。テクノロジーでも精密機器が点灯・電気機器は消灯と、同じテーマの中で主役が一晩で入れ替わっています。

業種別 対TOPIX相対騰落ヒートマップ(直近5営業日)

直近5営業日の相対騰落を並べると、非鉄金属が05/22の+5.83ptから05/27の-2.17ptへ急反転した流れがよく分かります。逆に精密機器は4日連続マイナスからの本日+3.45ptで、この5日間でいちばん大きく潮目が変わった業種でした。

業種別対TOPIX相対騰落ヒートマップ 直近5営業日 2026/05/2733業種の相対騰落ヒートマップ 業種別 対TOPIX相対騰落ヒートマップ(直近5営業日)| 2026/05/27 05/21 TOPIX +1.64% 05/22 TOPIX +1.0% 05/25 TOPIX +1.29% 05/26 TOPIX -0.10% 05/27 TOPIX -0.52% 本日順位 素材 化学 +0.06pt +0.60pt +0.45pt -0.18pt +1.83pt 3 鉄鋼 -0.36pt -0.38pt -0.90pt +0.32pt +1.36pt 7 非鉄金属 +0.82pt +5.83pt +6.28pt -1.20pt -2.17pt 33 テクノロジー 精密機器 -1.32pt -0.59pt -1.19pt -1.01pt +3.45pt 1 電気機器 +2.69pt +1.19pt +2.70pt -0.65pt -0.07pt 21 金融 保険業 -4.19pt -3.01pt -1.61pt +0.47pt +1.34pt 8 証券・商品先物業 +0.51pt -1.51pt -2.25pt -0.65pt +0.04pt 20 銀行業 +0.70pt -0.84pt -1.70pt -0.05pt -0.97pt 28 輸送・物流 空運業 +0.71pt -0.88pt +2.56pt +0.09pt +0.51pt 16 倉庫・運輸関連業 -0.93pt -0.77pt -2.62pt -0.20pt +0.06pt 19 海運業 -3.31pt -2.39pt -2.44pt -0.06pt -0.84pt 27 製造業サイクル 輸送用機器 -0.13pt -0.69pt +0.41pt +0.34pt +0.40pt 17 機械 -0.54pt +0.59pt +0.34pt -0.35pt -0.15pt 23 不動産・建設 建設業 -1.78pt -1.82pt +1.50pt +2.24pt -1.26pt 29 不動産業 -0.16pt -2.99pt +0.16pt +1.20pt -1.46pt 30 生活防衛 医薬品 -1.62pt -1.13pt -1.08pt -1.62pt +0.75pt 12 電気・ガス業 -1.09pt -2.45pt -0.87pt +0.90pt +0.75pt 13 食料品 -2.04pt -1.34pt -1.60pt -0.31pt +0.69pt 15 陸運業 -1.82pt -2.04pt -1.92pt -0.42pt +0.25pt 18 内需消費 小売業 -2.76pt -0.10pt -3.24pt +0.08pt +1.40pt 5 サービス業 -2.27pt +0.00pt -2.11pt +0.65pt +1.09pt 9 商社 卸売業 -1.91pt -1.12pt -1.72pt -1.11pt -0.36pt 26 エネルギー 石油・石炭製品 -2.48pt -1.61pt -2.20pt -0.17pt +1.38pt 6 鉱業 -4.48pt -1.72pt -5.57pt +0.56pt +0.96pt 10 テーマ外 水産・農林業 -1.29pt -2.72pt -0.54pt -0.51pt +1.90pt 2 その他製品 -2.53pt -1.29pt -1.34pt -0.46pt +1.67pt 4 パルプ・紙 -1.92pt -1.72pt -1.84pt +0.31pt +0.94pt 11 金属製品 +0.57pt -1.16pt +1.31pt -0.44pt +0.71pt 14 繊維製品 -0.94pt -0.44pt +1.24pt -0.18pt -0.14pt 22 ガラス・土石製品 +1.37pt +2.60pt +2.09pt +0.31pt -0.18pt 24 ゴム製品 -1.04pt -1.11pt +1.35pt +0.74pt -0.28pt 25 情報・通信業 +3.23pt +2.82pt -0.62pt +3.69pt -1.48pt 31 その他金融業 +0.56pt -0.59pt -0.81pt +0.74pt -2.05pt 32 📚 各テーマの構成業種・代表銘柄は「33業種セクターマップ」へ

年初来高値・安値更新の業種別分布

年初来の高値・安値更新数は、新高値86銘柄に対して新安値130銘柄と安値が上回り、新高安差は-44で需給は悪化方向です。業種別のネット差では電機+20・化学+12が高値超過の一方、小売-39・情報通信-11・サービス-9が安値超過と、指数の堅調さの裏で個別株の裾野はむしろ傷んでいます。

年初来高値・安値更新の業種別ネット差 2026/05/27業種別の年初来高値-安値の差 年初来高値・安値 業種別ネット差(高値−安値)| 2026/05/27 高値超過(ネット+) 安値超過(ネット−) +20 電気機器 +12 化学 +7 ガラス・土石製品 +4 非鉄金属 +2 機械 -39 小売業 -11 情報・通信業 -9 サービス業 -7 食料品 -7 陸運業 ⚠ 全市場では高値86銘柄 < 安値130銘柄(新高安差 -44)。電機・化学が高値超過、小売・情通・サービスが安値超過で需給は悪化方向。 2026/05/27 | 市場資金フローレポート

なお業界標準の2軸で見ると、シクリカル−ディフェンシブ差は-0.33%とわずかにディフェンシブ優位、グロース−バリュー差は+0.42%とグロースがやや上回りました。どちらも±1%以内の小さな差で、スタイルの方向感は出ていないといったところでしょうか。

本日の日本株で動いたテーマ別資金フロー

1テクノロジー+1.69pt⤴ +1日
2内需消費+1.25pt⤵ +2日
3エネルギー+1.17pt⤵ +2日
4生活防衛+0.61pt🆙 +1日
5素材+0.34pt🆕 +1日
6金融+0.14pt◐ +1日
7製造業サイクル+0.12pt🆕 +1日
8輸送・物流-0.09pt◐ -5日
9商社-0.36pt◐ -8日
10不動産・建設-1.36pt↘ -1日
テーマ別資金フロー相対騰落 2026/05/2710テーマの相対騰落 テーマ別 資金フロー(対TOPIX相対騰落 pt)| 2026/05/27 -1pt +1pt +2pt +1.69 テクノロジー +1.25 内需消費 +1.17 エネルギー +0.61 生活防衛 +0.34 素材 +0.14 金融 +0.12 製造業サイクル -0.09 輸送・物流 -0.36 商社 -1.36 不動産・建設 2026/05/27 | 市場資金フローレポート
💡 テーマ別平均騰落率って何?(初めての方向け)
各テーマに分類した銘柄の騰落率を単純平均したものが「平均騰落率」です(売買代金加重なし)。そこからTOPIX(-0.52%)を引いた値が「相対騰落」で、テーマとして市場平均より強いか弱いかを示します。相対騰落+2pt以上を◎大量流入、+0〜+2ptを○流入、-1pt以下を✕大幅流出と判定しています。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む
💡 ローテーション9カテゴリ判定って何?(初めての方向け)
本日pt・連続日数・短長スプレッド(直近3日平均と長期10日平均の差分)を組み合わせて、各テーマの「動きの局面」を9カテゴリに機械分類しています。🆙主役化/🆕反転兆候/⤴継続強/⤵失速/🆘脱落/🆖弱含み/↘継続弱/🔄底打ち兆候/◐中立の9種類で、流入強度(今この瞬間の強弱)と組み合わせると、明日以降の動きの予兆まで読み取れる設計になっています。

テーマ単位では、最強がテクノロジー+1.69pt最弱が不動産・建設-1.36ptという並びになりました。ただテクノロジーの中身は精密機器+3.45pt↔電気機器-0.07ptと割れていて、テーマとしては強くても一枚岩ではないのが実態です。

ローテーション判定を俯瞰すると、生活防衛が🆙主役化、素材・製造業サイクルが🆕反転兆候で明日以降の反発候補、一方で不動産・建設は↘継続弱、商社は連続-8日と流出側が根強い、という構図ですね。

🔥🔥 1位 テクノロジー ⤴ 継続強

電気機器・精密機器で構成。精密機器+3.45ptが業種首位の一方、電気機器は-0.07ptと足踏みでした。連続+1日・短長スプレッド+0.15で⤴継続強の判定。テーマの強さは精密機器頼みなので、半導体・電子部品の戻りが続くかが試金石、という気がします。

🔥 2位 内需消費 ⤵ 失速

小売業+1.40pt・サービス業+1.09pt。連続+2日とプラスを伸ばしたものの、短長スプレッド-0.91で⤵失速の判定。買われてはいるものの、勢いとしてはピークアウト気味なのかなと思います。

🔥 3位 エネルギー ⤵ 失速

石油・石炭製品+1.38pt・鉱業+0.96pt。連続+2日ですが短長スプレッド-0.34で⤵失速の判定。原油WTIが91ドル台へ反落しており、資源高の追い風はやや弱まってきています。

🔥 4位 生活防衛 🆙 主役化

食料品・医薬品・電気ガス・陸運で構成。本日+0.61pt・連続+1日・10日累計-1.32で🆙主役化の判定です。リスク回避局面の典型的な逃避先として、新規の主役候補に上がってきたという感じですね。

→ 5位 素材 🆕 反転兆候

化学+1.83pt↔非鉄金属-2.17pt。連続+1日・短長スプレッド+1.08で🆕反転兆候の判定ですが、中身は化学の独り立ちで、非鉄金属の急落が重く、反転と呼ぶにはもう少し確認が要りそうです。

→ 6位 金融 ◐ 中立

保険業+1.34pt↔銀行業-0.97pt。本日+0.14pt・連続+1日で方向感は乏しく◐中立の判定。金利軸は金融優位に振れているものの、テーマとしてはまだ様子見といった感じです。

→ 7位 製造業サイクル 🆕 反転兆候

輸送用機器+0.40pt↔機械-0.15pt。連続+1日・短長スプレッド+0.40で🆕反転兆候の判定。武蔵精密工業+9.97%など個別の急騰はあるものの、テーマ全体ではまだ小幅な動きです。

→ 8位 輸送・物流 ◐ 中立

空運業+0.51pt↔海運業-0.84pt。本日-0.09pt・連続-5日と弱含みが続き◐中立の判定です。下げ止まりつつあるようにも見えますが、まだ明確な反転にはなっていません。

→ 9位 商社 ◐ 中立

卸売業-0.36ptのみで構成。連続-8日と流出が最も長引いているテーマで、三菱商事・丸紅・伊藤忠といった大手がそろって冴えません。

💧 10位 不動産・建設 ↘ 継続弱

建設業-1.26pt・不動産業-1.46pt。本日-1.36pt・連続-1日・10日累計-9.95で↘継続弱の判定。金利上昇局面では逆風が続きやすく、戻り売り警戒のほうが先に立つ局面なのかなと思います。

全体としては、生活防衛の主役化と素材・製造業サイクルの反転兆候に明日以降の反発の芽が見える一方で、不動産・建設の継続弱と商社の連続-8日が地合いの重しとして残っています。テクノロジーが精密機器頼みで割れていることもあり、テーマ間の循環が主役で、相場全体を押し上げる力はまだ弱いという感じですね。

3対立軸でみるマクロ文脈

💡 3対立軸って何?(初めての方向け)
10テーマを意味的に対立する2グループずつぶつけて差分を取った指標です。プラスなら前者が強い、マイナスなら後者が強いことを示し、相場の主題を機械的に浮かび上がらせます。
・金利軸:金融 − 不動産・建設(+ 金利上昇/− 金利低下)
・資源軸:(エネ+素材+商社)/3 − (輸送物流+内需消費)/2(+ 資源高/− 資源安)
・リスク軸:(製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛(+ リスクオン/− リスクオフ)
3軸の符号と大きさの組み合わせから「リスクオン×金利上昇×資源高」のように、本日の主題が読み取れる仕組みです。
→ もっと詳しく知りたい方は:テーマ別資金フローと3対立軸の読み方を読む

3対立軸を符号で読むと、本日は「リスク中立 × 資源中立 × 金利上昇」の組み合わせでした。金利軸が金融−不動産・建設で+1.50ptと金融優位に振れた一方、資源軸・リスク軸はほぼ中立にとどまっています。

対立軸計算式本日値3日平均10日累計連続解釈
金利軸金融 − 不動産・建設+1.50pt-0.99pt+10.32pt+1日金利上昇局面
資源軸(エネ+素材+商社)/3 −(輸送物流+内需消費)/2-0.19pt-0.08pt-8.82pt-2日中立
リスク軸(製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛+0.11pt+0.82pt+0.38pt+1日中立

本文③で見たとおり、生活防衛が🆙主役化し内需消費・エネルギーが流入を続ける一方で、不動産・建設は↘継続弱で沈んでいます。その背景には、金利軸が+1.50pt・連続+1日と金融優位(金利上昇局面)に振れたことがあります。

米10年金利は4.469%へ低下したものの、国内では金融が相対的に買われ、金利敏感の不動産・建設が売られる構図が続いています。これが不動産・建設の継続弱を長引かせている、と読み取れます。リスク軸が連続+1日でも+0.11ptと中立にとどまるのは、テクノロジーの強さ(精密機器)と素材の弱さ(非鉄金属)が相殺しているため、という気がします。

本日の日本株で注目したい銘柄

値上がり率 TOP3

順位銘柄名コード業種騰落率相対騰落
1アドバンスクリエイト8798保険業+10.08%+10.60pt
2武蔵精密工業7220輸送用機器+9.97%+10.49pt
3積水化成品工業4228化学+9.11%+9.63pt

急騰上位は保険・輸送用機器・化学とバラバラの業種で、特定テーマへの集中というより個別材料での吹き上がりが中心でした。指数が重いなかでも、中小型では二桁高の銘柄が出ているのが面白いところですね。

売買代金集中 TOP3

銘柄名業種騰落率売買代金注目ポイント
キオクシアホールディングス電気機器-3.06%2兆8,396億円売買代金で突出。半導体メモリ筆頭が利益確定で反落
ソフトバンクグループ情報・通信業-7.26%7,772億円本日の指数最大の重し
フジクラ非鉄金属-3.55%3,790億円電線・データセンター関連の調整が継続

売買代金の上位はキオクシア・SBG・フジクラと、いずれも本日下落した主力ハイテクで占められました。出来高を伴って売られているぶん、ここの下げ止まりが地合い全体のカギになりそうです。

最強モメンタム上位(RSI≥60・乖離率≥+5%・相対騰落+1pt以上)

💡 過熱スコアって何?(初めての方向け)
RSI・サイコロジカルライン・25日移動平均乖離率・出来高倍率・信用倍率の5指標をそれぞれ-2〜+2点で採点し、合計した値です(合計範囲:-10〜+10点)。スコアが高いほど短期的な買われすぎを示します。目安として、+5以上(⚠過熱)は急騰後の反落リスクに注意が必要です。+3〜4(△やや強)はトレンド継続の確認をしながらの押し目狙いに適しています。0以下(→中立・○やや冷)は過熱感がなく、追いかけやすい局面といえます。

上昇トレンドが強く維持されている銘柄です。ただ過熱スコアが+5〜+8に達するものが多く、トレンドフォローには適すものの、短期では伸び切った位置にある点に注意したいところです。

銘柄名コード騰落率相対騰落過熱スコア判定
武蔵精密工業7220+9.97%+10.49pt+1→ 中立
白銅7637+6.36%+6.88pt+6⚠ 過熱
フィックスターズ3687+4.90%+5.42pt+8⚠⚠ 強過熱
クオンツ総研HLDG9552+2.44%+2.96pt+7⚠⚠ 強過熱
住友大阪セメント5232+1.98%+2.50pt+3△ やや強
横浜冷凍2874+0.77%+1.29pt+5⚠ 過熱

高値更新×業種強し(本日年初来高値更新・業種累積+1pt以上)

個別の高値更新と業種トレンドの両方がそろった、最も確度の高いシグナルです。本日はサービス業・情報通信の内需系が中心に並びました。

銘柄名コード業種騰落率相対騰落過熱スコア
リクルートHLDG6098サービス業+0.84%+1.36pt+4
LITALICO7366サービス業+3.37%+3.89pt+3
早稲田アカデミー4718サービス業+0.63%+1.15pt+3
セコム9735サービス業+1.14%+1.66pt+4
学究社9769サービス業+0.12%+0.64pt+7
📉 売られすぎ反転&踏み上げ候補(D条件5銘柄/E条件5銘柄)

D 売られすぎ反転:RSI≤35 × 乖離率≤-5% × 出来高倍率≥1.5倍。投げ売り後の逆張り候補です。

銘柄名コードRSI乖離率出来高倍率騰落率過熱スコア
東京都競馬96727.07-11.8%1.61倍-0.95%-2
シンクロ・フード396313.22-15.7%1.86倍+1.20%-4
東鉄工業183513.76-15.6%1.63倍-2.60%-4
住友不動産883021.46-16.1%1.53倍-6.14%-3
アーレスティ585229.49-16.5%2.85倍-2.88%-2

E 踏み上げ:信用倍率≤1.0 × 前日比+2%以上。売り方の踏み上げによる短期急騰候補です。

銘柄名コード信用倍率騰落率相対騰落過熱スコア
武蔵精密工業72200.58+9.97%+10.49pt+1
前澤化成工業79250.71+6.12%+6.64pt-2
宝HLDG25310.18+3.48%+4.00pt+3
LITALICO73660.79+3.37%+3.89pt+3
福山通運90750.47+2.73%+3.25pt+1
💎 勝ち組/⚠ 負け組セクター中核株(F条件5銘柄/G条件5銘柄)

F 勝ち組セクター中核:業種累積≥+2pt × RSI≥50 × 乖離率≥0 × PER≤業種中央。トップダウンの買い候補です。

銘柄名コード業種騰落率相対騰落過熱スコア
KDDI9433情報・通信業+2.79%+3.31pt+1
電算システムHLDG4072情報・通信業+3.82%+4.34pt+2
Orchestra HLDG6533サービス業+3.75%+4.27pt+0
ブラザー工業6448電気機器+0.77%+1.29pt+2
EIZO6737電気機器+0.66%+1.18pt+3

G 負け組セクター中核:業種累積≤-2pt × RSI≤50 × 乖離率≤0 × PER≥業種中央。継続売り警戒・空売り候補です。

銘柄名コード業種騰落率相対騰落過熱スコア
JX金属5016非鉄金属 ※関連市況確認要-4.12%-3.60pt-3
フジクラ5803非鉄金属 ※関連市況確認要-3.55%-3.03pt-1
住友不動産8830不動産業-6.14%-5.62pt-3
東京建物8804不動産業-2.55%-2.03pt-2
三菱商事8058卸売業 ※関連市況確認要-1.20%-0.68pt-1

市場体温計

💡 市場体温計って何?(初めての方向け)
本ブログ独自の三層スコアで日本株の相場全体の温度を測る指標です。Layer 1(日々の体温・5項目)は当日データから-5〜+5の温度スコアで日々の相場の暖かさ/寒さを示し、Layer 2(高温シグナル・4項目)は稀な過熱の極端値(騰落レシオ25日 ≥125 など)、Layer 3(低温シグナル・4項目)は稀な底値の極端値(騰落レシオ6日 ≤60 など)を点灯式で捉えます。Layer 1の体温で日々の流れを把握しつつ、Layer 2/3のいずれかが2点以上点灯したら警戒(過熱)または逆張り検討(底値)のサインです。
→ もっと詳しく知りたい方は:市場体温計とは|三層スコアの読み方を読む

本日の総合体温は-3で「❄ 寒気(弱気)」です。中期シグナルは過熱1/4・底値0/4とほぼ沈黙していますが、唯一点灯した過熱シグナルが信用評価損益率である点は見逃せません。

Layer 1:日々の体温(合計 -3 / ±5 → ❄ 寒気・弱気)

Layer 1は5項目のうち3項目がマイナスに沈みました。新高安差・日経/TOPIXの食い違い・大型株の上昇数の3つが-1で、上昇比率と値上がり業種数も中立どまりです。

項目本日値+1の閾値-1の閾値スコア
上昇銘柄比率46.1%≥55%≤35%0
値上がり業種数15 / 33≥20≤110
新高値−新安値スプレッド-44≥+30≤-30-1
日経・TOPIX方向日経+ / TOPIX-両方+両方- or 値がさ偏重-1
TOP10売買代金 上昇数2 / 10≥8社≤3社-1
Layer 1 合計-3❄ 寒気(弱気)

Layer 2:高温シグナル(1 / 4 点灯)

高温シグナルは④(信用評価損益率)だけが点灯しました。信用評価損益率-1.38%は閾値-3%を上回り、進捗100%で点灯です。前週の-4.82%から大きく改善(=含み損が縮小)し、買い方の警戒感が薄れた天井圏のサインとして意識したいところです。

No.項目本日値点灯閾値進捗判定
RSI70超銘柄比率10.7%≥25%43%未達
日経225 25日乖離率+5.95%≥+8%74%未達
騰落レシオ25日84.15≥12567%未達
信用評価損益率-1.38%≥-3%100%点灯
1 / 4 点灯過熱気味(2点以上で警戒)

Layer 3:低温シグナル(0 / 4 点灯)

低温シグナルは点灯ゼロですが、①(RSI30以下銘柄比率)が13.9%で進捗93%と点灯一歩手前まで来ています。Layer 2と違い③に騰落レシオ6日を採用しているのは「上昇はじわじわ、下落は急激」という相場の特性に合わせた意図的な非対称設計で、底値の急変を捉えやすくしています。

No.項目本日値点灯閾値進捗判定
RSI30以下銘柄比率13.9%≥15%93%未達
日経225 25日乖離率+5.95%≤-6%0%未達
騰落レシオ6日86.23≤6070%未達
信用評価損益率-1.38%≤-15%9%未達
0 / 4 点灯底値接近なし(2点以上で逆張り検討)
📊 補助指標で相場の質を確認する(5項目)
補助指標本日値判定目安
資金集中度(TOP3売買代金シェア)45.7%極端集中≥30%で集中、≥40%で極端集中
買い主導率(TOP20内)35%中立(売り寄り)≥70%で買い主導/≤30%で売り主導
TOPIX 25日乖離率+2.55%中立±5%で中立圏
日経−TOPIX乖離率差+3.40pt正常≥+4ptで値がさ偏重
騰落レシオ6日(参考値)86.23中立≤60で超過冷/≤80で過冷

まとめると、日々の体温は寒気圏(-3)に沈み、中期では信用評価損益率だけが過熱側で点灯した、「過熱でも底値でもないが、天井警戒だけは灯った」ニュートラルな状態です。資金集中度45.7%(極端集中)・買い主導率35%とあわせると、値がさハイテク主導の一極集中相場の典型といえます。Layer 3の底値シグナルが灯っていない以上、下げ止まりを確認するのはまだ早い、という気がします。

本日の日本株を動かしたマクロ環境

本日のマクロは、米国と日本でリスクの向きがちぐはぐでした。米株は最高値を更新したのに、東京は重量級ハイテクの反落で連動が薄く、それぞれが別々のシグナルを出しています。

📊 マクロ指標スナップショット
国内株式
日経平均
+0.01%
64,999円・実質横ばい
TOPIX
-0.52%
3,918pt
グロース250
-1.85%
826pt・中小型に売り
海外株式(前日)
NYダウ
-0.23%
50,467・小反落
ナスダック
+1.19%
26,656・最高値
S&P500
+0.61%
7,519・最高値
為替・金利
ドル円
159.34
+0.12円・小幅円安
米10年金利
4.469%
-0.043pt・低下(追い風)
VIX恐怖指数
17.00
+0.18・低位安定
資源・需給
WTI原油
$91.24
-1.34%・資源株重し
騰落25日
84.15
中立ゾーン
信用評価損益率
-1.38%
天井警戒水準まで戻り
米ハイテク続伸:ナスダック+1.19%・S&P500が最高値も、東京は連動薄前日の米国市場はナスダック+1.19%・S&P500+0.61%がそろって史上最高値を更新し、半導体・グロースには追い風です。ところが東京ではその追い風がほとんど効かず、むしろ主力ハイテクが利益確定に押されました。米株高がそのまま日本株高につながらない、連動の薄さが今日の特徴です。
半導体・素材中核が反落:内部はTOPIX-0.52%と軟調指数の足を引っ張ったのは非鉄金属-2.69%・情報通信-2.00%・不動産-1.98%です。ソフトバンクグループ-7.26%・キオクシア-3.06%・フジクラ-3.55%と、ここまでの主役がそろって反落しました。日経はかろうじてプラスでも、TOPIX-0.52%が示すとおり中身はしっかり売られている1日でした。
逃げ場はディフェンシブ・内需:精密機器+2.93%が業種首位売られた資金の逃げ場になったのが精密機器+2.93%・化学+1.31%・小売+0.88%です。生活防衛テーマが🆙主役化し、リスク回避局面の典型的なローテーションが進みました。攻めの資金というより、守りに資金が回った動きに見えます。
資金集中続く:売買代金TOP3シェア45.7%・買い主導率35%売買代金のTOP3シェアは45.7%と極端集中で、買い主導率は35%にとどまりました。指数は高値圏にあるものの、物色の裾野は狭く、売り優勢の後半戦の様相です。一部の値がさ株に資金が偏っているぶん、その銘柄が崩れると指数全体が振られやすい点には気をつけたいところです。
信用評価損益率-1.38%が天井警戒水準:短期の反落リスクに留意市場体温計の高温シグナルで唯一点灯したのが信用評価損益率-1.38%です。前週の-4.82%から大きく改善し、買い方の含み損がほぼ解消=利益確定売りが出やすい天井圏に近づいた、と読み取れます。指数が高値圏にあることとあわせて、短期的な反落リスクを意識しておきたい局面です。
為替・金利・需給:ドル円159円台、米10年4.469%へ低下為替はドル円159.34円と小幅な円安、米10年金利は4.469%へ低下し、本来ならグロース株には追い風の組み合わせです。ただ国内の内部指標は上昇比率46.1%・新高安差-44と弱く、騰落レシオ25日84.15は中立で、外部環境の良さが株価に反映されにくい地合いでした。

明日の日本株で注目したいポイント

3層構造でみる明日のシナリオ

本日の市場を「マクロ → テーマ → 個別業種」の3つの層に分けて、それぞれが何を示しているかを確認してから明日のシナリオを組み立てます。3層が同じ方向を示していれば、それは偶然ではなく構造的な動きとして信頼できる、という考え方です。

🔍 本日の3層スナップショット
層1:マクロ環境・体温
  • 金利軸 +1.50pt(連続+1日) 金融優位(金利上昇)
  • リスク軸 +0.11pt(連続+1日) 中立/資源軸 -0.19pt(連続-2日) 中立
  • 市場体温計:L1 -3「寒気」/ L2 1/4(信用評価損益率)/ L3 0/4
  • 米株最高値も国内は連動薄、ドル円159円・米10年4.469%低下
体温は寒気圏で、過熱は信用評価損益率だけが点灯した「天井警戒寄りの中立」
層2:テーマ10テーマの動き
  • 最強:テクノロジー+1.69pt(⤴継続強・ただし精密機器主導で電気機器は足踏み)
  • 次点:内需消費+1.25pt(⤵失速)・生活防衛+0.61pt(🆙主役化)
  • 最弱:不動産・建設-1.36pt(↘継続弱・金利上昇の逆風)
  • もう1つの敗者:商社-0.36pt(連続-8日と流出が最長)
物色は内需・ディフェンシブと精密へ、景気敏感・金融周りは流出が継続
層3:業種・銘柄33業種シグナル
  • 🔥本格流入3業種に 輸送用機器(5→5)・ゴム製品(5→5)・建設業(4→4)
  • 素材内は明暗:化学が3→5非鉄金属が3→0へ急落
  • F勝ち組中核に情報通信・サービス業が並ぶも、本日は逆行安が多い
  • A最強モメンタム上位は 過熱スコア+5〜+8 で短期は伸び切った位置
流入の数は多いが本格流入は少なく、買い候補は過熱・売り候補は素材/不動産に集中
3層の一致:マクロ層の「天井警戒寄りの寒気」、テーマ層の「内需ディフェンシブ循環」、業種層の「過熱した買い候補と根強い素材・不動産の売り」が、3層すべてで 「指数高値圏での内部劣化・選別物色」 という同じ方向を示しています。これは1層だけのノイズではなく、構造的なシグナルとして読める1日でした。
📊 メインシナリオ:内需・ディフェンシブ優位の選別+ハイテク反落の見極め

明日は内需・ディフェンシブ中心の選別物色が続きつつ、重量級ハイテクの下げ止まりを確認する展開になる公算が高い、という気がします。

  • 期待エリア:精密機器・化学・生活防衛(ディフェンシブ逃避+生活防衛の主役化)
  • 継続性試金石:テクノロジー(精密機器頼みの+1.69ptに電気機器の戻りが伴うか)
  • 底打ち待機:素材(化学は強いが、非鉄金属の急落が一巡するかを確認)
  • マクロ材料注視:米ハイテク続伸が東京に波及するか、信用評価損益率-1.38%の天井警戒

分岐リスクと警戒トリガー

🌧️ 弱気分岐A:ハイテク反落が下げ止まらない

重量級ハイテクの戻りが鈍く、精密機器の逆行高も続かなければ、内需の逃避買いだけでは指数を支えきれず、TOPIXの下げが日経にも波及する展開です。

警戒トリガー:ソフトバンクグループ寄り付き-3%超、またはキオクシア-3%超

⚡ 最弱気分岐B:信用整理を伴う調整

信用評価損益率-1.38%の天井警戒水準から、米株が反落しドル円が円高に振れると、過熱した買い候補の利益確定と信用整理が重なり、下げが加速する展開です。

警戒トリガー:日経先物が夜間-2%超 × ドル円158円割れ
🎯 シナリオ信頼度:中
3層が「指数高値圏の内部劣化・選別物色」で概ね一致する一方、A群-1・B群-1の弱さと信用評価損益率の天井警戒という反証要因があり、信頼度は中と見ています。上記の警戒トリガーが出れば、即座にサブシナリオへ切り替えます。
📖 もっと詳しく:3層構造の論理プロセスを最初から追う

層1:マクロ層 ─ 天井警戒寄りの寒気

マクロの土台から確認します。前日の米国市場はナスダック+1.19%・S&P500+0.61%がそろって史上最高値を更新し、半導体・グロースには本来追い風の地合いでした。米10年金利も4.469%へ低下し、ドル円は159.34円と小幅な円安で、為替・金利の組み合わせはグロース株にとって悪くありません。

ところが東京では、その追い風がほとんど効きませんでした。日経は+0.01%とかろうじてプラスを守ったものの、TOPIXは-0.52%、グロース250は-1.85%とそろって下落しています。市場体温計のLayer 1は合計-3で「寒気(弱気)」、5項目のうち新高安差・日経/TOPIXの食い違い・大型株の上昇数の3つがマイナスでした。

注目したいのは、Layer 2の高温シグナルで信用評価損益率-1.38%が唯一点灯したことです。前週の-4.82%から大きく改善し、買い方の含み損がほぼ解消したことを意味します。これは相場が崩れているサインではなく、むしろ「利益確定売りが出やすい天井圏に近づいた」サインで、寒気のなかに天井警戒が同居する、ややねじれた環境だと読み取れます。

層2:テーマ層 ─ 内需ディフェンシブへの循環

テーマの動きを見ると、最強はテクノロジー+1.69ptですが、中身は精密機器+3.45pt↔電気機器-0.07ptと割れています。つまりテーマとしては強くても、半導体・電子部品の主力が買われたわけではなく、精密機器の一角が逆行高しただけ、という偏りがあります。

その下では、内需消費+1.25pt・エネルギー+1.17ptが連続プラスを維持しつつも、いずれも短長スプレッドのマイナスで⤵失速の判定が出ています。一方で生活防衛が+0.61ptで🆙主役化、素材・製造業サイクルが🆕反転兆候と、ディフェンシブ・内需側に新しい買いが入ってきました。

最弱は不動産・建設-1.36ptで↘継続弱、商社は連続-8日と流出が最も長引いています。金利軸が+1.50ptと金融優位(金利上昇)に振れたことが、金利敏感の不動産・建設に逆風として効き続けている構図です。

まとめると、テーマ層は「景気敏感・金融周りからディフェンシブ・内需への資金循環」を示しており、相場全体を押し上げる力というより、テーマ間の入れ替えが主役になっています。

層3:業種・銘柄層 ─ 数は流入だが本格は少ない

33業種の資金流入シグナルでは、流入19業種・流出11業種・中立3業種と、数のうえでは流入が上回りました。ただし🔥本格流入は輸送用機器・ゴム製品・建設業の3業種にとどまり、勢いとしては強気一辺倒ではありません。

素材の内部は明暗がくっきり分かれ、化学がスコア3→5へ加速する一方で、非鉄金属は3→0へ急落しました。年初来の高値・安値でも電機+20・化学+12が高値超過、小売-39・情報通信-11・サービス-9が安値超過と、指数の堅調さの裏で個別の裾野はむしろ傷んでいます。

個別では、A最強モメンタム上位の多くが過熱スコア+5〜+8に達しており、トレンドは強いものの短期では伸び切った位置です。逆にG負け組セクター中核には非鉄金属・不動産が並び、売り候補は素材・不動産に集中しています。買い候補は過熱、売り候補は素材・不動産という、偏った銘柄分布が読み取れます。

3層統合の読み方

3層を重ねると、マクロ層の「天井警戒寄りの寒気」、テーマ層の「内需ディフェンシブ循環」、業種層の「過熱した買い候補と根強い素材・不動産の売り」が、いずれも「指数高値圏での内部劣化・選別物色」という同じ方向を指しています。

3層が一致しているぶん、これは1日だけのノイズではなく構造的なシグナルとして読めます。したがってメインシナリオは「内需・ディフェンシブ優位の選別が続きつつ、重量級ハイテクの下げ止まりを確認する」展開を主軸に置きました。ただA群・B群の弱さと信用評価損益率の天井警戒という反証要因があるため、信頼度は中とし、警戒トリガーが出れば速やかにサブシナリオへ切り替える前提にしています。

🏆 本日の総合判定(11因子モデル):やや弱気(スコア:-2/11)

スコア内訳:

  • A トレンド:-1(TOPIX-0.52%・グロース-TOPIX-1.33ptが重し、日経-TOPIX+0.53ptの大型優位で一部相殺)
  • B 幅・需給:-1(新高安-44・上昇銘柄比率46.1%・値上がり業種15/33と幅が狭い)
  • C 内部エネルギー:±0(シ-デ差-0.33%・急増銘柄平均-0.21%・RSI健全度とも中立)
  • D 過熱調整:-1 ⚠(売買代金TOP3シェア45.7%=極端集中で資金集中リスク)
  • E マクロ:+1(ナスダック+1.19%・S&P500+0.61%の米株合算+1.80%、VIX17.00は中立)

判定根拠:A群トレンドとB群需給がともに-1、D群で資金集中リスク-1が重なり、E群マクロ+1の援護だけでは支えきれず合計-2のやや弱気に着地しました。指数は高値圏にあるものの、売買代金TOP3シェア45.7%の極端集中・上昇比率46.1%・信用評価損益率-1.38%の天井警戒と、内部は資金集中で裾野が狭いのが警戒要因です。

→ 11因子モデルの仕組みをもっと詳しく知りたい方は:11因子モデルとは ─ 日本株の強弱を客観的な数値で捉える独自スコアリング手法
本記事は、市場で観測されたデータを私個人が整理・分析したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した数値・判定は独自の集計に基づくもので正確性を保証するものではなく、相場の見立ても私個人の見解です。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA