原油高で上がる株・下がる株はどれ?|33業種と154銘柄を10年ぶん測ったら、上は13業種で、電力は入っていませんでした

9月10日のニューヨークで、原油の先物が1日で6.7%上がりました。WTIの期近は1バレル102.48ドル。5月以来の100ドル台です[1]。 翌11日の東京は、日経平均が1.93%下げて64,011円で終わりました。

「原油が上がったから株が下がった」と読める1日でした。私も、そう読みました。

ただ、その読み方が10年通して正しいのかは、確かめたことがありませんでした。 そこで今回は、原油が動いた翌日に、日本株の何が上がって何が下がるのかを、東証33業種のすべてと、その中を事業の中身で割り直した34グループ、個別154銘柄について、10年ぶん測りました。

この記事でわかること
  • 原油高で上がる株原油安で上がる株を、同じ物差しで対にして出します(図3・表2)
  • 日経平均そのものは、原油と同じ方向に動いていました。ただし2026年は逆を向いています(図1)
  • 「化学」と「電気・ガス業」は、中を割ると上と下に分かれます。電力と都市ガスも割れました(図4)
  • 電力株は原油に反応していませんでした。制度で転嫁できるからです(図5)
  • 前の晩の原油高は、上がる側では寄り付きで織り込まれ、下がる側は寄ってから効きます。翌朝に追いかけて間に合うかはここで決まります(図6)

まず、何をどう測ったか

原油の値段が決まるのは、日本の取引時間が終わったあとです。ニューヨークの原油先物が引けるのは日本時間の朝3時半ごろで、東京が寄り付く9時より前。だから今回は「前の晩のニューヨークの原油の動き → 翌日の東京」という組み方で数えました。

測る中身は、「原油が1%上がった日の翌日、その業種が日経平均より何%多く上がったか」です。これを以下「感応度」と呼びます。日経平均を引くのは、その日の地合いのぶんを抜いて、原油だけの効き目を見るためです。

感応度が+0.17なら、原油が1%上がった翌日は日経平均より0.17%多く上がった、という意味になります。ただ、この数字だけ見ても大きいのか小さいのか分かりません。基準線を置きます。

材料よくある1日ぶんの動きいちばん強い業種 その1日ぶんで
日経平均より何%多く上がるか
原油(WTI)1.3%(1日の値幅の真ん中) 鉱業+0.23%
ドル円1円の円安(150円なら0.67%) 輸送用機器+0.35%
日本の長期金利0.02%(2bp) 銀行業+0.36%

※ドル円は円安回、長期金利は金利回で出した感応度を、その材料が1日で動くふつうの幅にかけ直したものです。 材料そのものの単位が違うので、こうして「1日ぶん」に揃えると比べられます。

原油は1日で1.3%動くのがふつうです(値幅の真ん中)。3%以上動く日は10年で471日、およそ6日に1日ありました。為替や金利にくらべると、原油そのものが荒い材料です。

図の水色の帯は「まぐれでもこのくらいは出る範囲」です。棒が帯の中なら、たまたまそう出ただけかもしれない。棒が帯をはみ出していれば、まぐれで出る確率が20回に1回(5%)を切っている、という意味です。

そもそも、原油が上がると株は下がるのか

「原油が上がると株が下がる」は、10年で見ると逆だった棒=前の晩にNYの原油が1%上がった日の翌日、日経平均そのものが何%動いたか※日経平均を引く前の、日経平均そのものの値動きです。帯からはみ出していれば「偶然では出にくい」まぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)-0.15-0.10-0.050.00+0.05+0.10原油1%につき、翌日の日経平均は何%動いたか左から、10年ぜんぶ/前半/後半/今年+0.0410年ぜんぶ2016年9月〜+0.07前半2016年9月〜2021年8月0.00後半2021年9月〜-0.092026年(170営業日)10年ぜんぶでは+0.045%。原油が上がった翌日は、日経平均も上がりやすい側でした。ところが2021年9月からの後半は+0.001%で、帯のまん中。関係そのものが消えています。2026年は−0.089%で帯の外。今年は「原油が上がった翌日は日経平均が下がる」側に回りました。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図1 前の晩に原油が1%上がった日の翌日、日経平均そのものが何%動いたか。左から10年ぜんぶ・前半・後半・今年の4本です。

10年ぜんぶでは+0.045%。原油が上がった翌日は、日経平均も上がりやすい側でした。大きく動いた日で見ると、原油が3%以上上げた翌日の日経平均は平均+0.36%(上がった日が62.0%)、3%以上下げた翌日は平均−0.28%です。向きは揃っています。

私はこれを「原油が景気の体温計だったから」と読んでいます。世界の景気が強い日は原油も株も買われ、弱い日はどちらも売られる。原油はコストであると同時に、景気の強さの表示でもありました。

ただし、前半(2016年9月〜2021年8月)は+0.071%だったのに、後半(2021年9月〜)は+0.001%です。関係そのものが消えています。そして2026年は−0.089%で、今年だけは帯の外に出ています。まぐれでこの差が出る確率は20回に1回を切る、ということです。今年に限れば、原油が上がった翌日は日経平均が下がる側に回りました。9月11日の1日は、今年の平均どおりの動きだったことになります。

ここが要点 同じ「原油高」でも、年によって指数への向きが変わる

原油が景気の表示として読まれる年は、株と同じ方向に動きます。原油がコストとして読まれる年は、逆を向きます。2026年は後者でした。これは金利回で見つけた「2026年は金利が上がると株が下がる年」と同じ形です。

33業種で測ると、上は13業種・下は7業種

原油で上がるのは資源と海運、下がるのは空運と食品棒=前の晩にNYの原油が1%上がった日の翌日、その業種が日経平均より何%多く上がったか(10年平均)※東証33業種を代表3社ずつ・98銘柄で集計。棒が帯からはみ出した業種だけ、日経平均と違う動きと言えますまぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)-0.10-0.050.00+0.05+0.10+0.15+0.20鉱業+0.17石油・石炭製品+0.16卸売業+0.08海運業+0.08鉄鋼+0.08非鉄金属+0.06その他金融業+0.03銀行業+0.03保険業+0.03証券・商品先物+0.03倉庫・運輸関連+0.03不動産業+0.02ガラス・土石製品+0.01機械+0.01電気機器+0.01輸送用機器+0.01化学+0.01ゴム製品0.00金属製品0.00小売業0.00精密機器-0.01パルプ・紙-0.01情報・通信業-0.01繊維製品-0.01電気・ガス業-0.01建設業-0.01サービス業-0.02陸運業-0.02その他製品-0.02食料品-0.02水産・農林-0.03医薬品-0.04空運業-0.05上に出た13業種の先頭は鉱業+0.17と石油・石炭製品+0.16。3番手の卸売業+0.08はその半分以下です。下に出たのは7業種。空運業−0.05を先頭に、燃料や原材料を買う側が並びます。3番手は卸売業=総合商社です。掘るわけでも運ぶわけでもないのに、原油と一緒に動いていました。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図2 東証33業種を代表3社ずつ・98銘柄で集計したもの。棒が帯からはみ出した業種だけ、日経平均と違う動きと言えます。

上にはみ出したのは13業種でした。先頭は鉱業+0.174石油・石炭製品+0.162で、3番手の卸売業+0.078はその半分以下です。掘る会社と精製する会社が、ほかと桁違いに反応しています。

そのあとに海運業+0.076、鉄鋼+0.076、非鉄金属+0.065が続き、その下は銀行・保険・証券といった金融が+0.03前後で並びます。金融が上に来るのは、原油高が「景気が強い」という表示として読まれていた時期の名残だと私は見ています。

下にはみ出したのは7業種。空運業−0.050を先頭に、医薬品−0.035、水産・農林−0.028、食料品−0.021、その他製品−0.021、陸運業−0.020、サービス業−0.017です。燃料や原材料を買う側と、値動きの静かな業種が並びました。

両端の顔ぶれは、中東の有事7回だけを取り出した「有事の原油高」で上がる業種は?の回と同じです。ただし物差しが違います。あちらは「有事が起きた7回」を数えた勝ち負けで、こちらは原油が動いた日ぜんぶ2,681日を連続した量として測っています。イベントでなくても、原油が動けば同じ顔ぶれが同じ向きに動いていた、というのが今回の中身です。

原油が3%動いた翌日、いくら動くのか

感応度は「1%あたり」なので実感が湧きにくい。原油が大きく動いた日だけを取り出して、翌日の平均を出します。

資源は上げた翌日も下げた翌日も動く。内需が動くのは、下げた翌日だけ棒=前の晩にNYの原油が3%以上動いた翌日、その業種が日経平均より何%多く上がったか(平均)※左が原油の急伸(221日)、右が原油の急落(250日)。左右で目盛りが違います。帯からはみ出せば「偶然では出にくい」まぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)原油が3%以上上げた翌日10年で221日ありました-0.50.0+0.5+1.0+0.83鉱業+0.72石油・石炭製品+0.63海運業+0.49鉄鋼+0.42卸売業+0.27非鉄金属+0.20保険業+0.14銀行業+0.11倉庫・運輸関連+0.11証券・商品先物+0.08その他金融業+0.05ガラス・土石製品-0.06不動産業-0.08その他製品-0.13サービス業-0.14医薬品-0.15食料品-0.20陸運業-0.22空運業-0.29水産・農林原油が3%以上下げた翌日10年で250日ありました-1.5-1.0-0.50.0+0.5-1.13-1.09-0.55-0.52-0.52-0.46-0.16-0.23-0.09-0.25-0.17-0.12-0.17+0.22+0.21+0.18+0.22+0.15+0.26+0.18鉱業は原油の急伸の翌日に+0.83%、急落の翌日に−1.13%。上と下がほぼ同じ大きさで返ってきます。空運業・食料品・その他製品・サービス業が帯の外に出るのは、原油が下げた翌日だけです。逆に上げた翌日だけ帯の外に出たのは水産・農林。3%以上動く日は10年で471日ありました。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図3 前の晩に原油が3%以上動いた翌日の平均。左が急伸221日、右が急落250日。左右で目盛りが違います。

鉱業は原油の急伸の翌日に+0.83%(上がった日が70.1%)、急落の翌日に−1.13%(上がった日が23.6%)。上と下がほぼ同じ大きさで返ってきます。石油・石炭製品も+0.72%/−1.09%でほぼ同じ形です。

逆側では、空運業が急伸の翌日−0.22%、急落の翌日+0.26%。食料品が−0.15%/+0.22%、その他製品が−0.08%/+0.22%。「原油高で上がる株」と「原油安で上がる株」は、同じ表の裏表でした。

ただし左右は完全な鏡ではありません。下がる側(空運・食料品・その他製品・サービス業)は、原油が下げた翌日だけ帯の外に出ます。この4つは上がった翌日には帯の中で、「原油高で内需株が売られる」とまでは言い切れませんでした。上げた翌日に帯の外へ出た内需側は、水産・農林(−0.29%)だけです。

鉱業の急伸翌日の勝率は70.1%。裏を返せば3回に1回は逆に動いています。そして外れた側の大きさは小さくありません。原油が3%以上下げた翌日の鉱業は平均−1.13%で、これは上げ側より大きい。買ってから原油が急落した場合、返ってくる幅は上と同じかそれ以上だと見ておくほうが安全です。

化学も電気・ガス業も、中を割ると上と下に分かれる

「化学」と「電気・ガス業」は、中を割ると上と下に分かれる棒=前の晩にNYの原油が1%上がった日の翌日、そのグループが日経平均より何%多く上がったか(10年平均)※左が東証33業種のまま。中と右は、同じ銘柄を事業の中身で割り直したものまぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)-0.04-0.020.00+0.02+0.04+0.0633業種のまま打ち消し合って帯の中+0.01化学-0.01電気・ガス業化学の中を割ると製品の値段も原油につれて動く側と、原料として買う側+0.05総合化学+0.03機能化学0.00タイヤ・ゴム-0.03塗料・インキ-0.03包装・容器電気・ガス業の中を割ると電気とガスで違う-0.02電力-0.03都市ガス化学は帯の中。中を割ると総合化学+0.047が上、塗料・インキと包装・容器が下でした。電気・ガス業も帯の中。ところが電力は−0.018で帯の中、都市ガスは−0.029で帯の外です。業種のままでは、上を向く集団と下を向く集団が同じ箱に入って消し合っていました。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図4 左は東証33業種のまま。中と右は、同じ銘柄を事業の中身で割り直したもの。

化学が業種のままだと帯の中(+0.006)なのは、「有事の原油高」で上がる業種は?の回でも同じでした。おもしろいのはその先です。中を割ると、総合化学+0.047機能化学+0.030が上、塗料・インキ−0.030包装・容器−0.034が下[3]。タイヤ・ゴムだけが−0.001でまん中に残ります。上を向く集団と下を向く集団が同じ箱に入って、打ち消し合っていました。

向きが分かれる理由は、原油が売値に乗るか、仕入れ値で止まるかの違いです。総合化学(三菱ケミカルG・三井化学・住友化学)はナフサを買ってエチレンなどを売る会社で、原料が上がれば製品の値段も上がります。塗料や食品容器は、上がった原料を仕入れて、自分の製品に転嫁するまでに時間がかかります。

同じことが、電気・ガス業でもっとはっきり出ます。まるごとでは−0.011で帯の中。ところが中を割ると電力は−0.018で帯の中都市ガスは−0.029で帯の外です。どちらも燃料を買う会社で、どちらも料金に転嫁する制度を持っているのに、向きが分かれました。

ここが要点 電力株が原油に反応しないのは、制度で転嫁できるから

電気料金には燃料費調整制度があり、原油・LNG・石炭の輸入価格(貿易統計)の3か月平均をもとに、その3〜5か月あとの料金に反映されます[2]。今日の原油が今日の収支を動かすわけではないので、日々の株価が原油に反応しないのは筋が通ります。

都市ガスにも同じ形の原料費調整制度があります。理屈のうえでは電力と同じく反応しないはずですが、実際は3社とも下向きで、とくに東邦ガス−0.050が強く出ました。なぜガスだけ下に出るのかは、今回の数字からは分かりません[4]

銘柄で見ると、いちばん逆を向くのは食品トレーの会社だった

いちばん動くのはINPEX、いちばん逆を向くのは食品トレーの会社だった棒=前の晩にNYの原油が1%上がった日の翌日、その銘柄が日経平均より何%多く上がったか(10年平均)※上から、掘る・精製する5社/関連する10社/タンカー3社/動かなかった8社/逆を向いた12社まぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)-0.10.0+0.1+0.2+0.3+0.4原油で上がる① 掘る・精製する会社1605 INPEX+0.291662 石油資源開発+0.245021 コスモエネルギーHD+0.195019 出光興産+0.165020 ENEOS HD+0.14原油で上がる② プラント・重工・商社・海運・資源1963 日揮HD+0.166366 千代田化工建設+0.135713 住友金属鉱山+0.117013 IHI+0.118002 丸紅+0.108031 三井物産+0.108058 三菱商事+0.097012 川崎重工業+0.099107 川崎汽船+0.099104 商船三井+0.08タンカー3社 前半は動かず、後半から連動しはじめた9130 共栄タンカー+0.069119 飯野海運+0.039115 明治海運+0.02原油では動かなかった会社5901 東洋製罐G HD+0.029983 ファーストリテイリング+0.019501 東京電力HD+0.016758 ソニーグループ0.003861 王子HD0.007203 トヨタ自動車-0.018035 東京エレクトロン-0.015108 ブリヂストン-0.01原油で下がる 容器・食品・空運・ガス・内需7947 エフピコ-0.082897 日清食品HD-0.069202 ANA HD-0.068113 ユニ・チャーム-0.062269 明治HD-0.054661 オリエンタルランド-0.054568 第一三共-0.059533 東邦ガス-0.057974 任天堂-0.054613 関西ペイント-0.059502 中部電力-0.049201 日本航空-0.04上げ側の先頭はINPEX+0.29と石油資源開発+0.24。原油が3%上がった翌日は+1.60%と+1.20%。下げ側の先頭はエフピコ−0.081。食品トレーの原料が石油系樹脂で、原油高が仕入れ値になります。東京電力HDは+0.006で帯のまん中。「燃料を買う会社は原油高で下がる」は電力に当てはまりません。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図5 個別154銘柄のうち、上位・下位と、名前が挙がりやすい銘柄を抜き出したもの。

上げ側の先頭はINPEX+0.286石油資源開発+0.243。原油が3%上がった翌日の平均は+1.60%と+1.20%です。そのあとにコスモエネルギーHD+0.191、出光興産+0.159、ENEOS HD+0.136と精製・元売が並びます。

意外だったのは4番手の日揮HD+0.164と、7番手の千代田化工建設+0.130です。掘る会社と精製する会社にはさまれて、プラント建設の2社が入ってきました。原油が上がると産油国の設備投資が増える、という筋で買われているのだと思います。同じ理由でIHI+0.106、川崎重工業+0.090も上に出ています。

下げ側の先頭はエフピコ−0.081でした。食品トレーの原料はナフサ由来のポリスチレンなどで、原油高がそのまま仕入れ値になります。実際、2026年4月30日にエフピコは中東情勢によるナフサ高騰を理由に、6月1日出荷分から全製品を20%以上値上げすると発表しました[5]。統計で出た−0.081は、この構造をそのまま映していたことになります。

そして東京電力HDは+0.006で帯のまん中。「燃料を買う会社は原油高で下がる」は、電力には当てはまりませんでした。ブリヂストン−0.012、王子HD+0.002も帯の中です。原料が石油だから下がる、とは限りません。

銘柄感応度前半後半原油が3%以上
上げた翌日
原油が3%以上
下げた翌日
原油で上がる① 掘る・精製する会社
1605 INPEX+0.286+0.248+0.352+1.60%−1.77%
1662 石油資源開発+0.243+0.220+0.284+1.20%−1.57%
5021 コスモエネルギーHD+0.191+0.192+0.191+0.94%−1.29%
5019 出光興産+0.159+0.140+0.191+0.71%−1.01%
5020 ENEOS HD+0.136+0.124+0.157+0.54%−0.97%
原油で上がる② プラント・重工・商社・海運・資源
1963 日揮HD+0.164+0.182+0.134+0.87%−0.97%
6366 千代田化工建設+0.130+0.137+0.118+0.48%−0.87%
5713 住友金属鉱山+0.114+0.111+0.118+0.49%−0.75%
7013 IHI+0.106+0.149+0.033+0.44%−0.86%
8002 丸紅+0.105+0.095+0.122+0.58%−0.60%
8031 三井物産+0.104+0.081+0.143+0.52%−0.71%
8058 三菱商事+0.091+0.073+0.122+0.47%−0.63%
7012 川崎重工業+0.090+0.096+0.081+0.37%−0.66%
9107 川崎汽船+0.086+0.073+0.109+0.75%−0.61%
9104 商船三井+0.079+0.072+0.091+0.64%−0.59%
タンカー3社
9130 共栄タンカー+0.062−0.018+0.197+0.38%−0.46%
9119 飯野海運+0.034+0.024+0.052+0.29%−0.28%
9115 明治海運+0.024−0.024+0.105+0.33%−0.37%
原油では動かなかった会社
5901 東洋製罐G HD+0.020+0.053−0.036−0.01%−0.04%
9983 ファーストリテイリング+0.009+0.003+0.021+0.16%−0.07%
9501 東京電力HD+0.006+0.002+0.014−0.01%−0.04%
6758 ソニーグループ+0.004−0.001+0.012+0.04%+0.03%
3861 王子HD+0.002−0.007+0.016−0.01%−0.01%
7203 トヨタ自動車−0.006+0.001−0.020−0.27%−0.11%
8035 東京エレクトロン−0.012−0.026+0.012+0.11%+0.05%
5108 ブリヂストン−0.012−0.013−0.011−0.10%+0.08%
原油で下がる会社
7947 エフピコ−0.081−0.092−0.063−0.52%+0.59%
2897 日清食品HD−0.057−0.067−0.042−0.52%+0.40%
9202 ANA HD−0.057−0.051−0.069−0.24%+0.33%
8113 ユニ・チャーム−0.056−0.049−0.069−0.33%+0.48%
2269 明治HD−0.054−0.069−0.029−0.44%+0.34%
4661 オリエンタルランド−0.051−0.066−0.026−0.35%+0.37%
4568 第一三共−0.051−0.052−0.047−0.24%+0.29%
9533 東邦ガス−0.050−0.080+0.002−0.34%+0.19%
7974 任天堂−0.049−0.062−0.027−0.32%+0.42%
4613 関西ペイント−0.048−0.024−0.089−0.26%+0.42%
9502 中部電力−0.043−0.056−0.021−0.30%+0.24%
9201 日本航空−0.043−0.029−0.067−0.20%+0.18%

※すべて私の集計。感応度は原油1%あたり、日経平均を引いた値。前半=2016年9月〜2021年8月、後半=2021年9月〜。灰色の行は帯の中(原油では動いていない)。

タンカーは、途中から原油株になった

表のなかでひとつだけ、時期で性格が変わった集団があります。タンカー3社です。

共栄タンカーは前半が−0.018、後半が+0.197。明治海運も−0.024から+0.105に変わりました。10年の平均(+0.062・+0.024)だけ見ると中くらいですが、前半はまったく原油と関係なく、後半になってから原油株になったというのが中身です。2026年に限ると、タンカー3社の感応度は+0.206まで上がっています。

大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)は前半+0.069→後半+0.090で、そこまで変わっていません。10年を通した感応度でいえば、大手3社(+0.076)のほうがタンカー3社(+0.040)より上です。有事の回で「有事に強いのはタンカーのほうだった」と書いたのと逆に見えますが、測っているものが違います。あちらは有事が起きたあと買われた状態が続くか、こちらは原油が動いた日にその日どれだけ動くかです。新しいのは、タンカーが最初から原油株だったわけではないという点です。

じゃあ、買えるのか

原油が上がったことは、前の晩のうちに分かっています。だとすれば、その情報で翌日に間に合うのかが問題になります。前日の終値から翌日の始値までの「寄り付きの窓」と、翌日の始値から終値までの「寄ってからの半日」に分けて測りました。

上がる側は寄り付きで終わり、下がる側は寄ってからじわじわ効く棒=前の晩に原油が1%上がったあと、翌日にそのグループが日経平均より何%多く上がったか(10年平均)※左が前日の終値から翌日の始値までの窓。右が翌日の始値から終値までの、寄ってからの半日まぐれでもこのくらいは出る範囲(帯をはみ出したら「偶然では出にくい」)-0.050.00+0.05+0.10+0.15+0.20+0.25寄り付きの窓前日の終値 → 翌日の始値+0.17資源開発+0.17石油元売+0.06プラントエンジ+0.06総合商社+0.05海運大手-0.01食品メーカー+0.01空運・空港寄ってから引けまで翌日の始値 → 翌日の終値0.00資源開発-0.01石油元売+0.03プラントエンジ+0.02総合商社+0.02海運大手-0.04食品メーカー-0.04空運・空港資源開発は左が+0.175、右は0.00。前の晩の原油高は、寄り付いた時点でぜんぶ値段に入っています。空運・空港は逆で、左は帯の中、右が−0.041。寄り付きでは動かず、ザラ場で置いていかれる形でした。プラント・エンジ、総合商社、海運大手は左右とも帯の外。日中に続きが残るのはこの3つだけです。出典:Yahoo!ファイナンスの日足終値(WTI原油先物・日経平均・個別株)より私が集計。2016年9月〜2026年9月・2,681営業日
図6 同じ感応度を、寄り付きの窓と、寄ってから引けまでに分けたもの。

資源開発は寄り付きの窓が+0.175、寄ってから引けまでが0.00です。前の晩の原油高は、寄り付いた時点でぜんぶ値段に入っていました。石油元売も同じ形(+0.168/−0.006)です。円安回で見た「前日までの為替は翌日にほとんど残らない」と同じ話で、いちばん素直な資源株ほど、朝には終わっています。

面白いのは下がる側で、こちらは逆でした。空運・空港は寄り付きの窓が+0.009で帯の中、寄ってから引けまでが−0.041寄り付きでは動かず、ザラ場を通じて置いていかれる形です。食品メーカーは−0.011/−0.036で、寄り付きの時点からすでに少し負けていて、そこからさらに日中に負けます。原油高そのものを織り込む売りというより、その日に資源株へ資金が回るぶん、相対的に負けていくのだと思います。

上げ側で日中にも続きが残るのは、プラント・エンジ(+0.059/+0.032)、総合商社(+0.056/+0.023)、海運大手(+0.052/+0.024)の3つだけでした。原油の値段がそのまま売値になる会社ほど朝で終わり、「原油高が続けば仕事が増える」という読みが要る会社ほど、日中に買われ続けています。

図6で測っているのは、前の晩の1日ぶんの動きが、翌日1日にどう出るかだけです。「上がる側は朝で終わる」は、その日の原油高を翌朝のニュースで見てから追いかけても遅い、という意味であって、原油高の局面で資源株が上がらないという意味ではありません。原油が何日も上がり続ける局面では、この寄り付きの窓が毎日積み上がっていくので、数日分の値幅はこの図には出てきません。中東の有事7回を追った有事の回では、鉱業は1週間後まで買われ続け、1か月後の成績はその1か月の原油の動きに沿っていました。原油高が続くかどうかは、この記事の物差しでは測れません。

2026年は、実際どうだったか

ここまでは10年の平均です。原油が56ドルから100ドルまで上がった今年に、平均どおりのことが起きたかを見ておきます。

2026年のWTIは、1月7日の55.99ドルが安値でした。3月5日に81ドル、翌6日に90ドルへ跳ね、3月30日に100ドル台、4月7日に112.95ドルが高値。そこから6月30日の69.50ドルまで落ち、また上げて9月11日に100.05ドルです。年初来では+74.2%、同じ期間の日経平均は+27.2%でした。

3月の急騰は中東の有事が引き金でした。この局面だけを60営業日ぶん追ったのが有事の原油高の回なので、ここでは重ねず、6月末からの上げのほうを見ます。

6月30日から9月11日までで、WTIは+44.0%。そのあいだに日経平均そのものは−8.6%です。図1の「2026年は逆」がそのまま出ました。

この期間に日経平均より多く上がったのは、海運大手+45.7%、資源開発+37.1%、タンカー+35.0%、石油元売+34.4%の順で、運ぶ船と掘る会社が並んでいます(いずれも各グループの単純平均から、同じ期間の日経平均の騰落率を引いたもの)。10年の平均で上位だった顔ぶれが、そのまま上位に来ました。

ただし、これは1つの局面です。10年の平均が教えてくれるのは顔ぶれまでで、次の局面でも同じ順に並ぶとは限りません。

この結果、実践にどう活かす?

1
その日の原油高は、翌朝にはもう値段に入っている
前の晩の原油高を朝のニュースで見てから資源株を買っても、その日のぶんは寄り付きで終わっています。日中にも続きが残るのはプラント・商社・海運だけでした。狙うなら、原油高が何日も続く局面で、上がっている途中を数日単位で取る形になります。
2
「原油安で上がる株」のほうが、合図としては素直
下がる側(空運・食料品・容器)が帯の外に出るのは、原油が下げた翌日です。しかもこちらは寄り付きでは動かず日中に効くので、朝からでも間に合います。ただし幅は+0.2%前後で、上げ側の資源株ほど大きくはありません。
3
業種の当てと、指数の当てを分ける
2026年は日経平均そのものが原油と逆を向いています。「原油が上がったから資源株を買う」は今年も効いていますが、「原油が上がったから相場が強い」は今年は逆でした。同じ材料でも、個別に賭けるのと指数に賭けるのでは向きが違います。
私の場合は

原油が上がった朝に資源株を追いかけることはしません。まず原油高の原因を確かめて、長引きそうなら押し目を待って入ることもあります。ただ、原油高が長く続くとは思っていないので、あまり引っ張らず、上がっている途中で数日のうちに手じまうことのほうが多いです。

まとめ

  • 原油で上がるのは13業種。鉱業+0.174と石油・石炭製品+0.162が抜けていて、海運・鉄鋼・非鉄・商社が続きます。
  • 原油で下がるのは7業種。空運業−0.050が先頭で、医薬品・水産農林・食料品が続きます。ただし帯の外に出るのは原油が下げた翌日です。
  • 化学と電気・ガス業は、中を割ると割れます。総合化学が上、塗料・容器が下。電力は反応せず、都市ガスだけ下に出ます。
  • その日の原油高を翌朝に追いかけても遅い。上がる側は寄り付きで織り込まれ、下がる側はザラ場で効きます。原油高が何日も続く局面の値幅は、この物差しの外です。
  • 2026年は日経平均そのものが逆を向いています。業種の話と指数の話は分けて考えるほうが安全です。

よくある質問

Q. 原油高で上がる株は?

10年で測ると、鉱業(INPEX・石油資源開発)と石油・石炭製品(コスモエネルギーHD・出光興産・ENEOS HD)が抜けています。次いで総合商社、海運、鉄鋼、非鉄金属。意外なところではプラント建設の日揮HD・千代田化工建設が上位に入ります。原油が3%以上上がった翌日、鉱業は日経平均より平均0.83%多く上がりました。

Q. 原油安で上がる株は?

原油が3%以上下げた翌日にいちばん上がったのは空運業(日経平均より+0.26%)で、その他製品+0.22%、食料品+0.22%、サービス業+0.21%、水産・農林+0.18%、医薬品+0.18%と続きます。銘柄ではエフピコ+0.59%、ユニ・チャーム+0.48%、日清食品HD+0.40%、明治HD+0.34%、ANA HD+0.33%の順です。

Q. 原油価格が上がると株はなぜ下がるのですか?

10年の平均で見ると、日経平均は原油と同じ方向に動いていました(原油1%につき+0.045%)。ただし2021年9月以降はその関係が消え、2026年は−0.089%と逆を向いています。原油が「景気の強さの表示」として読まれる年は株と同じ方向に、「コストと物価の圧力」として読まれる年は逆方向に動く、というのが私の読み方です。今年は後者です。

Q. 原油と日経平均の相関は?

今回は相関係数ではなく感応度(原油1%あたり日経平均が何%動くか)で出しています。10年で+0.045%、前半+0.071%、後半+0.001%、2026年−0.089%です。10年を通した関係はあるものの弱く、時期によって符号まで変わるので、「相関がある/ない」と一言で言える材料ではありません。

Q. 電力会社の株は、原油が上がると下がりますか?

下がっていません。電力3社の感応度は−0.018で帯の中、東京電力HDに至っては+0.006です。電気料金には燃料費調整制度があり、輸入価格の3か月平均が3〜5か月あとの料金に反映されるため、今日の原油が今日の収支を動かすわけではないからだと考えられます。ただし都市ガスは−0.029で帯の外に出ており、同じ制度がありながら向きが分かれています。

Q. 海運株は原油が上がると上がりますか、下がりますか?

上がる側です。海運業は+0.076で、原油が3%以上上げた翌日は日経平均より平均0.63%多く上がりました。燃料を買う側なのに上がるのは、原油が動く局面が同時に「船の需要が動く局面」だからだと見ています。とくにタンカー3社は2021年9月以降に原油との連動が強まり、2026年の感応度は+0.206です。

Q. 原油関連銘柄は、どれを見ておけばいいですか?

値動きが原油にいちばん素直なのはINPEX(1605)と石油資源開発(1662)です。この2つを原油の代わりの表示として見ておくと、その日の相場が原油をどう読んでいるかが分かります。逆側の代表はエフピコ(7947)と日清食品HD(2897)、ANA HD(9202)です。

33業種とサブ業種の全成績

参照用に、測った全グループの数字を置いておきます。四半期に一度、数字を入れ替えます。

業種感応度
原油1%あたり
前半
〜2021年8月
後半
2021年9月〜
原油が3%以上
上げた翌日
原油が3%以上
下げた翌日
原油で上がる側 帯の外に出た13業種
鉱業+0.174+0.146+0.224+0.83%−1.13%
石油・石炭製品+0.162+0.151+0.179+0.72%−1.09%
卸売業+0.078+0.061+0.106+0.42%−0.52%
海運業+0.076+0.069+0.090+0.63%−0.55%
鉄鋼+0.076+0.091+0.052+0.49%−0.52%
非鉄金属+0.065+0.067+0.062+0.27%−0.46%
その他金融業+0.033+0.046+0.009+0.08%−0.17%
銀行業+0.031+0.031+0.030+0.14%−0.23%
保険業+0.026+0.016+0.044+0.20%−0.16%
証券・商品先物+0.026+0.033+0.013+0.11%−0.25%
倉庫・運輸関連+0.025+0.029+0.018+0.11%−0.09%
不動産業+0.020+0.029+0.004−0.06%−0.17%
ガラス・土石製品+0.015+0.031−0.013+0.05%−0.12%
帯の中(原油では動かない) 13業種
機械+0.011+0.023−0.011+0.04%−0.07%
電気機器+0.009+0.003+0.020+0.13%−0.04%
輸送用機器+0.008+0.017−0.007−0.10%−0.19%
化学+0.006+0.006+0.006+0.01%−0.10%
ゴム製品−0.001+0.020−0.038−0.01%+0.01%
金属製品−0.004+0.007−0.024+0.03%+0.04%
小売業−0.004−0.012+0.009+0.02%+0.03%
精密機器−0.006−0.019+0.0160.00%+0.08%
パルプ・紙−0.006−0.020+0.017−0.05%+0.03%
情報・通信業−0.008−0.004−0.015−0.05%+0.11%
繊維製品−0.011−0.002−0.026−0.16%+0.13%
電気・ガス業−0.011−0.027+0.015−0.12%+0.06%
建設業−0.012−0.011−0.013−0.16%+0.10%
原油で下がる側 帯の外に出た7業種
サービス業−0.017−0.025−0.005−0.13%+0.21%
陸運業−0.020−0.026−0.009−0.20%+0.15%
その他製品−0.021−0.029−0.006−0.08%+0.22%
食料品−0.021−0.028−0.010−0.15%+0.22%
水産・農林−0.028−0.036−0.014−0.29%+0.18%
医薬品−0.035−0.043−0.022−0.14%+0.18%
空運業−0.050−0.040−0.068−0.22%+0.26%

※すべて私の集計。感応度は原油1%あたり、日経平均を引いた値。灰色の行は帯の中(原油では動いていない)。

グループ感応度前半後半原油が3%以上
上げた翌日
原油が3%以上
下げた翌日
資源開発+0.174+0.146+0.224+0.83%−1.13%
石油元売+0.162+0.151+0.179+0.72%−1.09%
プラント・エンジ+0.090+0.099+0.076+0.34%−0.51%
重工・造船+0.087+0.099+0.067+0.38%−0.69%
非鉄・製錬+0.083+0.082+0.085+0.32%−0.58%
総合商社+0.079+0.066+0.100+0.42%−0.50%
海運大手+0.076+0.069+0.090+0.63%−0.55%
高炉・鉄鋼+0.076+0.091+0.052+0.49%−0.52%
燃料商社+0.060+0.043+0.090+0.28%−0.41%
建設機械+0.056+0.074+0.026+0.24%−0.42%
電炉・特殊鋼+0.054+0.047+0.065+0.26%−0.40%
総合化学+0.047+0.053+0.035+0.27%−0.31%
タンカー+0.040−0.006+0.118+0.33%−0.37%
メガバンク+0.031+0.031+0.030+0.14%−0.23%
機能化学+0.030+0.030+0.029+0.20%−0.23%
産業ガス+0.021+0.036−0.003+0.28%−0.26%
完成車+0.017+0.031−0.008−0.03%−0.24%
ホテル・旅行+0.016+0.020+0.010+0.12%−0.08%
繊維・合繊+0.001+0.011−0.016−0.10%+0.01%
タイヤ・ゴム−0.001+0.020−0.038−0.01%+0.01%
百貨店−0.002+0.013−0.027−0.01%+0.06%
再エネ・新電力−0.005−0.037+0.050+0.11%+0.15%
紙・パルプ−0.006−0.020+0.017−0.05%+0.03%
陸運・物流−0.012−0.017−0.004−0.11%+0.21%
半導体製造装置−0.013−0.020−0.001+0.11%+0.05%
電力−0.018−0.029+0.001−0.19%+0.09%
食品スーパー−0.022−0.027−0.013−0.16%+0.21%
鉄道−0.024−0.036−0.003−0.24%+0.11%
水産−0.027−0.031−0.020−0.30%+0.18%
都市ガス−0.029−0.056+0.015−0.17%+0.18%
塗料・インキ−0.030−0.016−0.054−0.17%+0.26%
空運・空港−0.033−0.028−0.042−0.15%+0.15%
包装・容器−0.034−0.025−0.048−0.28%+0.27%
食品メーカー−0.047−0.059−0.028−0.37%+0.35%

※33業種を事業の中身で割り直した34グループ。銘柄の重複があります(たとえば資源開発と鉱業は同じ3社)。灰色の行は帯の中。

▼検証条件
期間=2016年9月7日〜2026年9月11日の2,681営業日。原油=WTI原油先物の期近(Yahoo!ファイナンスの日足終値、ニューヨークの日付)。
組み方=東京のある営業日に対し、その直前のニューヨークの取引日の終値変化率を材料とした(ニューヨークの引けは日本時間の翌朝3時半ごろで、東京の寄り付きより前)。
感応度=「その銘柄・グループの騰落率 − 日経平均の騰落率」を、原油の変化率に回帰した傾き。帯は±2標準誤差。
除外=2020年4月21日・22日の2日(前日のWTI期近がマイナス価格をつけ、変化率が−306%・−127%になるため)。
33業種=各業種の代表3社(空運は2社)・計98銘柄の単純平均。サブ業種34群=同じ銘柄を事業の中身で割り直した単純平均。個別=154銘柄。
前半=2016年9月〜2021年8月、後半=2021年9月〜2026年9月。2026年=170営業日。
寄り付きの窓=前日終値→当日始値、寄ってから引けまで=当日始値→当日終値。いずれも日経平均の同じ区間を引いている。
判定=まぐれでその差が出る確率が20回に1回(5%)を切るかどうか。図では帯の外かどうかで見ています。
  1. WTI・ブレントとも9月10日に1バレル100ドルを突破(ロイター「原油先物6%高、北海ブレント・WTIとも100ドル突破」2026年9月11日、日本経済新聞「NY原油100ドル超、3カ月半ぶり」2026年9月10日、朝日新聞2026年9月11日)。本文のWTI102.48ドル・ブレント107.63ドルはYahoo!ファイナンスの9月10日終値。9月11日終値はWTI100.05ドル・ブレント104.61ドル。
  2. 燃料費調整制度=原油・LNG・石炭の貿易統計価格の3か月平均をもとに平均燃料価格を算定し、その3〜5か月あとの電気料金に反映する仕組み(資源エネルギー庁「燃料費調整制度について」、四国電力「燃料費調整制度・単価表」、東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」)。都市ガスにも同じ形の原料費調整制度があります。
  3. 同じ「総合化学」でも、中東の有事7回だけを取り出した#08では翌日−0.1%・3勝4敗で帯の中でした。今回は+0.047で帯の外です。食い違いではなく、数える対象が違います。あちらは有事という特別な7日、こちらは原油が動いた日ぜんぶ2,681日。総合化学は「有事のときに買われる」のではなく「原油が動く日に一緒に動く」側だった、というのが両方を並べたときの読み方です。
  4. ガスは、中東の有事7回だけを取り出した#08では逆に買われる側でした(1週間後+2.0%・6勝1敗)。有事は相場全体が下げる局面なので、電気・ガス・食品のような守りの株に資金が向かいます。ここで測っているのは原油が動いた日ぜんぶなので、そのぶんが乗っていません。同じ会社でも、相場が崩れる日と、原油だけが動く日とで向きが変わる、ということだと思います。
  5. エフピコ「価格改定のお知らせ」および報道(日本経済新聞・ロイター、いずれも2026年4月30日)。中東情勢の緊迫によるナフサ価格上昇を理由に、2026年6月1日出荷分から全製品を20%以上値上げ。同時期に食品トレー主要各社が同様の値上げを発表しています。
  6. ANAホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算」(2026年7月29日)は、営業費用について「燃油市況の上昇や円安により、燃油費を中心に増加」としています。航空2社は燃油のヘッジ取引も行っているため、原油高がそのまま業績に出るわけではありません。
  7. 2020年4月20日にWTI期近は−37.63ドルで引け、史上初のマイナス価格となりました。翌21日・22日の変化率は計算上−306%・−127%となるため、今回はこの2日を除いています。残した場合、10年の感応度は全体に小さく出ます(例=鉱業+0.174→+0.027)。
  8. 業種の代表3社は33業種マップと同じ考え方で、時価総額と売買代金の大きい銘柄から選んでいます。業種の全銘柄を使った集計ではないので、業種指数そのものとは一致しません。
  9. 半導体製造装置は−0.013で帯の中でした。この群が何で動いているかはSOX指数と日本の半導体株の回で扱っています。

※本記事は過去のデータを集計した記録であり、将来の値動きを保証するものではありません。個別銘柄の売買を推奨するものでもありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。数字はすべて記事公開時点のもので、四半期に一度更新します。

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