今週の日本株|2026年5月11日〜15日の市場資金フロー|週半ばに史上最高値も木金で大幅反落、ジェットコースター展開
今週の日本株は、月〜水で順調に上値を伸ばし、水曜には日経平均が63,271円の史上最高値を更新しました。しかし木曜にフジクラが-19.10%S安級の急落となったのを引き金に相場全体が大きく崩れ、金曜は日経-1.99%でフィナーレ。週合計では日経-2.08%と反落しました。
セクター別では金融(保険業・銀行業)と商社、エネルギー(石油・石炭製品)が買戻し主導で堅調。一方、非鉄金属・機械・不動産・建設は週後半の崩れで大幅マイナスとなり、ハイテク主役から金融バリュー主役への交代が進む途中の1週間でした。
② トムソン +46.34%
③ PALTAC +42.33%
② JUKI -27.77%
③ TOWA -23.70%
- 週の流れ:月火水で順調に上値を伸ばし水曜に日経63,271円の史上最高値、しかし木曜のフジクラ-19%急落で崩れて金曜も大幅安。週合計-2.08%とジェットコースターな1週間
- 勝ち組セクター:保険業/卸売業/石油・石炭製品の3強。米10年金利4.5%超え+円安158円台+WTI100ドル維持を背景に、金融×商社×エネルギーへの循環ローテーション
- 来週の焦点:SOX-4.02%急落の影響を受ける月曜の半導体株の動きと、フジクラの底入れ確認。5/21(木)22:45の米PMI速報も波乱要因に
週間マーケットサマリー
今週(5/11-15)の主要指標の動きを整理します。日経平均は週初62,417円スタートから水曜に63,271円の史上最高値をつけたあと、木金で大きく反落し週末は61,409円。TOPIXは小幅プラスを維持しましたが、グロース250は-3.93%と中小型の調整が顕著でした。
| 指標 | 週初値 (5/8終値) | 週末値 (5/15終値) | 週間変化 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 62,713.60 | 61,409.07 | -2.08% | 水曜63,271円で史上最高値、木金で-3,000円超の反落 |
| TOPIX | 3,829.48 | 3,863.97 | +0.90% | 金融・商社主導でTOPIX優位のNT倍率縮小型 |
| グロース250 | 828.35 | 795.84 | -3.93% | 中小型グロースは大幅調整、信用評価損益率悪化 |
| ドル円 | 156.79円 | 158.42円 | +1.04円 | 米10年金利上昇で円安継続、輸出株支援 |
| 米10年金利 | 4.382% | 4.544% | +0.16pt | 4.5%超え定着で金融セクター追風 |
| VIX | 17.07 | 18.66 | +1.59pt | 15-25レンジ内、5/15引け後は18.42で平静 |
業種別週間資金フロー概況
📘 用語解説:週間累積対TOPIX相対騰落とは(クリックで展開)
今週の業種別資金フローを見ると、勝ち組首位は保険業(+6.91pt)。米10年金利4.5%超えの追風で利ザヤ拡大期待が広がり、東京海上やMS&ADなど大手保険株が買戻し継続となりました。続く卸売業(+6.02pt)は商社主導で、円安進行+資源動意を受けて三菱商事・三井物産が堅調。石油・石炭製品(+5.31pt)もWTI原油100ドル維持で収益期待が広がり、ENEOSや出光が買われています。
4位の輸送用機器(+4.39pt)はドル円158円台継続で輸出株戻り、特にトヨタ(+2.56%)が週通じて底堅く推移しました。5位のガラス・土石製品(+3.52pt)では住友大阪セメント+23%が象徴的で、出遅れバリュー物色の流れが見えています。
一方、負け組筆頭は機械(-6.20pt)。SMC-18.08%・ディスコ等のFA決算失望が直撃した形で、半導体製造装置にも逆風が広がりました。不動産業(-6.00pt)は金利上昇懸念で全面安。非鉄金属(-5.88pt)はフジクラ-19.10%S安級が引き金で、JX金属-22.91%も連れ安と、週後半相場崩落の中心地となっています。その他製品(-5.61pt)は任天堂など玩具系の利確売り、建設業(-5.02pt)は住設・中堅で個別決算ショックという内容でした。
金融×商社×エネルギーが買われ、機械×不動産×非鉄金属が売られたという構図は、米10年金利上昇+円安+WTI高というマクロ環境の3点セットを素直に反映した循環ローテーションと読めます。ハイテク(テクノロジーテーマ)から金融バリュー+エネルギーへの主役交代の途上にある、というのが私の見立てです。
業種別 週間累積ランキング
📘 用語解説:週間累積対TOPIX相対騰落とは(クリックで展開)
業種別の週間累積相対騰落を勝ち組TOP5・負け組TOP5でまとめます。今週は金融×商社×エネルギーへの循環ローテーションが鮮明で、勝ち組5業種だけで累計+26.15pt、対する負け組5業種は累計-28.71ptと、上下の振れ幅が極めて大きい1週間でした。
🟢 勝ち組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積 相対騰落 | テーマ | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 保険業 | +6.91pt | 金融 | 金利上昇で買戻し継続、米10年4.5%超追風 |
| 2 | 卸売業 | +6.02pt | 商社 | 商社主導、円安+資源動意で堅調 |
| 3 | 石油・石炭製品 | +5.31pt | エネルギー | WTI100ドル維持で収益期待 |
| 4 | 輸送用機器 | +4.39pt | 製造業サイクル | 円安158円台で輸出株戻り |
| 5 | ガラス・土石製品 | +3.52pt | 素材・中間材 | 住友大阪セメント等、住設バリュー物色 |
🔴 負け組セクター TOP5
| 順位 | 業種 | 週間累積 相対騰落 | テーマ | 一言コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 機械 | -6.20pt | 製造業サイクル | SMC-18%・ディスコ等FA決算失望 |
| 2 | 不動産業 | -6.00pt | 不動産・建設 | 金利上昇懸念で全面安 |
| 3 | 非鉄金属 | -5.88pt | 素材 | フジクラ-19%S安級が直撃 |
| 4 | その他製品 | -5.61pt | テーマ外 | 任天堂・玩具系利確売り |
| 5 | 建設業 | -5.02pt | 不動産・建設 | 住設・中堅で個別決算ショック |
勝ち組TOP5の保険業+6.91pt/卸売業+6.02pt/石油石炭+5.31pt は、いずれも「金利上昇・円安・WTI高」というマクロ3点セットの恩恵を直接受けるセクターです。輸送用機器+4.39ptも円安158円台継続が支援。一方、負け組TOP5は機械-6.20pt/不動産-6.00pt/非鉄-5.88ptと、ハイテク・素材・金利敏感が直撃を受けた形。フジクラ-19%S安級が引き金となって、木曜以降の崩落が業種ベースでも刻まれました。
個別銘柄 週間ハイライト
📘 用語解説:週間騰落率の見方(クリックで展開)
📘 用語解説:過熱スコアとは(クリックで展開)
📈 週間値上がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4392 | FIG | +112.12% | 情報・通信業 | AI関連プラットフォーム好決算、低位+IPO買い |
| 2 | 6480 | 日本トムソン | +46.34% | 機械 | ベアリング受注回復観測、FA関連物色 |
| 3 | 8283 | PALTAC | +42.33% | 卸売業 | 化粧品日用品卸大手、決算上振れと増配 |
| 4 | 4980 | デクセリアルズ | +41.53% | 化学 | 導電性接着フィルム好決算、半導体材料テーマ |
| 5 | 6914 | オプテックスG | +39.02% | 電気機器 | センサ・FA機器中堅、決算サプライズ |
| 6 | 7637 | 白銅 | +33.91% | 卸売業 | ステンレス専門商社、メタル系個別物色 |
| 7 | 7366 | りたりこ | +29.94% | サービス業 | 障害者就労支援、新規上場後の業績期待 |
| 8 | 7537 | 丸文 | +29.27% | 卸売業 | 電子部品商社、AI/半導体テーマで再評価 |
| 9 | 5301 | 東海カーボン | +28.57% | ガラス・土石製品 | カーボンブラック、EV用負極材で再注目 |
| 10 | 5463 | 丸一管 | +27.95% | 鉄鋼 | ステンレス鋼管、DC・水素関連需要 |
📉 週間値下がり率 TOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 週間騰落率 | セクター | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2980 | SREHD | -32.60% | 不動産業 | AI不動産プラットフォーム、業績下方修正 |
| 2 | 6440 | JUKI | -27.77% | 機械 | 工業用ミシン、受注減で業績下方修正 |
| 3 | 6315 | TOWA | -23.70% | 機械 | 半導体組立装置、決算ガイダンス下振れ |
| 4 | 5016 | JX金属 | -22.91% | 非鉄金属 | 電線・銅、フジクラ連れ安と銅高一服 |
| 5 | 5727 | 邦チタ | -21.77% | 非鉄金属 | チタン、自動車向け軟化と原料高 |
| 6 | 6364 | AIRMAN | -21.42% | 機械 | コンプレッサー、設備投資減速懸念 |
| 7 | 3110 | 日東紡 | -21.38% | ガラス・土石製品 | ガラスファイバ、決算失望 |
| 8 | 8798 | Aクリエイト | -20.34% | 不動産業 | 不動産仲介、内需減速懸念 |
| 9 | 5142 | アキレス | -20.23% | 化学 | 化成品、原材料高と粗利悪化 |
| 10 | 4483 | JMDC | -20.12% | 情報・通信業 | 医療データプラットフォーム、下方修正 |
値上がり率TOP10はFIG(+112.12%)が筆頭で、AI関連プラットフォーム+低位+IPO買いの三拍子で週間倍以上の急騰となりました。次点のトムソン+46.34%、PALTAC+42.33%、デクセリ+41.53%、オプテックスG+39.02%は、いずれも決算サプライズ+テーマ性のあるFA・半導体材料・センサ関連の中堅銘柄。住友大阪セメント+23%、東海カーボン+28.57%といった出遅れバリュー素材も反発しました。
値下がり率TOP10は不動産2銘柄(SREHD-32.60%/Aクリエイト-20.34%)が下落率上位、機械・装置系が3社(JUKI、TOWA、AIRMAN)、決算失望と業績下方修正が直撃した銘柄が並びます。SMC-18.08%・JX金属-22.91%・日東紡-21.38%といった「中型〜大型の決算ショック」が今週の負の主役でした。
今週の主役銘柄
📘 用語解説:主役銘柄の抽出ロジック(クリックで展開)
今週は値上がり率TOP15だけでは見えない、「売買代金トップに居座った主力株」「連日値動きTOPに名を連ねた銘柄」を可視化するため、5日間の②銘柄注目リストを横断集計しました。値上がり率TOP20・値下がり率TOP20・売買代金TOP20のいずれかに2日以上登場した銘柄は計18銘柄。最も多かったのは「資金集中組(タイプC)」の13銘柄で、これが今週の物色の重心です。
🟢 主力値上がり組(1銘柄)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 登場パターン 月火水木金 | ストーリー |
|---|---|---|---|---|
| 5801 | 古河電工 | 非鉄金属 | ●▲▲●● | 電線大手、銅高・データセンター需要で週前半上昇、後半は利確 |
⚪ 資金集中組(13銘柄)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 登場パターン 月火水木金 | ストーリー |
|---|---|---|---|---|
| 285A | キオクシア | 電気機器 | ●●●●● | 5日連続売買代金首位、5/15引け後決算→PTSでS高 |
| 9984 | SBG | 情報・通信業 | ●●●●● | 値がさハイテク代表、SOX安連動で売り優勢 |
| 6857 | アドバンテスト | 電気機器 | ●●●●● | 半導体テスター、週通じ売買代金上位 |
| 6758 | ソニーG | 電気機器 | ●●●●● | ハイテク代表、決算後の調整局面 |
| 6920 | レーザーテック | 電気機器 | ●●●●● | EUV関連、週通じ売買代金上位で方向感 |
| 8035 | 東京エレクトロン | 電気機器 | ●●●●● | SPE大手、週通じて売買代金上位 |
| 4062 | イビデン | 電気機器 | ●●●●● | 半導体パッケージ、決算後の利確売り |
| 5706 | 三井金属 | 非鉄金属 | ●●●●● | 電池材料・銅で資金集中、週後半は反落 |
| 6146 | ディスコ | 機械 | ●●●●● | 研削装置、AI需要期待と決算待ち |
| 7011 | 三菱重工 | 機械 | ●●●●● | 防衛・GTCC、地政学テーマで資金集中 |
| 7203 | トヨタ | 輸送用機器 | ●●●・● | 円安158円台で堅調、週後半も底堅い |
| 8306 | 三菱UFJ | 銀行業 | ●・●●● | 米10年4.5%超え金利上昇で買い継続 |
| 5802 | 住友電工 | 非鉄金属 | ・●●●● | 電線/HEV、フジクラ問題で連れ安 |
🔴 主力値下がり組(3銘柄)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 登場パターン 月火水木金 | ストーリー |
|---|---|---|---|---|
| 5803 | フジクラ | 非鉄金属 | ●▲●▼● | 木曜S安級-19.10%急落、AI用光ケーブル期待剥落 |
| 5016 | JX金属 | 非鉄金属 | ●▼●●● | 銅高一服で連日大幅安、週間-22.91% |
| 7974 | 任天堂 | その他製品 | ▼●・●・ | 月曜決算受け売り、その後も上値重い |
📈 値上がり常連(1銘柄)
| コード | 銘柄名 | 業種 | 登場パターン 月火水木金 | ストーリー |
|---|---|---|---|---|
| 4392 | FIG | 情報・通信業 | ▲▲▼・▲ | AI関連プラットフォーム、週間+112%急騰の主役 |
主役銘柄の傾向を見ると、タイプC(資金集中組)13銘柄は半導体大型7社(キオクシア・SBG・アドバン・ソニー・レーザー・TEL・イビデン)+メガバンク(三菱UFJ)+メガキャップ(トヨタ)など、日経寄与度大手が並びます。これは「方向感はないが資金が集まり続ける主力株」で、来週の方向性を左右する重要なグループです。タイプA(主力値上がり組)が古河電工1銘柄のみと薄く、逆にタイプB(主力値下がり組)にフジクラ・JX金属・任天堂が並ぶことから、「ハイテク主役交代の途上で、金融バリュー+商社が買われた」という今週の構図が立体的に浮かび上がります。
今週のテーマ別資金フロー
📘 用語解説:テーマ別フローとは(クリックで展開)
今週の10テーマ集約での資金フローを上下TOP3で整理します。テーマ別では金融+11.86ptが圧倒的首位で、保険業+銀行業+証券先物業+その他金融業の4業種すべてがプラス寄与した結果です。一方、不動産・建設が-5.51ptで最弱テーマとなり、金利上昇局面の典型的なローテーションが現れています。
🟢 強かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 金融 | +11.86pt | 保険業・銀行業・証券先物業・その他金融業 | 米10年4.5%超の金利上昇追風、保険+6.91pt主導 |
| 2 | 商社 | +6.02pt | 卸売業 | 円安+資源動意、三菱商事・伊藤忠等堅調 |
| 3 | エネルギー | +1.42pt | 石油・石炭製品・鉱業 | 石油+5.31pt堅調も鉱業-3.89ptで相殺 |
🔴 弱かったテーマ TOP3
| 順位 | テーマ | 週間累積pt | 主要構成業種 | 牽引役/材料 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 素材 | -3.91pt | 非鉄金属・鉄鋼・化学 | 非鉄金属-5.88ptが直撃、フジクラ・JX金属急落 |
| 2 | 不動産・建設 | -5.51pt | 不動産業・建設業 | 金利上昇懸念で不動産-6.00/建設-5.02と全面安 |
| 3 | 製造業サイクル | -0.91pt | 機械・輸送用機器 | 輸送用+4.39pt vs 機械-6.20ptで内部分裂、SMC失墜 |
テーマローテーションの総括として、今週は「金融」が圧倒的に強く、「不動産・建設」「素材」が弱いという構図でした。金融テーマは保険・銀行・証券・その他金融業の4業種すべてプラスで、米10年金利4.5%超え定着が広範に効いた形。商社テーマも卸売業+6.02ptと堅調で、円安+資源動意のトリプル支援が背景にあります。
一方、素材テーマは非鉄金属-5.88ptが内部で深刻な売り、鉄鋼-1.29pt・化学-0.41ptと内部分裂状態。製造業サイクルも「輸送用機器+4.39pt vs 機械-6.20pt」と上下に大きく分裂し、テーマ単位では見えにくい「内部の偏り」が今週の特徴です。除外9業種(情報・通信業・その他金融業・金属製品・ガラス土石・繊維製品・ゴム製品・パルプ紙・その他製品・水産農林・その他金融)は今週は特に目立った塊の動きはなく、個別事情で散らばっています。
年初来高値・安値更新 週間集計
📘 用語解説:年初来高値・安値更新の5日累積の意味(クリックで展開)
業種ごとに年初来高値更新銘柄数から安値更新銘柄数を引いた「差分」を5日間累計したマトリクスから、高値モメンタムの強かった業種・弱かった業種を整理します。
🟢 高値更新が多かった業種 TOP5
| 業種 | グループ | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 5日累計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電気機器 | シクリカル | +38 | +30 | +12 | +34 | +24 | +138 |
| 機械 | シクリカル | +22 | +22 | +6 | +10 | +9 | +69 |
| 化学 | シクリカル | +9 | +9 | +8 | +17 | +6 | +49 |
| 銀行業 | バリュー | +3 | +5 | +9 | +6 | +13 | +36 |
| ガラス・土石製品 | 素材 | +5 | +6 | +4 | +5 | +3 | +23 |
🔴 安値更新が多かった業種 TOP5
| 業種 | グループ | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 5日累計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サービス業 | グロース | -16 | -20 | -10 | -36 | -17 | -99 |
| 情報・通信業 | グロース | -3 | -11 | -3 | -33 | -15 | -65 |
| 小売業 | 内需・インフラ | -8 | -24 | -7 | -21 | -7 | -67 |
| 不動産業 | バリュー | -2 | -5 | -4 | -11 | -6 | -28 |
| 食料品 | ディフェンシブ | -11 | -9 | -7 | -11 | -1 | -39 |
注目すべきは、業種ベースで「機械-6.20pt」と弱かったテクノロジー寄りの電気機器が高値更新では+138の強烈モメンタム首位に立っていることです。これは指数ベースの相対騰落と、銘柄ベースの新高値発生数で「逆の景色」が見えるという興味深い現象。電気機器の中堅・小型に強い銘柄が集中していて、大型半導体(キオクシア・アドバン)の調整が指数を押し下げる一方、出遅れの中小型が高値追いを続けているという「内部分裂」が起きている可能性が高いと見ています。
逆に、サービス業-99/情報・通信業-65は内部の売り圧力が極めて強く、グロース250の-3.93%週という結果に直結しています。FIG+112%のような飛び抜けた銘柄はあるものの、業種全体としては中小型グロースの調整局面が継続中です。
今週の3対立軸の動き
📘 用語解説:3対立軸とは(クリックで展開)
本ブログ独自の3つの対立軸(金利軸・資源軸・リスク軸)で、今週どのドライバーが相場を動かしたかを整理します。10テーマ集約からさらに3つの基本構造を取り出し、マクロ環境との関係を読み解くレンズです。
| 軸名 | 計算式 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 5日累積 | 解釈 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 金利軸 | 金融 − 不動産建設 | +1.81 | +2.51 | -0.85 | -0.66 | +2.61 | +5.42pt | 金融優位の週、米10年4.5%超追風 |
| 資源軸 | (エネ+素材+商社)/3 − (輸送物流+内需消費)/2 | -0.34 | +1.85 | +1.20 | -1.95 | -1.18 | -0.42pt | 資源系まちまち、商社強・素材弱 |
| リスク軸 | (製サイ+テクノ+素材)/3 − 生活防衛 | -1.41 | +0.94 | +0.43 | -3.32 | -1.21 | -4.57pt | 木曜以降リスクオフ、生活防衛優位 |
今週の3対立軸では、金利軸が+5.42ptと最も大きく動き、「金融優位」の週となりました。月曜・火曜・金曜と週に3日プラスを記録し、米10年金利が4.382%→4.544%に上昇した局面を素直に反映しています。本文②のテーマ別フローで金融テーマが+11.86ptと圧倒的首位だった事実と、本セクションの金利軸+5.42ptは同じ現象を異なる解像度で捉えたものです。
一方、リスク軸は-4.57ptでリスクオフ傾向。特に木曜のフジクラ-19%急落以降、製造業サイクル+テクノロジー+素材のリスクオン陣営が生活防衛に対して大きく劣後しました。木曜の-3.32ptが象徴的で、これが今週の崩れの本丸です。資源軸は-0.42ptでほぼ中立ですが、内部では「商社+6.02pt vs 素材-3.91pt」と分裂しており、単純な「資源系全部」では捉えきれない動きでした。
3軸全体の構造としては、「金利上昇+リスクオフ+資源内部分裂」。マクロ環境が米国金利上昇+ドル円158円台+WTI100ドルという「日本株にとっては条件揃いすぎ」の状態だったのに、フジクラ問題が起きてしまったために、本来の循環ローテーションが途中で崩れた、というのが3対立軸が示す構造的なメッセージです。
週間スコア推移(11因子モデル)
📘 用語解説:11因子モデルとは(クリックで展開)
11因子モデルによる今週の総合スコアは、月+1/火+1/水+1/木-6/金-1 で週合計-4ptとなりました。前半3日間で順調に+1ずつ積み上げる「やや強気」展開だったところに、木曜のフジクラ-19%S安級急落で-6点まで一気に崩れたのが今週最大の局面変化です。
月曜は前週末の流れを引き継ぎ、TOPIX+0.30%と弱含み開始しながらも、銀行+1.95%・保険+1.44%・食料品+2.98%のバリュー+ディフェンシブ買いが効いて+1の「やや強気」スタート。火曜はTOPIX+0.83%でその他金融+4.78%・非鉄+4.28%主導の循環物色が継続し再び+1。水曜は満を持してTOPIX+1.20%、値上業種26/33の広範な上昇で日経が史上最高値63,271円を記録。シ-デ差+1.44%で明確なリスクオン地合いとなりました。
しかし木曜、フジクラが-19.10%のS安級急落となって相場全体が崩落。値上業種は11/33に激減し、シ-デ差-2.38%でリスクオフへ大転換。A群-2/B群-1/C群-1/D群-3/E群+1で計-6と、今週最大の急変日です。金曜は石油+3.72%・保険+2.72%のローテーションが意地を見せて-1まで戻しましたが、非鉄金属-6.47%続落・SMC-18%・JX金属-22.91%という内部の崩れは止まっていません。
| 日付 | 総合 スコア | A群 トレンド | B群 幅・需給 | C群 勢い | D群 過熱調整 | E群 マクロ | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5/11(月) | +1 | +0 | +1 | +0 | -1 | +1 | やや強気 |
| 5/12(火) | +1 | +0 | +0 | +1 | +0 | +0 | やや強気 |
| 5/13(水) | +1 | +1 | +1 | +1 | -2 | +0 | やや強気 |
| 5/14(木) | -6 | -2 | -1 | -1 | -3 | +1 | 弱気 |
| 5/15(金) | -1 | -2 | +0 | +0 | +0 | +1 | 中立 |
| 週合計 | -4 | -3 | +1 | +1 | -6 | +3 | やや弱気 |
週合計-4ptで判定は「やや弱気」。前半3日間の+3積み上げを、木曜1日で-6まで吐き出した結果、週としてはマイナスで着地する形に。因子分解ではA群-3(トレンド大崩れ)/D群-6(過熱調整が極端)のマイナスが目立ち、E群+3(米株支援)だけでは支えきれなかったというのが構造です。
特にD群が-6まで沈んだのは、フジクラ-19%S安級・SMC-18%・JX金属-22.91%といった大型〜中型銘柄の「決算ショック型急落」が立て続けに発生したため。これは「全体としての過熱」ではなく「個別の信頼性崩壊」が同時多発的に起きた特殊な週で、リスクパラメータの読み方を間違えないよう注意したいところです。
市場体温計
📘 用語解説:市場体温計とは(クリックで展開)
本ブログ独自の三層スコアで日本株の体温を測ります。今週の体温は前半3日間が+2+2+4と「やや暖か〜熱気」で推移し、水曜の史上最高値更新の局面で熱気がピークに達しました。しかし木曜にLayer 1合計が-4へ急落し、金曜も-2のまま終わるという「急速冷却週」となっています。
Layer 1:日々の体温(5項目・週間推移 -5〜+5)
当日データから機械的に算出する基本指標です。Layer 1が示すのは「日々の相場の暖かさ/寒さ」で、+3以上で熱気・-3以下で寒さの目安となります。
| 日付 | Layer 1 合計 | 温度ラベル | L2点灯 (高温) | L3点灯 (低温) | 集中度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/11(月) | +2 | やや暖か | 0/4 | 1/4 | 32.8% |
| 5/12(火) | +2 | やや暖か | 0/4 | 1/4 | 29.7% |
| 5/13(水) | +4 | 熱気 | 0/4 | 1/4 | 24.8% |
| 5/14(木) | -4 | やや弱気 | 0/4 | 1/4 | 35.8% |
| 5/15(金) | -2 | 涼風 | 0/4 | 1/4 | 25.5% |
Layer 1の推移を見ると、月+2/火+2/水+4/木-4/金-2 と、水曜の+4「熱気」から木曜の-4「やや弱気」へ8ポイントもジャンプした極端な変化が今週の特徴です。指数ベースでは「過熱」と呼べる水準ではなかったものの、内部の銘柄需給(フジクラ等の特定銘柄崩落)が体温の急変を引き起こしました。
Layer 2:高温シグナル(4項目・点灯式)
稀な過熱の極端値を捉える4項目です(RSI70超比率≥25%/日経25日乖離率≥+8%/騰落レシオ25日≥125/信用評価損益率≥-3%)。1つでも点灯すれば「過熱気味」、2つ以上で「明確な過熱警戒」のサインです。
今週は5日間ともLayer 2は0/4で全項目消灯。過熱ブレーキは1日も点灯しませんでした。日経25日乖離率は週末で+3.24%と4%以下、騰落レシオ25日は91.06で125を大きく下回り、信用評価損益率も-4.82%で-3%を超えず、いずれも余裕がありました。つまり、今週の崩れは「過熱の解消」ではなく「個別問題の伝染」が原因だったと体温計が示しています。
Layer 3:低温シグナル(4項目・点灯式)
稀な底値の極端値を捉える4項目です(RSI30以下比率≥15%/日経25日乖離率≤-6%/騰落レシオ6日≤60/信用評価損益率≤-15%)。1つ以上点灯で「底値接近の初期サイン」、2つ以上で「明確な底値示唆」となります。
今週は5日間とも「RSI30以下銘柄比率」のみが点灯した1/4状態。週末時点で17.5%と閾値15%をやや超えており、中小型グロース中心に「個別レベルでの売られ過ぎ」が広がっていることを示します。ただし、日経25日乖離率は+3.24%(プラス圏)、騰落レシオ6日は105.61(60超)、信用評価損益率も-4.82%(-15%を大きく上回る)と、他の3項目は底値圏には至っていません。「初期サイン」レベルにとどまっており、本格的な押し目買いタイミングはまだ先と読むのが妥当です。
補助指標と相場の質
補助指標は同じ体温スコアでも「中身の質」が違う相場を識別する補助線です。週末5/15時点の主な補助指標は以下の通り:
| 補助指標 | 5/15値 | 判定 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 資金集中度(TOP3シェア) | 25.5% | 集中なし | ≥30%で集中、≥40%で極端 |
| 買い主導率(TOP20内) | 30.0% | 売り主導 | ≥70%で買い主導、≤30%で売り主導 |
| TOPIX 25日乖離率 | +2.25% | 中立 | ±5%で中立圏 |
| 日経-TOPIX乖離率差 | +0.99pt | 正常 | ≥+4ptで値がさ偏重 |
| 騰落レシオ6日 | 105.61 | 中立 | 60以下=超過冷、80以下=過冷 |
補助指標から読み取れるのは、「全体は中立圏だが、買い主導率30%で売り優勢」という不安定な質。木曜・金曜の崩れで需給が悪化していて、来週月曜の半導体株がどう寄り付くかで補助指標の方向性が決まりそうです。
今週の体温は「前半暖か→後半急冷」のパターン。Layer 1は前半+2〜+4で熱気を維持しましたが、水曜の最高値更新がピークで、木曜にLayer 1が-4へ8ポイント急落しました。Layer 2(高温シグナル)は5日間とも0/4で過熱ブレーキは未点灯、つまり「過熱の解消」ではない崩れです。Layer 3(低温シグナル)は1/4で「RSI30以下比率」のみ点灯と浅く、底値圏到達のサインはまだ確認できていません。来週は補助指標の「買い主導率30%」が改善するかどうかが、本格反発か続落かの分水嶺になります。
週間マクロ環境の変化
| 指標 | 月 5/11 | 火 5/12 | 水 5/13 | 木 5/14 | 金 5/15 | 5/15引け後 米国市場 | 週間変化 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NYダウ | 前日終値ベース | +0.74% | +0.88% | 続伸 | 続伸 | -1.07% | 週通じ最高値圏→週末反落 |
| ナスダック | +0.88% | +0.88% | +0.88% | 続伸 | 続伸 | -1.54% | 週通じ最高値継続→週末急落 |
| SOX(半導体) | – | – | – | – | – | -4.02% | 週末に半導体急落 |
| VIX | 18.21 | 18.91 | 17.90 | 17.92 | 18.66 | 18.42 | +1.59pt(小幅上昇) |
| ドル円 | 157.10 | 157.64 | 157.79 | 157.90 | 158.42 | 158.71 | +1.04円(円安進行) |
| 米10年金利 | 4.386% | 4.435% | 4.461% | 4.461% | 4.544% | 4.597% | +0.16pt(上昇定着) |
| WTI原油 | 100ドル台 | 100ドル台 | 100ドル台 | $101.58 | $100.55 | $101.02 | 100ドル維持 |
マクロ環境の総括として、今週は米10年金利4.5%超え定着+円安158円台+WTI100ドル維持という「日本株にとって条件揃いすぎ」の状態でした。ドル円は157円台→158円台へ進行し輸出株を支援、米10年金利上昇は銀行・保険セクターの利ザヤ拡大期待を生み、WTI100ドル維持は石油株を支えました。VIXは18台で平静、米株3指数も週前半まで最高値圏で推移しました。
ただし金曜引け後の米国市場が急変。NYダウ-1.07%、ナスダック-1.54%、SOX-4.02%と3指数揃って大幅下落、特に半導体指数の-4%超は来週月曜の日本半導体株への直接的な逆風となります。日経先物夜間は終値61,800円(日中比▲240円、高62,190円/安61,430円)で、SOX-4%の割には限定的な反応にとどまっており、来週月曜は半導体中心の弱含みスタートが本線と読めます。
来週の重要イベント
★★★(最重要)=FOMC・日銀会合・米CPI・米PCE・米雇用統計・主要大型株決算 – 相場の流れを直接変える級
★★(注目)=中規模経済指標(PMI/小売)・中堅企業決算・G20等 – セクター単位で影響
★=その他参考イベント
来週(5/18-22)は決算ピークを越えており、★★★級イベントはありません。注目は1点のみで、5/21(木)22:45の米PMI速報値です。
| 日付 | 時刻 | 地域 | イベント名 | 重要度 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/21(木) | 22:45 | 米 | 米PMI(購買担当者景気指数・速報値)05月 | ★★ | 製造業/サービス業/総合の3指標。50超で景気拡大。FOMC・CPIではないが景気減速度合いとFRB利下げ観測に影響、日本株(輸出・素材)に波及 |
★★★級イベントがない静かな週は、決算後の業績精査と需給(信用残・空売り)が主役になります。今週崩れた半導体株(フジクラ・キオクシア・SBG)の戻り具合と、フジクラの底入れ確認がメインテーマになりそうです。
来週のシナリオ分析
今週末の引け値(日経61,409円)と5/15引け後の先物動向(日経先物夜間61,800円・日中比▲240円)、5/15(金)引け後のSOX-4.02%、米10年4.597%上昇を前提に、来週の3層構造でみるシナリオを組み立てます。マクロ層→テーマ層→業種・銘柄層の3層が同じ方向を示すかを確認した上で、メインシナリオを構築します。
- 金利軸 +5.42pt(連続+3日) 金融優位継続
- リスク軸 -4.57pt(連続-2日) 木曜以降リスクオフ
- 資源軸 -0.42pt 中立だが内部分裂
- 市場体温計:L1 -2「涼風」/ L2 0/4(過熱なし)/ L3 1/4(RSI30以下のみ点灯)
- 最強:金融 +11.86pt(保険・銀行・証券・その他金融すべてプラス、強流入継続)
- 次点:商社 +6.02pt(円安+資源動意のトリプル支援)
- 最弱:不動産・建設 -5.51pt(金利上昇懸念で全面安)
- もう1つの敗者:素材 -3.91pt(非鉄金属-5.88ptが内部直撃)
- 🔥本格流入:保険業+銀行業+輸送用機器+石油・石炭製品 が金融+輸出+エネルギーで一致
- 主役銘柄タイプC(資金集中組)13銘柄は半導体大型7社+メガバンク+メガキャップで日経寄与度大手が連日売買代金上位
- 非鉄金属-5.88pt+機械-6.20ptはフジクラ-19%S安級+SMC-18%+JX金属-22.91%の決算ショック型急落で底入れ未確認
- 電気機器は高値更新ベースで+138の強烈モメンタム首位だが大型半導体は調整中(内部分裂)
来週は月曜SOX-4.02%安連動で半導体中心の弱含みスタート、しかし火〜木で押し目買いが入り戻し、金融×商社×エネルギーの主役交代継続が本線。
- 期待エリア:保険業(東京海上・MS&AD)/銀行業(三菱UFJ・三井住友)/輸送用機器(トヨタ・ホンダ)/石油・石炭製品(ENEOS・出光)
- 継続性試金石:半導体大型7社(キオクシア・アドバン・TEL・SBG等)— 月曜寄り付き後の戻りの強さがメインシナリオ継続の鍵
- 底打ち待機:非鉄金属(フジクラ・JX金属)— 自律反発の入りどころは火曜以降、底値確認まで新規買いは見送り
- マクロ材料注視:5/21(木)22:45 米PMI速報値 — 50超なら強気継続、未満なら景気減速懸念でリスクオフ加速
分岐リスクと警戒トリガー
🌧️ 弱気分岐A:調整継続シナリオ(確率35%)
月曜SOX安連動の半導体続落が予想以上に深く、フジクラが底入れせず追加売り。米PMIが期待を下回ると、金融以外も剥落するパターン。日経25日線60,500円付近のテストもあり得ます。グロース250は700円台へ調整継続。
⚡ 最弱気分岐B:弱気転換シナリオ(確率15%)
SOX続落+VIX25超え、米10年金利4.6%超え定着で日米金利差拡大もハイテク全般売り。半導体決算ガイダンス下振れ連発、円安加速で輸入物価懸念再燃。日経60,000円割れトライ、信用評価損益率-10%突破でグロース崩落。
📖 もっと詳しく:3層構造の論理プロセスを最初から追う
層1:マクロ層 ─ 「金利上昇+円安継続+リスクオフ反転」
今週のマクロ環境は、日本株にとって「条件揃いすぎ」の3点セットでした。米10年金利は4.382%→4.544%(5/15引け後は4.597%)と上昇定着し、ドル円も156.79円→158.42円(5/15引け後は158.71円)と円安進行。WTI原油は100ドル前後を維持し、エネルギー株支援が継続。これらは輸送用機器(+4.39pt)、銀行業(+2.72pt)、石油・石炭製品(+5.31pt)を通じて素直に株価に反映されました。
しかし、リスク軸が-4.57ptと大きく崩れたことは見逃せません。木曜単日で-3.32ptの急落を記録し、これがフジクラ-19%S安級と同時発生した「内部からの崩落」です。マクロ環境(外部条件)は強気のままなのに、内部のリスクテイクが急冷却したという、極めて不安定な構造を週末時点で抱えています。
市場体温計も同じことを示しています。Layer 1は週前半+2/+2/+4と熱気維持から、木金で-4/-2へ急落。Layer 2(高温シグナル)は5日間とも0/4で過熱ブレーキは未点灯、Layer 3(低温シグナル)はRSI30以下比率のみ1/4で点灯。これは「過熱の解消による調整」ではなく、「個別問題の伝染による急冷」という質の悪い崩れです。
層2:テーマ層 ─ 「金融×商社の本格化×素材×製造業の内部分裂」
10テーマ集約での週次累積pt第1位は金融+11.86ptで、構成4業種(保険・銀行・証券先物・その他金融)すべてプラス寄与した「揃った強さ」が特徴です。これは木曜のリスクオフ局面でも金融が崩れず、金曜の戻り局面でも保険+2.72%/卸売+0.74%/輸送用+2.57%と継続して買われ続けた事実が裏付けます。来週も「金融×商社×エネルギー主導の循環ローテーション」が本線シナリオの根拠です。
一方、不動産・建設テーマは-5.51ptで最弱、金利上昇懸念で不動産業-6.00pt/建設業-5.02ptの両方が大きく沈みました。これは米10年金利4.5%超え定着の負の側面で、来週も金利が4.5%以上で定着するなら、不動産・建設は反発しにくい局面が続きます。
注目すべきは、製造業サイクルテーマ(-0.91pt)と素材テーマ(-3.91pt)の「内部分裂」。製造業サイクルでは輸送用機器+4.39pt vs 機械-6.20ptと真逆の動き、素材では化学-0.41pt/鉄鋼-1.29pt/非鉄金属-5.88ptとバラバラ。これはテーマ全体としては動いていないが、内部で「決算サプライズ+テーマ性のある中堅銘柄」と「決算失望+業績下方修正の大型銘柄」の二極化が進んでいることを示します。
層3:業種・銘柄層 ─ 「日経寄与度大手の資金集中継続+ハイテク中小型の高値追い継続」
業種・銘柄層では、主役銘柄タイプC(資金集中組)が13銘柄と最多となり、半導体大型7社(キオクシア・SBG・アドバン・ソニー・レーザー・TEL・イビデン)+メガバンク(三菱UFJ)+メガキャップ(トヨタ)といった日経寄与度大手が連日売買代金上位に居座りました。これらは方向感はないが資金が集まり続ける「主力株プール」で、来週の方向性を左右する重要なグループです。
逆に、タイプA(主力値上がり組)が古河電工1銘柄のみと薄く、タイプB(主力値下がり組)にフジクラ・JX金属・任天堂が並ぶことから、「主力ハイテクは止まり、主力ハイテクの一部が崩れた」という偏った構図が見えます。これは来週も尾を引くと考えるのが妥当です。
一方、高値更新ベースでは電気機器が+138で強烈モメンタム首位。これは「指数ベースでは調整中の電気機器」と「銘柄ベースでは中堅・小型に新高値続出」という真逆の景色が同時発生していることを意味します。FIG+112%、デクセリ+41%、オプテックスG+39%、ウシオ+25.94%等の中堅電気機器・電子部品で、決算サプライズ+テーマ性のある銘柄に資金が継続して集中しています。来週もこの「中小型ハイテクの高値追い」は続く可能性が高いと見ています。
3層統合の読み方
3層を統合すると、来週の本線は「マクロ追風(金利上昇+円安+WTI高)を背景に、金融バリュー+商社+輸出が本格買戻し継続。半導体大型は月曜SOX安連動で底値確認、火〜木で押し目買いが入る戻り基調。中小型ハイテクの高値追いも継続」というシナリオになります。
これが崩れる最大のリスクは2つ。1つは「フジクラの底入れ確認失敗」で、追加売りが出ると非鉄金属が再度崩れて素材テーマ全体が引きずり下げられ、循環ローテーションが止まる展開。もう1つは「米10年金利4.6%超え定着」で、これが続くと不動産・建設の本格剥落+グロース250の続落+信用評価損益率の悪化が同時進行し、A群-5の弱さがさらに深刻化する展開です。
3層構造が同じ方向を示しているため、メインシナリオの軸は1つに絞れますが、警戒トリガーが出た瞬間に弱気分岐に切り替える柔軟性が必要です。来週月曜の半導体株の寄り付きが最初のチェックポイントになります。
来週の注目セクター
| 判定 | セクター | 累積pt | シナリオ別見通し |
|---|---|---|---|
| 🟢 継続買い | 保険業 | +6.91 | A:強含み継続 / B:しばらく堅調 / C:利確売り注意 |
| 🟢 継続買い | 銀行業 | +2.72 | A:米10年4.6%超で本格化 / B:堅調 / C:景気減速で売り |
| 🟢 継続買い | 卸売業 | +6.02 | A:商社主導継続 / B:WTI100$維持で買い継続 / C:資源安なら剥落 |
| 🟢 継続買い | 輸送用機器 | +4.39 | A:円安+SOX回復で買い継続 / B:円安テクニカル支援 / C:円高反転リスク |
| 🟡 押し目買い候補 | 電気機器 | -2.20 | A:SOX下げ止まり後押し目買い / B:戻り鈍く反落 / C:半導体続落で売り |
| 🟡 押し目買い候補 | 情報・通信業 | -2.74 | A:SBG戻り+AI関連回復 / B:値がさ反発鈍い / C:売り継続 |
| 🔴 警戒継続 | 非鉄金属 | -5.88 | A:フジクラ自律反発 / B:銅高一服継続 / C:全面安加速 |
| 🔴 警戒継続 | 機械 | -6.20 | A:押し目買いも限定的 / B:中堅売り継続 / C:設備投資減速懸念加速 |
| 🔴 警戒継続 | 不動産業 | -6.00 | A:金利上昇一服で買戻し / B:売り継続 / C:大型剥落 |
| 🔴 警戒継続 | 建設業 | -5.02 | A:横ばい / B:中堅売り継続 / C:大型剥落 |
シナリオ検証:先週の予想 vs 今週の実績
本シナリオ検証は週次運用2回目以降に開始する予定です。今週は本格運用初週のため、本セクションは空欄とさせていただきます。来週以降は、今週のメインシナリオ「金融バリュー継続買い+半導体底入れ待ち(確率50%)」が的中したかどうかをここで振り返ります。
🏆 今週の総合判定:やや弱気〜中立(週合計:-4pt)
週次スコア推移:月+1 → 火+1 → 水+1 → 木-6(最低)→ 金-1
A〜E群 週次合計:
- A トレンド:-3(日経-2.08%・グロース-3.93%で大型と小型ともに弱含み)
- B 幅・需給:+1(前半3日の幅広い物色がプラス寄与)
- C 勢い:+1(火水の急増銘柄の勢い継続も後半で打ち消し)
- D 過熱調整:-6(フジクラ・SMC・JX金属の決算ショック型急落で-6)
- E マクロ:+3(米株最高値圏推移・SOX急落は週末のみで救い)
今週の総括:月火水で順調に+1ずつ積み上げて水曜に日経63,271円の史上最高値を更新したものの、木曜のフジクラ-19%S安級急落で-6まで崩れ、金曜も戻り切らず-1で着地。週合計-4ptで「やや弱気〜中立」を維持するも、内部需給(買い主導率30%・サービス業-99の内部崩壊)の悪化は深刻です。ハイテク主役から金融バリュー+商社主役への交代が進む途中で「中継ぎミス」が起きた1週間と整理できます。来週は層1〜層3の3層構造が示す「金融買戻し継続+半導体底入れ待ち」のメインシナリオに沿った押し目買いができるか、それとも警戒トリガーが点灯してサブシナリオへ切り替わるかが分水嶺になります。
📊 スラッグ:japan-stock-weekly-20260515


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