今日の日本株|9月14日|半導体製造装置株が続落、SaaS株とサイバーセキュリティ株が上昇
米オープンAIが年内の上場を見送るとの観測とアンソロピックCEOの発言からAI開発投資の減速が意識され、ソフトバンクグループが-10.72%、この1銘柄だけで日経平均を約564円押し下げました。日経平均の下げ幅518円より1銘柄の押し下げのほうが大きく、TOPIXは+0.74%、東証プライムでは1,222銘柄・全体の79%が上げています。この記事では、指数の裏で124のサブ業種がどう並んだかだけを見ていきます。124群のうち87群がTOPIXに勝っていますが、日経もTOPIXも大型株の比重が大きい指数なので、大型のAI・半導体株だけが売られた日は、群を等しい重さで数えると指数より良く見えます。
この記事の物差しは3つです。「1年の地力」は、その群が過去1年(直近1か月を除く)にTOPIXをどれだけ上回ったかの順位で、月1回だけ更新します。「下げに弱さ」は、直近120営業日のうちTOPIXが下げた日を取り出して、その群がどれだけ大きく落ちたかを測った数字です(124群の中央値は0.65。1を超えるとTOPIXより大きく落ちる群)。「◎○⛔」は、地力上位20%で走り出した群を◎、地力上位20%で25日累積が0を上抜けた群を○、地力下位40%なのに直近1か月だけ強い群を⛔として、毎日付け直しています。買いの引き金ではなく「銘柄を探す場所」の印です。
① 1年で強かった群だけが、上げた日に置いていかれた
地力上位25群(上位20%)の平均は対TOPIX-0.58pt。当日プラスは25群のうち5群だけで、残り99群の+0.60ptと逆を向いています。
地力の順位で上から10群を並べたのが下の表です。表のサブ業種名を押すと、その群の中で値動きが大きかった5銘柄と前日比が開きます。折れ線は25日累積の20日分の推移で、灰色の線が0、橙色の点線が◎の条件の+5ptです。10群のうち当日プラスは地銀だけで、半導体製造装置は-2.14ptと124群で最も下げ、30銘柄のうち上げたのは3銘柄でした。半導体材料・電子材料-1.71pt、非鉄・製錬-1.30pt、電子部品-1.09ptと、顔ぶれは半導体とその材料に集中しています。地銀を除く9群はどれも下げに弱さが1.6を超えていて、1年でいちばん強かった顔ぶれと、下げる日にいちばん落ちる顔ぶれが重なったままです。
| 地力順位 | サブ業種 | 25日累積の推移(20日・-20〜+35pt) | 当日 対TOPIX | 5日前比 | 上げた銘柄の割合 | 下げに弱さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | FPD・プリント基板 ▾値動きの大きい順に5 / 9銘柄・前日比 図研 +4.19%メイコー +3.42%山一電機 -3.28%ブイ・テクノロジー -2.53%タツモ -2.52% | -1.08pt | -5.1pt | 33% | 2.66 | |
| 2 | 半導体製造装置 ▾値動きの大きい順に5 / 30銘柄・前日比 芝浦メカトロニクス -3.96%日本マイクロニクス -3.94%エンプラス -3.49%山一電機 -3.28%オプトラン -2.71% | -2.14pt | -6.8pt | 10% | 2.41 | |
| 3 | 地銀 ▾値動きの大きい順に5 / 59銘柄・前日比 ちゅうぎんFG +4.02%七十七銀行 +3.05%琉球銀行 +2.95%岩手銀行 +2.63%筑波銀行 +2.62% | +0.55pt | -1.0pt | 92% | 0.97 | |
| 4 | 金価格・貴金属 ▾値動きの大きい順に5 / 6銘柄・前日比 フルヤ金属 -1.36%AREHLDG +0.84%住友金属鉱山 +0.63%松田産業 +0.29%DOWA HLDG +0.08% | -0.66pt | -15.6pt | 67% | 2.14 | |
| 5 | 半導体 ▾値動きの大きい順に5 / 10銘柄・前日比 ソニーグループ +4.30%エンプラス -3.49%ローム -3.06%三井ハイテック -2.19%ソシオネクスト +1.36% | -0.92pt | -8.6pt | 50% | 2.22 | |
| 6 | 非鉄・製錬 ▾値動きの大きい順に5 / 11銘柄・前日比 JX金属 -2.11%UACJ +1.94%大阪チタニウムテクノロジーズ -1.87%三井金属 -1.79%大紀アルミニウム工業所 -1.04% | -1.30pt | -11.0pt | 27% | 2.14 | |
| 7 | 半導体材料・電子材料 ▾値動きの大きい順に5 / 33銘柄・前日比 レゾナック・HLDG -5.98%東洋炭素 -3.94%SUMCO -3.14%関東電化工業 -3.00%MARUWA -2.70% | -1.71pt | -7.6pt | 36% | 1.89 | |
| 8 | 電子部品 ▾値動きの大きい順に5 / 32銘柄・前日比 太陽誘電 -5.38%メイコー +3.42%山一電機 -3.28%ローム -3.06%日本ケミコン -2.62% | -1.09pt | -2.1pt | 41% | 1.89 | |
| 9 | 重電・電力機器 ▾値動きの大きい順に5 / 22銘柄・前日比 SWCC -6.18%古河電気工業 -3.42%住友電気工業 -3.37%フジクラ -2.97%ジーエスユアサコーポレーション +2.78% | -0.99pt | -7.1pt | 41% | 1.9 | |
| 10 | 電力インフラ・送配電 ▾値動きの大きい順に5 / 20銘柄・前日比 SWCC -6.18%古河電気工業 -3.42%住友電気工業 -3.37%東京エネシス +3.23%フジクラ -2.97% | -0.86pt | -6.3pt | 65% | 1.67 |
「1年で強かった群が売られているなら、安く買える場所ではないか」という見方が出てきます。この10群のうち25日累積が◎の条件(+5pt)に届いているのは地銀の+9.8ptと金価格・貴金属の+9.5ptの2群だけで、半導体製造装置-12.0pt、半導体材料・電子材料-8.0pt、半導体-5.5ptはまだ0にも戻っていません。10年の検証では、地力が上位20%でも25日累積がマイナスの間は次の20営業日の平均が対TOPIXでほぼ横ばいで、+5ptを超えて◎が付いてから乗る形のほうが成績は良く出ています。今日の下げをそのまま拾う理由にはなりません。
向きが変わり始めている群もあります。FPD・プリント基板は25日累積-2.1ptで勢い(15日変化)+10.1ptと124群で2番目、半導体製造装置+3.7pt、電子部品+4.0pt。25日累積が0を上抜ければ○が付く位置です。逆に非鉄・製錬は勢い-21.4pt、金価格・貴金属は-19.5ptで、水準が高く見えても中身は下を向いています。
② 判定の入れ替わり:⛔戻りが4群から7群に増えた
◎本命は地銀の1群のままで3日目。○走り出しはエレクトロニクス商社が1日で外れて0群になり、⛔戻りにITコンサル・冠婚葬祭・M&A仲介の3群が加わりました。
| サブ業種 | 25日累積の推移(20日・-10〜+20pt) | 地力順位 | 前日 | 今日 | 何が変わったか |
|---|---|---|---|---|---|
地銀 ▾値動きの大きい順に5 / 59銘柄・前日比 ちゅうぎんFG +4.02%七十七銀行 +3.05%琉球銀行 +2.95%岩手銀行 +2.63%筑波銀行 +2.62% | 3 | ◎本命 | ◎本命(3日目) | 当日+0.55pt・92%が上げ。25日累積は+8.3→+9.8、勢いは+1.7→+5.6と両方伸びて条件を厚くした | |
エレクトロニクス商社 ▾値動きの大きい順に5 / 22銘柄・前日比 レスター -3.56%トーメンデバイス -3.45%キヤノンマーケティングジャパン +2.08%丸文 -2.00%ダイワボウHLDG +1.84% | 19 | ○走り出し | ― | 25日累積は+1.9→+2.1とプラスのままだが、○は「0を上抜けた日」だけに付く印なので1日で外れる。当日は-1.02ptで勢いも-6.0のまま | |
ITコンサル ▾値動きの大きい順に5 / 13銘柄・前日比 ベイカレント +4.82%シンプレクス・HLDG +4.61%インソース +3.01%マネジメントソリューションズ +2.73%リンクアンドモチベーション +2.63% | 118 | ― | ⛔戻り(新規) | 25日累積が+4.1→+5.7と+5ptを超えた。当日+1.43pt・構成13銘柄すべてが上げ | |
冠婚葬祭 ▾構成5銘柄・前日比 IBJ +4.24%燦HLDG +3.52%鎌倉新書 +3.04%アイ・ケイ・ケイHLDG +0.91%テイクアンドギヴ・ニーズ +0.13% | 117 | ― | ⛔戻り(新規) | 25日累積が+4.4→+5.9。当日+1.63pt・5銘柄すべてが上げ | |
M&A仲介 ▾値動きの大きい順に5 / 6銘柄・前日比 クオンツ総研HLDG +7.43%日本M&AセンターHLDG +2.64%M&Aキャピタルパートナーズ +1.62%ストライクグループ +1.58%ドリームインキュベータ +0.94% | 111 | ― | ⛔戻り(新規) | 25日累積が+3.3→+5.7。当日+1.72pt・7銘柄すべてが上げ | |
ヘルスケアIT ▾値動きの大きい順に5 / 10銘柄・前日比 弁護士ドットコム +5.61%エス・エム・エス +3.48%エムスリー +3.46%メドレー +2.71%ファインデックス +2.58% | 121 | ⛔戻り | ⛔戻り | 25日累積+19.0で124群の最上位。当日+2.00pt・10銘柄すべてが上げ | |
SaaS・クラウド ▾値動きの大きい順に5 / 39銘柄・前日比 Sansan +7.60%ラクス +7.39%マネーフォワード +7.14%オプティム +6.90%Appier Group +6.69% | 124 | ⛔戻り | ⛔戻り | 25日累積+7.8。当日+2.20ptは124群で3番目、地力は124群でいちばん下 | |
人材サービス ▾値動きの大きい順に5 / 31銘柄・前日比 リクルートHLDG +6.35%ジェイエイシーリクルートメント +6.17%エスプール +5.32%パーソルHLDG +4.65%UTグループ +4.57% | 109 | ⛔戻り | ⛔戻り | 25日累積+6.5。当日+1.95pt、リクルートHD+6.35%が牽引 | |
ゲーム ▾値動きの大きい順に5 / 20銘柄・前日比 gumi -6.48%セガサミーHLDG +5.20%アカツキ +4.97%バンダイナムコHLDG +4.81%ソニーグループ +4.30% | 116 | ⛔戻り | ⛔戻り | 25日累積は+8.2→+6.4に縮んだが+5ptは維持。当日+1.72pt |
地銀は◎3日目です。当日は+0.55ptと大きくはありませんが、59銘柄のうち92%が上げ、25日累積は+8.3ptから+9.8pt、勢いは+1.7ptから+5.6ptへ伸びました。◎の条件(25日累積+5pt以上・勢いプラス)から見て、1日の下げで外れる位置ではありません。25日線の近くにいて売買代金の大きい順に並べると、千葉銀行・横浜FG・ふくおかFG・めぶきフィナンシャルグループ・いよぎんホールディングス・しずおかフィナンシャルグループです。
エレクトロニクス商社の○が1日で消えたのは、○が「25日累積が0を上抜けた日」にだけ付く印だからです。25日累積は+1.9ptから+2.1ptとプラスのままで、群が弱くなったわけではありません。ただし勢いは-6.0ptのままで、当日も-1.02ptと下げています。○は25日累積が0を上抜けただけの印で、10年の検証では◎より効きが小さく出ています。走り出しを確認してから乗るほうが成績は良い形でした。
増えた3群はどれも同じ形です。ITコンサルは25日累積が+4.1ptから+5.7pt、冠婚葬祭は+4.4ptから+5.9pt、M&A仲介は+3.3ptから+5.7ptと、今日の上げで+5ptを超えました。地力はそれぞれ118位・117位・111位で、1年で見ればTOPIXに負けてきた群です。⛔戻り7群の当日平均は+1.81ptで、124群の上位はほぼこの顔ぶれが占めています。10年で測ると、この形の群はその後10日で対TOPIX-0.23ptと、わずかに負ける側でした。空売りの根拠になるほどの差ではなく、買う場所として選ばないという使い方です。
継続組ではゲームだけが形を変えています。25日累積が+8.2ptから+6.4ptへ縮み、勢いも-9.6ptと7群でいちばん大きなマイナスで、+5ptを割れば⛔から外れます。逆にヘルスケアITは25日累積+19.0ptと124群で最も高く、勢いも-0.9ptから+5.5ptへ転じました。
③ 1年で強かった群ほど上がったか
124群を「1年の地力」の順に25群ずつ5段に分けると、当日の平均は地力が低い段ほど大きく、順番と逆に並びました。
「1年の地力」は、その群が過去1年(直近1か月を除く)にTOPIXをどれだけ上回ったかの順位です。今日のTOPIXは+0.74%で、上げた日にどの段へ資金が向かったかを見ます。
マイナスは1年で強かった上位25群の1段だけで、あとは下の段ほど大きいプラスです。いちばん弱かった24群は、24群すべてが当日プラスでした。中身はサイバーセキュリティ+2.73pt・エンタメ・IP+2.34pt・SaaS・クラウド+2.20pt・ヘルスケアIT+2.00pt・人材サービス+1.95pt・インターネットサービス・広告+1.76pt・ゲーム+1.72ptで、ソフトウェアと内需サービスが並びます。個別でも富士通+7.39%、Sansan+7.60%、マネーフォワード、NECが値上がり率の上位に入りました。AI投資の減速が意識された日に、AIの設備を作る側が売られ、AIを使う側のソフトウェアが買われた形です。
順番から外れた群は2つあります。AI・データは地力42位で中ほどの段ですが+1.65ptと下位の段と同じ動きで、ラクス+7.4%・マネーフォワード+7.1%とソフトウェア側の銘柄を多く含むためです。総合電機は地力16位で上位の段にいながら+1.62ptで、富士通とNECの上げが押し上げました。
地力の高い群を買いの本命にしていると、こういう日は成績が伸びません。地力上位25群の5日前からの変化は平均-4.66pt、下位24群は+3.21ptで、1日だけでなくこの1週間ずっと同じ向きです。ただし10年の検証で20営業日先まで見ると効いているのは地力上位のほうなので、数日の逆行で乗り換える形ではありません。地銀が地力3位にいながら当日プラスを保っているように、上位の中でも25日累積がプラス圏にある群を選ぶ、というのが今日の並びから読める使い方です。
明日、群で見るところ
地銀が◎4日目を保つ条件は、25日累積が+5pt以上で勢いがプラスのままであることです。今日の時点で+9.8pt・+5.6ptなので、どちらも余白があります。○が新しく付くとすれば、地力上位20%で25日累積が0を上抜ける群で、いま近いのはFPD・プリント基板の-2.1pt、電子部品の-2.1pt、電力インフラ・送配電の-0.5ptの3群です。いずれも勢いはプラスに転じています。
⛔戻りは7群のうちゲームが25日累積+6.4ptで+5ptにいちばん近く、割れば6群に戻ります。半導体製造装置・半導体材料・電子材料・半導体の3群は25日累積が-12.0〜-5.5ptで、◎の条件までまだ距離があります。16日から17日未明にかけての米FOMCと18日の日銀金融政策決定会合では、金利で評価が変わるソフトウェアと、今日売られた半導体まわりの両方が振れやすい場所です。1年で強かった群の25日累積が+5ptへ戻ってくる日が、この記事で次に◎が増える日になります。
▼検証条件
対象は東証プライムの構成銘柄をサブ業種に振り分けた141群のうち、構成銘柄が5以上の124群(等ウェイト)。「当日 対TOPIX」は群の平均騰落率からTOPIX騰落率を引いたpt。「25日累積」は対TOPIXの25営業日の累積pt、「勢い(15日変化)」はその15営業日前との差。「1年の地力」は過去250営業日の対TOPIX累積から直近25営業日分を除いたものの順位で、基準日は2026年9月4日(月1回更新)。「下げに弱さ」は直近120営業日のうちTOPIXが下げた日だけで測った感応度。◎=地力上位20%×25日累積+5pt以上×15日変化プラス、○=地力上位20%×25日累積が0を上抜け、⛔=地力下位40%×25日累積+5pt以上。10年(2016〜2026年)の検証では、◎の群は次の20営業日で対TOPIX+0.84pt、構成銘柄が20営業日以内に+8%へ届く確率は18.6%(全銘柄9.3%)、⛔は10営業日で-0.23pt。10年は上昇相場が長かったため、下落相場での成績は確認できていません。












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