日経2,134円安の正体|10年データで検証した過熱シグナルと4つの逆風
2026年8月19日、日経平均は2,134.31円安の65,326.42円(-3.16%)で引けました。前日の1,759円安と合わせ、2営業日で3,894円の下落です。多くの記事が「AI・半導体株安」として報じていますが、業種別の数字を並べるとその説明では足りません。この記事では、当日のデータと10年分・2,458営業日の過去データを使って、「本当は何が売られたのか」「過熱は原因だったのか」を検証します。
① 今回の下げは「12営業日で+11.9%上げた分の巻き戻し」でほぼ説明がつきます。上げ局面で買われた業種ほど売られており、33業種の相関は-0.64でした
② 売られたのは業種ではなくサイズです。時価総額TOP30が-3.94%、501位以下が-1.84%。指数を叩き落としたのは上位30銘柄でした
③ では過熱が原因かというと、騰落レシオは天井を当てられません。過去2年で大きく下げた9回のうち、レシオが過熱圏にあったのは6日で見ても25日で見ても1回だけです
④ 唯一機能したのがTOPIX25日線乖離4%超(10年で+5日勝率42%・全体58%)。ただし今回のピークは3.97%で、このシグナルは点灯していません
業種の強弱は、絶対の騰落率ではなくTOPIXに対してどれだけ勝ったか/負けたかを日々積み上げて見ています。指数全体が動いた分を差し引けるので、「地合いで下げたのか、その業種が売られたのか」を切り分けられます。考え方は用語集の対TOPIX相対騰落(累積)にまとめています。
「AI株安」では説明がつかない
重工・造船・防衛-7.01%は、半導体・AIの-5.21%より大きく下げています。
まず当日の実測を、テーマごとにまとめます。東証プライム1,459銘柄を業種でグループ分けし、それぞれの平均騰落率を出しました。
| グループ | 平均騰落率 | 主な銘柄 |
|---|---|---|
| 重工・造船・防衛 | -7.01% | 住友重機械工業-7.97%・IHI-7.18%・川崎重工業-6.45%・三菱重工業-6.25% |
| 半導体・AI | -5.21% | ソフトバンクグループ-10.34%・イビデン-5.56%・東京エレクトロン-3.05% |
| メガバンク・銀行 | -4.4%前後 | りそなHD-5.74%・みずほFG-4.96%・三井住友FG-4.81% |
| 総合商社 | -3.25% | 豊田通商-5.48%・住友商事-4.52%・双日-4.03% |
| 電力・ガス | -1.79% | 九州電力-2.01%・中部電力-1.84% |
| 鉄道・陸運 | -0.29% | 東日本旅客鉄道-1.53%・東海旅客鉄道+0.18% |
| 内需小売 | +0.30% | イオン+0.70%・ファーストリテイリング-0.09% |
| 食料品 | +0.24% | キッコーマン+1.36%・ニチレイ+0.49% |
| 医薬品 | +0.96% | エーザイ+1.21%・武田薬品工業+1.18%・アステラス製薬+1.15% |
重工・造船・防衛が半導体より大きく下げているのが分かります。この4グループ ── 半導体、銀行、商社、重工 ── に業種としての共通点はありません。金利で動く銀行と、AI設備投資で動く半導体を、同じ材料で説明することはできないはずです。
一方で、食料品・医薬品・内需小売といったディフェンシブはプラスで終えています。33業種の業種指数で上昇したのは医薬品+0.78%と海運業+0.23%の2つだけ(先ほどの表の医薬品+0.96%は主要銘柄の平均、こちらは業種指数です)。値上がり業種2/33は、記録を取り始めた86営業日で単独の最少でした(中央値は15業種)。売りは特定セクターではなく、広範囲に及んでいたことになります。
下げの正体は「12営業日で+11.9%上げた分の巻き戻し」
上げ局面で買われた業種ほど下げ局面で売られており、33業種の相関は-0.64でした。
直前の相場を確認します。日経平均は7月30日の61,867.43円から8月17日の69,220.25円まで、12営業日で+7,353円(+11.88%)上げていました。TOPIXは同期間で+5.86%ですから、日経のほうが2倍のペースです。大型・値がさ株が主導した上昇でした。
そこで、この上げ局面(7/31〜8/17)で各業種がどれだけ買われたかと、下げ局面(8/18〜8/19)でどれだけ売られたかを、対TOPIX相対の累積で突き合わせました。
図1:33業種を、上げ局面(7/31〜8/17)の対TOPIX相対累積が大きい順に上から並べたもの。左パネルが上げ局面、右パネルが下げ局面(8/18〜8/19)です。上で買われた業種ほど、右パネルではマイナス側(売られた側)に並んでいます。値ラベルは本文で触れた8業種と例外2業種のみ。出所:東証33業種の日次データから筆者作成。
相関 -0.64。これは業種レベルの関係としてはかなり強い部類です。個別に見ると構図がはっきりします。
| 業種 | 上げ局面 (7/31-8/17) | 下げ局面 (8/18-19) |
|---|---|---|
| 非鉄金属 | +25.82pt | -6.30pt |
| 電気機器 | +8.07pt | -3.55pt |
| 金属製品 | +3.85pt | -1.78pt |
| 機械 | +3.05pt | -2.54pt |
| 医薬品 | -7.80pt | +6.39pt |
| 倉庫・運輸関連業 | -9.92pt | +3.96pt |
| 陸運業 | -11.94pt | +4.01pt |
| 不動産業 | -13.18pt | +3.11pt |
上げ局面で最も買われた非鉄金属(+25.82pt)が下げ局面で最も売られ、最も売られていた不動産業(-13.18pt)が買い戻されています。教科書どおりの巻き戻しで、AIも金利も持ち出さずに説明がついてしまいます。
売られたのは「業種」ではなく「サイズ」だった
時価総額TOP30が-3.94%、501位以下が-1.84%。サイズに沿って一直線に並びました。
もうひとつ、当日のデータで目を引いたのがこれです。東証プライム1,459銘柄を時価総額順に4分割して騰落率を出すと、きれいな階段になります。
図2:東証プライム1,459銘柄を時価総額順に4分割し、各グループの時価総額加重騰落率を出したもの。出所:当日の全銘柄データから筆者作成。
ここで大事なのは、全銘柄の単純平均は-1.93%、中央値は-1.33%にすぎないという点です。TOPIXの-3.09%との差は1.2〜1.8ポイントあります。つまり「普通の銘柄」は1%台しか下げておらず、指数を押し下げたのは、もっぱら上位30銘柄だったことになります。
なぜサイズなのか。上げ局面で日経がTOPIXの2倍のペースで上げていたことを思い出してください。大型・値がさが上げを主導したのだから、巻き戻しでも大型が大きく下げる。サイズ効果は原因ではなく、巻き戻しの結果として現れたものと見るのが自然です。
実際、日経とTOPIXの比率であるNT倍率は7月30日の15.65から8月17日に16.54まで拡大し、8月19日時点で16.28です。拡大した分のうち、まだ29%しか戻っていません。
巻き戻しの引き金になった4つの逆風
上げ足・乖離・金利・中東・米半導体。どれも単独では説明しきれず、重なったことが本質です。
「上げすぎたから下げた」だけでは、なぜ8月18日だったのかが説明できません。当日の材料を並べると、4つ(+1つ)が同時に効いていました。
| 因子 | 当日の状態 | 評価 |
|---|---|---|
| ① 上げ足の速さ | 12営業日で+11.88%。上げ幅の53%を2日で吐き出した | 燃料として最大 |
| ② TOPIX25日乖離 | 8/14に+3.97%。4%目前まで来ていた | 後述の検証で最重要 |
| ③ 長期金利 | 日本10年債が8/12の2.840%から8/18に2.935%へ。米30年債は19年ぶりの5.3%台 | 上限を作った側 |
| ④ 中東 | 8/18に米イランの60日間交渉期限が失効 | 着火のひとつ |
| ⑤ 米半導体 | フィラデルフィア半導体指数が8/18に-4.98% | 直接の着火点 |
④は補足が要ります。6月の合意で設定された60日間の交渉期限が、まさに8月18日に失効しました。イラン側は「封鎖解除・凍結資産の解放・石油制裁の解除まで海峡は再開しない」と3条件を提示しています。ホルムズ海峡の原油通航量は紛争前の日量18〜20百万バレルから5〜10百万バレルへ半減し、ブレント原油は8月18日に90.78ドルと、8月に入って初めて90ドルを超えました。
注目したいのは、この材料の効き方が2日で反転したことです。8月18日は原油高を受けて鉱業+3.20%・石油石炭製品+2.13%と資源株が買われました。ところが8月19日は鉱業-1.31%・石油石炭製品-2.87%と、原油が上げ続けているのに資源株まで売られています。テーマ別の資源軸スプレッドも+0.94ptから-2.51ptへ反転しました。同じ原油高が、1日目は資源株買いの材料、2日目はコスト増と景気悪化の材料として効いたということです。
そして5因子には入っていない、6つ目の変化がありました。ドル円が159.65円から158.37円へ、1.2円以上の円高です。これについては後半で検証します。
【検証】騰落レシオは天井を当てられるのか
結論から言うと、当てられません。大きく下げた9回のうち、レシオが過熱圏にあったのは1回だけでした。
「騰落レシオが高かったから下げた」という説明はよく見かけます。実際、8月14日には6日騰落レシオが202.4まで上がっていました。ではこれは警報だったのか。過去2年484営業日で検証します。
まず6日騰落レシオの水準別に、その後5営業日のTOPIXを集計しました。同じ相場を何度も数えないよう、直近5営業日以内に同じ条件が出ていた場合は除外して、エピソード単位に間引いています。
| 6日騰落レシオ | 件数 | +5日 中央値 | +5日 勝率 |
|---|---|---|---|
| 200以上 | 9 | +1.95% | 100% |
| 180〜200 | 10 | -0.59% | 33% |
| 150〜180 | 26 | -0.14% | 46% |
| (全体) | 80 | +0.62% | 61% |
200超えの後は、むしろ上がっています。直感に反しますが、理由は単純です。6日騰落レシオが200を超えるような場面は、たいてい急落したあとの急反発局面だからです。天井ではなく底で出やすい数字なのです。
より決定的なのは、条件を逆向きにした検証です。「実際に大きく下げた日、騰落レシオはどうだったか」を調べました。今後5営業日で-5%以上下げた起点をすべて拾うと9回あります。
| 下落の起点 | 6日レシオ | 25日レシオ | その後5日 |
|---|---|---|---|
| 2024/09/02 | 113 | 126 | -6.4% |
| 2025/03/24 | 156 | 100 | -5.3% |
| 2025/04/01 | 77 | 108 | -7.3% |
| 2026/02/25 | 128 | 115 | -7.4% |
| 2026/05/13 | 123 | 97 | -5.5% |
| 2026/06/03 | 89 | 97 | -6.2% |
| 2026/06/25 | 96 | 97 | -5.0% |
| 2026/07/10 | 126 | 112 | -6.4% |
| 2026/07/21 | 123 | 116 | -5.8% |
9回のうち6日レシオが150を超えていたのは1回だけ。25日レシオが120を超えていたのも1回だけです。しかも4回は25日レシオが100以下、つまり「売られすぎ寄り」のところから下げ始めています。騰落レシオを警報として見張っていたら、大きな下げの大半を素通りしていたことになります。
【検証】唯一機能したのはTOPIX25日線乖離4%
10年2,458営業日で+5日勝率42%(全体58%)。ただし今回のピークは3.97%で、点灯していません。
過熱系の指標が軒並み外れるなか、ひとつだけ有意な結果が出ました。TOPIXの25日移動平均線からの乖離率です。10年分の終値から自前で計算して検証しました。
| 25日線乖離率 | 件数 | +5日 平均 | +5日 中央値 | +5日 勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 6%以上 | 11 | +0.03% | +0.25% | 64% |
| 5〜6% | 24 | +0.14% | +0.02% | 50% |
| 4〜5% | 46 | -0.32% | -0.27% | 41% |
| 4%以上(計) | 53 | -0.25% | -0.54% | 42% |
| 3〜4% | 86 | +0.08% | +0.06% | 52% |
| 0〜2% | 231 | +0.17% | +0.30% | 57% |
| -5%以下 | 18 | +0.44% | +1.60% | 61% |
| (全体) | 406 | +0.21% | +0.35% | 58% |
※件数はエピソード単位に間引いた後の値です。間引きは区分ごとに行っているため、各区分の件数を足し合わせても「4%以上(計)」や「(全体)」の件数とは一致しません。
4%以上の+5日勝率は42%で、全体の58%を16ポイント下回ります。二項検定のz = -2.43(p ≈ 0.015)で有意です。興味深いのは4〜5%が最も弱く、5%以上ではむしろ戻る点で、閾値としては4%付近がいちばん効いています。
ただし留保が2つあります。ひとつは期間依存です。
| 期間 | 件数 | +5日 中央値 | +5日 勝率 | z値 |
|---|---|---|---|---|
| 2016/08〜2021/08 | 23 | +0.35% | 52% | -0.57(有意でない) |
| 2021/08〜2026/08 | 30 | -0.58% | 33% | -2.50 |
前半5年では効いておらず、後半5年で強く効いています。相場付きが変わったのか、それとも偶然か、現時点では切り分けられません。採用するなら「直近5年の相場では効く」という限定つきにすべきです。
もうひとつは捕捉率の低さです。先ほどの大幅下落9回に対する捕捉率で見ても、わずか5%(1回未満相当)にすぎません。「4%を超えている局面で新規に買うのは分が悪い」は正しく、「4%超えを見張れば下落を察知できる」は誤りです。エントリー回避の材料にはなっても、警報としては穴だらけということになります。
【検証】円高は本当に株安材料か
日次の相関はわずか+0.12。そして155円超からの円高だけは、逆にプラスでした。
8月19日はドル円が159.65円から158.37円へ、1.2円以上の円高になりました。通常なら輸出企業に逆風で株安材料とされます。ただ「そもそも円安が行き過ぎていたのでは」という見方もできます。10年分のドル円とTOPIXで検証しました。
まず、日次のドル円変化率とTOPIX変化率の相関は+0.123。水準帯別に分けても0.09〜0.18で、150〜155円帯では-0.041です。「円安になれば株が上がる」という関係は、日次で見ると通説ほど強くありません。
次に、円高に振れた日のその後を見ます。
| 区分 | 件数 | +5日 中央値 | +5日 勝率 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 410 | +0.37% | 58% |
| 円高0.7%以上(全水準) | 122 | -0.18% | 45% |
| └ ドル円155円超から | 10 | +0.97% | 70% |
| └ ドル円155円未満から | 110 | -0.18% | 45% |
| 円安0.7%以上 | 132 | +0.74% | 65% |
通説どおり、円高は基本的に株安材料です(勝率45%)。ところが155円超という極端な円安圏からの円高だけは、勝率70%・中央値+0.97%とプラスでした。現在の158.37円は10年分布の95.4パーセンタイル、つまりほぼ最も円安の水準です。この位置からの円高は「正常化」として受け止められている可能性があります。
ただし該当は10件しかありません。ルールとして使える段階ではなく、「円高=機械的に逆風」と決めつけない材料として持っておく程度が妥当でしょう。むしろ問題は水準より速度で、2024年8月の暴落時はドル円が数週間で161円台から141〜145円へ10%以上動いていました。今回の円高は1日で-0.8%にすぎません。
見落とされがちな相殺 ── 円建て原油
円高が原油高を打ち消しており、円建てのブレント原油はほぼ横ばいです。
「原油高」と「円高」を別々の材料として並べると見落とすことがあります。日本は原油をほぼ全量輸入するので、企業のコストとして効くのはドル建てではなく円建ての価格です。
| 時点 | ブレント原油 | ドル円 | 円建て |
|---|---|---|---|
| 8/18 | $90.78 | 159.65 | 14,493円 |
| 8/19夜 | $91.41 | 158.37 | 14,477円 |
円建てでは-0.11%とほぼ横ばいです。ドル建てだけを見て「原油高が重荷」と判断すると、この相殺を見落とします。逆に言えば、円安に戻りながら原油が上がる展開こそが、日本株にとって最も厳しい組み合わせということになります。
現在地と、明日以降の分岐点
25日線・75日線を割りましたが、割れ幅は0.7%と1.1%。巻き戻しは3割しか進んでいません。
テクニカルの位置を確認します。
| 指標 | 水準 | 終値との差 |
|---|---|---|
| 5日線 | 67,805.96 | -3.66% |
| 25日線 | 65,785.59 | -0.70% |
| 75日線 | 66,062.03 | -1.11% |
| 200日線 | 58,076.03 | +12.48% |
25日線と75日線を同時に割ったのは、この一連の上昇局面で初めてです。ただし割れ幅は0.7%と1.1%にとどまり、7営業日前までは終値が両線を大きく上回っていました。「今日はじめて、しかも僅かに割った」という状態です。200日線までは12%以上の距離があります。
過熱の観点では、逆に条件は整いました。騰落レシオ25日は121.13から118.44へ下がって120の閾値を割り、日経の25日線乖離は+2.43%から-0.70%へ、TOPIXも+2.29%から-0.88%へ沈んでいます。7月末から積み上がった過熱は、この2営業日で完全に抜けました。
そのうえで、私が明日以降に見ているポイントは3つです。
- ① 巻き戻しは3割しか進んでいない
NT倍率は15.65→16.54まで拡大したうち、16.28と29%しか戻っていません。大型・値がさ側に巻き戻し余地が残っている可能性があります - ② 買い手が戻るか
当日は売買代金上位20銘柄がすべて下落し、買い主導率は0%でした。大型株に買い手が戻らない状態が続くかどうかが、反発の質を決めます - ③ 円建て原油
ドル建てではなく円建てで見ること。円安に戻りながら原油が上がる展開が、最も厳しい組み合わせです
なお、下落の起点を過去2年で調べたところ、大幅下落の41%は「25日線を割った状態」から始まっています。裏を返せば59%は25日線の上から下げ始めているということで、25日線を回復すること自体は下げが終わった証拠になりません。ここは慎重に見ておきたいところです。
🏆 この記事のまとめ
- 今回の下げは「12営業日で+11.9%上げた分の巻き戻し」でほぼ説明できる。上げ局面で買われた業種ほど売られており、33業種の相関は-0.64
- 「AI株安」では足りない。重工・造船・防衛-7.01%は半導体・AI-5.21%より大きく、業種ではなくサイズ(時価総額TOP30 -3.94%、501位以下 -1.84%)で売られた
- 引き金は4つ+1つ。上げ足・乖離3.97%・長期金利・中東(8/18に交渉期限が失効)・米半導体-4.98%。加えてドル円が1.2円の円高
- 騰落レシオは天井を当てられない。過去2年で大きく下げた9回のうち、レシオが過熱圏にあったのは6日で見ても25日で見ても1回だけ
- 唯一機能するのはTOPIX25日線乖離4%超(10年で+5日勝率42%・全体58%・z=-2.43)。ただし直近5年限定で、捕捉率は低い
- そして今回はピーク3.97%で、このシグナルは点灯していない。過熱由来ではなく、上げ足と外部材料が重なった下げと考えるのが妥当
検証データ:TOPIX・日経平均の終値2,458営業日(2016/08〜2026/08)、騰落レシオ484営業日(2024/08〜)、ドル円2,457営業日。すべて自前で集計し、集計は同一相場を重複して数えないようエピソード単位に間引いています。
8月に入ってからの急ピッチな戻りを見て、V字で高値を取りに行く展開にはならないだろうとは思っていました。ただ、25日線で支えられて再度高値を目指す形を想像していたので、25日線と75日線を同時に割ったのは行き過ぎに見えます。明日25日線を上抜けば、7月29日の60,448.90円を割らない「安値の切り上がり」として読める ── と考えたくなるのですが、上に書いたとおり大幅下落の59%は25日線の上から始まっています。25日線の回復は、下げが終わった証拠にはなりません。ここは急がずに見ます。
4つの逆風のうち、①上げ足と②乖離はこの2日で解消しました。③金利は上がり続けるとしても、市場は慣れていく性質のものだと思っています。読めないのは④中東で、8月18日に期限が失効した以上、短期で片づく話には見えません。ここだけは腰を据えて見ておくつもりです。
当日のマーケット全体の動きは日次レポートで取り上げています。






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